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1969-06-19 第61回国会 衆議院 地方行政委員会 第41号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十四年六月十九日(木曜日)     午前十時四十分開議  出席委員    委員長 鹿野 彦吉君    理事 大石 八治君 理事 塩川正十郎君    理事 古屋  亨君 理事 細田 吉藏君    理事 保岡 武久君 理事 山口 鶴男君    理事 山本弥之助君 理事 折小野良一君       青木 正久君    桂木 鉄夫君       亀山 孝一君    川崎 秀二君       吉川 久衛君    渡海元三郎君       永山 忠則君    葉梨 信行君       水野  清君    山村新治郎君       井岡 大治君    小川 三男君       河上 民雄君    太田 一夫君       野口 忠夫君    依田 圭五君       門司  亮君    小濱 新次君       林  百郎君  出席国務大臣         自 治 大 臣 野田 武夫君  出席政府委員         運輸省航空局長 手塚 良成君         自治政務次官  砂田 重民君         自治省財政局長 細郷 道一君  委員外出席者         経済企画庁総合         開発局水資源課         長       松村 賢吉君         大蔵省主計局主         計官      井上 幸夫君         農林省農地局参         事官      井元 光一君         運輸省自動車局         業務部旅客課長 菅川  薫君         運輸省航空局飛         行場部長    丸居 幹一君         建設大臣官房公         共用地課長   西原 俊策君         建設省計画局技         術調査官    南部 三郎君         建設省河川局都         市河川対策室長 飯塚 敏夫君         建設省道路局企         画課長     井上  孝君         建設省道路局高         速国道課長   松崎 彬麿君         自治大臣官房参         事官     佐々木喜久治君         参  考  人         (新東京国際空         港公団総裁)  今井 栄文君         参  考  人         (新東京国際空         港公団総裁) 山本 力蔵君         参  考  人         (新東京国際空         港公団理事)  岩田 勝雄君         参  考  人         (新東京国際空         港公団理事)  石原 耕作君         参  考  人         (新東京国際空         港公団理事)  米川 健夫君     ――――――――――――― 六月十八日  委員大野潔辞任につき、その補欠として小川  新一郎君が議長指名委員に選任された。 同月十九日  委員岡崎英城君、斎藤寿夫君、山口シヅエ君及  び河上民雄辞任につき、その補欠として桂木  鉄夫君、川崎秀二君、葉梨信行君及び小川三男  君が議長指名委員に選任された。 同日  委員桂木鉄夫君、川崎秀二君、葉梨信行君及び  小川三男辞任につき、その補欠として岡崎英  城君、斎藤寿夫君、山口シヅエ君及び河上民雄  君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 六月十八日  地方公務員法の一部を改正する法律案反対に関  する請願安宅常彦紹介)(第八八二四号)  同(阿部昭吾紹介)(第八八二五号)  同(阿部哉君紹介)(第八八二六号)  同(赤路友藏紹介)(第八八二七号)  同(淡谷悠藏紹介)(第八八二八号)  同(井岡大治紹介)(第八八二九号)  同外一件(井手以誠君紹介)(第八八三〇号)  同外十三件(伊賀定盛紹介)(第八八三一  号)  同(猪俣浩三紹介)(第八八三二号)  同(石川次夫紹介)(第八八三三号)  同(石田宥全君紹介)(第八八三四号)  同(石野久男紹介)(第八八三五号)  同(石橋政嗣君紹介)(第八八三六号)  同(板川正吾紹介)(第八八三七号)  同(稻村隆一君紹介)(第八八三八号)  同(江田三郎紹介)(第八八三九号)  同(枝村要作紹介)(第八八四〇号)  同(小川三男紹介)(第八八四一号)  同(木原津與志君紹介)(第八八四二号)  同(木原実紹介)(第八八四三号)  同外一件(島本虎三紹介)(第八八四四号)  同(成田知巳紹介)(第八八四五号)  同(山口鶴男紹介)(第八八四六号)  同外三件(井岡大治紹介)(第八九四六号)  同(岡田利春紹介)(第八九四七号)  同外六件(河上民雄紹介)(第八九四八号)  同(田代文久紹介)(第八九四九号)  同(野口忠夫紹介)(第八九五〇号)  同外三件(長谷川正三紹介)(第八九五一  号)  同(細谷治嘉紹介)(第八九五二号)  同外十件(山口鶴男紹介)(第八九五三号)  同外十二件(山本弥之助紹介)(第八九五四  号)  同外四件(依田圭五君紹介)(第八九五五号)  同(島本虎三紹介)(第八九八八号)  同(田中武夫紹介)(第八九八九号)  ゴルフ場に係る娯楽施設利用税交付率引上げ  に関する請願早稻田柳右エ門紹介)(第八  九五六号)  地方公営企業法の一部改正等に関する請願(谷  口善太郎紹介)(第八九七四号)  地方公営企業法の一部改正に関する請願外一件  (佐野進紹介)(第八九八五号)  同外一件(島上善五郎紹介)(第八九八六  号)  同外一件(長谷川正三紹介)(第八九八七  号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の  特別措置に関する法律案内閣提出第五七号)  地方自治法の一部を改正する法律案起草の件      ――――◇―――――
  2. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 これより会議を開きます。  新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の申し出があるますので、順次これを許します。太田一夫君。
  3. 太田一夫

    太田委員 最初に副総裁お尋ねをいたしますが、飛行場敷地にかかる市町村というのはどことどことどこでございますか。
  4. 山本力蔵

    山本参考人 千葉成田市、芝山町、大栄町、多古町でございます。
  5. 太田一夫

    太田委員 それぞれの人口とその市町村財政規模、お調べになったものがございますか。
  6. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 お手元の資料自治省から提出いたしました参考資料の三三ページ以下に人口財政状況等につきましての資料がございますが、人口昭和四十年の国勢調査人口で、成田市が四万二千四百七、富里村一万一千五百二十四、大栄町一万三百九十七、多古町一万八千三百三十九。それから財政状況は、この関係市町村につきまして三五ページと三六ページに昭和四十一年度及び昭和四十二年度の決算数字がございますが、昭和四十二年度で申しますと、成田市が歳入規模におきまして八億二千五百万円、富里村が二億三千八百万円、大栄町が一億八千百万円、多古町が三億五千百万円ということになっております。
  7. 太田一夫

    太田委員 芝山町をどうして抜いたのですか。
  8. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 芝山町でございますが、芝山町は人口昭和四十年の国勢調査におきまして八千九百二十五人、それから財政規模昭和四十二年の歳入決算におきまして二億六百万円ということになっております。
  9. 太田一夫

    太田委員 いまは自治省の御答弁でございますけれども、私は公団当局お尋ねをしておるわけです。公団当局のほうの御答弁がないのが遺憾です。公団当局自分のところの敷地になるところ、そしてまた、今後関連事業をさせなければならないところの市町村の現況について認識がないということは、私は遺憾だと思う。何も自治省お尋ねしておるわけじゃない。どうして公団当局そのお答えができないのですか。
  10. 山本力蔵

    山本参考人 まことに申しわけありませんでした。ただいま自治省からお答えいただいたとおりでございますが、私どもはなはだ不勉強で申しわけございません。
  11. 太田一夫

    太田委員 不勉強だとおっしゃってあやまられると、私どももどうもほこ先が鈍るのですが、もう一つ、いま関係市町村歳入規模について四十二年度の御発表が自治省からありましたが、その歳入というのはいわばその市町村自治体の独自の力によるところの歳入ではない。税金であるとかあるいはその他交付税を含めて当然くるべきものでなくして、足らなくて歳入歳出の帳じりを合わせるためには借金をしておるはずなんですが、借金はどれくらいしておるものと御認識でございますか。
  12. 山本力蔵

    山本参考人 お尋ねの御趣旨は各市町村の現在の起債総額でございますか。それにつきましても全額まだ私ども調べておりませんで、自治省のほうで……。まことに申しわけありません。
  13. 太田一夫

    太田委員 じゃ自治省から言うてください。
  14. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 先ほどお答え申しました各市町村歳入予算のうちで地方債に依存しております部分は、成田市が、昭和四十一年度で五千三百万円、歳入総額の七%で程度でございます。四十二年度で六千九百万円、歳入総額の八・四%程度でございます。それから富里村は、四十一年度で二百万円、一%、四十二年度で二千百万円、歳入総額の八・九%。それから大栄町が四十一年度一千百万円で六・四%、四十二年度が百万円、〇・七%であります。それから多古町が四十一年度で七百万円、二%程度、四十二年度が二百万円で〇・六%、芝山町が四十一年度四百万円で二・一%、四十二年度で七百万円、三・六%でございます。  なお、公債費比率成田市で大体四%強、それから富里村で一%程度、それから大栄町が三%前後であります。それから多古町が二%程度、それから芝山町が四%程度でございます。したがいまして、公債費比率は他の市町村に比べましても高くはない状況でございます。
  15. 太田一夫

    太田委員 公団のほうに重ねてお尋ねしますが、いま自治省のほうからありました起債の額についてお話はお聞きのとおりであります。  そこでもう一つ、みずからの力で生み出し地方税と、それから別の計算によりまして、財政力不足のためにそれを埋め合わせる地方交付税というのがあるのですが、その割合というものが、成田市の場合は除きまして、富里などに至りますと、その独自の地方税額よりは二倍以上の交付税をもらって、それでどうやらやりくりをする、こういう状態でございまして、大栄町においても多古町においても芝山町におきましても、同じようにその交付税割合というのは非常に高いのです。全体の歳入の中の三分の一から五割に近い率を占めておるわけでありますから、自分の独力をもって町建設のために仕事をやるという力が実はない、そういうところなんです。そういうことはどこかでお聞きになったことがありますか、あるいはお調べになったことがあるでしょうか。
  16. 山本力蔵

    山本参考人 ただいま先生から御意見のとおりでございまして、大体農村部市町村におきましては、おっしゃるとおり、従来千葉県におきましても、この芝山あるいは富里多古、さらにその付近の町村におきましても、最近人口が非常に少なくなりまして、しかもその産業の形態は農業でございます。さような意味で大部分町村はだんだん交付税に依存する程度が高くなっていることは、この富里大栄多古芝山等と同様な状況千葉県の北総町村状態でございます。中には人件費自主財源ではまかない切れない町村が大部分でございます。現在の町村財政状況は、都市を除きまして一般的にさような状況でございます。個々の町村も当然その中に入ると存じます。
  17. 太田一夫

    太田委員 それは別なことばでいうと、俗なことばでいうなら、飛行場をそこにつくる、そうすると飛行場をつくったがゆえに付帯的な事業において相当額持ち出しをしなければならない、いわば御迷惑をかけるなあというお気持ちがおありなのか、飛行場を持っていってやったから、いままで貧乏な市町村にかえっていいことになるんだから、これで喜んでいるというふうにお考えになるのか、その考え方、どちらでございますか。
  18. 山本力蔵

    山本参考人 財政の面からだけ申し上げますと、周囲に飛行場ができますことによりまして開発され、しかも農村の子弟の就職の場所等もできますし、また市町村財政も豊かになる、私はさように感じております。
  19. 太田一夫

    太田委員 財政面から豊かになる、それはどういうふうに豊かになりますか。たとえば今度の関連事業においても、あなたのほうで全部おやりになるわけじゃない、県、市町村負担を負わせておるでしょう。そして、そこにおる人たちは、いわば非常な騒音に悩まされたり、それから、いままで鶏を飼って卵を産ましていたのが卵を産まなくなるといういろいろな問題が出てくると思いますから、営農の姿を変えなければならぬわけです。だから、あなたのほうは、財政的にゆとりができるというのは、どこを調査をしておっしゃるのでしょう。たとえば成田市だけのことでございますか。かりに芝山町なら芝山町というような農村地帯も含めて、関連する市町村全部が財政的に今後恵まれる、こういう結論をお出しになったのでございますか。
  20. 山本力蔵

    山本参考人 成田市は、これは税収の面でございますが、今後その自治体事業量によりまして財政のバランスは変わるかと存じますが、一応税収につきましては増加する、かように考えておる次第でございます。
  21. 太田一夫

    太田委員 財政規模についてのいままでの御検討もないままに、飛行場ができたならば財政的にゆとりがあるというように、財政的な結論をあなたは簡単にお出しになりますが、感じだけなんですか。どういう根拠に基づいて楽になるということをあなたは結論づけられますか。
  22. 山本力蔵

    山本参考人 私は、実は飛行場地域北総に住んでおるわけであります。かねてから、先ほども申し上げましたが、千葉県は京葉工業地帯を中心といたしまして非常な発展をしておりますけれども、その反面、北総地帯におきましては過疎の状態を呈しまして、特に北総地帯県民所得県下最低であります。  そこで、私ども地域住民といたしましては、その原因は、どうしても農村の若い方々はほとんど千葉あるいは東京につとめに出ておる、商人のほうも、人口が減りますので営業が不振である、住民の間から、どうしてもこの地域工業あるいはそういう人の集まる施設がほしい、しかも交通がきわめて不便である、かようなところでこの飛行場が問題になりましたときに、私ども地域におきましては、いろいろ飛行場に伴うところの住民に対する御迷惑あるいは公害等はありますけれども北総全体といたしましては、これらによって相当潤うだろうということを私どもは信じておるわけでございます。  かような一般論から申しまして、ただいま先生の申されましたとおり、この農村地域につきましても、公害は別といたしまして、財政的なゆとりはできるだろう、かように私は考えておる次第でございます。
  23. 太田一夫

    太田委員 県と市町村あわせて特例的な措置をいたしまして、補助金かさ上げをいたしましても、百四十五億の負担をせなければならぬわけです。飛行場がくるということだけでそれだけの投資をしなければなりません。百四十五億という投資をしなければなりません。これは根抵当のようなものです。ですから、いまあなたのおっしゃるように、何かが来るであろうという淡い期待を持つということもその人々の自由ですから、別にとやかく申しませんが、飛行場周辺に好んでその場所を求めて人が蝟集してくる、商売が繁盛するからというので、商人とか事業家が来るということは限界があるわけです、どこの飛行場に行っても。これは通過旅客が多いのでありまして、そう大きく当該市町村を潤すというようなことは考えられません。そこであなたは、副総裁としては大きいことをお考えになっていらっしゃるその立場から、私はお考えの一端を承ったのでございますが、これ以上そのことを私はあなたにお尋ねしようとは思いません。  自治大臣お尋ねしますが、成田空港を今回建設するにあたりまして、あなたのほうは、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律案というものをお出しになった。この中にこう書いてありますね。「新空港設置に伴い、周辺地方公共団体等関連する道路その他の公共施設整備を計画的かつ総合的に進める必要がありまして、その財政負担も相当な額になるものと予想されます。」そういう認識のもとにこの特例を御提案なさっておるのであります。  そこで、ちょっと聞きますが、現行法の中にもこういうような飛行場のごときものをつくります場合、それに関連をして起こるいろんな事業については、これに対し特例措置補助をしておる。補助金かさ上げないしは特例措置により法定されたいろんな制度があるわけです。これを見ると、あとのほうに関連する法律と出てきているでしょう。「特別措置に関する法律案関係参照条文等」というのがありますが、その中にありますのは、道路法とか道路整備緊急措置法とか下水道法清掃法義務教育学校施設費国庫負担法土地改良法水資源開発公団法でございますね。一番大事な公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害防止等に関する法律、これは一向にこの中に関係法律として載せられておりませんですね。これはどういうことなんですか。公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害防止等に関する法律関係ないのですか。
  24. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 ここで参照条文として掲げてありますものは、この特別措置法規定に直接関連する条文でございまして、その公共飛行場特例措置によりまして行なわれます事業はこの法律には直接関係がないという意味で、この参照条文としましては、補助率特例措置を設ける部分について参照条文を掲げたわけです。
  25. 太田一夫

    太田委員 これまたふしぎな話を聞きますね。公共用飛行場周辺というこの法律は、第五条にこういうことをうたっていますね。「特定飛行場設置者は、地方公共団体その他の者が当該飛行場周辺における航空機騒音により生ずる障害防止し、又は軽減するため、次の施設について必要な工事を行なうときは、その者に対し、政令で定めるところにより、予算の範囲内において、その費用の全部又は一部を補助するものとする。一 学校教育法規定する学校 二 医療法規定する病院 三 前二号の施設に類する施設政令で定めるもの」これは重大な規定じゃありませんか。公共用飛行場をつくった場合に、それによって生ずる障害がある。騒音が非常にうるさくて、学校とか病院とか、その他政令で定める施設については、原因者費用の全部まで持ちなさいという法律があるじゃありませんか。全部持つなら、新たにこんな特例措置は要らぬじゃありませんか。これはどういうことなんです。大臣、あなた閣議でいろいろ御相談なさったでしょうから、一ぺん感想を言ってもらいたい。どうしてこの法律関係ないのですか。
  26. 野田武夫

