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1969-03-05 第61回国会 衆議院 大蔵委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十四年三月五日(水曜日)     午前十時七分開議  出席委員    委員長 田中 正巳君    理事 金子 一平君 理事 倉成  正君    理事 毛利 松平君 理事 山下 元利君    理事 渡辺美智雄君 理事 只松 祐治君    理事 村山 喜一君 理事 竹本 孫一君       大村 襄治君    木野 晴夫君       河野 洋平君    笹山茂太郎君       正示啓次郎君    田村  元君       辻  寛一君    中村 寅太君       西岡 武夫君    本名  武君       村上信二郎君    阿部 助哉君       久保田鶴松君    中嶋 英夫君       平林  剛君    広沢 賢一君       広瀬 秀吉君    岡沢 完治君       河村  勝君    田中 昭二君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 原田  憲君  出席政府委員         内閣法制局第三         部長      荒井  勇君         宮内庁次長   瓜生 順良君         防衛施設庁施設         部長      鶴崎  敏君         大蔵政務次官  上村千一郎君         大蔵省主計局次         長       相沢 英之君         文部大臣官房会         計課長     安養寺重夫君         林野庁長官   片山 正英君         建設省河川局長 坂野 重信君  委員外出席者         大蔵省主計局主         計官      井上 幸夫君         大蔵省理財局次         長       谷川 寛三君         建設大臣官房官         庁営繕部長   横山 正彦君         専  門  員 抜井 光三君     ————————————— 三月四日  委員大村襄治辞任につき、その補欠として臼  井莊一君議長指名委員に選任された。 同日  委員臼井莊一君辞任につき、その補欠として大  村襄治君が議長指名委員に選任された。 同月五日  委員春日一幸辞任につき、その補欠として岡  澤完治君が議長指名委員に選任された。 同日  委員岡沢完治辞任につき、その補欠として春  日一幸君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 三月四日  入場税減免に関する請願岡沢完治紹介)(  第一三七六号)  同(佐々木良作紹介)(第一三七七号)  同(西村榮一紹介)(第一三七八号)  同外一件(和田耕作紹介)(第一三七九号)  同(荒木萬壽夫紹介)(第一五二〇号)  同(臼井莊一君紹介)(第一五二一号)  同外四件(田村良平紹介)(第一五二二号)  同外二件(三池信紹介)(第一五二三号)  同外二件(八木昇紹介)(第一五二四号)  納税者権利救済制度改善等に関する請願(帆  足計紹介)(第一三八〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国有財産特殊整理資金特別会計法及び国の庁舎  等の使用調整等に関する特別措置法の一部を改  正する法律案内閣提出第二三号)      ————◇—————
  2. 田中正巳

    田中委員長 これより会議を開きます。  国有財産特殊整理資金特別会計法及び国の庁舎等使用調整等に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑通告がありますので、順次これを許します。村山喜一君。
  3. 村山喜一

    村山(喜)委員 原田運輸大臣にわざわざおいでをいただきましたのは、今度の国有財産特別会計法律案が、前は資金会計的なものであったのが、今回事業会計的なものに変わってまいりました。その中で御承知ように、鹿児島空港の第二種空港建設が、今度委託方式によりまして建設がされるということになりました。その滑走路延長は二千五百メートル、こういうことになっております。それから将来そういうよう方式建設をする場合に、いま空港整備五カ年計画というのがございます。そのほかに、御承知ように新空港建設がいま進められているわけであります。  その中で、私が特にこの際お答えをいただきたいと考えましたのは、今度、新東京国際空港は四千メートルの滑走路建設ようとしているわけであります。いま羽田にあります分については三千メートル、そして今度またもう一つの千六百七十六メートルの分を二千五百メートルに延長工事をいまやっている。大阪国際空港は三千メートルの滑走路建設中でございます。そこで、今度鹿児島空港は二千五百メートルになる。将来飛行機が徐々に大型化し、ジェット化していく時代が訪れようとしておるそのときに、滑走路距離等によりまして米軍日本飛行場等使用するという事態が出てくる。そのときに、これらの問題の処理いかんによりましては非常に重大な問題にも相なりますので、先般、運輸委員会におきまして小川三男君が運輸大臣質疑をした中身がございますから、その立場からそれらの問題についてお答えをいただきたいと思うのであります。  第一点は、地位協定の五条によりまして、アメリカ航空機米軍軍用機、それから米軍自体チャーターをいたしましたその飛行機が公の目的で運航をして日本飛行場出入をすることができるようになっております。その場合に、通告をするという手続をとることによりまして、日本の成田の新東京国際空港はもちろんのこと、羽田の場合でも、あるいはいま伊丹新明和修理工場問題等もありまして、伊丹大阪国際空港にいたしましても使用がなされておるわけでありますが、それについて、この地位協定の上から拒むことができない、アメリカとしては自由に使用ができる、こういうよう国際協定が取りかわされている。こういうふうに見るべきだと私は思うのでありますが、そういうような見解に対してどういうふうな考え方をもって処理しようとしておられるのか、承りたい。
  4. 原田憲

