○只松
委員 たとえば前回の人、あるいは十五名かわられた今回の人、これなんかを見ても、あるいはその前を見ても、一応サラリーマンといいますか、その中でホワイトとブルーと分ければ、ホワイトの下層を含んだブルーカラーというものから見れば、総評代表一人、全労代表一人、こういうことですね。その中でも、これは全体を代表しておるといえばそれまでですが、こういうものはいわば職業、職種別といいますか、年齢別あるいは別な
意味の階層別という面から見れば、私
たちがいつも言う婦人の立場、これは江上フジさんが今度は一人入っていますが、三十人中紅一点ですね。この人も、あまり奥さんであるかどうか、どの
程度の奥さん稼業をしているか、たいへん失礼だけれ
ども、よく存じないけれ
ども、奥さんというよりかは、社会的に出て飛び回っていることのほうが多い人じゃないですか。そうすると、家庭内職したりなにしたり、実際上女房稼業として尽くしておるような人を代表するような人じゃないですね。とにかく二分二乗方式でも強く主張するような人じゃないですね。そういう者も出ておるわけです。あるいは若年
労働者のことを私
たちは常に
指摘しますけれ
ども、そういう
意味の青年層
の代表という者もここには一人もおりませんね。だから、あなた
たちのいままでの資本主義社会における常識的な面からすれば、一応の学識経験者である、しあるいは相当の地位の人、こういう人々によってほとんど、しかも法人税が重くならないように主張するような、そういう会社経営の方々の実力ある人々が相当数入ってきておる、こういうことです。だから、私は、そういう
意味で日本の
国民の各層各階、あるいはそういう
意味の職業別だけでなくて年齢別その他の形で入ってきておるとは思わないのです。だから、もう少しぐらい、幾ら何でも——わが党の広瀬君なりが
質問すると、佐藤総理も税調で
検討いたしておりますから、もうしばらくお待ちいただきたい、こういうことで逃げるときは税調、その税調というのがこの実態ですからね。だから、総理が言うように、税調で公平な意見が出てくる、結果が出てくるということを
前提にするならば、もう少し青年や婦人も入れるし、あるいは中小企業者代表、
労働者代表あたりももっと、少なくともこの
税金は皆さん方が徴税をしておる、それに対応する形の
委員の選び方というものが、ほんとうの民主的なそれぞれの
委員会のあり方だと思うのです。ほかの
委員会は、私は全部見ておりませんけれ
ども、もう少しは民主的に各界の利害代表といいますか、そういうものができておるように見受けます。農林関係なら農林関係のいろいろな審議会がありますと、やっぱりそれぞれの農協やあるいは農民団体や何か、そういうものが出てきておりますね。ところが、
税制調査会というのは単に
調査会、普通の審議会と違って、これだけさっきから言うように、相当の強い権限は実際上はないのかしれませんが、結局
国民の財産権を、国家の予算の
裏づけをなす
税金を法制化をするほとんど一〇〇%に近い力を持っている
委員会です。そうすると、もう少しそのあり方について皆さん方は考うべきじゃないかと私は思う。
いままでの皆さん方のありきたりの
考え方、そう言っては何ですけれ
ども、与党の意見が強い、資本主義的な意見が強いということだけでなくて、やはり
大蔵省当局や何かは、現状を維持していく、現状の中で
自分たちが仕事をしていけば一番安易ですから、そのワクを踏み出そうということにはなかなか勇気が要ると思うのです。しかし、いままでの主税局長や何かの中でも、私
たちが意見を多少述べて、こういうことをしたらどうだと言って、いいと思ったらわりと勇敢にやってのけて、けっこう党側も説得してできた人もあります。だから私は、少なくともこの基本になる税調に対してはもっと姿を変えていったらいい、繰り返して言いますけれ
ども。そういうことをしないで、税調という隠れみのを使って、これが民主的でありますというような形で逃げて、いつまでもこういう
税制を続けていったならば、日本の徴税面には大きな問題がこの二、三年来に出てきやしないか。私は、それこそ逆に二、三年前から、あなた
たちはそんなことを言っていると、いまほとんど
税金問題を取り上げておらないが、やがて
労働組合や何かが
税金問題を取り上げて正面から立ち向かってきますよということを警告してまいりました。事実そういうことで、サラリーマン・ユニオンとか——こういうのは、私は世論喚起という
意味においては悪くはありませんけれ
ども、本質的に
国税庁当局にまっ向から立ち向かう、こういう力になるとは思っておりませんし、またそういう性質のものでもないようですね。しかし、
一般の
労働階級や庶民がほんとうの不公平というものから負担感、重税感を持って立ち上がって、いまこうやって騒いでおりますが、これが導火線になって立ち向かってくるようになると、私は相当なものになってくるだろうと思うのです。まあ、あまりそういうことを繰り返しませんが、税調について、抜本的にこのものの
考え方というものをひとつお
考えいただきたいと思うのですが、どうですか。