○井手
委員 石炭特別会計の性格から、私は
石炭問題についてたくさん意見を持っておりますし、お伺いしたいこともございますが、きょうは主として大蔵大臣に対して財政
処理の基本について二、三点お伺いをいたしたいと思います。
その前に、
通産省のほうに一言苦言を呈しておきたいと思います。
ただいま
村山委員から大槻
石炭協会長の参議院内における暴言についてきびしい批判がございました。私は、
石炭の
関係者としてもっときびしい
考えを持っておるのであります。
石炭部長という
立場もございましょうが、
石炭協会の弁護のようなことじゃなくて、もっと厳格な態度をとってもらいたい、これが私の要望です。二、三年前ですか、エコノミストにこういうことが書いてありました。
石炭協会とはいかにして
政府からよけい金を取るかという金もらいの団体である、こう書いてありました。私はそれを取り上げてどうこうということは申しませんが、やはりそれには言われるほどの裏があるといわねばならぬのです。一体大槻協会長はそんなことを言える
立場ではないと私は思うのです。
私の近所で一昨年の暮れ、全国に喧伝された、生産
能率日本一とまで一時いわれた古賀山
炭鉱が
閉山をいたしました。その
閉山に先立って、せっかく法律によって、かねがね泣き寝入りをしておった鉱害被害者に鉱害申告の権利を与えておるにもかかわらず、全面的に打ち切り補償をしたのであります。被害者は家屋だけだろうと思って判を押したところが、あとになってみれば、ちょうど質屋の裏書きのように、家屋に付随する構造物というものも入っておりますので、井戸の水が出なくなったことも同時に打ち切り補償をされました。その他一切のものもそれに関連をして打ち切りをされておったのであります。多くの人々が泣いておりました。古賀山はまた
炭鉱を始めるのであろうというので、多久市では、多久市内の貧乏な村が、三菱の社有地の、当時農地であったものを、農地解放の際地方公共団体がわざわざ離作料百万円を支払って社有地を保有してやったこともありますが、その社有地はかってに処分されました。
〔
委員長退席、倉成
委員長代理着席〕
いわゆる
政府金融機関から借り入れた金でりっぱなアパートをたくさんつくりましたが、その大部分は、利子の
関係か何か知りませんが、一年有半にわたっていまなお放置されておる、不良の巣になっています。地元ではたいへんな問題になって、夕方からはもうその近辺に寄りつくことができませんので、やっと最近になって有刺鉄線を張って出入りができないようにいたしました。ボタ山はいまにもくずれそうだという危険な
状態にあったにもかかわらず、なかなか防災工事をしなかったが、やっと私や
石炭協会、保安局が
努力して若干の防災工事はやらせました。自分の
炭鉱の
閉山処理すらろくろくしない、そういう
石炭協会長、私は断じて許すわけにはまいりません。
通産省はもっときびしい態度をもって
石炭協会を指導してほしい、この点を私は強く要望しておきます。
そこで、国の財政について、私から申し上げるまでもございませんが、
国民の
税金によってまかなわれる支出は公正にまた効率的でなければならないことは申し上げるまでもありませんし、また鉄則として、
目的外に使用されてはならないことはもう御
承知のとおりです。
そこで、その点についてお伺いしたいのは、先般の
委員会でも申し上げました、
石炭企業が民間
金融機関から借り入れた金を社外に投入したものについて、それは三つのケースがあります。いわゆる
炭鉱の第二会社、それが
一つ。その次には
炭鉱の関連
企業、この中には問題点もあります。それと、
炭鉱の
企業とは全然
関係のないレジャー、いわゆるホテル、観光施設などの、
石炭企業とは全く
関係ないもの、これが第三。以上合わせますと八百六十億円にのぼっておるのであります。私は第二の
石炭関連
企業については問題があると思いますが、これは一応おくといたしましても、第三の、レジャー
産業などに投資されたもの、投入されたもの四百二十億円。これはいかに
石炭企業が大事だとはいえ、先刻も主計局次長は、忍びがたきを忍んで私のほうは金を出すことにいたしましたとおっしゃった。それほど忍びがたきを忍んで出す
国費であるならば、
石炭企業以外に出したものについては
目的外でございますから、当然四百二十億円というものは一千億円の第二回の
肩がわりから差し引くのが当然であると私は信じております。議論の余地はないと思っております。
大蔵省はいままでその方針で明治以来終始一貫して財政
処理に当たってこられたと私は思っております。今後もそうでなくてはなりません。将来を嘱望される福田大蔵大臣ですから、
国民の納得する御答弁が当然あると思いますが、念のために、いかがなさるか承っておきたいと思います。