    原田国務大臣 先般、運輸委員会小川さんから質問がありまして、このことで中曽根大臣の発言と食い違いがあるじゃないかというようなことで報道されたのでありますが、実は、いま村山さんがお尋ねように尋ねていただくと私も答えようがあったのでございますけれども、抜き打ち的に使用できるかどうかというお話がございましたので、これは地位協定使用というより出入ということばが当たるのじゃないかと思うのでありますが、これはたてまえはそうなっておるわけであります。しかしながら、御存じよう羽田でも前にあまりにもそういうたてまえを踏みにじっておるように受け取られるくらいアメリカ民間チャーター機がたくさん入り過ぎるじゃないかといにうような話がありまして、日本側からこのよう申し入れをしまして、その数は減らしております。また、ひまな時間を使用しておる、こういうようなことは交渉においてやっておるわけであります。施設や設備をつくるということは、これは協議をしなければならないことでございますが、たてまえといたしましては出入ということはできる、こういうことになっております。  しかし、実態的には、いまわれわれは民間航空国際空港はもちろん民間飛行場でありますし、その他の飛行場にいたしましても、たとえば板付でもあの墜落事故問題が起きてから、防衛庁では、その基地と分離した方向で進もうというように、基地飛行場分離政策を進めておるのでありまして、結論的に申しますと、まず新東京国際空港ができたときに、米側戦闘用目的または軍事基地的に使うという考えを持ってきた場合にはそれを拒絶する。しかし、米側地位協定第五条に基づき、日本空港出入りする権利を認められている。したがって、現在羽田において米軍の徴用した民間機燃料補給等のために発着しているという程度のことは新国際空港においてもやむを得ないではないかということでありまして、私の答弁と食い違ってはおらないのでございます。その場合でも、先ほど申しましたように、現に羽田においてとっておる措置外交ルートを通じて極力これを制限するように努力いたしまして、民間飛行場としての本旨に反しないものとする所存でございます。
  5. 村山喜一

    村山(喜)委員 基本的な姿勢はわかります。ただ、この際、私がお伺いしておきたいのは、昭和二十七年の五月に日米合同委員会合意を見た事項がございますね。その中で、米軍構成員出入国をする場合には原則として羽田空港、それから岩国空港から出入国をするのだ。ただし、軍用航空機が緊急の場合、他のいずれの日本国空港にも入ることができるという協定事項がございます。だから、外交手段でそういうことをセーブしよう、そういうふうにおやりになることは、主権国行政責任者としては当然のことだ。しかしながら、緊急やむを得ない場合には、そういうようなことで合意がなされているから、その場合には使われても、出入国をしましても拒否することはできない。現在の地位協定その他の条約から見て、それは拒否権はあり得ないというふうになっている。私はそういうふうに思わざるを得ないのでありますが、それはどうでしょう。
  6. 原田憲

    原田国務大臣 ただいまの二十七年の協定の話は、出入国に関する合意で、法務省関係のことではなかろうかと思うのでありますが……。
  7. 村山喜一

    村山(喜)委員 そういたしますと、この地位協定の五条によって日本国内飛行場出入ができる、それは通告をすることによって適正な効力を発生する。それで、これは三十五年の一月十九日ですか、合意された議事録というものがございます。適当な通告というのはどういうことだ、それから適当な通告をする義務免除は、合衆国の軍隊の安全のためだったら例外的なものに限ってはそういうよう通告をしなくてもできるのだ、こういうことになっていますね。
  8. 原田憲