    野田国務大臣 太田さんの御指摘のありました騒音関係法規ですが、これは空港建設に伴う絶対必要な問題でありますから、これは空港建設に伴うてはほかに、つまり騒音の問題の措置に対する法規が別にございますので、特別措置の中に入れる入れぬは別として、これはもう当然――つまり建設に伴う措置として他に法規防音装置の問題はございますから、ちっともこの問題と――関連はありますが、なくてもこれは問題なく解決する、こういう考え方でございます。
  27. 太田一夫

    太田委員 問題なく解決するということは、たとえば教育施設三分の二の今度は負担特別措置による国の負担割合でございますね。三分の二にする、約七割。ところが、片方において、いまの騒音障害防止に関する法律によれば、その費用の全部というところまで予算上の措置をすれば行き得られるわけです。三分の二にしておかぬでもいいじゃないですか。全部やればいいじゃないですか。これほど反対があり、これほど問題になっておるのを、スムーズに障害なく建設しようとすれば、既存法律を使って、その全額というところになぜ着目しその制度を生かさなかったか、これはどうなんですか。
  28. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 ただいまの騒音対策等で、教育施設等につきましてのこの法律による負担は、全額公団負担として出資するようになっているわけでございます。この資料は、自治省提出資料の三十一ページに、教育施設等としまして、騒音対策学校等につきまして七億一千万円、それから保育所等につきまして二千六百万円、これがその騒音対策といたしまして全額公団負担になる部分でございます。  ただいまのお尋ねございました小中学校等におきましての三分の二の負担は、成田市に設置されますニュータウン建設関連いたしまして、空港関連者が移住するであろう人口と、それから、それに要する教育施設等考えまして、そうした新しく設置する分につきまして、三分の二の高率補助を認めたということでありまして、既存のものにつきましては、いま申しましたように全額公団負担工事を実施することに相なっております。
  29. 太田一夫

    太田委員 それじゃ、既存の小学校を改築したり改良する場合は全額公団負担する。新たにニュータウン建設する学校のみが三分の二の補助だ、こういうように理解してよろしいですか。
  30. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 騒音対策として実施いたします分は、いわば既存施設等について行なうわけでございます。それが騒音対策として必要な部分は、全額公団負担になっているわけであります。それでニュータウン建設は、騒音対策に直接関連するものではございませんで、空港関連人口が増加をしていく、そのために教育施設を新たに設置しなければならない、そういう意味高率補助規定でございます。
  31. 太田一夫

    太田委員 念のために聞きますが、そうすると、騒音防止のために全額公団負担する学校というのは全部で二十二校、成田市十校、芝山町六校、千葉市一校、多古町二校、下総町三校、全部合わせて二十二校ということでございますか。
  32. 丸居幹一

    丸居説明員 騒音防止法関係公団負担する学校の数につきましては、いま先生がおっしゃるとおりでございます。その数字でそれだけ全部公団負担することになっております。
  33. 太田一夫

    太田委員 そうすると、いまの二十二校については全額公団負担いたしまして、決して地元には負担させない、こういうふうに理解をして間違いございませんですね。それじゃそう理解しましょう。  そうしますと、いまのニュータウンにつくるところの学校というものに対する補助が三分の二になる。しかしニュータウンというのは、飛行場関連をしてできる新たなる町でございましょう。自治省、そうじゃございませんか。自治省のほうからお答えいただいてけっこうです。
  34. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 現在計画いたしておりますニュータウンは、大体人口六万規模を想定いたしておるわけでありますけれども、この人口の中には直接空港関連する人とそれ以外のものとが想定されておりまして、空港関連人口は約二万五千人というものを想定いたしております。したがって、事業としましては、本来のニュータウンというものが六万規模でありますけれども、対象となります分は、空港に直接関連をするという意味で二万五千人規模のものを想定いたしておるわけでございます。
  35. 太田一夫

    太田委員 空港ができるために新しい町ができるならば、原因者空港じゃありませんか。いま日本の各種の建設関係の諸法律の中には、原因者負担というのが各所に出てくるでしょう。原因者負担という制度からまいりますならば、これは原則として予算が託す限りにおいては全額原因者負担するというのがたてまえじゃありませんか。違うのですか。
  36. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 このニュータウン計画自体は、その地域において六万規模の新しい町をつくることが、ちょうどあの地域にとってふさわしいという形で想定をされて建設されるわけでありますが、現在の空港建設予定その他の施設規模等から見まして、空港関連者はおそらくその中の二万五千人であろうということを想定したわけでございます。そういうことでこの高率補助対象となります事業も、全体としては六万人規模でありますけれども、直接関連する二万五千人ということを一応想定しておる一わけでございます。ただ、その事業としまして、ニュータウンの基礎的な施設につきましては、現実問題として事業を分割するわけにいきませんので、基礎的な都市計画事業等につきましては、一応六万人をすべて高率補助の対象にいたすわけでございますけれども、その上のものになります学校等の施設につきましては、空港関連の直接の事業としましては、二万五千人の人口を想定した施設を予定いたしまして、三分の二の高率補助をするということにいたしておるわけでございます。
  37. 太田一夫

    太田委員 大臣にもう一回お尋ねしますが、たとえば河川法におきましては六十七条、道路法においては五十八条に、原因者負担金という制度がございますね。道路法でまいりますと、「道路管理者は、他の工事又は他の行為に因り必要を生じた道路に関する工事費用については、その必要を生じた限度において、他の工事又は他の行為につき費用負担する者にその全部又は一部を負担させるものとする。」いわば道路を直さなければならぬとか、改良しなければならぬとか、いろいろ問題が起きた場合に、その原因空港原因するとするならば、空港公団が全部持つんだ、市町村とか県が持つのじゃない、これが一番理想的なたてまえ。それがはっきりと、道路法五十八条、河川の場合は河川法六十七条に明記されておる。これは間違いないですね。
  38. 野田武夫

    野田国務大臣 いまの道路法、河川法はそのとおりです。
  39. 太田一夫

    太田委員 そうすると、五十一号線というのはなぜ県に負担させるのですか。
  40. 野田武夫

    野田国務大臣 道路法、河川法はそのとおりですが、これに基づいて国と地方公共団体全額を持つ場合と――つまり、たとえばいまの空港公団が持つ場合と、それから国と地方が持つ場合と、その内容によって財源措置が変わってくる、こう思っております。
  41. 太田一夫

    太田委員 もう少し佐々木さんに答えてもらってもよろしいですが、大臣はそういう大ざっぱな上の総論をお答えになったとして、具体的な問題を佐々木さんから答えていただいてけっこうだが、五十一号線の改修工事に対して、これは空港をつくるために砂利とかその他の骨材の輸送が非常に大量にありまして、そのために五十一号線を改修するわけです。その費用は当然国または公団負担すべきものです。これは道路法に基づいてもそのとおりだ。予算がないから地方に負担させるというならそれでよろしい。どういうわけで県に負担させるのでありますか。
  42. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 この点につきましては、昨日も政務次官からお答えしたとおりでございますが、要するに、空港建設に直接関連をいたします事業につきましては、その原因者であります空港公団が、その経費について全額負担をしていくというたてまえにしておるわけでございます。  ただいまお尋ねの国道五十一号線の負担関係は、現在五十一号線は既定の道路計画に従いましてその整備が続けられておる事業でございまして、特にこの国際空港ができます関係で、五十一号線がこれまでの計画外に新しく道路整備を行なうというところはないわけでございます。したがいまして、道路につきましても、五十一号線は既定計画の継続、そのほかの資材輸送道路等につきましては原因者負担であります。公団全額負担ということにいたしておるわけでございます。
  43. 太田一夫

    太田委員 たまたま改良しようと思っておったとか、交通量がふえてくるから何とかしなければならぬと思っていたということはあっても、具体的にはこれは飛行場建設の骨材輸送のダンプの通路でしょう。それを地元負担で直させるという精神は、この際においては、いかに千葉県裕福なりといえども、ぼくは善政であるとは思えないのです。こじつけじゃありませんか。
  44. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 ただいまお尋ねの五十一号線につきましては、この空港建設が始められたから改修が始まったということではございませんで、五十一号線の改修は継続的に実施をされているものでございます。確かにその空港建設に伴いまして、資材輸送の面で使用されるところはございますけれども、これが空港建設によって特に道路の拡幅をやらなければならなくなったとか、あるいはいままで予定外の改良工事をやらなければならなくなったというようなことはないわけでございます。いままでの道路計画に従いまして、国の四分の三の補助を受けましてこの国道の改修をそのまま継続していくという形で行なわれておるものでございます。
  45. 太田一夫

    太田委員 だから、いままでのものはいままでのものでよろしいけれども、今度新しい原因ができたでしょう。公団という原因者が発生したでしょう。空港公団が発生した。そこへじゃんじゃんと大型ダンプが砂利を持ち込むんですよ。だったら空港公団負担をしてもらう、国が負担する、どちらにしても、地元に負担させないというのが自治省のとるべき方針ではありませんか。どうなんですか。それをあなたのほうは、しごくあたりまえで、向こうと交渉することなく、公団と話し合うことなく、当然これは地元が負担すべきものとして、しかし若干気の毒だからというので四分の三にしたのですか。
  46. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 この道路につきましては、先ほども申しましたように、空港建設に直接関連いたします道路工事につきましては、全額公団負担に相なっておるわけでございます。ただ、国道五十一号線は、現在の道路五カ年計画の改修計画の中ですでに改修工事が始められておるわけでございまして、道路法規定によりましてこの五十一号線の負担関係は四分の三ということになっているわけでございます。これは従前と変わりないわけでございます。  それで、道路につきましては、その道路空港建設のために新たな計画をつくらなければならないというようなものにつきましては、先ほどから申し上げておりますように、全額これは公団負担でやっておるわけでありますけれども、従来から実施をしてその計画に従って工事をしている部分につきましては、従来どおりの四分の三の国庫負担によりまして工事を進めていく、こういう形をとっているわけでございます。
  47. 太田一夫

    太田委員 あなたたち説明しにくいかしれないけれども、私はほんとの経過というものを聞きたいのですよ。五十一号線というのは、こわしているのは空港公団に出入りするダンプですよ。それに対して在来どおり四分の三を負担してもらうから、国の負担分は四分の三でやるから、したがって県のほうは四分の一で済むということで、それでほんとうにあなたたちの腹の虫は済みますか。何かあなたは押しつけられておるなら、私もしかたないからわかることはわかるんだがね。わかるけれども原因者負担という精神はあなたのほうはどこにあるのですか、そういう認識が。じゃ原因者負担の精神で公団と常に折衝した、そういう経過がありますか。
  48. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 道路につきましては、在来計画のあります分、それから、空港建設に伴いまして新しく建設をしなければならない部分、あるいはつけかえをしなければならない部分、いろいろ段階があるわけでございます。そこで、道路負担関係につきましては、先ほど申しておりますように、国道五十一号線は既定計画をそのまま継続することによって、空港の必要な輸送道路としての使用が可能になるわけでございます。そのほかの県道なり市町村道につきましては、空港建設に伴いまして新しい計画が発生するわけでありますから、これは原因者としての公団全額負担をしてもらうという形をとったわけでございます。さらに五十一号線から空港に分岐いたします県道につきましては、空港利用者の利便が加わると同時に、県としましては新しい計画になってくるわけでありますから、その部分につきましては、在来の県道補助の三分の二を国道並みの四分の三の補助特例措置を設けて、それによって空港線の建設をしてもらう、こういう形にしたわけでございます。この道路につきましては、いま申しましたように三つの種類に分けて考えておるわけでございます。
  49. 太田一夫

    太田委員 あなたのほうが遠慮をして市村町に余分な負担をさせる必要はない。昭和四十一年八月千葉県から出ております要望書には、資材輸送道路として五十一号線のことが取り上げられておるでしょう。「国際空港建設に使用される資材量は、莫大なものと推定されるが、この資材のすべてを鉄道輸送に頼ることは、鉄道の現状から見て不可能である。したがって相当量の資材は、トラック輸送に依存するものと考えられ、そのため大巾な道路の補修改良が必至である。なかでも、国道五十一号線は、資材輸送の主要幹線と考えられるので、全線を四車線で整備すること。および千葉市街地を迂回して千葉港に直結する必要があり、また国道十四号線は、空港建設に伴って、いっそうふくそうが予想されるので、早急に暫定断面二車線を追加して、四車線として整備する必要がある。そこで、資材量および輸送経路を早急に明示するとともに、所要経費の負担について格別の配意をされたい。」こういうのがある。空港専用のものをつくるというときに空港が全部負担するのはあたりまえの話です。原因者負担という現行法体系の中からいって、資材輸送というものを受け持つ五十一号線の改修工事というものは、少なくとも公団全額負担すべきものだ。予算がないから県に負担してくれというならそれはわかる。どうなんですか。
  50. 岩田勝雄

    ○岩田参考人 公団の資材輸送について御説明申し上げますと、膨大な資材になりますので、なるべく道路輸送をしないで鉄道輸送によって輸送を行なう予定にしております。しかし、どうしても道路によらざるを得ない部面もありますので、こういうものにつきましては、道路の管理者であります県の担当者と協議をいたしまして、公団負担において道路を補修しておるわけでございますが、ただいまお話しの五十一号線につきましては、なるべく五十一号線を使わないという方針で私ども計画を立てておりまして、鉄道によりまして国鉄の成田駅から専用線を敷きまして、そこに資材集積所をつくりまして、空港との間には専用の道路を使って資材を輸送する計画でございます。したがいまして、五十号万線につきましては、ごくわずか、四十四年度におきましては一日八十四台でございます。千葉港から空港までの間、五十一号線を往復で八十四台通過するという計画でございます。
  51. 太田一夫

    太田委員 この前、どこの委員会か知りませんが、私はこういう報告を聞いているんです。今井総裁は、栃木、茨城地区から資材を五十一号線によって輸送する、砕石をトラックによって輸送をします、こういうことをおっしゃっていらっしゃるのでありますが、現在まだ本格的な工事には入っておらないでしょう。したがって、本格的な工事に入りましたら、いまあなたのおっしゃるように一日八十四台だなんて、それなら関連事業ではないじゃないですか。だったら関連事業からはずしなさい。一日に八十四台しか通らないという想定であるならば、五十一号線の改良事業関連事業からはずしなさい。なぜ関連事業に織り込んだのです。それこそ自治省はけしからぬではないですか。一日に往復わずか八十四台なんて、これは関連事業じゃない。
  52. 岩田勝雄

    ○岩田参考人 ただいま申し上げましたのは、千葉港から空港に至る線でございまして、これは砂でございましたが、砂利関係につきましては千葉港からの分が八十四台でございます。大栄町のほうからは五百八十三台でございます。
  53. 太田一夫

    太田委員 それではちょっと自治省から答えていただきましょう。いまのお話しによると、五十一号線を使わないで、五十一号線というのはほんのわずか例外的なものが道を間違えて通る程度ですね。だったらこれは既定の国道の五十一号線改良工事としておやりになればいいのであって、この中で関連事業としてお取り上げになる必要はないじゃないないですか。どれくらい通る見通しなんですか。
  54. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 資材輸送関係につきましては、ただいま公団のほうからも説明のありましたように、鉄道なり道路なりのいろいろなルートによる輸送が行なわれるというふうに考えておりますが、五十一号線が資材輸送に全然使われないかというとそうでもないわけでございます。どこまでを関連事業にし、どこまでを関連外としてはずすかという点は非常に議論のあるところかと思いますけれども、一応資材輸送というものも五十一号線を利用してあり得るということは当然考えておるわけでございます。ただ、先ほど申しましたように、そういう意味道路の利用の状況あるいは空港建設関連の度合いというものを考えてその負担関係考えていたわけでございます。
  55. 太田一夫

    太田委員 あり得るということは、まだあなたのほうはあり得るのであって、あり得ないかもしれぬということですか。そんなあやふやな理由によって国道五十一号線を資材輸送道路と認定をし、道路に対して四分の三なら四分の三の国の負担を置き、残りの四分の一を県において負担したということにしたのですか。このあとの資料はみんなあやふやなんですね。あり得ることもあるかもしれない、そんなあやふやな理由で、何か気がついたものだけちょこちょこっと名をあげて大づかみな数字出したのであって、実際はそのときになればわからない。これはぶっつけ本番の法案でございますか。
  56. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 資材輸送につきましては、五十一号線の資材輸送のウエートが、具体的に工事いたします場合にどれだけになるかという点は、公団のほうでさらにその内容について詰めてもらうことになるわけでございますけれども、ただ五十一号線を資材輸送として全然使わないかというと、そういうことはございませんで、五十一号線は当然に資材輸送道路としての性格を持つわけでございます。ただ、この工事が従来の計画を変更するような形での工事になるかどうかという点が問題でありまして、私どもは、従来国道五十一号線について計画されております内容については、特に変更を要しないで、従来の継続工事で改良工事ができるという観点から、補助負担関係につきましては従来どおりということにしておいたわけです。したがいまして、この空港関連事業につきましても、すべての事業につきまして補助特例措置を講じておるわけではございませんで、そのうちの空港建設との関連度合い並びに関係地方団体の財政事情等を勘案いたしまして、特例措置の対象とする事業をきめていったということになるわけでございます。
  57. 太田一夫

