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川井説明員 農林省の
技術会議の
仕事といたしましては、やはり
産業開発のために必要な
技術の確立をはかるといろ問題につきまして、国及び都道府県が協同して
仕事を進めておるわけであります。ただいまいろいろ
お話がございました関連におきまして、
農林水産関係の最近における
研究の動きを若干御説明いたしたいと思います。
奄美群島の
農林水産関係の
試験研究の
指導助成につきましては、
鹿児島県に対する
指導助成の重要な一環として行なっておる
状況でございます。先ほ
ども御説明がございましたように、
振興特別措置法の施行に伴いまして
鹿児島県の
大島支場の設置が行なわれたわけでありますが、さらにそのほか、家畜の飼育の経営改善の
施設とか
土地病害虫の対策の
施設あるいは機械化の農業センターというようないろいろな
施設が行なわれております。それと並行いたしまして各種の
試験研究の
指導助成が行なわれているような
状況であります。農業
関係といたしましては、たとえばポンカンとかパパイヤというようなものがございますが、これには地元にミカンコミバエという害虫がございます。この防除が非常に重要な問題になっておりまして、これにつきましては国の
研究機関、特に九州の
農業試験場が協力いたしまして薫蒸による防除という
技術を一応確立して現場に普及いたしております。その結果ポンカンとかパパイヤというもののミカンコミバエの防除はかなり効果があがっているということで、それらが内地に送られるというような
状況にもなってきておるようであります。さらにこのミカンコミバエにつきましては、最近でございますけれ
ども、ある化学誘引物質、化学成分でもってミカンコミバエの雄を吸引するわけであります。そういう雄を吸引する物質をヘリコプターでまきまして、それで雄を集めて一ぺんに殺してしまう。これは非常に新しい
技術でございますけれ
ども、最近この新しい
技術を現地に適用できるかどうかという
試験も行なわれております。
それから畜産
関係につきましては、今後やはり当地帯の
振興の重要な柱ということでございまして、この肉畜につきましては、飼料資源というものをどういうふうに拡大していくかということが今後の
振興を進める上に非常に重要でございますが、
試験研究関係につきましては、特にああいう亜熱帯地方で夏場乾燥するというところでは、やはり南方に強い牧草類あるいは
飼料作物というものの導入をはかりまして、それを現場に適用していくということが非常に重要でございますので、そういう
研究を
指導しておる。それからまた
サトウキビのかすを畜産の飼料に使う。これも資源の有効利用といろところから非常に重要な問題でございますので、そういう関連の
試験もいろいろ
指導が行なわれておるということでございます。
それから
サトウキビ、これは現地の
産業開発の
一つの柱でございまして、これにつきましては第一の問題は、優良
品種をいかに育成するかという問題がございます。現在これにつきましては国の九州
農業試験場の
支場が種子島にございまして、ここで亜熱帯あるいは熱帯その他外国かう優良な系統を導入いたしまして、そういうものをもとにして優良な
品種をいま育成してございますが、そこで育成したものを現地に適用できるかどうかというような問題は、糖業分場のほうへ協力を
お願いしながらやっております。最近はNCO三一〇とかあるいは三七六とか、幾つかの優良な系統が一応系統適応性検定
試験としては出てきております。これが実用にいくかどうかいま
研究者の間で検討している最中でございます。それからさらに今後経営の規模の拡大をはかりますと、そういう
サトウキビの作業を非常に省力的あるいは機械的にしていくための
技術が非常に重要になっていくということで、現在大型のトラクターだとかあるいは
サトウキビを刈り払う機械あるいは葉をとる脱棄機、そういうようなやや大型の機械の導入の
試験というものも協力、
指導を行なっております。さらに除草剤というようなものの
試験も行なっている。それからテッポウユリにつきましては、同じく機械利用ということで球根の省力栽培という問題がございますが、こういうものにつきましても、現地の
試験研究機関がこういう問題と取り組むということにつきましては、
農林省としてもできるだけ御協力申し上げたいという
気持ちでございます。
それから林業
関係につきましては、
奄美群島の森林の生産力
調査及びあの地区の郷土樹種でございます琉球松というものが非常に重要でございますが、こういうものを更新する
技術というものの
試験研究を、一応昭和四十一年かう四カ年
計画ということで
林業指導所に委託して
実施をしていただいてございます。
さらに水産
関係でございますけれ
ども、水産
関係につきましては、水産庁の西海区水産
研究所が県の水産
試験場を
指導いたしまして、あの
奄美群島一帯の海産資源と申しますか、イワシ、アジ、サバ、スルメ、こういった資源の
調査、それからこういう資源の変動につきましての漁況予報というような
事業を進めることにつきまして、いろいろ必要な協力、
指導というものを行なっておりまして、こういう資料、情報が現地の漁業の
振興に役立つように
努力しておるような
状況でございます。
大体いままで行なってきております概要を御説明申し上げました。