    原田国務大臣 いま村山さんのおっしゃっておる分は、私が冒頭に申しました出入に関する問題であろうと思います。したがって、それは向こうが来て、そしていまから入ると言ってきたらとめられないというたてまえになっておるということでございます。
  9. 村山喜一

    村山(喜)委員 だから第二条ではなくて、第五条による出入現実伊丹あたりで実施、あるいは羽田チャーター機離着陸をしておる、伊丹飛行場に第五条による飛行機修理のために来ておるということでしょう。
  10. 原田憲

    原田国務大臣 そのとおりです。
  11. 村山喜一

    村山(喜)委員 そこで、私が重ねてあなたにお尋ねするのは、アメリカ日本との地位協定の上から見て、日本国内空港民間運輸省管轄飛行場米軍機が自由に使用するというようなことはたてまえ上許すべきでないし、また拒否されるべきだと思う。しかし、緊急事態であるからやむを得ないとなったら、拒否するその法的根拠はないでしょう。法的根拠はございますか、緊急事態の場合。先ほどは、羽田の場合には燃料補給をする場合等はやむを得ない。ところが、それ以上に緊急な事態の場合には拒否する法的根拠、これはどこにございますか。
  12. 原田憲

    原田国務大臣 緊急となりますと、これは法律以前の問題がからんでくると思うのです。私は、一般的にいいまして、港とかでは緊急の場合は入れてくれといわれた場合には、普通の場合には入れなければならぬというようになっておるのじゃございませんか。だからいまお話のある、向こうがいわゆる軍事目的でなしに、地位協定によって入ってくるということのたてまえにはなっておりますけれども、私ども民間飛行場、これは軍事目的使用しないほうへ持っていこうと、こう考えておりますから、羽田でもそのように実現できましたし、たとえば伊丹でも、あそこに新明和というのがあるから修理に来るわけですね。ですから、あそこを純民間工場にする、もうアメリカのことはやりませんとその工場が言い出しますと、それはその目的はなくなるのでございますから、そういうふうにできないかというようなことも検討してみたりいたしまして、さようなことは今後ほんとうに少なくして純民間飛行場として使用する、こういう方向へ持っていこうと考えておるわけであります。
  13. 村山喜一

    村山(喜)委員 運輸大臣、よく聞いておってください。私がそれをあえてお尋ねをしているのは、滑走路がいま現実に使われないよう機種の、将来こういうよう機種が使われるのではなかろうかというようなことを想定をして、そして民間飛行場滑走路延長をされる。これが延長をされていきますと、アメリカファントムあたりは、これは滑走路距離はそう長くなくてもいいのですから、あれは艦載機ですから、そういうよう立場から、いざ戦争という場合に、自分たちのこの飛行場アメリカ軍事目的のために、日本政府が弱腰であるがゆえに巻き込まれる心配があるのではないかということを心配している人たちがそのまわりにはおるのですよ。ですから、そういうよう人たち政府は答える責任があると私は思うのです。  だから、いま地位協定の五条によって米軍自体航空機、あるいは米軍チャーター機は、これは公の目的で運航する場合には日本国飛行場出入ができる。しかし、それは通告をしなければならぬ。しかし、その通告にしても、適当な通告をしなくてもいい場合もあり得るのだということが合意された議事録の中に掲げられておる。そして米軍基地日本国飛行場の間は出入は自由であるというのが第五条になお明記されているわけですね。そうなってくると、一応あなた方が意思表示をされることは、これは当然意思表示をされても、それが力関係で押しつけられたときに、それを拒否することはできないのじゃないか。だから、ほとんど協定自由使用というような形になっておるのであって、拒否をすることができないような形に、取りきめ自体がなされておるのだ。そういうようなところから、その危惧の念は依然として残るというふうに解釈をせざるを得ないと思うのです。それ以外に解釈の方法がございますか。
  14. 原田憲