    太田委員 これは佐々木さんに答えていただくと、何だか別に特例法で審議しなければならないという気がしないですね。どうもこれは五十一号線ははずしてよさそうな気がするわけです。大臣はずしたっていいですか。
  58. 岩田勝雄

    ○岩田参考人 五十一号線の利用計画についてもう一度御説明したいと思いますが、先ほど申し上げましたのは四十四年度でございまして、四十四年度には千葉空港関係が片道四十二、往復で八十四になります。それから大栄方面を通って空港に来ますのが片道五百八十三で、合計いたしますと往復では千百六十六台でございます。それから、四十五年度になりまして千葉方面が片道百十三、合計二百二十六、大栄方面が片道千二百八台、往復で二千四百十六台、こういう計画になっておりますので、先ほど申し上げましたのを訂正さしていただきます。
  59. 太田一夫

    太田委員 そうでしょう。だから、大臣どうですか。佐々木さんのお話だと、五十一号線は骨材輸送のトラックが通るかもしれぬけれども、具体的な基本計画というのは現在の既定の改良計画に基づく改良工事だとおっしゃるわけです。どうも少し考え方が違うんじゃありませんか。これは骨材輸送のために五十一号線を改良するのか、そうでないのか、二つの議論があっては困るんですね。大臣どうですか。
  60. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 五十一号線は資材輸送の道路になりますことは変わりないわけでありますけれども、そういう意味におきましては空港関連事業であるということになりますが、実際にこの工事の進め方を見ますと、従来の道路整備計画をそのまま継続することによって五十一号線の改修はできる、こういう意味で特に今回の特例措置をとる道路にはならなかったわけでございます。従来の補助負担関係をもって国道五十一号線は改修するということでございます。
  61. 太田一夫

    太田委員 そういうことでしょう。だから四十五年度において何千台というトラックが通るようになりますけれども、五十一号線は在来の計画によるところの改良工事だ。ところが、これは資材輸送道路として新東京国際空関連事業地方負担見込みというふうに、あなたのほうが御提出になった資料にも書いてある。六億四千七百五十万円というのはとってしまえばいいじゃないですか。在来の計画でやる改良であったら五十一号線はほんのわずかしか通らない。佐々木さんの御説明によれば、五十一号線は資材輸送道路として関連事業としておやりになるのじゃないということです。資料が違っておるじゃありませんか。訂正してもらわなければ困る。普通のものとして入れてもらったらいい。どうなんですか。
  62. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 ここに掲げております空港関連事業は、この空港建設にあたりまして直接建設関係が生ずる事業を一覧表にしたものでございます。ただいま申し上げましたように、五十一号線は資材輸送の道路として使用されるということになるわけでありまして、その意味では空港関連事業ということになると思いますけれども、実際の工事建設は在来の五カ年計画の中における道路改修事業として継続的に実施される内容のものでございますから、特に従来の負担関係を変えないということでこの工事を実施する、こういうことにしたわけでございます。  それで、ここで空港関連事業にいたしますのは、総体的に地方の財政事情を判断をして財政措置を講じていくための資料として、全体の空港関連事業というものはどういうふうになっておるかということを示したものでございます。この中で、特例措置を講じておるもの、あるいは従来の負担関係をそのまま継続するもの、それぞれに分かれておるわけでございます。
  63. 太田一夫

    太田委員 木特例措置に関する法律案を御提案いただいたときには、地方の財政負担が非常に多くなると考えられるので、この際国が財政上の特別措置を講ずる必要がある、だから国の負担割合特例でありまして、これは少なくとも負担額のパーセントのかさ上げですね。ところが、五十一号線は、そういうことも何も対象にならないのだ、何の対象にもならないのだ、いまおっしゃったわけですね。ところが、いま公団のほうでは、四十五年度数千台のトラックが通るとおっしゃる。そうすると、あなたのほうはたいして通らないという前提のもとにかさ上げを要求しなかったわけだ。国の負担額をかさ上げしてくれということをあなたは要求しなかったとするならば、あなたのほうの認識に間違いがあるのじゃありませんか。五十一号線の利用度に対する誤算があるのじゃありませんか。原因者負担ということを考えたならば、あなたには原因者負担という精神であらゆる問題を突き詰めておかれなければならなかったことであろうと思うのです。削ったらどうですか。関連事業でないじゃないですか。
  64. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 この五十一号線につきましては、この空港建設に伴いまして新たな地方負担が生ずるというような内容のものではございませんで、従来の計画的な建設に従いまして負担関係については変わりはないわけであります。ただ、先ほど申しましたように、五十一号線は資材輸送道路として結果的には使われるということになるわけでございますので、その空港建設に伴って五十一号線の改修が新たに生じたものではないわけでございます。そういう意味におきまして、その負担関係について特に特例措置を講ずる必要があるかどうかという点につきまして、私ども考えまして従来どおりの負担関係を維持してかまわない、こういう立場でございます。
  65. 太田一夫

    太田委員 それがどうもわからないから私も何べんも押し問答になってしまいますが、それでは原因者負担なんというような思想は全然ありませんし、それから国道五十一号線は、関連事業といいながら、実は既定の国道改修事業であるということなら、何もこんなところへ入れぬでもいいし、われわれをしていたずらに迷わせるだけだ。こんなものはやめてしまえばいいと思うのです。  それではもう一つ、別の違うものを聞きますが、根本名川の河川改修工事ですね、これは何のためにあるのですか。
  66. 南部三郎

    ○南部説明員 お答えいたします。  空港建設予定地は支川の状態を変貌いたしまして空港建設いたすわけでございますが、その地域に在来の状態で雨が降りました場合に、その雨水があの地点はちょうど分水界になっておりまして、一部は栗山川というものを通って太平洋のほうに行く、一部は在来の根本名川のほうに入っておったというような状況でございます。それを空港建設に伴いまして変貌するわけでございまして、分水界がはっきりしなくなる。したがいまして、その水をどういうふうに処理するかということにつきましては、実施本部のいろいろな検討の段階を経まして、地元とのいろいろ検討の結果、この水は根本名川のほうを通じて利根川のほうに放出するということにきまったわけでございます。したがいまして、根本名川の改修をいたしますにつきましては、まず第一の点は、この水を受けるについて支障のない措置をする必要があるというのが一点でございます。  それからもう一点は、そういうことに結着いたします経過におきまして、地元あるいは県のほうから、その周辺につきましてもあわせて抜本的な河川改修の対策をする必要があるという要望がございました。在来根本名川といいますのは利根川に入っております支川でございますが、一部は空港建設以前から河川の補助事業で改修をいたしておったわけでございますが、いま申し上げましたこの空港の水を受けて、空港からずっと利根川までの間をつなぐという意味合いにおきましては、在来何らの計画もなかった支川等があるわけでございます。  それからもう一点の、あわせてその流域の開発をはかるという点からいいましても、在来の改修計画の対象になっていなかったというふうなところもあわせて改修をする必要がある。この両方をあわせまして空港から利根川までつながる河川の改修、それに関連いたします他の支川等の改修ということが根本名川改修の目的でございます。
  67. 太田一夫

    太田委員 そうすると、根本名川改修の六億七千二百五十万というのは、これは県の負担でございますね。いまのお話からいいますと、何も地元だけがこれを企画して、地元の県とか市町村がこの事業をやろうというのではなくして、飛行場をつくることによってこれをやらざるを得なくなっているのだから、それに対して公団負担がないというのはどういうわけですか。
  68. 南部三郎

    ○南部説明員 お答えいたします。  根本名川の改修につきましては、いま申し上げましたのが理由でございますので、御質問のように、当然空港建設に伴います負担考えられるべきであるということで、地元の千葉県と空港公団、それから私ども関係のあります建設省の河川局でいろいろ検討いたしました結果、いま申し上げました二点のうち空港からの水を受けるために影響を受ける範囲の事業費につきましては、約十三億円を空港公団負担するように約束ができております。
  69. 太田一夫

    太田委員 もう一つ関連してお尋ねしますが、これは何とかというのが前につきますね。流域下水道事業というのがやはり載っておりますが、これも六十三億の大事業であります。これに対して県に二十億を負担させる。ところが、この流域下水道工事は、おそらく空港から出る汚水を全部持っていくのだと思うのです。この空港から出る汚水というものは一その割合で若干の公団負担が、二十二億ぐらいあるように書いてありますけれども、これとても公団負担負担として、さらに県のほうに二十億もこれを負担させるということについては、もともと原因空港をつくるということから出ることでありますから、いささか割合というのが均衡を失しておる、こう思うわけです。空港から下水というのはどれくらい出るのですか。
  70. 山本力蔵

    山本参考人 計画によりますと毎秒〇・四三トンでございまして、ただいまの御質問の流域下水道は、空港ができる前に、県におかれましてあの流域の市町村の下水道として計画をされたわけでございます。今回の空港の排水に伴いまして、その流域下水道を利用さしていただく空港分といたしまして負担金を二十二億かさしていただくことになったわけであります。したがって、もうすでに前に県においては御計画がございました。
  71. 太田一夫

    太田委員 県に最初空港が来ない前の下水道工事と、それから空港が来るようになってからと、金額にして計画にどれだけ違いが出たのですか。
  72. 南部三郎

    ○南部説明員 多少重複して説明申し上げますと、印旛沼流域下水道事業というのは、空港建設の以前から千葉県におきまして計画されておったわけでございます。それに空港建設に伴いまして、いま公団のほうから御説明申し上げましたような汚水が入ってまいる。この汚水の処理につきましてはいろいろな方法が地元県との間で検討されたわけでございますが、最終的に決定いたしましたのは、この印旛沼流域下水道事業施設の中に受けるということがきまったわけでございます。したがいまして、このために特にやらなければいけないという問題は、まず印旛沼流域下水道事業考えております緯線の管渠まで空港から持ってくる施設一つ必要でございます。約十二キロございますが、これは当然、空港公団そのものが必要によってやるわけでございますから、この六十三億とは全然関係なしに空港公団が別途負担してやられるはずでございます。したがいまして、六十三億というものはどういう意味合いのものかと申しますと、印旛沼流域下水道事業そのものは、これは非常に長期的な計画でございまして、その中でまず空港から来ます水を処理いたしまして東京湾まで持っていかなければいけない。このための幹線のパイプラインと、それから終末の処理、この処理場も、当面暫定的に空港から来る汚水を処理する分だけということを空港の供用開始までにやらなければいけないというのが約六十三億の事業費というふうに積算されております。したがいまして、その中では、本来その管渠においては、空港の汚水分が入らない場合と入った場合の差額については、いろいろ費用負担を検討いたしました結果、その分として二十三億を空港公団に持ってもらうということになっております。したがいまして、空港公団といたしましては、その供用分の二十三億プラス十二キロメートルに対応します単独の負担をいたす、そういうことになっております。十二キロメートルの単独負担分についてはちょっと私のほうではつまびらかではございません。
  73. 太田一夫

    太田委員 大臣、あなたのほうは、空港というのが非常に反対があって、非常な反対の中でこれを国際空港として実現させようとする政府の方針に従っていろいろ制度がとられつつあるのだ。そういう前提に立ってみますと、いまのように天然の水が流れる利根川のほうへ排水路――この工事にいたしましても、あるいは終末処理場に流れ込むところの排水路にいたしましても、やはり空港そのものが実現するであろうという前提のもとにそれが計画されてきて、さらにその規模が大きくなってきたと思うのです。それはニュータウンの排水路も下水路もあるわけですから、全部空港とは申しませんけれども、そういう点から言いますと、できるだけ地元負担は少なくするということにならなければならぬのですが、いまの流域下水道工事にいたしましても、公団負担は総事業費の半額にも満たない。私はそういう考え方というものは、元来原因者負担というのは全額原因者というような現在の法律にありますところの規定から見まして、はなはだしく空港公団に対して甘いのじゃないか、自治省のほうが譲歩し過ぎるのじゃないか、こういう気がするのです。  財政局長にひとつ聞きますが、例の代替地に対する八千万円の税金の処分の問題も何かキャッチボールのような形になっておるように聞いておりますが、それはあなたのほうはどういうふうに受け取り、どう処理するつもりでございますか。
  74. 細郷道一

    細郷政府委員 代替地の譲渡所得税の問題かと思いますが、それにつきましては、国税上の扱いとしては普通の扱い、こういうことでございまして、あとは県と地元の間でいろいろと配慮がなされたものと、こう聞いております。
  75. 太田一夫

    太田委員 「昭和四十三年三月九日 空管第四一号 新東京国際空建設実施本部長 中曽根康弘 千葉県知事 友納武人殿」この件数を読みますと、「代替地提供に伴う負担について 標記については、かねて代替地提供者から代替地提供に伴う負担を公共用地提供の場合と同等とするよう要望があったので、三月五日午前総理大臣、大蔵大臣自治大臣及び官房長官と協議の結果、さしむき貴県において農民に対し公共用地を提供した者との均衡を失しないよう措置せられたくお願いすることとなりましたのでよろしく御高配願います。ただし、この措置に伴う財源については、国において責任をもって補填をすることと致しますので念のため申しそえます。」国とはおそらく自治省でしょう。だからこれはあなたのほうがどういう措置をするのだ、とりあえずは千葉県が八千万円出しておる。あなたのほうは八千万円はどういう形において補てんをされるのですか。どういう形で措置するのですか。補てん上の措置は国においてやるという何か打ち合わせがあったのですか。
  76. 細郷道一

    細郷政府委員 この文書は県と地元農民との間でしかるべく配慮をいたしてほしい、こういう文書であるわけであります。その結果千葉県の財政上に影響があるということでございますれば国において措置をいたしましょうということで、現実には空港につきましてはいろいろと千葉県自身も財政的な負担を背負っております。この問題以外にもいろいろ背負っておりますので、それにつきましては千葉県の地元としての必要性ということを認めまして、私どもは特別交付税の際に、その事情を考慮いたして措置をいたしました。
  77. 太田一夫

    太田委員 そうすると、それは全部特別交付税に持っていくのはいかがなものであろうかと思いますけれども、念のために受けるほうの側の利害得失からいいますと、税金はどうですか。八千万円に対してさらに農民は税金を払わなければなりませんね。どうですか、税相当額はそれに積み重ねますか。
  78. 細郷道一

    細郷政府委員 その点につきましては、この文書でも県に地元との間の交渉をお願いをいたしております。したがいまして、私どものほうといたしましては、実はその中身の詳細については一々承知をいたしておりません。
  79. 太田一夫

    太田委員 あたたかい政治であるとか、善政ということであるならば、どのようなことをおやりになってもほめられると思うのです。しかし、いまの八千万円は、公共用地提供じゃないのだから、代替地提供というのは。これは特例がありませんから、農民に八千万円出したのだが、県を経由して国が特別交付税によって出すから、それを受けて県は農民にどういう形か知りませんが配付する。これは所得になりますからまた税金に返る。またそれをやらなければなりませんし、これは最後までやらなければならぬ。それはそういうことであるならば、あなたのほうで考えを明らかにしてもらわなければいかぬと思う。県のほうでしかるべくやるというようなことで、あらゆるものを負担させるということはいかがなものかと思う。  そこで私は、あと何かやりたい方があるようですから一つだけ運輸省にお尋ねしますが、新東京国際空港をつくるためにできたこの法律というものは、私よく考えてみますと、自治省と書いてあるが、それは自治省がおつくりになったものではないような気がする。的確な答弁がない、解明がないのだから。そうすると、大阪の空港もやがてつくらなければならぬという新大阪国際空港設置の計画が運輸省にあるのでしょう。そうなれば、大阪のほうも同じようなことが――これは前例となされますから、これから第二、第三の新空港をつくる場合の前例をつくるものだから、よく改正しなければいかぬ。自治省はだれかにこういうふうにつくりなさいといわれてやむを得ずつくったような法律のように見える。(「違う」と呼ぶ者あり)そうである。だから運輸省にお尋ねするが、新大阪空港の計画はほんとうにあるのかないのか。やられるときにまたこれに準じて地元負担等をされることになるでしょうね。求められることになるでしょう。飛行場部長どうですか。
  80. 丸居幹一

