○平林
委員 ただいまの
措置は、
国有財産法第十四条並びに同法第十八条に基づいて防衛
施設庁から
大蔵省に相談をかけ、その承認を得ておやりになった仕事と私は考えるわけでございます。そこで、国が適当と認めるものに維持保存させる、当該財産の行政
目的を妨げない限度内で
使用または収益をさせる、これによって当該財産の管理の効果をあげるということであろうと思うのであります。
そこで、私は、この
基地周辺における国有地の
使用について基本的な考え方をどうとるべきか。いま
お話しした範囲内においても、どういう基本的な考え方をとるべきかという点を明確にさせる必要を
感じておるわけでございます。私は、この
基地のある
都市の問題点を、先般も
政府に指摘いたしたことがございます。特に大和市の例をあげますと、首都圏からあふれ出る人口が次第に神奈川県に移ってまいりまして、この地域は人口が急増する
都市でございます。ところが、総面積の四〇%が
基地であり、しかも周辺の地域は、なお安全対策の意味から広がっていくという
ようなことに相なりますと、
都市計画の実施ができない。そういう悩みを地方では市町村は抱く。これは私は、大和の例だけではなくて、すべての
基地においての共通の問題だろうと思うのであります。特に昨年の
国会におきましては、新
都市計画法というものができまして、市街化区域というものと、それから市街化調整区域というもので新たな
都市づくりをやるという
法律が
国会の意思として定められました。ところが、この
ような住宅
都市的な傾向を持つ
都市にありましては、市街化区域ともなるべきところが
基地の存在のためにそうならない。むしろ市街化調整区域的な取り扱いということに相なってくる。このためにそこは公共用地の取得もなかなか困難である。たとえば小学校や中学校の計画的な用地の確保ということもできなくなってくる。こういう
ような非常に負担といいますか、問題が広がっておるわけであります。それだけではなく、特に航空
基地になりますと、ジェット機によるところの騒音は、
基地周辺の住民にとっては骨身にこたえる問題であります。この間も大和の市長を中心に地元の代議士がいろいろとこの話を聞いたのでありますが、はだに感ずるどころではない、風月身にこたえるというぐあいに、騒音によるところの市民の生活はまさに非常に悲痛なものがある。そのために学校においても、病院においても、騒音を防止するための
施設をつくらねばならぬ。私ら基本的には
基地撤去のことを言っておりますが、きょうはそこまで話をしません。しかし、さしあたりは防音
施設というものを用意せねばならぬ、病院も学校も。そうすれ、は、それの経費は、
基地のあるところの
都市と、
基地のない
都市では、それらの
施設に要する経費もまた違ってくる。国からの助成というものは十分ではありませんから、結局それはその
基地のある
都市が負担をせねばならぬ。こうした相当の経費負担増加という問題で、これらの地域はやはり問題をかかえるわけであります。
そればかりではなくて、
基地となりますと、
アメリカ軍の軍人軍属が当然居住するわけでございます。厚木市の例を言うと、おおよそ一千世帯の軍人軍属の居住がございます。これはちょうど大和市の人口でいうと、十六人に一人の割合でおります。これらの軍人軍属の
人たちは、もちろん大和の道路を使うし、
施設を使うし、水道、ガス、そうした利便も受けております。しかし、これは
協定によりまして税金は免除されておるわけであります。一般の市民の支払う税金が、これらの人には課税をされないということに相なるわけでありますから、たとえある
程度の
基地交付金がありましても十分ではございません。もしかりにこれが
日本人であったならば、その市はもっと多くの収益をあげるでしょう。それを果たすことができない。そういう点では、また
基地のないところの
都市と比べますと、それだけ過重な負担をしいられておるという結果に相なるわけであります。
これらの生命、財産、地方財政におけるハンディキャップというものは、
基地のある
都市の悩みである。こういうことばが適切であるかどうか、私は議論の余地があると思いますけれ
ども、何で
基地のあるところの
都市だけが、
日本の防衛ということから犠牲を受けねばならぬのか、こういう声も、これは率直な市民の感情であり、
感じであります。
こういうぐあいにいろいろな意味のハンディキャップを受けておるわけでございますから、私は、せめて
基地周辺にある国有地、つまり移転とか農地の
買い上げによって得られたところの国有地についての
使用については、基本的には民生安定という考え方に立って、
基地の所在する住民のいろいろなハンディキャップを埋めてやる、また
基地をかかえておる
都市などの特殊性にかんがみ、これらの
使用について基本的に民生安定の考え方を取り入れていくということが、私は、せめてもの行政に当る者の態度でなければならぬ、こう考えておるわけでございますか、これに関する基本的なお考え方を
責任者の方からお伺いをいたしたいと思います。
〔倉成
委員長代理退席、
委員長着席〕