    原田国務大臣 御心配をいたされておりますが、私どもは、そういう飛行場を使うということならば、ほんとう離着陸だけでは役に立たない、施設が要るわけですね。そういう施設をつくるということになると、これは協議合同委員会合意が要りますから、そういうことは絶対にこっちはささない。ということは、拒否できるなにが一つあるわけです。  それから、いまの出入りということにつきましては、いま言いましたように、外交ルートでいま事実私どもはその成果をあげていると承知いたしておりますので、十分制限をする、こういうことでやっていきますので、御安心を願いたいと思うのであります。
  15. 田中正巳

  16. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 きのう広瀬委員が栃木県の黒羽東京拘置所のあれですが、買収予算についていろいろ聞きましたが、それを確かめたいと思います。  この買収予算は六万坪、一億二千万円とお答えになりましたが、そうですか。大蔵省どうぞ。
  17. 谷川寛三

    谷川説明員 黒羽につきましては、まだはっきり御報告が参っておりませんが、といいますのは、私どもと新都市開発センター契約をする段階に至っておりませんから、御報告をいただいておりませんが、何か聞くところによりますと、坪三千円ぐらいで買ったといっております。幾らになりますか、大体お話しのよう価格センター買収したのではないかと思っております。私ども契約を結ぶ段階になりますと、私ども評価見方がございますので、それをそのままお認め申し上げて交換をするというわけにはいかないのでございます。
  18. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 そうすると、坪三千円、反当たりにするとどのぐらいになりますか。
  19. 谷川寛三

    谷川説明員 反にいたしますと九十万ぐらいになりますか。
  20. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 そこで、今度は宮内庁のほうにお伺いしたいのですが、高根沢ですね。高根沢宇都宮市の十キロメートルぐらいの郊外で、平たん地ですが、ここで反当たりどのくらいでお買いになっているか、公団がお買いになっているか、御存じですか。
  21. 瓜生順良

    瓜生政府委員 これは公団のほうで買収のほうをやっておりますので、詳細の点はわからない点もございますが、御料牧場のほうの土地関係購入費、これには移転補償費などを含んでおりますが、それが全体で七億一千五百万円ということであります。その買収の面積は二百四十六ヘクタールでありますから、それで割ってまいりますと出てまいると思います。
  22. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 そうすると、七億一千万円で二百四十六ヘクタール、これを割るというのですが、そうするとどのくらいになりますか、計算しますと。私が聞いたのと違うのですが、七億一千万円で二百四十六ヘクタール、どのくらいになると思いますか、計算し直すと。
  23. 瓜生順良

    瓜生政府委員 反当たり約三十万円になります。
  24. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 この御料牧場高根沢ですね。ここは宇都宮市の十キロメートルの近郊で、平たん地ですね。なかなかいいところだと思いますが、これでちゃんと足りるわけですね。
  25. 瓜生順良

    瓜生政府委員 これで新しい牧場が足りると思います。
  26. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 今度は大蔵省にお聞きしますが、この黒羽という東京拘置所場所は、どういうところだと思いますか。ずっと平たん地、たとえば宇都宮市の近郊ようなところじゃなくて、非常に山林原野、林がいっぱい立っているところ、一方は田畑、そういうことを御承知ですか。
  27. 谷川寛三

    谷川説明員 私も責任上、両者を比較現地調査に参りました。黒羽の新しい刑務所用地平たん地でございまして、山林等ありますけれども雑木林とかいったようなことで、道路からもわりと近い。山の上とかいうことではございません。わりあい、いいところだという感じがいたします。
  28. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 広瀬委員から地図を見せていただきまして、それもきのう聞いたのですが、どっちがへんぴだと思いますか。たとえば都市から何キロメートル離れているというのは、どっちが離れていますか。
  29. 谷川寛三

    谷川説明員 黒羽のほうが宇都宮からも遠いし、黒磯のほうからいいますと近いですけれども宇都宮を中心にしますと、これはずっと高根沢のほうが近いのであります。
  30. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 こういうようにへんぴな雑木林のところが反当たり九十万円で、それから高根沢のほう一これは宮内庁に遠慮していろいろいいところを選んだのだろうと思いますが、宇都宮からの近郊が反当たり三十万円というのは、おかしいと思いませんかどうですか。
  31. 谷川寛三