    丸居説明員 現在の大阪空港につきましても年々フライト回数がふえてまいっておりますので、大阪国際空港につきましても、そのうち東京国際空港と同じように満員になる時代が来ると思います。関西空港の問題もそのうち手がけねばならぬことははっきりしていると思います。現在の段階では、あちらこちら地元のほうからおっしゃっていただく候補地もあるわけでございますが、その点についての管制上の問題等についての検討は一応いたしておりますけれども、まだ土地そのものに臨みまして詳しい調査をしたという段階ではございません。関西新空港につきましてはそういう段階でございます。  それから、そういう措置を関西にも講ずるのかというお尋ねでございますが、その点についても、まだ用地もはっきりしておりませんし、海の上の埋め立てとういうふうな案もございますので、どこにするか場所がきまりました上で、あまり不公平のないように検討しなければならぬものじゃないかというふうに考えております。
  81. 太田一夫

    太田委員 大臣にもう一回お尋ねします。  念のためですが、いま運輸省からお答えがありましたように、やがて新大阪国際空港設置というようなことにもなろうかと思います。そういう場合に、この成田空港の問題がすべてその前例となりまして、これにイコールという形で、補助、国庫負担ないしは住民に対する各種の特別措置というのが講ぜられると思うのです。したがってこれは、今回の成田空港特別措置法は、よほど入念に検討をしていかなければならぬと私は思うのです。  そこで、先ほどから佐々木さんのお話を聞いていますと、何を承りましても、どうも自治省が信念をもってこの法案をおつくりになったものじゃないような気がする、あなたのほうは答弁ができないんだから。国道五十一号線にあるがごとくに、原因者負担というような精神は全然この中に入っていない。原因者負担というような精神について、法律上のいままでの各種の規定について、大臣は、もちろんそういう精神は尊重するのだ、それを考慮してこの特別措置法考えておるのだとか、原因者負担という精神にはいままで気がついていたということがあるならば、この際、原因者負担ということは厳重に求めてきたということを明言してもらいたいと思う。何ら原因者というものに対する補償を求めずして、単に地方の県に負担させ、市町村負担させ、住民負担させるというようなことで、これだけの大きな反対のある空港が円満に完成するということは保証しがたいものがあると思う。原因者負担ということについてあなたはどうお考えなのか、御検討なさった点がありましたら、あるということについてお答えをいただきたい。
  82. 野田武夫

    野田国務大臣 私は太田さんの御意見、われわれ自治団体をお世話をする立場におきましては、ごもっともだと思います。原因者負担ということは、原則的にわれわれは守っていかなくてはならない。その意味において、できるだけ地方自治団体の負担を軽くする、また、これに関連するいろいろ御迷惑になっておる地域の方々に対する措置も、私どもは非常に重要視してこれに対処しなければならぬと思っております。  そこで、いま五十一号線の問題その他おあげになりましたが、御承知のとおり、空港関連する道路その他はいわゆる原因者負担によって公団負担する、また、その他先ほどお示しのありました流域下水道の問題も、やはり空港関連するものは空港負担しております。  五十一号線につきまして、私も先ほどからの御意見を拝聴しておりましたが、これは、政府委員から申しましたとおり、既定の道路計画、国の道路計画の一環としてこれを進めていく、その場合に、これが空港建設の資材輸送に非常に使われるということは当然だと私は思っています。この地域からいたしましてこの道路がそのために非常に使用されるということは、これは常識でございます。そこで当時、この空港建設費と同時に、この関連事業費というものにつきまして、自治省としてはできるだけ地方負担を軽くしたいということはもとよりでございまして、運輸省、大蔵省、建設省また自治省、空港公団その他の関連の事務関係から、さらに進んで財政措置につきましての話し合いというものはずいぶん煮詰めたのでございますが、これに対して千葉県当局も参加して話し合いをし、いろいろ練りに練った結果、いま太田さんの御注意のありましたように、できるだけ地方の団体の負担を軽くするというのが私どものとっている立場でございますから、いろいろ折衝いたしました結果、一応県としても、自治省といたしましても、相当いろいろな点において注文を出したり、また希望を述べておりますが、まあ、結論においてこの程度ならばやむを得ないだろう。私どもは決してこの案が満足な案とは思っておりません。やむを得ないだろう。そこでひとつ大きな国の使命である新しい空港をつくろうということに踏み切ったのでございまして、いま太田委員の御指摘のありましたいわゆる原因者負担、これはとりもなおさず私どもの立場といたしますと、地方公共団体に対する財政の影響、これを一番に私ども考えなければならぬ。今後いろいろ新しい空港建設の場合に、当然これは地方自治団体と、密接な関係にある問題でございますから、いま太田委員の御指摘のありましたような、すなわちその場合にあらわれる原因者負担の問題その他諸種の問題につきましては、あくまでも御要望、また御意見のとおり、私どもは地方自治団体の財源問題に悪い影響がないように、なるべく負担を軽くしていくように、こういう考え方をもって今後処理いたしたいと思っております。
  83. 太田一夫

    太田委員 あなたの決意はわかりましたが、財政局長、あなたは本法案の立案にあたりましていろいろと御検討になったと思うのですが、この原因者負担というような精神の盛られておる各種の法律を御検討になったと思いますが、どういう法律のどの辺のところを御検討になりましたか、御記憶がありましたら発表してください。
  84. 細郷道一

    細郷政府委員 今回の関連事業の範囲につきましては、空港所管の運輸省を中心とした実施本部で各省の担当官が集まっていろいろと中身を検討いたしたわけでございます。したがいまして、私も一つ一つの条章についていまここでお答えするだけの知識は持っておりませんけれども、それぞれ各省におきまして一つ一つ事業について検討いたしたものでございます。しかる後に、私どもがそれに対して財政援助の特例をどうきめるかということにつきましては、これは当然国あるいは公団が持つべきもの、それ以外のものにつきましては、それぞれの地方団体の地元にその施設があとにもずっと残るという実態、それから、やはり私は、金だけで、全額持てば何をやってもいいのだというようなことがあってはいけない。やはり地元というものは、多少の負担をしても、地元の意向というものをその事業の計画上に反映させるべきだ、そういったような考え方を基本にいたしまして、それぞれの財政状況等を見て個別にきめたわけでございます。したがいまして、私どものほうといたしましては、実施本部におきます関連事業の範囲というものを受けて、私どもなりのいま申し上げたような考え方でこの財特法をつくったわけでございます。
  85. 太田一夫

    太田委員 あなたも法律の名をおあげになりませんでしたが、最初私は公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害防止等に関する法律、これを私は最初取り上げて、その原因者負担というのは全額まであるんだ、全額原因者負担というのが理想案だ、理想的な制度である、こういうことにきめてあることを御指摘申し上げたのですが、ひとつあなたのほうも、五十一号線などをそのように軽くぽんと地方負担を受けてしまうということでなしに、もう一歩突っ込んで公団当局負担を迫られるべきであったと私は思う。これは私もまだ佐々木さんの御答弁を十分了解しておるわけではありませんが、あまり長い時間私一人でやっておっても悪いですから、一応きょうは終わります。原因者負担ということについては、ひとつあなたのほうの御見解をあらためて承りたいと思うのです。  終わります。      ――――◇―――――
  86. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  本案について参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  87. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、期日、参考人の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  88. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ――――◇―――――
  89. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 この際、地方自治法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。  本件につきましては、理事会等において協議が行なわれておりましたが、その結果に基づき、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党を代表して大石八治君から、お手元に配付いたしておりますとおり、地方自治法の一部を改正する法律案を本委員会提出の法律案として決定すべしとの提案がなされております。  この際、その趣旨について説明を求めます。大石八治君。     ―――――――――――――
  90. 大石八治

    ○大石(八)委員 お手元にお配りしてあります案文につきましては、いま委員長からお話しのとおり、先般来、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党との間におきまして、それぞれ検討を続けておりましたところ、このほど意見の一致を見るに至りましたので、便宜私からその立案の趣旨及び内容の概要を御説明いたします。  本案は、各党の合意による成案でありますので、各位の御賛同を得て国会法第五十条の二の規定により本委員会提出の法律案とし、その成立を希望いたす次第であります。  まず法律案の全文でありますが、これはお手元に配付してあります印刷物によることとし、朗読を省略させていただきます。  次に、この法律案を立案した理由を述べますと、この法律案は、最近における急激な都市化現象及び市町村人口の実態にかんがみ、市となるべき普通地方公共団体の要件につきまして特例を設けようとするものであります。  あらためて申し上げるまでもなく、現行の地方自治法のもとにおきましては、人口五万以上であって所定の都市的要件を備えることにより市制が認められることになっております。  しかしながら、市となるべき普通地方公共団体人口要件は、昭和二十九年六月に改正されるまで長い間、三万以上であり、その後におきましても昭和三十三年四月及び昭和四十年三月にそれぞれ人口が五万以下であっても、三万または四万以上であればこれを市とする旨の特例が設けられたのであります。  市となるべき人口の要件は、このような経緯を経て現在に至っているのでありますが、今日、全国の市の人口の実態はどのようになっているかと申しますと、五百六十四市のうち、人口五万未満のものが二百六十五市で四七%にのぼっているのであります。  しかも、三万未満で市を称しているところが二十六を数えている状況であります。  他方、最近の社会変動に伴う人口の都市集中と都市化現象により、人口三万以上であって、都市的形態を備えた数多くの町村の出現を見るに至っております。  このような市町村の実態は、市町村の区分のあり方について抜本的な検討を加え、新しい市町村制度の確立をなすべきことを示しているのでありますが、今日のわが国の実態に即応した市町村の区分の新しい基準がつくられるまで、それができぬというだけの理由で、その間、市昇格の住民の要望を無視することは適当とは考えられないのであります。  現に、これら比較的多数の人口を有し、都市的要件を十分に備えております町村におきましては、人口五万以上の要件を満たすことはできないとしても、市を称して都市的施策の充実につとめていきたいとの期待を強く持っているのでありまして、これらの要請にこたえることも地方自治の本旨実現に資するゆえんであると存ぜられるのであります。  この法律案は、このような考え方に立脚して、この際、最近の市町村人口の実態や既存の市との均衡を考慮し、特に市街地的要素の強い町村について、市となるべき普通地方公共団体人口要件等につき特例を設けようとするものであります。  次に、本案の内容について御説明申し上げます。  その第一は、人口が五万未満であっても、三万をこえ、かつ特に都市的要件の備わっている町村については、市と町村の別に関する制度改正が行なわれるまでの間で、政令で定める期間中に申請がなされた場合は暫定措置としてこれを市とすることができるものとすることであります。  その第二は、この人口は、最近に行なわれた統計法の規定による指定統計調査の結果による人口とすることであります。  なお、本法の施行にあたりましては、本法制定の趣旨にかんがみ、都市的要件について、実情に即し、適切な配慮を行なうとともに、当該町村人口の増加傾向に特に留意するよう要望いたしておきます。  以上がこの法律案の立案の趣旨及びその内容の概要であります。何とぞ全会一致御賛同あらんことをお願い申し上げます。
  91. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 別に御発言もありませんので、おはかりいたします。  地方自治法の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付の案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  92. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 起立総員。よって、そのように決しました。(拍手)  なお、本法律案提出の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  93. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  この際、暫時休憩いたします。    午後零時十八分休憩      ――――◇―――――    午後二時開議
  94. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。水野清君。
  95. 水野清

    ○水野委員 最初に、非常に政府委員の方に大ぜいお集まりをいただいて、貴重な時間を拘束して申しわけありませんけれども、国際空港建設の重要性とともに、私ども地元の具体的な公共事業その他の対策についていろいろ伺いたいものでございますから、御了解をいただきたいと思います。  東京国際空港通称成田空港、こういわれておりますが、この重要性と緊急性については、一昨日当委員会で政府側から各種の答弁がありました。航空交通の急増で羽田空港は飽和状態だというようなお話を承りました。それは、万一事故が一発起こりましても――その可能性が非常にあるわけであります、非常に重大なことになることを考えますと、私ども空港建設についてはよく事態を了解しているわけであります。それはよくわかるのでありますが、ところでこの空港建設については緊急かつ重要性にかんがみて、昭和四十一年の七月四日、閣議決定を行なっている。各種の地元対策については内閣が閣議決定事項を出して公約をしているわけであります。この閣議決定事項を中心に地元対策の実施状況を伺っていきたいと思うのであります。  最初にこれは政務次官からでもけっこうでございますが、この閣議決定事項というのは、今後地元対策について、あくまでこれが中心で履行されるというものであるかどうかということを承りたいわけであります。
  96. 砂田重民

    ○砂田政府委員 おっしゃるとおりに、空港建設並びに空港関連事業一切について、この閣議決定事項が柱でございます。
  97. 水野清

    ○水野委員 まことにくどいような話でありますが、国で空港をつくるということの重要性はよくわかっているのです。ぜひりっぱな、非常に能率の高い空港をつくってもらいたいと思っております。しかし、この政府側の資料を拝見しますと、千九百六十九億、約二千億の大事業を遂行するわけであります。これは、千葉県にとっても、この法律の適用される成田市、富里村、芝山町、多古町、大栄町の関係市町村にとりましても、それからそこに住む一般市民、特に三百二十万坪という空港予定地内の人々とその周辺騒音地区内の人々にとっては、これがつくられるということは驚天動地の大事件、そして各種のいろんなトラブルが無数に起きる可能がありますし、現に交通事故が急増しているとか、そういった問題が起こっているわけであります。私は、トラブルを解消しながらひとついい空港をつくってもらいたい。空港をつくる御趣旨は、地元の繁栄をもたらすためにも一生懸命やるのだということを、かねてから公団総裁や運輸大臣からお話を聞いております。内閣がどうもお金の出し惜しみをされて、いろいろ後手を打っているという感じがするのであります。内閣が出し惜しみをしておられるのか、大蔵省が出し惜しみをしておられるのか、それはわかりませんけれども、もし羽田の空港が、いま非常に錯綜しておりますので、大事故が起こってその処理に非常に大金を使うというようなことを考えると、一日も早く空港を完成をしたほうが私はよほど経済的だと思うのであります。  そこでまず、用地内の住民が移住する代替地の問題についてこれから伺いたいのでありますが、代替地の造成があまり進まないようです。農民は空港公団に対して土地をお売りいたしましょう。いろいろあったけれども、しぶしぶの人もありましたし、まだ反対している人もありますが、お売りいたしましょうということで、中にはもう金を受け取っている人もありますが、代替地のほうがさっぱりうまくいかないのか、入植が進んでおりません。あるいは先ほど太田委員の御質問にもありましたが、根本名川の改修計画というものも現実にあまり進んでおりません。もし、これから空港敷地の中でブルドーザーをかけて工事を始めますと、集中豪雨でもあれば今度は河川がはんらんをするという事態があって、これまたえらいことになると思うのであります。土地買収も、政府、公団などよりも土地もブローカーが入ってしまって、土地の価格をいたずらにつり上げてしまっている、こういう問題がたくさんありますので、これを次々と伺いたいと思うのです。ところで、閣議決定の地元対策、私、この閣議決定の要綱がございますので、これを中心にこれから伺いたいと思います。  地元対策についてというのがございます。この代替地という項で、「営農を継続する意思のある農民に対しては、国は県の協力を得て、移転先等につき申出者の希望を尊重して所要の代替地を用意し、営農が円満に行なえるよう資金及び技術等の援助をする。」とこうありますが、この代替地はどのように用意をしておられるか、簡単でございますが、総裁から御答弁をいただきたいと思います。
  98. 今井栄文

    ○今井参考人 先生は地元でおられますので、いまさら御説明する必要もないわけでございますけれども、御質問がありましたので、お答えいたします。  代替地は、空港公団が本来取得して造成すべきでありますが、農地法の関係からしまして公団が農地を所有できないという理由によって、県に代替地の取得と造成をお願いいたしておりまして、代替地の全体の面積は五百ヘクタールでございます。その中で、御料牧場の残地が百ヘクタール、それから県有地が百ヘクタール、面積といたしまして三百ヘクタールの民有地を県に買っていただいたのでございます。その中で、すでに民有地につきましては、富里の県有林、葉山あるいは種鶏種豚揚、さらに鍋店あるいは並木町というふうに二百五十五ヘクタール造成を要する地域がございますが、これにつきましては、一部水道工事等を残しまして、ほとんど造成を完了いたしまして、現在富里の県有林、葉山地区にはすでに家屋の建設並びに耕作が行なわれておるという現状でございます。
  99. 水野清

    ○水野委員 そこで、いまの代替地のお話の中の一つである御料牧場の空港に使用される残りの残地ですね。この残地の代替地約九十七アールが予定されておりますが、いまだに代替地造成が手についていません。これは新聞記事ですが、最近知事が運輸大臣公団総裁に陳情したという記事も載っております。どうしておくれているのかということを伺いたい。
  100. 今井栄文

