○三森
参考人 た
だいまの御質問は、
証券市場としてもそうですが、しかも私のほうにも相当
利益が出ておるにもかかわらず、なお
株式を早急にひとつ処分して
解散ができないのは何ゆえか、こういうふうな御質問と伺ったのでございます。
私どもの数字を若干申し上げますると、
市場が盛況を呈するようになりましてから極力売却も促進してまいりました。七月三十日までの売却を見ますると、二千七十五億の売却を実施いたしておる次第でございます。これは
最初に
買い入れましたものの四分の三強でございます。現在残っておりますものは、簿価にいたしまして四百八十四億、
買い入れ額の四分の一弱、こういうふうな数字に相なっておるような次第でございます。昨年以来、かなり売却額をふやし、処理につとめてまいったのでございまするが、最近になりますと実は多少情勢が変わってきたことは、
皆さんも御
承知のとおりかと思うのでございます。
その主たる
状況を申し上げますると、私のほうが処理をいたします場合に、
市場で売れるものは
市場で売る、なおまた
機関投資家等に無理なくはめ得るものははめ込む、こういうふうな
態度で進んでまいったのでございまするが、昨年あたりの金融機関その他の
機関投資家の
状況を見ますると、
保有組合並びにうちの放出のいわゆる持ち込みと申しまするか、それに基づく保有がきわめて大きく
増加いたしております。金融機関と保険
会社との
株式保有額の数字を見ましても、ことしの三月には二兆三千億、これは四十年三月と比べますと倍以上になっております。こういうふうな
状況に見られるのでございます。こういうふうに一口で申せば、かなり金融機関としては腹一ぱいな保有高になった、こういうことも言い得るんじゃなかろうかと思います。加えまして、ことしになりましてから、最近の金融情勢は御
承知のとおりのような情勢に相なってまいりました。この
機関投資家に対しまするはめ込みは、最近になって非常に困難になってきた、こういう
一つの
状況でございます。
したがいまして、当面としますると、私どもの処理は、主としまして
一般投資家、いわゆる
市場取引に依存せざるを得ない、かように
考えておるのでございますが、最近の
市況を見ますると、先ほど
田口副
理事長からいろいろ御
説明がありましたように、必ずしも一律に非常に
状況がよくなっておるわけではございません。いわゆる値がさ株とか人気株とか、こういうものに
市場の盛況が負うところが多いと存ずるのでございますが、現在私のほうとしては、若干そういうものも過去に持っておりましたけれども、そういうものは大体極力処理してまいりまして、現在いわゆる
市場人気のあるというふうな
銘柄は、私のほうの保有から見まするとおそらく二割――これはどこまでが人気があるかということになりますと、なかなかむずかしい問題でございまするけれども、二割、多くて三割までに達しない、こういうふうな
状況でございます。その他のものにつきましては、いわゆる
市況全体としては非常に盛況を呈しておるようでございますけれども、
取引も非常にりょうりょうたるものである、こういうふうな
状況でございます。もちろんこれは、人気のない
銘柄につきましても、私どもとしては決して処理を怠っているわけではないのでございます。ただ、大きくこれを売ることはなかなかむずかしい、こういうふうな
状況でございまして、当社の多く持っておりますいわゆる
大型株につきましては、かなり
市況が低迷の
状況である、こういうふうな原因によってきておるのでございまして、最近の一カ月の売却高は大体五、六十億、こんなようなことになっておるわけでございます。
私どもとしましては、今後も引き続き、
市場の実勢に応じ、売れるものは売るということで売却に極力つとめてまいりたいと思うのでございまするが、いま申しましたように、なかなかむずかしい
状況もあるのでございます。その辺のところを十分
考えながら、ひとつ漸次処理の方向に進んでいきたい、かように
考えておる次第でございます。先ほど
田口副
理事長からも
お話がございましたように、
市況の
状況というものが非常に変化が多い。五月に比べますと七月の
取引高も半分以下になっておる、こういうふうな
状況もありまして、なかなかはっきりした先行きの計画というものを私どもは立てにくい。したがって、いつまでにこういたしますということをここでお約束することはなかなかむずかしいと思いますが、ただ私どもとしては、できるだけそういう方向につとめてまいりたい、かように
考えております。