    谷川説明員 土地価格につきましては、なかなかむずかしゅうございまして、見方——それからお買いになる場合の需要の何といいますか、買い急がなければいかぬというよう需要の強さの度合いとかいうことで、いろいろ違ってまいると思います。そういう関係で、いま言いましたように、土地の品位と違った面で価格に高低が出てまいるかと思いますが、私どもはさっき申しましたように、相手方幾らでお買いになりましても、国が交換をいたします場合には、それをそのままとるとは限りません。私ども独自の、あるべき客観的な価格を出しまして、それで契約を結びますから、相手方がお買いになりましたものを、国はそのままとるとは限りません。新たに別個な見方で客観的な評価をいたしまして、これを出します。
  32. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 そういうところで、たとえばきのう基準についていろいろ聞きましたけれども、ちょっとこの一つのことを聞いただけでも、こういうように疑問が出てくるのですよ。特に東京拘置所黒羽のほうは、買う相手が先ほど言われました新都市開発センター、そこの中身広瀬委員も聞きたかったらしいのですが、この役員とか関与している方々、そのおもな方々について御存じですか。
  33. 谷川寛三

    谷川説明員 もちろん承知しております。
  34. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 名前をあげていただけませんか、肩書きと。
  35. 谷川寛三

    谷川説明員 代表取締役社長大池真さんでございまして、元衆議院の事務総長さんでございます。それから常務取締役が桑原さんとおっしゃられる元読売新聞社の方でございます。それからもう一人の常務の方が望月さん、明治生命の参事ということで、取締役の方が十人、監査役がお二人でございます。
  36. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 たしか参議院議員の方も関係していると思うのですが、やはりこういう不明朗な形、大蔵省あとでもって、これは契約のときにはちゃんとやると言うけれども、いろいろ考えてみると、こういう形のものが先行していくということはよくないと思うのですね。まず、それをお聞きしましょう。こういう反当たり九十万円と三十万円と逆じゃないかという感じがすることについて、やはり疑念を十分晴らすつもりでございますか、どうですか。
  37. 谷川寛三

    谷川説明員 先ほどお答え申し上げておりますように、大蔵省といたしましては、私も現地比較いたしましたし、客観的に妥当な価格を最終的には出すつもりでございます。
  38. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 これはたまたまこの法案の審議にあたって出てきた問題なんです。この法案についての説明書が私のところには、質問するからといってきたわけです。ところが、一般の議員にはこれが一つもきていないのです、この説明書が。大蔵委員には、きのう専門調査員のほうから同じようなものがきたのですね。そうすると、ほかの議員は全然知らないのです、この問題については。ここに書いてあるのは、たとえば予算書というのか、特別会計歳入歳出予算内訳というのがある。ここに初めて出てくるわけです。顔を出してくる。  そこで、たとえば宮内庁御料牧場場所は何にも書いてない。それで高根沢でやるのかどこでやるのか書いてない。それから法務省川越少年刑務所ほか三刑務所単価も何も書いてない。以下同様です。こういう形でこの予算が組まれてくる。単価もわからないのですね。それでほかの予算書を見ますと、たとえば去年の場合も——四十三年度ですね。これは今度は会計が違うわけですが、たまたま会計の仕組みを直すということでわかったわけです。四十三年度は書いてあるから、私調べました。すると、この問題は、福岡合同庁舎ほか六件、四十三年度。これは予算書のどこめくってもないんですよ。この予算説明にもない。二つともないのです。そうしますと、やはり国会でいろいろ審議するということですが、ここにいろいろ詳しく書いてありますね。国会の承認を得なければならぬというようなことを書いてありますけれども、これはどういうわけなんですか。普通の議員は全然知りませんよ。この紙切れだけなんです。これは正式提出というけれども説明書なんです。こういう形でもっていろいろやられているということは、よくないと思いますがね。どうですか。
  39. 相沢英之