    ○今井参考人 御料牧場の残地につきましては、御承知のように現在宮内庁が御使用中の部分が相当ございまして、この八月新しい御料牧場が高根沢にできますので、そちらのほうが完了次第御移転を願う、それから早期に造成するというのが本来のたてまえでございました。しかしながら、先生のおっしゃるとおり、地元の御料牧場残地へ割り当てを受けられた方々は、とにかく早く造成をしてほしいという強い要望がございまして、一部根本名地区につきましては、約四十ヘクタール弱だと思いますが、昨年の十一月、国の協力によりまして、一部立木並びに竹等の払い下げを受けまして、本年の三月末にこの伐採工事を完了いたしました。なお、引き続きこれを造成さしていただくように、目下関係の方面と折衝中でございます。  なお、いまお話しがございました他の地区につきましても、現に宮内庁が御使用になっておらない部分につきましては、早急にこれを造成する。まず手始めに伐木から開始していきたいということで、特に宮内庁並びに大蔵省のほうと現在折衝いたしておる、こういう段階でございます。
  101. 水野清

    ○水野委員 御料残地の件は、ひとつ早く進めていただきたいと思います。  次に、同じ代替地に予定されている成田市並木町の代替地、これは空港を中心としている駒井野という部落の赤荻という地区の人で、二十六戸の人です。これが入植することになっておりますが、水道、電気などの設備ができないので入れない、こう言っている。出入のための取りつけ道路も、所管が公団なのか、成田市でやるのか、千葉県でやるのかということがはっきりしない。成田市は公団だと言っておるようです。公団では成田市だと言っておるそうでありますが、いずれにしても、取りつけ道路、少なくとも自動車がちゃんと出入りできるような道路をつけて、水道、電気を入れてやらなければ入植はできない。いまの赤荻という部落の本多貫治さん、中野武さん、大宮重さんという三人の人が先発組で入ろうとしたのですけれども公団の御担当の方は、二、三戸では東京電力が電灯を引かないでしょう、こう軽く言っておられるわけです。しかし、これは非常にのん気な話であって、二、三戸であっても、東京電力も、これは公共企業でありますから、採算を度外視して当然電力を引くべきなんです。こういうことを農民が自分でやるのは、私は本来の趣旨に反する。公団がそこまで施行なさるのが当然だ。電気がなければ、最近は大工さんも電気を使いますから、かんながないと家も建たない。家が建たなければ入植できない。それからもう一つ、水道も大体完備しておると言っていらっしゃったが、この前の並木町の代替地というのは、相当広いところなんですが、ちょっと面積はわからないが、井戸が一つしか掘ってない。井戸だけ掘っても、水道の配管をしてやらなければ、これはできておりませんから、配管をしてやらなければ入植できない。水もないし、電気もないところに入れというわけですね。これは一体どういうわけですか。いまの閣議決定事項だって、「営農が円滑に行なえるよう資金及び技術等の援助をする。」ときちんと書いてある。これをなさらないのじゃないかと私は心配しておるのですが、お話を聞きたい。
  102. 今井栄文

    ○今井参考人 並木地区は全体で約六町歩程度でございますけれども、これは先生も御承知のように、全部宅造ということで造成をいたしておるわけでございます。  それで、取りつけ道路の問題でございますが、これはもう並木地区の造成では、メイン道路は六メートル幅のりっぱな道路をつくりまして、現在成田市道へ取りつけておるというのが現状でございます。ただ地元では、あるいはそれを直接並木地区から国道五十一号線に取りつけてほしいというような希望があるようでございますけれども、私どもの行なっております工事は、主として代替地造成という観点から仕事をやっておる。したがって、通常の観念からいえば、市道への取りつけ、それによってりっぱに交通もできるというふうに考えておりますが、そういう地元の御要望がありまして、それを国道五十一号まで持っていくということが、はたして代替地造成の仕事の範囲か、あるいは別途の道路工事であるかという問題があると思います。したがいまして、先生がおっしゃいましたように、いまの点でまだ十分な調整がとれておらないというのが現状である。ただ、公団の立場からしますれば、並木地区の宅地の完成を終わって、しかも六メートル道路を市道に取りつけるということで、一応代替地造成としては十分ではないかというふうに考えておるわけでございます。  それから、水道についてでございますが、水道の工事については、並木地区についてもすでに工事を発注済みでございます。近く水道管の埋設工事が始まります。  それから、電灯でございますが、御指摘のように、これは東京電力が、現在ある程度の住宅計画というものを一応受けた上で工事にかかるというふうな段取りになっております。県に造成を委託いたしておりますたてまえ上、県が開発公社をしてそれぞれ入られる方々と連名で、東京電力へ申請を出す、こういうかっこうになるわけです。したがいまして、現在葉山地区、それから富里県有林等は、そういう形で現在電灯線を引かれておるわけでございますけれども、その他の地区については、逐次入られる方がきまり次第、その方々と連名で県の開発公社が代行して東電に書類を出す、それによって東電は工事を施行する、こういう段取りになっております。
  103. 水野清

    ○水野委員 あまり電灯のこまかい話をしていても本論からはずれますから、これはひとつ親切にやってもらいたい。  取りつけ道路については、公団考えておられるのと違う。いわゆる直接五十一号線につないでほしいという要望が出ております。なるべくひとつこれはめんどう見てやるのが、私の読み上げました閣議決定事項に沿うことだと思うのです。そういうことをきちんと――これは公団のお仕事かどうかわかりませんよ、公団総裁に申し上げることじゃないと思いますが、ほんとうは内閣の推進本部長である運輸大臣に申し上げることかもしれません。政府委員の皆さん全部に私は申し上げておるのですが、そういういわゆるお役所の所管争いならいいのですが、お互いに所管じゃないといって遠慮しておられる点は改めてもらいたい。こういう非常に大事なことが、空港建設を実はおくらしておるのです。それをひとつよく注意していただきたい。  もう一つ、具体的な話をしたほうが御答弁いただきやすいので申し上げますが、騒音地区の人たちの移転問題、しかも騒音地区も非常に用地内と関連のあるような、用地内に農耕地を持っていて、住宅だけは滑走路の予定地脇にある。だから農耕地を奪うのですから、当然家屋も早く移転をさしてやらなければ生活ができない。いまの赤荻という部落の二十六戸のうち約二十二戸はそういう例です。この人たちは、かなり大きな地面を公団にお売りして、生活がある程度変化しかけておる。ところが、この人たちに対して、当初公団では、集団移転という約束をしておられますが、騒音地区のほうはあと回しだということを言っておられる上しなんです。総裁から聞いたんじゃないので、私も間接に聞いたのですから、言った、言わないということは言いませんが、そういうことを言っておるそうです。しかも騒音地区に家屋のある人の移転は、騒音が発生した段階でないと移転ができない。いま騒音がないじゃないか、そういう考え方だというふうにも聞いておる。ほんとうかどうかちょっと伺いたい。
  104. 今井栄文

    ○今井参考人 騒音地区の買い取りにつきましては、私も非常に心配いたしておりまして、できるだけ早く買い取るというような線で今日まで努力してまいったのでございますが、敷地の中の買収が相当程度進んでまいりまして、一応第一期工事についてのめどがつきました段階において、昭和四十四年度の予算におきましては、騒音区域の買い取りについても予算を計上いたしております。  それからさらに、先生御心配になっておられる、現実に騒音区域を買い取ってほしいという方々についての調査も相当程度でき上がっておりまして、調査の完了いたしたものにつきましては、これは芝山町岩山の方々でございますけれども、すでに全体で地主さんの数が約二十四名、これは世帯にしますと十数戸になる。面積といたしまして約十四、五ヘクタール、これについては現在買収ということで、もうすでに公団の内部で書類を関係のほうに回しながら私のほうへくる決裁を待っておる、こういう段階でございますので、近く解決すると思います。  なお、それ以外にその後出てまいりました、お名前を申し上げて恐縮でございますが、麻生さんその他の関係につきましては、これは四名ほどでございますけれども、約四町歩足らずでございます。これについても、第二次的にこれを買収するということで現在手続を進めておるという状況でございます。  今日まで芝山町の関係がおくれておりましたのは、私どものほうの調査もなかなか難渋したという点もございますが、相続その他の権利関係で向こうのほうで調べるというふうな問題もございましたので、今日までおくれましたが、現在すでに買収すべく部内の手続を進めておる。近く実現すると思います。今後もできるだけ騒音区域で御希望の向きについては、私どもとしては逐次調査をした上で希望に沿うように買収をいたしていくというふうに考えております。  なお、家屋移転につきまして、騒音が、できるまではそのままだという考えは私どもとしては毛頭ありません。それは、その実情によりまして、当然農地とともに移転される方々については、家屋の移転というものも考えていかなければならぬ。宅地についても、やはりできるだけ私どものほうでごめんどうを見る、こういうたてまえでございます。
  105. 水野清

    ○水野委員 そういうことならば、ひとつよろしくお願いいたします。  ところで、代替地の価格というものはきまったのでしょうか。
  106. 今井栄文

    ○今井参考人 代替地の価格は早くきめるということでまいったのでございますが、実は、先ほど申し上げましたように、代替地の取得、造成を現にお願いしておるというたてまえ上、一応千葉県当局が代替地についての農家の方々への売り渡し値段をきめまして、それを公団に協議するというたてまえになっておるわけです。基本的には、畑を基準にしまして反当たり九十万という値段が一応出ておりますが、こういうものに地目別あるいは地域別格差をつけることが適当かどうかというふうな問題等もございまして、基準の畑反当たり九十万というのはきまっておりますが、具体的な値段はまだ県から御提示を受けてないというのが現状であります。
  107. 水野清

    ○水野委員 そこで伺いたいのですが、もう一度さっきの並木町の入植者の例に戻りますけれども公団でこう言っておるそうです。反当二百万ぐらい一応入金をしてくれ、そうしなければ入植させるわけにはいかぬ、こういうことを言っておられるそうです。ほんとうかうそか知りませんよ。こういうことがあるかどうか、よくお調べを願いたい。  それから、代替地がきまりませんと――公団のほうにはいままでの所有地を売っている。そうすると、御承知のように、今度税制が改正になります。同じ年に売って、同時に買いかえれば無税であるとか、いろいろ控除がありますね。ところが、税金の申告をしようにも、片一方では土地を売っている。代替地の値段がわかりません。いつ申告をしていいかわからない。そういうことで非常に困る、こういうことを言ってきておる。そういう点、もう少し便宜を考えて何か適当な方法があるのじゃないか。何かやっておられるかどうか。それから、いまの二百万の点をちょっと伺いたい。
  108. 今井栄文

    ○今井参考人 先ほどお答えいたしましたように、代替地の売り渡し価格というものは、県と私どもとの関係では、畑を基準にして反当たり九十万という値段が出ておるわけでございます。先ほどちょっと触れましたように、他の地目について地目別な格差をつけるか、それからまた、非常に空港に近いところ、非常に離れたところ、こういうふうなところの地域格差をつけるかというふうな問題が若干残っておると思います。私ども考えでは、やはり純然たる宅地としてお渡しするところは、敷地の中でも宅地は反当たり二百万で買っておるわけでございますので、相当高い値段でお渡ししてもさしっかえないのじゃないか。もちろん、それが二百万なのか百九十万なのか百八十万なのか、そういうような点はまだ県との間で詰めておりませんけれども、やはり畑反当たり基準価格よりは宅地は高いというふうなことが常識的ではないかというふうに考えております。
  109. 水野清

    ○水野委員 もう一度戻りますが、騒音地区の土地の買収については、昨年度の繰り越しもある。本年度どのくらいの予算ですか。
  110. 今井栄文

    ○今井参考人 騒音地区の予算といたしましては、金額的に一体幾らになるかということは、他の科目の流用というふうなものによって資金的にカバーするという問題もございますので、現在確定はいたしておりません。しかし、単に騒音区域の土地を買うだけの問題ではなくして、学校の防音工事等の経費もございます。それからまた、家屋の移転費用等もあると思います。私どもとしては、希望者につきましてはできるだけ要望に沿うように資金的な工面はいたしたい、かように考えております。
  111. 水野清

    ○水野委員 その点で伺いたいのですが、私は予算のことはよくわからないのですが、他の流用とおっしゃいました。騒音地区の費目というのがなくてもほかのものから流用できるのか。それから、たとえば学校の防音工事予算を家屋移転に使えるのか、あるいは騒音地区の用地買収に使えるのか、そういうことをちょっと伺いたい。
  112. 今井栄文

    ○今井参考人 これは予算のこまかい実施細目にわたるわけでございますけれども、私どもとしては、いわゆる騒音対策費というふうなもので、その中で買収、移転、補償、学校の新築あるいは防音工事、こういうふうなものを含めて考えておるわけでございます。それ以外に用地費等もございますし、また四十四年度に繰り越しになった金もあるわけでございます。したがって、それでどうしても足りないということになれば、これは他の用地費のほうから流用するということは、予算上可能ではないか、かように考えております。
  113. 水野清

    ○水野委員 実はこれは邪推かもしれないのですが、公団のほうに幾ら言ってもらちがあかないのは、大蔵省が金の出し惜しみをしている、用地も買えないのに、騒音地区から先に買うばかがあるか、こう言っているものだから、なかなか金を出さないのだ。たとえば、先ほどのお話の芝山地区の十何人かの人につきましても、私はこれは一年半以上お願いしているわけです。ようやく最近判こが押されようというわけですが、私はかなり非能率だと思う。これだって一月や二月でやろうと思えばできるわけです。大蔵省が金の出し惜しみをしているのですか。
  114. 今井栄文

    ○今井参考人 大蔵省が金を出し惜しみしているというふうなことは全然ございません。   〔委員長退席、細田委員長代理着席〕 ただ、事柄の推移からいきまして、四十二年度、四十三年度は敷地内の用地買収に全力をあげる。それから、先ほど先生もちょっとおっしゃいましたけれども騒音が現実に発生するのは空港供用開始後ということでございます。したがって、われわれの騒音対策というものも四十四年度から本格化する、こういうふうにお考えいただいて、四十四年度、四十五年度において騒音対策についての実行予算の計上をする、こういうふうにお考えいただいてよろしいのではないか。したがって、従来先生その他地元の方々から、いろいろ騒音区域の買い取りのお申し出がありましたが、私どもとしてはそういう緊急を要するものについては、すでに昨年三月末日までに買い取ろうということで努力をしておったわけです。用地部も、非常に忙しいにもかかわらず、騒音地区の方々の騒音調査が実は行なわれました。しかし今度は、先方の事情も若干書類その他の関係がございまして今日までおくれたことは、まことに申しわけないと思っておりますが、そういった意味で事務的におくれておりますけれども、四十四年度から本格的に騒音対策に私どもとしても取り組むという決意でおりますので、御了承願いたいと思います。
  115. 水野清

    ○水野委員 その点よくわかりました。  念のために一つお聞きしておきたいのですが、実は飛行機が発着する前に別の騒音が起こっているのです。実は先ほど申し上げた芝山地区の十数戸の方は、空港賛成と反対の問題で生活ができないところへ追い込まれてしまった。たとえばその中の一人がお葬式を出した。昔からいなかのお葬式というのは、一つの部落でみんなお互いに墓掘りからお棺をかつぐのまでやり合ってきたわけです。それが葬式の手伝いにも来ないというような事態が起こったわけです。それでここの人たち十何人が、それではここにいられないから、ひとつ外に出ていこうということになったのに、公団が悪いのか、大蔵省が悪いのか、千葉県が悪いのか、私は知りませんが、一年以上、約二年近くこの人たちを待たした。この人たちに精神的、物質的にかなり損害を与えていると思うのです。私はこの機会に、政府諸機関に大いに反省をしてもらいたいと思います。大蔵省のほうはお金の出し惜しみをしてないと、こういうことだが、井上さんのほうからお話を承ればこれで帰ってもらってけっこうです。
  116. 井上幸夫

    井上説明員 お答え申し上げます。  騒音地区の用地買収の問題につきましては、昨年十月ですか、関係閣僚懇談会ですでに決をとっております。私のほうで別に押えたとか押えないとかいうことはございませんけれども、ただ御承知のように、公団予算はかなり一般会計の予算その他予算編成のしかたも違いますし、それから実行のしかたも違います。四十四年度の公団の認可予算につきまして、まだ現在認可の手続を運輸省のほうでおとりになっていないと思いますけれども、ただいま公団側からお答えもございましたように、騒音対策費としてまとめまして、中の執行についてはかなり弾力的に実行していただこう、こういうふうに考えております。  ただ、御承知の二キロ六百というあの区域の縛りがございます。あるいは公団側で実行上優先順位、序列順位その他あるのかもしれませんが、私のほうで基本的には騒音地区内の買収事業を進めることにつきまして別に異存はございません。
  117. 水野清

    ○水野委員 井上主計官には何か病気で休んでおられたところを私、呼び出して、非常に悪かった。主計局次長に来てほしいと言ったら、上役を非常にかばってわざわざ病気のところを出てきてもらって、非常に申しわけなかった。その一言をあなたに言ってもらいたかったのです。どうぞもうけっこうですからお帰りください。  次に、今度は閣議決定事項の商工業のところで伺いたいのですが、「商工業を営む者についても、これに準じた措置を講ずる。」と、ちゃんとこう書いてあるのです。それから「下総御料牧場並びにその従業員については、国が責任をもって措置する」とも書いてある。先の商工業を営む者ということなんでありますが、これは具体的にどんな措置考えておられるか、聞かしていただきたい。
  118. 今井栄文

    ○今井参考人 先生のほうがよく知っておられると思いますけれども敷地内の商工業者は現在総計で三十四名でございます。この三十四名の中で、二名の方が反対派に所属をしておられます。それでこの三十四名の方のうちで、すでに代替地として二十三名に配分を完了いたしております。残りの十一名のうち反対派の方が二名おられますから、まだ反対派の方はなかなか話し合いをしていただく機会がないわけでございますけれども、九名の方については、現在実際に代替地を必要とするかどうか、またどこへ移られるかという面について公団側で折衝をいたしております。従来も折衝をして配分をするというふうな関係で、今日まで二十三名の方々の配分が終わっておる、残りが大体九名程度ではないか、かように考えております。したがいまして、閣議決定の別冊にございます地元対策の中での商工業者に対する措置といたしましては、これは敷地内の農家の方々と同じようにわれわれとしては取り扱っていきたい、かように考えております。  なお、この二十三名のすでに配分をいたしました方々の職業は、雑貨商の方が六人、建築関係が三人、雑穀商の方が五人、それ以外に自転車の修理であるとか、あるいは洋服の仕立て、理髪、飲食関係、その他落花生の加工とか植木販売、そういうような方々が約九名おられます。そういう方々に対しては、いま申しましたように、実情に即するように御本人たちの意向も聞いて措置したいというふうに考えます。
  119. 水野清

    ○水野委員 ただいまのは用地内の人のことですね。そうしますと、この委員会で配られた資料でありますが、調査室の資料がございましたね。その資料の一九ページのところの県からの要望事項に商業団地を造成してほしいということがあります。これはおそらく敷地内だけでなくて、騒音地区あるいは成田の旧市街地の相当部分も含めた意味だと思います。県のかなり初期の要望ですから明確なものではないようですが、今回の特別措置法にはこういったものはあまり盛り込まれていないように思いますが、これは一体どういうわけか。  それから、商業には御承知のように金融がつくわけです。この金融については具体的にどんな措置をとっておられるか。資金ワクをつくるとか、国民金融公庫などのワクを県に設置しておるとか、そういったようなことをやっておられるのか、具体的にお伺いしたい。
  120. 手塚良成

    ○手塚政府委員 商工業団地につきましては、この計画がいまだ完全に具体化されていないというふうに聞いております。そこで県御当局との関連におきまして、主として計画は県でお立てになると思いますが、そういうことが具体化された暁には、私どもも十分県と御相談申し上げて、いま言った一連の融資その他の措置考えたいという閣議決定の線を実行するつもりでございます。
  121. 水野清

    ○水野委員 ただいまの航空局長のお話しのように、地元もはっきりした計画を持っていないようです。農村地帯の商工業者ですから、これは公団に申し上げるのはおかしいのであって、運輸省が県を通じてひとつしっかりした計画を早く立てろといって出していただきたいと思うのです。空港関係ニュータウンも計画されておりますけれども、用地配分計画の中に、商工業センターといいますか、そういったものをつくろうと思えばつくれるわけです。ところが、その計画の中にはっきり出ておりません。県もぼやっとしておられるけれども、私はおそらく運輸省があまり明確な指示を出しておられないのだと思う。これは抜けておると思いますので、ひとつ今後慎重に検討してほしいと思います。これは私の言いっぱなしでけっこうです。  次に、騒音対策のことについてちょっと伺いたい。これも閣議決定事項の中に、騒音対策の中で「地元関係者を含めた「騒音対策委員会」を設置する。」ということを明確に書いてあります。この件については千葉県知事のほうからもかねて、一体どういう構想で進めるのですかというぐらいのことは自治省に伺ったのでしょうか、運輸省に伺ったのでしょうか、せっついたことがあるはずであります。一体、地元関係者を含めた騒音対策委員会というものはどういうものをいつからつくるのか。それから、どういう構成をするのか。私はどうもないように思うから申し上げるのですが、地元関係者、たとえば、地元といっても県当局くらいまで入れた地元関係者ではしようがありません。成田市も、市の当局者だけではいけない。実際の騒音の被害者を入れた騒音対策委員会というものをつくってほしい。それについての何かあればお話を聞かしてもらいたい。   〔細田委員長代理退席、委員長着席〕
  122. 今井栄文

    ○今井参考人 騒音対策委員会を早期に設置してほしいというのは、実は知事さんから非常に強い御要望がございました。私どもも、本来は空港が供用開始になった後において騒音対策委員会をつくるというのが、羽田におきましても、伊丹におきましても、大体空港が運営された以後にでき上がっておる関係上、そういうつもりでおったのでございますけれども、そういうふうな御意向が昨年の暮れに表明されまして、私どもとしても、その線でできるだけ早くつくりたい。いままで遅延しておりますことはまことに申しわけないと思いますが、できるだけ早くつくるように早急に県とも御相談をいたしたい、かように考えております。  なお、構成メンバーでございますが、これについては、現在羽田に空港対策委員会がございます。それからまた、伊丹にも空港対策委員会がございまして、いま先生のおっしゃいましたように、それぞれの地方自治団体の関係者、それから空港公団、それから航空会社、こういうふうなところが入っておりますが、あわせてやはり地元の――これは本来の公共機関ではございませんけれども住民の方々のおつくりになった爆音防止対策協議会、そういうふうなものの代表者の方々もあわせて委員になっていただいて御審議をしていただく、こういう状況でございますので、私どもは、新たに新空港につくる騒音対策委員会につきましては、単に形式的な、自治体あるいは公団、あるいはまた政府機関というふうなものだけでなしに、真実に地元の騒音について非常に関心を持っておられる地元の方々の代表にもぜひ入っていただきたい、かように考えております。
  123. 水野清

    ○水野委員 いま公団総裁から御答弁があったので伺いたいのですが、そうすると、これは公団総裁の諮問機関とか、あるいは公団総裁に意見を具申するというような機関になるのでしょうか。これはまさか法律をつくるわけではないと思いますが、どこに所属するのか、明確になっていないのですか。
  124. 今井栄文

    ○今井参考人 羽田、伊丹は御承知のように国際おイ空港ではありますが、国が直轄いたしております関係上、騒音対策委員会も、羽田につきましてはいろいろな委員会としての決定事項あるいは要望事項というものを空港長を通じて政府のほうへ出す、こういうふうなたてまえで運用されておると思います。成田におきましては、空港公団が管理運営するという空港でございますので、空港公団を通じまして政府のそれぞれの関係機関にその要望を伝達し、実現をはかる、こういうふうな形になっております。ですから、諮問機関というと非常に形式的でございますけれども、一応騒音対策委員会には、公団ももちろん入りまして、全体としての意見をいろいろ取りまとめるわけでございますけれども、結局皆さんの御意見を公団のパイプを通じて政府の関係機関に伝達をする、こういうことになると思います。
  125. 水野清

    ○水野委員 次に、職業転換対策という項目がありますので、これについて伺いたいのでありますが、閣議決定事項を確認のために読んでみますと、「離職者の職業あっせんについては、住民の希望を徴し、国が責任をもって空港事業関連事業等に就業せしめるよう措置する。殊に空港における構内営業は、地元民に優先的に開放する。」このように閣議決定事項として明確に出ております。そこで住民の希望を正式にお調べになったことがありますか。これが第一です。  それから、具体的に地元民に開放する仕事の内容をひとつ簡明にお答えをいただきたい。
  126. 今井栄文

    ○今井参考人 これはおっしゃいますように、構内営業については地元の方々を優遇するという基本方針で、今日まで地元の方々とお話し合いをしてきております。この点は今後とも同じ方針で進んでいくということだけは私どもとして確言いたしたいと思います。  それから、現実にどういうふうなあれがあるかという点につきましては、これはおのずから地元の方々のまず希望を聞かなければいけない。また、客観的にいって、地元の方々に適するかどうかというふうな意味の助言ないしは御相談に応ずるというふうなこともいたさなければならない。したがって、非常に高級な国際的なレストランであるとか、あるいはまた非常にそれぞれの品目が高価なもの、たとえば真珠であるとか写真機であるとかいうふうなものの売店は必ずしも向かないと思います。しかし、空港の中で行ないます、あるいはまた空港関連して行ないます仕事というものは、相当たくさんございまして……。
  127. 水野清

    ○水野委員 これは時間がかかりますから後ほど資料出してくださってけっこうです。
  128. 今井栄文

    ○今井参考人 それじゃそういうことにさせていただきます。
  129. 水野清

    ○水野委員 いまのお話でちょっとくどいようですが申し上げます。いままで畑の中でイモをつくったり落花生をつくっていた人たちであります。ですから、提供しようにもかなり仕事のほうも限界があると思います。しかし、同時に、空港の構内でどんな仕事があるのかということを、よっぽどよく説明してやらないとわからないと思うのです。公団としてはその辺のごあっせんがまだ不十分じゃないかと思うのです。たとえば、すでにやっておられるでしょうけれども、一度ぐらい羽田に行って空港を見学をしても、何の商売がいいか、東京の人でもわからない。まして農村の人では、飛行機が珍しくてながめて帰ってくるのがせいぜいなんです。ですから、よっぽど根気強く、一人一人がどんな仕事をしたいのか、できればこんな仕事もある、こんな仕事もあるとよく説明してやっていただきたい。すでに公団関係で警備会社なんかつくってやっていただいておりますけれども、ああいうような懇切丁寧なやり方を、今後ともさらに懇切丁寧にやってもらいたいと思うのです。  そこで、具体的にわかり切ったことを申し上げるのですが、この委員会で申し上げて総裁答弁を得て議事録として残しておきたいから申し上げるのですが、たとえば構内でたばこや新聞の売店というような仕事があるわけです。これは農業をやっている人でも、あるいは農家の婦人でも、たばこを売ったりすることならできるのです。こういう仕事は完全に公団で開放するのかどうか。あるいは牛乳屋さんだとかお米屋さんだとか、公団のお米といっても、職員食堂なんというものがあるわけですから、そういうところで必ず米を買ってやる。肉屋さんとか八百屋さんも必ず買ってやる。機内食の関係だと、これはかなり品質の問題が出てくるでしょう。構内で働く公務員あるいは公団職員、航空会社の一般従業員、こういった人たちの食堂などでもこういったものは使ってもらえるわけです。こういったものを使ってくれるから賛成しようということになった人が非常に多いのですが、千葉県下で供給できるものは確実に地元で買います、たばこや新聞は地元の人に売らせますということを総裁から言わせたいのですが、ひとつ御答弁をいただきたい。
  130. 今井栄文

    ○今井参考人 いま具体的に、たばこの販売をどうする、あるいはまた新聞販売をどうするというようなお話が出たのでございますが、私どもは、先ほど申し上げましたように、地元の方々にできる仕事はできるだけ地元に開放するという線でおりますので、そういうふうな線で考えていきたい。ただ、たばこ、酒ということになりますと、これは公団自体の構内営業の免許だけではなかなかやれない。専売局等の関係もございまして、そういうふうな面でやはり許可をいただかなければならぬ。それについて必要があれば、公団としても当然ごあっせんの労をとる、こういうことになると思います。  それから、それ以外に、一般食堂であるとか、あるいはまた、先ほどお話の出ました牛乳、清涼飲料の販売というふうなものは、これは地元の方々でできるのではないか、こういうふうに考えております。  それから、付近の農村の畜産物あるいは農産物というようなものも、当然空港の中で大量の消費が行なわれるはずで、これは単に乗客あるいはまた見学者というだけでなしに、数万の方々が空港の中で働くというのが将来の姿でございますので、こういった方々のためにも、ぜひ私どもとしては地元の畜産品あるいは地元の農産品の購入というものは最優先的にごあっせんの労をとらしていただきたい、かように考えております。
  131. 水野清

    ○水野委員 そういうお話でひとつお願いをしたいのですが、私が危惧を持っておりますのは、さっき総裁がおっしゃったように、これはとても地元の人にできない、たとえば大きなレストランを経営する、これはおそらくできないでしょう。しかし、たとえば帝国ホテルの食堂部がくるとします。そうすると、どうしてもそこで酒を売りたい、たばこもちょっとわきで売りたい、こういうことになってくるわけです。どうしてもそういうところが横から入ってきて、せっかく地元の申請があったのに、とるんじゃないかという――非常に気の小さい話ですが心配をしているわけです。その点をひとつ総裁は間違いなくやってもらいたい。これをお願いしておきます。  次に、これは空港の構内ですから、構内営業になるか、タクシーの営業の問題ですが、自動車局長さんかそのかわりの方が来ていらっしゃるはずですから、ちょっと伺いたいのですが、タクシーの構内営業の申請がいろいろ出ているはずであります。成田の国際空港でやりたい、これも公団に地所を売った人、その次には成田で現在タクシー業をやっている人、そういう人が増車をしたいということも出ておると思うのです。この認可方針というのはすでに出ておりますか。
  132. 菅川薫

    ○菅川説明員 先ほどからのお話にもございますように「新東京国際空港位置決定に伴う施策について」という閣議決定もございますので、その閣議決定の方針については十分にこれを尊重して処理してまいりたいと思います。  あと御質問の点でございますが、許認可については、運送法の規定に従って計画等の審査もございますが、閣議決定の趣旨は十分に尊重して処理してまいりたい、かように思います。
  133. 水野清

    ○水野委員 いまのお話ではちょっとはっきりしないのです。確かにタクシーの営業というのは計画、資本力、いろいろなものが伴ってまいりますけれども、それをよく指導して――農業をやった人ですから、そういう人の出したタクシーの免許申請の書類はおそらく不備な点が多いと思います。経営についてもかなり危惧があると思う。それならば、二、三社で一本になってやってこい、あるいはすでにある経験者を入れてしっかりしたものをつくり直してこいという指導を積極的にやってもらいたいと思います。どうもいまのおことばだと、持ってくればよく考えましょうというふうにしか私はニュアンスが聞こえないのですけれども、ひとつ明確な答弁をしてください。
  134. 菅川薫

    ○菅川説明員 申請は四十三年から四十四年にかけて出ておりますが、まだ結論を出す時期までには至っておりません。いま先生がお話しのような点につきましても、同じように計画の内容を調べていくにしても、閣議決定でそういう離職者等について十分考慮しろという精神は十分にくみ入れてやってまいりたい、そういうぐあいに考えております。
  135. 水野清

    ○水野委員 そうすると、これも念のために申し上げておきますが、空港関連ニュータウンのほうにもそういう需要が出てくる。申請も出てきているはずであります。それも同じように考えて認可方針をお出しになるかどうか伺いたいと思います。
  136. 菅川薫

    ○菅川説明員 もちろん閣議決定の方針にもございますように、そういう離職者の職業のあっせんというような条項に該当して、離職者の職業あっせんということからそういう点を十分配慮しなければならないということであれば、その辺は十分配慮したい、そういうぐあいに考えております。
  137. 水野清

    ○水野委員 どうも話が消極的ですね。  それじゃもう一つ伺いますが、これは公団なのか――私はやはり自動車局だと思うのですが、羽田の空港にリムジン交通というのがありますね。これは飛行場からホテルにお客さんを運ぶ乗り合いのようなタクシーです。タクシーといっていいのかどうか私わかりませんが、このタクシーの認可について何かすでに方針を立てておられるか、あるいは申請が出ているか、この点……。
  138. 菅川薫

    ○菅川説明員 羽田の日本空港リムジンはバス事業をやっておりますが……。(水野委員「羽田じゃない、成田のほうです。」と呼ぶ)成田のほうについてはまだ申請は出てございません。
  139. 水野清

    ○水野委員 それじゃ、私のほうが少し先走っているのかもしれないのですが、私が聞いたところでは、日本航空と羽田の空港ビルと京成電鉄の三社で何か一つの会社をつくって出すとか、あるいはこれが一本にまとまらないで二つの会社で出すというような話がかなり聞こえてくるのです。こういう三社だけでこのリムジン交通をやるのはまことにけしからぬと思います。要するに、先ほどの閣議の職業転換対策の中にもあるように、こういう仕事こそある程度固定しているわけです。ただ、地元の農業をやっていた人にリムジン交通を全部やらせろということはできない。しかし、こういう確実な大きな、大会社でやる仕事なら、株式を配分してやって、確実に地元の人の離職対策になるという道があると思うのです。あるいは、現在成田市あたりでやっている小さなタクシー会社もある。これはかなり経験者だ。こういうところに対して何も相談をしないで、この三社でやっているわけですね。私、かなり問題だと思います。自動車局でこれをひとつ調査して、きちんとした指導方針を出してもらいたいと思います。いかがでしょうか。
  140. 菅川薫