    相沢政府委員 予算の各項目につきまして、その中身をどの程度まで予算書に掲げるかという点につきましては、御案内のとおり、予算として議決対象になりますのは項まででございますから、項までの金額が正式には議決対象になる。あと各省で作成をしまして大蔵大臣に提出するところの予定経費要求書と、それから各省の提出いたしますところの各日明細にその内容を示しておるわけでございますが、従来このよう施設整備に関しましては、特に一つ項目あるいはごくわずかの項目につきましては、それがそのまま予算の目になっているというようなことがございまして、その金額が出ております。しかし、数多くの件数から成り立っております場合には、その後において入札その他の工事の施工の関係もございまして、工事個所ごと金額を書かないというのが例になっております。
  40. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 その慣例はわかりました。予算書見方や何かでいろいろ教えられていますが、慣例はわかったけれども、いざ気がつきますと、この紙がもしなかったならば、または国有財産整備特別会計法に切りかえるということがなかった場合——切りかえるというのは、ごろ合わせのためにこれが特別にぽこっと出てきたなんということがいわれていますが、これがなかった場合には、国会議員は気がつかないことになるんです。たまたま広瀬委員がおかしいなと思って九十万円と三十万円の比較をしてみて、これは同じ場所に出てきている。渡辺委員もよく御承知だと思いますが、場所的におかしいのです。そうすると、やはり国会議員として、国有財産の移転そのほかずっとここに詳しく書いてありますことについて、責任持てないということになるんです。まず審議ができないということでしょう。これがなければ審議ができない。福岡合同庁舎ほか六件というのは去年はどうしたのかということになるのです。これは決算委員会でやるものじゃないんですよ、実際は。悪いことしたあと、今度は決算委員会でもって追っかけてやるというのは国民にとってよくないんです。そうすれば、このやり方、この仕組み、この決算書のやり方とかいうことは改めなければならぬと思いますが、政務次官どうですか。
  41. 上村千一郎

    ○上村政府委員 いま広沢委員がおっしゃった点につきまして、その書類は、実はいろいろと御要望のあったときに参考資料として出しておったものかと思いまするけれども、それで、先ほど主計局次長が申し上げましたよう慣例によりまして一応御説明を申し上げ、資料要求に基づきまして資料を出していた。こういうようなわけでございますが、十分今後も御審議を賜わるに際しまして、これは必要であろうと思う部分につきましては、あらかじめ御提出をするようにいたしたい、こう思っております。
  42. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 おかしいですよ。主計局次長が慣例だからというのでそういう答弁をするのならまだわかる。政務次官でしょう。政治家ですよ。これをごらんになりましたか。あらためて私、見・ました。こんなもの何にも役に立たないですよ。正直言うと、実際の世の中のことやなんか全然わからない。村役場の予算書のほうがずっと親切です、もっとも規模が小さいかもしれないが。具体的なことは何も書いてないでしょう。  そこで、もう一回言いますよ。これには単価も何も全然書いてないですね。そうすれば、これを細目にわたって気がついて、国会議員が目をさらのようにして気がついてやらなければ、その年の国有財産の移転とかその他が全然わからない。わからないで質問すればさあっと通ってしまうのですよ。こういう制度はいいと思いますか、悪いと思いますか。
  43. 上村千一郎

    ○上村政府委員 実は、故意にそれを差し上げないというようなわけではないのであって、御要望の方に差し上げた方もあると思うのです。でございまするが、いま御注意がございましたように、できる限り御審議をやっていただく資料としましては、気のついたものは御要望がなくてもこちらのほうから差し上げるようにいたすべきものかと、こう思っておるわけでございます。
  44. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 それでは、いまの御答弁でも御要望のあった方にはお渡しします。しかもお渡しした資料は、御料牧場二十二億、これだけなんです。どこでどういうふうに買うのか全然わからない。これだけです、それも御要望のあった人。そして熱心に質問して、これは何ですかといって一々ほかのところをいろいろ聞いて、それから始まるわけでしょう。だからそれを聞かなければ——たとえば善意に、政府はいいことばかりやっているんだ、間違いないと思っていて、聞かなければそれを全然出しませんよ。そのまますっと通ってしまいますよ。しかも、二、三日前に私から要望があったから説明に来られたんでしょう。ところが、正式に委員会に出されたのは、一日前に専門調査員のほうから出されたのが一つある。これじゃ、もうとてもじゃないけれども、どこに何があるかということを国会議員が目をさらのようにしてかけずり回らなければだめです。  ですから、いま政務次官が言われたことを訂正するとすれば、制度として、国有財産の問題ばかりではありませんが、いま問題になっておるのは国有財産の問題だから、やはりこれはことしは何十億で、何十億の内訳はどういうようになっているのかという細目を出さなければいかぬと思うのです。税金のほうもそうなんですよ。大蔵省の税金のやり方は、ちゃんと刷ったやつを隠しているんだからとても不届きなんですよ。したがって、今後はそういう形で具体的に地名、単価、そういうものをあげてくるということをお約束なさいますか。
  45. 上村千一郎

    ○上村政府委員 実は、広沢委員もよく御存じだと思いまするが、この入札関係金額につきまして、あらかじめ詳細な点まで知らせることがいいか悪いかということは、また別な問題があると思うのです。だからこそ、いろいろと長い間の大蔵委員会その他予算審議の際におきまして、いろいろな慣行もあれば、また表示の限度というものもあったかと思いまするが、少なくとも委員会におきまして、詳細な御審議を賜わることが必要でございまするので、いま先生のおっしゃる点につきまして留意するようによく係の者にそう言っておきたいと思います。
  46. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 そうしますと、その入札の方法も、きのう聞きましたが、おかしいのですよ。それから審議会のメンバーも、あまりこれは芳しいというか、ほんとうに実情を反映したりなんかするかということがきのう聞かれましたが、それで、入札の方法とかなんかについてはあと回しにしまして、いま言われました、たとえば入札のあれは入れられないと言うから、その時点における単価や何か——銀行はちゃんと持っているでしょう、地価の表示の。大体これはどのくらいとちゃんと赤で書いてありますよ。大体いまごろになると、三カ月ごとにどんどん書いていくのです。そういう単価の調べたやつを、基準価格を入れて、大体参考資料にそのくらいのことをしなければだめだと思うのですが、これはお約束願えますね。
  47. 上村千一郎

    ○上村政府委員 よく善処していきたいと思います。
  48. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 その次に、戦後の国有財産は大きくなったか小さくなったかですね。一方で民間企業が、大きな銀行、保険会社がたいへんな不動産の、固定資産の含み資産をいっぱい持っているのです。ものすごくふくれあがっている。そうすると、国有財産のほうはどういう形になったか、その経過をちょっとお聞きしたいと思います。
  49. 谷川寛三

    谷川説明員 それでは、一般会計特別会計を合わせて御説明申し上げますが、終戦時におきましては国有財産の総額は千七百六億平方メートルほどございます。それから二十五年までの間に、自作農創設の関係で農地を国が買い上げましたり、財産税などの物納財産が入ってまいりましたり、それから元の軍の所有財産で台帳に載っておらなかったものを実態調査をいたしまして拾い上げたりいたしまして増加がありました。一方国鉄とか専売がああいう組織になったことによりまして、国有財産台帳から落ちている、売り払い等による減がまたあるということで、差し引きいたしまして三十億余りふえまして、二十五年度で見ますと千七百四十億になっておりました。これがその後在外財産が台帳から削除されました関係がございまして、三十年で見ますと九百三十三億に減っております。これは大部分は在外財産の削除でございます。そうして現在で見ますと、四十二年度が確定いたしておりますが、九百十億平方メートルというふうに相なっております。
  50. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 国有財産として、いろいろな事情があるにしても、たいへんな減りようなんですね。民間企業ばかり肥え太って、民間企業といっても大きな会社が肥え太って、それで国有財産がこれほどの大型経済になっているのに減っていくという方向があるのですが、今後この国有財産を払い下げたりなんかしないという——この前ちょっと聞きましたが、今後この国有財産を保全し、さらに今度は住宅の問題がありますが、公営住宅をうんとつくるという、民間じゃなくて公営住宅をつくるといういろいろな方向があると思うのですが、国有財産を減らさないという、そういう基本的な考え方はあるのですか、どうですか。
  51. 谷川寛三

    谷川説明員 閣議の申し合わせ事項によりましても、今後におきましては都市地域における国有財産は原則として売りどめにいたしまして、原則でございますが、そうして公用または公共用に使うことを主眼として運営をしてまいるというふうになっております。従来は財源確保ということもございまして、若干売り急ぐというかっこうになっておった時期もございますが、現在は、ただいま申し上げたように、公用、公共用に国有財産を利活用してまいるという方針でおります。
  52. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 そうしますと、国有財産を大体保全していくという方向は、簡単に結論だけ言うと、そういう方向を決意しているということですね。
  53. 谷川寛三