    ○菅川説明員 先ほどからお話ししたように、まだバスの関係についてはそういう申請がございませんし、いま先生お話しのようなことを、まだ実は私承知しておらないのでございますけれども、離職者の職業あっせんという問題であるとしまして、それがどういう過程でいま行なわれつつあるのかわかりませんけれども、自動車局という立場からすれば、やはり一つの申請という形でまとまって出てきた場合に、どの会社を選ぶとか、そういう優劣について審査し判断していくという方向によらざるを得ないのではないだろうかと考えます。
  141. 水野清

    ○水野委員 あなた、たいへん失礼ですが、課長さんですから、それ以上の話はできないと思いますが、これはひとつ航空局長、この辺は政治的に、あなたあたりであっせんしてやってもらいたいと思うのです。御答弁はしにくいでしょうが、こういう確実な仕事を地元民に分けてやる、こういういい仕事を次から次と、やはり東京のいろいろな資本が飛行場を目ざしてやってきている。みんないいところを取っていっちゃう。それを私は危惧しているわけです。何か答弁があれば……。
  142. 手塚良成

    ○手塚政府委員 閣議決定もあることでございますし、先生の御趣旨はそのとおりだと思います。ただいま仰せの具体的な事例に関しましては、いま自動車局のほうでもお答えしましたようなことで、そのものに直ちに本件を適用するかどうかは別といたしましても、御趣旨の精神はまことにごもっともなんで、関係部門にさような措置を連絡するとともに、できるだけ直接的な指導行政をやりたい、かように思います。
  143. 水野清

    ○水野委員 ところで、これは公団総裁か航空局長に伺いたいのですが、羽田の空港ビルという会社があるのです。成田が国際空港になりますと、おそらく羽田は徐々に国際空港でなくなるのかどうか、私はこの辺の計画は伺っておりませんけれども、羽田の空港ビルは、聞くところによると、成田の国際空港にも自分のところは一つの優先権を持っているんだというようなことを言っておられるそうです。運輸省では一体そう考えておられるのかどうか、御意見を承りたいと思います。運輸省でしょうか、公団でしょうか、私はわかりませんが、お二人どちらでもけっこうです。
  144. 手塚良成

    ○手塚政府委員 羽田のターミナルビル会社は、民間会社で一つの構内営業ということで営業をやっておるわけです。したがいまして、このビルがまた新空港において構内営業権を同様なたてまえにおいて持つかどうか、またそういうものに優先権を与えるというようなこと、これについてはまだ私どものほうでは方針としては確立したものを持っておりません。おりませんが、先ほど来のお話にございますとおり、また、閣議決定にもありますようなことで、やはり地元優先という大方針が一つあるわけでございます。そういうたてまえから、この問題がもし何らか具体化してくるような場合には、そういう方針で検討していきたい、かように考えております。
  145. 水野清

    ○水野委員 航空局長の御答弁は、非常に用心深い、いろいろな配慮をした御答弁ですが、地元優先ということは閣議決定事項に明確に書いてあるのですね。羽田の空港ビルも、それ自体の都合があるでしょうけれども、羽田がどうもふるわなくなるからおれは成田に行って商売をするんだ、あたりまえだという考え方は、私はけしからぬと思っている――そう思っているかどうかかわかりませんが……(「ないはずだ」と呼ぶ者あり)ないはずだという御発言もありますが、航空局長、これはよく監視してもらいたい。  それから、実はここで御披露申し上げておきますが、この羽田の空港ビルの某常務さんが、成田の農協に来て、飛行場のまわりでホテルをやりたいんだ、地所を世話してほしいと言ってきておられるのですよ。そのときに、どうもここでこの水野がうるさいことを言うけれども、ひとつこれはないしょにしてくれと言って帰っていっている例もあるのです。やり方がまことに卑劣だと私は思っておるのですが、よくひとつ監視をしておいてもらいたい。  それから、先ほどの用地内の離職者が――離職者というのは農業をやめて、あるいは商工業をやめていく人がすでに出ているわけです。あるいは予備的に若い子弟が出ておるのですが、私はこういう人たちは、これは実は労働省に来てもらわなかったので、航空局長にかわりに答弁してもらいたいのですが、こういう若い人たちに職業訓練をやってやるべきだと思いますが、何か具体的に進めておられますか。知っておられる範囲でけっこうです。なければまた別の機会に私は労働省を呼んで聞きますから……。
  146. 手塚良成

    ○手塚政府委員 離職者対策の一環としての職業訓練のお話でございますが、国自体といたしましては、雇用促進事業団の事業といたしまして、成田市に総合職業訓練所を三カ年計画で設けるということは、これは方針としてきまっております。しかも四十四年度には予算的に初年度分ということで、予算も労働省でございますがついておると聞いております。総合職業訓練所におきましては、航空関係の技能者あるいは航空業務の職業訓練、こういうふうなことを行なう予定と聞いております。  さらに、県自体では、これはもう先生も十分御承知と思いますが、芝山町に昨年十一月職業訓練所を設置をいたしまして、この訓練所ではことしの五月からブロック建築科あるいは建築大工科の訓練、こういうのを始めておるというふうに伺っております。こういうようなことを通じまして、あるいはこういう内容を拡大して、そして進めていくということだと考えます。
  147. 水野清

    ○水野委員 私の言っていることは違うのです。いいですか、ことし予算がついて職業訓練所が来年か再来年できるのじゃおそいのです。その職業訓練所をそんなに急につくれというのは無理ですが、その離職者を積極的に、地元にも職安があるのですから、そこでできるだけ――羽田空港勉強さしてもいいわけですから、そういう積極策をとっているかと、こういう質問をしたのですが、これはどうも航空局長じゃ無理なので、私は労働省を呼んでなかったのですから、もうこの質問はやめます。  次に、道路の問題を伺います。建設省にひとつ――資材道路ですから公団も入ります。  空港建設に使用される資材の量は砕石、砂利等二千万トンをこえるという、これはいまいただいた資料に出ております。非常にばく大なものであります。鉄道輸送も考えておられるようでありますが、非常にたくさんのトラック輸送に依存するというわけであります。資材道路については、公団あるいは建設省においては、自信をもってだいじょうぶだと、こう言えるかどうか。
  148. 南部三郎

    ○南部説明員 お答えいたします。  資材輸送に関しましては、道路公団で検討されました工事用資材の種類、量、それの採取地、それから空港工事現場まで運ぶ経路等に基づきまして、道路管理者である県あるいは建設省と道路公団等、それからこれらの資材輸送に関係いたします道路交通の保全等に開しましては警察、こういうふうな関係と十分協議をいたしまして計画を進めてまいっております。  空港公団工事用資材のうち、道路を使います分につきましては、すでに空港公団と県御当局とが十分に打ち合わせをされまして、それに伴います必要な対策費につきましては、空港公団予算をもって措置をされるように聞いておりますが、その内容につきましては、空港公団のほうから御説明があると思います。  それから、空港公団以外に関連いたしますいろいろな公共事業が発生いたしてまいります。たとえば高速自動車道であるとか、あるいはニュータウン建設でございますとか、あるいは流域下水道事業建設、こういうふうな周辺関連いたします公共事業につきましても、それぞれ何がしかの工事用の資材の輸送というふうなものがございます。これらの輸送につきましては、それぞれの輸送内容につきまして検討いたしまして、これも千葉県のほうと十分検討いたしまして、これに対応します工事道路としての当面処すべき応急な施策につきましては、すでに十分打ち合わせをいたしております。  それから、交通の保全に関します件でございますが、たとえば信号の設置でございますとか、あるいは防護さくについて、あるいは歩道橋の設置、こうした問題につきましては、先ほど申し上げました空港公団が直接の工事用資材をお運びになる道路並びに関連事業に関しまする道路等につきまして、県警、それから道路管理者である県、それから国につきましては建設省、この間におきまして、それぞれいま申し上げました種類の具体的な設置につきまして打ち合わせをいたしまして、それを早急に進めるように現在進めつつございます。  以上でございます。
  149. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 関連して葉梨信行君の発言を許します。葉梨信行君。
  150. 葉梨信行

    葉梨委員 道路の問題についてちょっとお伺いしますが、茨城県側としましても、今度の成田国際空港建設につきましては御協力を申し上げなければならないことになっております。茨城県に対しまして、国際空港公団側から、砕石や砂利を運ぶために次の道路を使うからという通告があったと聞いております。それは国道六号線、百二十五号線、それから県道の龍ケ崎-潮来線、石岡-下館線、それから鹿島地方の砂利を運ぶために国道の五十一号線、百二十四号線、以上の道路を使うという通告があったと聞いておりますが、この通告はいつごろされましたか。
  151. 今井栄文

    ○今井参考人 先生のおっしゃるとおり、茨城県につきましては、公団が茨城県の砕石輸送のために県に県道、並びに国に対しては国道でございますが、公団費用におきましてお願いをいたした分が、国道一路線、県道五路線ございます。なお、都市計画街路二路線が取り上げられておりますが、これらについては昨年の秋――はっきりした日どりは覚えておりませんので、後ほどまた御連絡申し上げますが、昨年の秋に正式に県に対して委託を申し上げ、御了承を得まして、現在施行中、こういうことでございます。
  152. 葉梨信行

    葉梨委員 先ほど私が読み上げました路線で全部でございましょうか。と申しますのは、成田の国際空港に、たとえば石岡市在の竜神山の砕石を運ぶとしますと、石岡市から土浦を経て阿見町、江戸崎町、それから河内村を経まして長豊橋を渡って成田に行くのが最短路線でございますが、いま私の申し上げました路線には入ってないと思うのです。その点どうでしょうか。それから、鹿島の砂を運ぶために国道五十一号、百二十四号を使うとしますと、これは波崎、銚子回りで運ぶということでございましょうか。あるいは潮来、牛堀、それから佐原を通って成田に至る線を使うか、その二点をお伺いしたいと思います。
  153. 今井栄文

    ○今井参考人 私どものほうで茨城県にお願いをいたしました道路を路線別に申し上げますと、主要国道としまして龍ケ崎-潮来線、成田-江戸崎線、それから一般県道としまして江戸崎-神崎線、それから国道百二十五号線、それから一般県道としまして上土田-筑波線、それから主要地方道といたしまして石岡-下館線、それから龍ケ崎市都市計画街路としまして昭和通り線、それから姫宮-大徳線、これだけでございまして、全部合わせまして八路線になるわけでございます。  それからなお、それ以外に一応現状で使えるという路線が六路線ばかりあるわけでございますが、先生のおっしゃいます鹿島のしゅんせつの砂につきましては、現在道路で輸送する計画はございません。直接船でとりまして千葉港にあげて、千葉港から鉄道で成田まで陸送する、こういう計画でございます。
  154. 葉梨信行

    葉梨委員 大体概算で、一日に延べ何台くらいトラックで通過いたしましょうか。
  155. 岩田勝雄

    ○岩田参考人 石岡地区から大体一日片道八十三、往復では百六十六、二カ所ありますので、これが国道六号と国道百二十五号と分岐点で両方に分かれまして、半分ずつ、八十四が国道百二十五号、それから国道六号のほうに八十三、こうなります。そして国道六号を回りましたのが龍ケ崎-潮来線を通りまして成田に参ります。国道百二十五号を通りました分が成田-江戸崎線を通りまして、江戸崎ではこれがまた一緒になりますので、合計百六十八、こういうことです。
  156. 葉梨信行

    葉梨委員 そうしますと、石岡、それから土浦、龍ケ崎、それから町としては江戸崎等につきまして、私知っている限りでは、そういうたくさんの大型ダンプが通過するということには、非常に道路の幅が狭くて、現在でも交通渋滞を来たしておることからしまして、これからもますます混雑がひどくなる、路面のいたみはもちろんたいへんなものがあるだろう。それから一番おそれますのは交通事故でございます。先ほど水野委員の質問に対しまして建設省のほうから、交通安全施設をいろいろ整備されるというお話を伺いましたが、どうもガードレールや歩道橋をつくっただけでは、おそらく悲惨な人身事故は防げないのじゃないだろうかということを考えるわけです。そこでどうしてもバイパス、これはたとえばただいま土浦バイパスが決定されておりますけれども、そういう大がかりなバイパスでないにしても、通行のあまりない、少し迂回路になっても、商店あるいは通行人に迷惑のかからないようなバイパス、簡略なバイパスでも考えていただかなければ大へんなことになるということを心配するわけでございます。現在そういうお考えがあるかどうか、承りたいと思います。
  157. 今井栄文

    ○今井参考人 現在のところでは、私どもの直接の資材輸送道路としては、先ほど御説明申し上げたような計画でやっていきたい。それから、なお御心配になる交通安全の問題につきましては、十分警察当局とお打ち合わせをした上で、できる限りの安全対策をしていきたい、かように考えております。
  158. 葉梨信行

    葉梨委員 道路の問題でございますから、警察ももちろんでございますが、建設省それから県とお話し合いをしていただかなければこれは解決しないと思うのですが、具体的にそういう話し合いをしていらっしゃいましょうか。
  159. 今井栄文

    ○今井参考人 安全対策につきましては、茨城県当局と公団の担当者との間で十分話し合いをいたしております。
  160. 葉梨信行

    葉梨委員 そうしますと、私がただいまバイパス等をつくっていただかなければどうにもならぬと申し上げましたが、その点については具体的に話し合いが進んでおりますか。
  161. 今井栄文

    ○今井参考人 担当者からの話でございますが、茨城県当局のほうからまだそういう具体的な申し入ればないということでございます。
  162. 葉梨信行

    葉梨委員 私は茨城県当局の腹は知りませんけれども、地元の代表の一人としまして、当然そういうことを考えていただかないと、これは単に空港の責任であるとか、どこかに責任を帰するということではなくて、やはりこの事業全体を円滑に成功させるためには、関係当局、皆さんが積極的に取り組んでいただかなければいけない、こう思うのでございます。そこで、そういう計画を早急に、県から申し出がなくても、公団側あるいは建設省と御相談になっていろいろ検討していただきたいと思います。これは茨城県だけではなくて、水野委員のおられる千葉県側ももちろんでございます。その場合に、これは国の補助金あるいは県の金も使うだろうけれども公団としては助成措置は何か考えていらっしゃいましょうか。かりにそういうバイパスをつくるというような問題が具体化した場合に、何割くらいはそれじゃ公団で持とうとか、そういう腹づもりはお持ちでしょうか。
  163. 今井栄文

    ○今井参考人 現在具体的にどれぐらい持てるかというふうな点について、ここで明確なお答えはできないわけでございますけれども、茨城県につきまして、先ほど申し上げました路線の改良工事については、県と御相談いたしました上で、公団として負担すべきものにつきましては全額負担をいたしておるという状況でございます。  なお、いま先生のお話しの点につきましては、さっそくそういうふうな点を県並びに中央の関係当局とお話し合いをいたしまして、私どもとしても関係方面の御意見を承った上で、その御指示に従って措置いたしたい、かように考えております。
  164. 葉梨信行

    葉梨委員 公団総裁並びに建設省の方がいらっしゃいますから、私のほうからも県のほうに申し入れておきますので、できるだけ具体的に、早急にその対策を進めていただきたいということをお願いいたしまして、関連質問を終わります。
  165. 水野清

    ○水野委員 いまの葉梨委員のお話もありましたが、ダンプカーというやつは、公団あるいは建設省で指定された資材道路を走らないくせがかなりある。どうしても裏道などを通ったり信号のないところ、交番のないところとねらい撃ちをして連中は走るわけであります。これに対して資材道路を必ず使うというような拘束力を持たせられるかどうか。
  166. 南部三郎

    ○南部説明員 私がお答えするのは適当でないかもしれませんけれども、拘束力を持たすということはできないと思います。したがいまして、私ども建設省の道路関係の者といたしましては、それぞれの企業者に対しまして、出される相手に対して十分そうした点についての指導をやっていただくようにお願いしているわけでございます。
  167. 水野清

    ○水野委員 そこで、これはひとつ自治省に伺いたいんです、ダンプカーの運転手ですから、おそらく言うことを聞かないと思うのですよ。そうすると、相当多数の市町村で裏道を通られたり、市町村道を通られりして非常に困る。ところが、この法律では成田市と富里芝山大栄多古と、この五つの自治体しか対象になっておりませんが、これらのたくさんのダンプカーや建設業者の使う自動車のガソリン――軽油引取税ですか、というものはたしか県税だと思う。軽油を必ず千葉県なり茨城県なりで関係業者に買わせるというような指導を、自治省でやるのか公団でやるのか、これも拘束力を持たして、それで金の補給をしてやるということができないものかと思う。
  168. 細郷道一

    細郷政府委員 御承知のように、軽油引取税は軽油の引き取り地点の県が課税をする、こういう行き方をとっております。それぞれ関係業者の契約の問題もございますので、強制することは困難だろうと思います。ただ、財政的には、軽油引取税を交付税計算の基準財政収入額に入れることによりまして、それがたくさん入るところは交付税が少なく、少ないところには交付税がよけいいく、こういう措置によって調整がなされています。  それから、いま一つ市町村道につきましては、御承知のように本年度は財政計画並びに交付税措置を通じまして、従来の財源措置の五割増しの措置をいたしましたので、それぞれの地方団体で時宜に適して使っていただくことを期待いたしておるわけであります。
  169. 水野清

    ○水野委員 それでは次に移りますが、今度空港ができた場合の交通問題でありますが、都心と新空港をつなぐ高速道路の計画は、東関東高速道鹿島線というものがございます。これをつなぐ京葉道路がございます。これについて伺いたいのですが、空港が完成後、現在の計画で空港と都心とをどのくらいの時間でつなげるという計画なのか、伺いたいと思います。
  170. 松崎彬麿

    ○松崎説明員 お答えいたします。  四十六年三月時点で現在計画しております事業がそれぞれ完成いたしますと、都心から空港までは首都高速道路、京葉道路並びに高速道路を使って行くことになりますが、延長が日本橋からはかりまして約六十六キロでございますので、一応の予測としましては五十分ないし六十分ということを考えております。
  171. 水野清

    ○水野委員 その御趣旨はわかるのですが、御承知のように東関東高速道の鹿島線から成田空港までは大体それで計画どおりいくと思うのです。しかし、京葉道路はそんな状態ではないのです。御計画では、いまの四車線を六車線にするということになっているようでありますが、現在の京葉道路でさえも飽和状態になっている。実際千葉から都心まで来るのに一時間半、二時間かかることも間々あるわけです。しかし、千葉から先の京葉工業地帯の埋め立てが完成しまして、非常にたくさんの工場ができて、交通量は激増しております。一応は四車線が六車線にふえても、それを吸収するのが精一ぱいで、空港に行くほうの自動車は、乗ることは乗るでしょうが、実際には非常な時間になると思うのです。これは私の想像ですけれども、たとえばSSTが飛ぶころになると、成田からハワイまでは三時間なのに、都心から成田まで行くのに一時間半もかかってしまう、あるいは二時間もかかってしまうというようなばかな結果が起こるのじゃないかと思うのです。それについてどういうふうに対策を考えておられますか。
  172. 井上幸夫

    井上説明員 お答えいたします。  私どものただいまの推定では、空港開設時には、いま高速国道課長が申し上げましたように、首都高速七号線及び京葉道路、最近できました三期の宮野木から分かれまして東関東自動車道鹿島線で一時間弱くらいで行ける、しかし開設後五年ぐらいで、主として京葉道路と七号線が一ぱいになる、こういう計算でございますので、そのころまでには宮野木から湾津道路をつくって、湾岸道路で都心へ入る、こういう計画を別途検討中でございます。
  173. 水野清

    ○水野委員 この話はこれ以上話をしても水かけ論です。実際はあなたのお話のようになっていないと思う。五十分以内で行くのには、深夜に飛行機に乗るときか朝早く乗るときであって、昼間で込むときは二時間かかるような事態が必ず起こります。そこで、いまおっしゃった湾岸道路を早くやっていただきたい。建設省は大蔵省にもっとはっぱをかけて、きちんと予算を取って、きちんとした計画をつくってください。これは詰めていったら、あなたのほうが実際にお困りになるはずです。現在の京葉道路の小松川から千葉まで、一日平均して台数で、いろいろかかった平均の所要時間というものをお出しになってみると大体想像はできると私は思うのです。そんなふうに計画どおりにはいかないと思います。これは私の主観かもしれません。これ以上詰めても時間がないですが、南部さん、やってくれますか。
  174. 南部三郎

    ○南部説明員 ちょっと補足説明を申し上げます。  現在京葉道路の一期区間、非常に込んでおるというお話でございますが、確かに込んでおります。現状は、東京から東に見てまいりますと、高速道路七号線はまだできておりませんので、十四号等の道路で京葉の一期区間に集中してまいります。それから、もう一つの弱点は、京葉の一期区間は現在平面交差でございます。その平面交差の関係でまた大きな交通阻害をいたしております。  いま私どもが京葉の供用開始までにやろうといたしておりますことは、この一期区間の拡幅とともに一期区間の平面交差はないようにいたします。それから、都心から一期区間までは、六号線、七号線を通じて京葉のいまの平面交差のなくなる区間に直接乗るようになりますので、現状と同じような状態ではなくなるということでございます。  以上、補足説明させていただきます。
  175. 水野清

    ○水野委員 道路局の関係の方は、私はもう質問はありませんが、ほかの委員から御質問があれば別ですが、私はけっこうでございます。  今度は河川局に……。  根本名川の改修問題です。工事が始まりますと空港用地三百万坪――まあ一度に三百万坪の着工はいまのところ無理のようですけれども、この雨水が根本名川の支流の取香川というのに流れる可能性があります。その際の予防措置というのをどう考えておられるか。  時間がないので続けて伺います。  その次は、根本名川の改修計画は出ておりますが、赤荻川という――私はあらかじめ個所やなんか御連絡申し上げたからおわかりになると思いますが、尾羽根川という、この二つの支流があります。根本名川のまた支流ですが、この上流は空港地域にほぼつながっております。この河川改修計画がこの資料では抜けております。私の知っておる限り、そういう河川改修計画はどこからも出ておりません。これについて地元でかなり不安に思っている人がおりますが、一体どうなっているか、これが二点。  それからもう一つ、荒海川ですが、ここは一昨年河川改修をやって、それに伴って土地改良もやったばかりです。そこにさらにまた河川改修をやるわけです。そうすると財政的に地元民に非常な負担をかけるわけです。これについてはどういう措置考えておられるか。  この三点を伺いたいと思います。
  176. 飯塚敏夫

    ○飯塚説明員 お答えいたします。  根本名川の改修計画につきましては、従来より下流の水害地の問題がございまして、鋭意工事を進めておったわけでございますが、先ほどから御質問のございますように、空港関連いたしまして将来の開発予想が異なりましたので、計画を改定せざるを得なかったわけでございます。  その計画改定にあたりましては、将来の水域の開発状況を予想いたしまして、かつまた地域住民の方のいわば完全な治水、水害のないようにというような御要望も入れまして、いわば水源地が空港になりますが、そこから利根川の合流点まで一貫した計画のもとに計画を立てたわけでございます。
  177. 水野清

    ○水野委員 計画書類はいただいておりますから、私の申し上げたこと、最初の問題は公団が答えてください。二点と三点を簡単に答えてください。
  178. 飯塚敏夫

    ○飯塚説明員 第二点の赤荻川と根本名川の問題でありますが、赤荻川は現在普通河川になっておりますが、内水河川でございます。これにつきまして、いわば山水をそのまま本川の根本名川に合流さすようにいたしますと、非常に高い堤防で潰水地面積も非常に大きくなってまいります。したがいまして、現在のところこの合流点の計画につきましては樋門で処理する、そして排水は逐次根本名川に沿って設けられます堤脚沿いの水路、これは河川改修工事と並行してやる予定にしておりますが、その水路に沿って下流に流す。それから、そこまでの赤荻川の改修でございますが、これにつきましては、現在県と、土地改良という立場でやるか、あるいは県がやるか、そういう問題について協議を進めております。  それから、尾羽根川につきましては、現在空港建設に直接関連はいたしませんが、下流部につきましては、根本名川本川の水が逆流してくる背水影響区間については空港関係がございます。この点につきましては、現在本川の暫定改修といいますか、そういうことを先行しておりますが、尾羽根川につきましても、成田空港工事の進捗状況と並行いたしまして発展状況もかなり進んでまいるということが予想されますので、そういう問題を勘案しつつ現在調査計画を検討中でございます。いずれにいたしましても、施行は本川の改修よりややおくれるということになると思いますが、計画につきましては現在鋭意検討中でございます。  なお、第三点の荒海川の問題でございますが、すでに先生御指摘のとおり、改修を局部改良事業でやっておったわけでございますが、これにつきましては荒海川上流域に空港ができますので、開発予想が異なりましたので、計画といたしましては全面的に変更いたしまして、計画の本川につきましては地元の意向等を考慮いたしまして、両側に引くということにしております。  なお、これらの改修の進捗につきましては、極力空港の完成までに間に合うように、今年度も用地交渉に十分予算を充当しつつ現在地元と協議中でございます。
  179. 今井栄文

    ○今井参考人 公団としましては、工事中の雨水処理の方法の問題だろうと思いますが、これは取香川に直接関連をいたしてくるわけでございます。工事中の雨水の排水につきましては、滞水地を設けることによりまして急激にどろ水を流出しないようにやりたい。滞水地は現在さしあたって第一期工事について考えておりますのは、A滑走路の北西部に計画いたしておりまして、これから根本名水系へ駒井野の谷地田の中に排水管を埋設いたしまして、その流末に沈砂池といいますか、それを設けて逐次雨量に応じ、あるいはまた川の水量に応じて根本名川に落としていく。  取香川の改修については……。(水野委員「改修はいいです」と呼ぶ)そういうような方向でいきたいと思います。  なお、それ以外の水系につきまして利水上必要があるということであれば、将来貯水池をつくるというふうなことも現在考慮しておる面もあるわけでございます。
  180. 水野清

    ○水野委員 河川局の関係の方、もうけっこうです。建設省、南部さんがいいのか、用地課長さんでしたか、官房の課長さんに伺いたいのですが、ここに一つ問題が起こっているのは、非常にたくさんの公共事業が行なわれるわけですが、国道五十一号線の改修の買収が行なわれている、その土地買収費と、同じ近いところで根本名川の改修のための土地買収費とが違います。御承知のように根本名川は一応一反歩百十万という値段を提示しております。国道五十一号線のほうは、四十三年度たしか百二十五万といった数字出しております。あるいは東関東高速道は百二十万から百八十万という値段を提示しております。こういうふうにばらばらなんです。さらに加えて公団空港用地内は約四十万という数字出しております。このばらばらなことが農民にとっては非常にふかしぎなんです。わからないのです。われわれは役所の機構というのはそんなものだと思っていますが、農民はお国の窓口というのは一つだと思っておる。ところが、別々なものだから、別々な値段で――だれだって高いほうの値段に売りたいわけです。そこで河川改修が進まない。いろいろな問題が起こってきている。これについて、この問題はすでに入っているからここでの問題じゃないかもしれないけれども、今後公共事業としていろいろな仕事を建設省はおやりにならなければならぬ。こういうふうなばらばらの体制では、どこへ行っても仕事はできません。たとえば電電公社はつい近所で、これは小面積ですが、一反歩三百万も四百万も出して平気で電話局の用地を買収しておられるわけです。建設省としてはどういう政策を持っておりますか。
  181. 西原俊策

    ○西原説明員 公共用地の取得価格につきましては、閣議決定の補償基準要綱がございまして、それで運用しているわけでございますが、実際の運用にあたりましては各起業者、それぞれの起業地の実情に即して評価をするということになるわけでございますけれども、国あるいは地方公共団体あるいは公社公団のような公的な機関が公共用地を取得します場合に、やはり同じ考え方で、同じような価格で取得して、それで公共事業を施行していく、こういうことが必要なわけでございまして、このために補償基準の運用の連絡調整というようなことを国あるいは公社公団のような公的な機関、二十事業主体ございますが、これが集まりまして用地対策連絡会という組織をつくって連絡調整を行なっております。  土地の価格につきましては、現地の実情に即してきめていかなければなりませんので、全国を九つのブロックに分けまして、そのブロックごとに国の出先機関あるいは各県、それから公社公団の出先機関、こういったところが集まりまして、地区の用地対策連絡会を組織いたしております。さらに、必要なところには県段階で、県を中心にいたしまして用地対策連絡会の支部をつくっておりまして、ことに成田あるいは鹿島開発、こういつたように公共事業の競合いたします地区につきましては、それぞれの事業主体が事前に買収価格につきまして連絡調整を行なっております。  本件成田空港関連事業につきましても空港公団道路公団千葉県、それから建設省関東地方建設局、この四事業主体が集まりまして連絡調整の集まりを持ちまして価格の統一をはかっているわけでございます。  それで、この五十一号線と根本名川の改修事業の価格の開きでございますが、これは不均衡はないというように私ども考えておるわけでございます。といいますのは、根本名川の買収の単価が反当百十万ということになっているわけでございますけれども、やはり国道あるいは県道、市道、こういった道路に接しております画地につきましては、土地価格形成上の諸要素が変わってまいりますので、根本名川の改修事業につきましては、それぞれの画地につきまして実情を調査して、実情に適した値段で買収する、こういうことになっておりますので、百十万と国道五十一号線の百二十五万という価格の間に不均衡はない。土地価格形成上の諸要因が違うので差が出てくるわけでございまして、根本名川の改修に伴う同じような状況にあります土地につきましては、やはりそういった状況が十分勘案されて値段がきまる、こういうことになるように考えております。
  182. 水野清

    ○水野委員 よくわからないのですが、時間がないから最後に自治省に伺います。  この特別措置法が成立することによって、この委員会へ配られた資料を拝見しますと、負担軽減は二十七億七千万円ですね。私どもは、この法律を通して国際空港をしっかりしたいいものをつくってもらいたいと思うのですが、それにしてはあまりにも少ないと思うのです。思うのですが、やむを得ないという話なんです。県や市町村などの負担総額はなお残りが三百八十七億円に達するという資料であります。  そこで、成田市に例をとってみますと、五億三千万余りの軽減になるのですが、四十六億円の負担がなおかつかかるわけです、成田市には。ほかの町村にもかかりますが、特に成田市にかかる。これを約八年間でおやりになる。平均すると六億円弱の成田市の毎年の負担であります。成田市の年度の予算額は七億から八億の間である。これだけの負担に一体成田市が耐えられるかどうか、私は非常に疑問だと思うのです。自治省からもらった資料によりますと、成田市が一番財政負担力があるが、財政力指数を見ると四十二年度〇・五三、富里が〇・二六、大栄が〇・二四、多古が〇・三三、芝山が〇・二六というわけです。大体成田市を除いては四分の一しか自己財源を持ってないという町村です。これに対して自治省は今後どういう措置をとっていかれるか。たとえば起債の面あるいは交付税の面あるいは特交の面でどういう具体策を持っておられるか、具体的に話をしてもらいたい。
  183. 細郷道一

    細郷政府委員 成田ほか関係町村のそれぞれの事業分量等とその財源所要額というものを見てまいりますと、全体的には私は成田市が一番きついと思います。と申しますことは、やはりニュータウン建設に伴う諸事業が一緒に行なわれるということが大きく作用するだろうと思います。それだけに成田市につきましては財特法のかさ上げ補助分も大きく出る計算になっておりますし、また、それ以外の事業費目についての首都圏の財特法のかさ上げも大きく出る、こういうふうに見ております。  反面、成田市の財政について申しますと、人がふえてまいりますし、やはりいろいろな公共施設整備されますので、それに応じて一般財源も伸びてまいると思っております。差し上げてございます資料で四十一年、四十二年を見ましても一般財源で一五%前後伸びております。さらにその伸び方は大きくなるのではなかろうか。人口増等がありますので、そういったことを勘案してまいりますと、事業が非常にある年度に片寄りますので、どうしても長年月の間に負担をばらまくために起債措置が必要ではなかろうか、こう思いますので、起債はそれぞれの事業について見てまいりたい。その起債を見て、そうしてその元利償還等も見て、かつ人口増あるいは今後の財源の増加、そういったものをずっと見てまいりますと、私どもの計算では、成田市についてもやっていけるのではないか、こういうふうに思っております。  いずれ資料で御提出することをお約束いたしておりますから、できますれば明日でも差し上げたいと思いますが、そういった見方をいたしております。  なお、事業の進捗その他いろいろ目に見えない仕事も出てまいるかもしれません。そういうものに対しましては、私どももよくその実情を勘案いたしまして、できるだけの措置をいたしてまいりたい、かように思っております。
  184. 水野清

    ○水野委員 長時間政府関係の諸機関の方においでをいただいていろいろ伺わしていただきましたけれども、要するにこの法律では、残念ながらたった二十億の負担軽減にしかならないわけです。そうしますと、ただいまのように起債とかいろいろな関係、さらにこの法律に盛り込まれない公共事業も生まれてくる。いろいろな問題が今後出てくると思う。政府としては推進本部をつくっておられるが、この法律でもう事が足りたと思われたのでははなはだ迷惑でありますので、ひとつ政務次官から、これ以外の点についても積極的にやるのだ、諸機関をまとめてやるのだというお話をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
  185. 砂田重民

    ○砂田政府委員 いまおっしゃるように、いろいろな付帯的な事業が出てくるかもわかりません。そのつど十分な配慮をいたしてまいります。
  186. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 次回は明二十日金曜日午前十時理事会、午前十分十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十一分散会