    谷川説明員 原則として売りどめだ、そうして公用、公共用に、公的な面に活用していくという方針でございます。
  54. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 それはもっと簡単に言い直すと、もうあまり軽々に民間に払い下げたり何かしないということだと思いますが、政務次官どうですか。
  55. 上村千一郎

    ○上村政府委員 大切にしていきたいと思っております。
  56. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 そういうたてまえからいいますと、——これはきょうは出てこられないと思いますが、この前特会制というやつがあったですね、医療の特別会計の問題ですが。そのときに附帯決議をつけました。今後は大幅な整理統合をしないと言っていますが、きょうは係の方来ておられないからあれですが、政務次官はそれをよく御承知だと思うのです。ところが、整理統合が相当進んでいるところもある。それからうわさなんかは相当出ているところもある。この病院とか、療養所、そういう大切なところですね。こういうところの国有財産は絶対に払い下げはもちろんしない。それから、そういうところについての施設は、たとえば県に二つある、そうしたら一つのところにちゃんと高層のりっぱな施設をつくり、あとはほっぽりぱなし、これはどうするのだろう、これはいまに整理統合するんだろうなんてことで、職員も戦々恐々となる。それからよだれをたらたらたらしている民間開発業者ですか、ディベロパーというやつ、そういうのがじっとねらっている。運動するということがあるといけないから、今後絶対にそういうことはない、特会制についてもですね。そういうことはお約束できますか。どうぞ政務次官。
  57. 上村千一郎

    ○上村政府委員 お答えする前に、いろいろな経過もございますから主計局次長からひとつ……。
  58. 相沢英之

    相沢政府委員 私実は、去年ここで御審議願いました国立病院の特別会計法の改正との関連でおっしゃっているのかと思いますが、その改正の際には主として他の者が当っておりましたものですから、国会での質疑の経過も十分には承知しておりませんが、当時委員会で御決議がありました趣旨は、国立療養所、それから病院も含めまして、その施設の統廃合が各地で問題になっている、これには職員その他の従業員の関係もこれあり、あちこちで反対の声もある、できるだけ統廃合は慎重にやるようにということだと存じます。もちろん、国有財産の今後の処分につきましては、病院、療養所の処分の問題も含めまして、慎重にすべきことは谷川次長から答弁申し上げたとおりでございます。ただ、絶対に国有財産はこれを温存せねばならないかと申しますと、やはりただ国が持っておるというところに意味があるわけじゃないので、国民の経済上、社会上のいろいろの要請にこたえるという、こたえてこれを利活用するということも考えねばならぬ。そのことを考えねばならないと思いますので、その必要に応じまして、国有財産も場合によっては民間に処分するということも私はあり得るのだと思います。一般的には、先ほど谷川次長から申し上げましたとおり、都市地域における国有地、公有地の民間への払い下げは原則として停止するということを、去年の十一月二十六日に閣議了解をしております。
  59. 上村千一郎

    ○上村政府委員 広沢委員のおっしゃる意味はよくわかります。国有財産につきまして、きわめて慎重に、そしていろいろなうわさも飛ぶ根源になりますので、御趣旨に沿うように対処していきたい、こう思っております。
  60. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 それで一つお聞きしますけれども、ちょっとひっかかったことがあるのです。というのは、ちょっと特会制の話に入りますが、結局国の税金で、恵まれない人を、結核患者やなんかみんな見ているわけですね。採算が立たないからということで、それを手放して、いろいろ特別会計の赤字を補てんしたりなんかする。それは一般の民間に手放したら、一般の民間というのは営利を目的としているのですよ。これは公益とか人の健康とか幸いということを考えていないのです。考えているかどうかわからないけれども、まず第一番に営利なんです。そうすると、これは全然基本原則が違うのです。それだから、われわれは税金を払っているのだし、国有財産は大切にしなければならぬと言うのですよ。そうすると、特別会計の制度、そういうものの赤字補てんは国の責任なんです。そうすれば、それについて民間にあるいは払い下げる場合もあるかもわからぬという形のものをやりますと、これは原則的に非常によくないことなんです。その点について、これにはあまり深く入りませんが、政務次官、やはりさっきの基本的な方向はそういうことだということを確認してよろしゅうございますね。
  61. 上村千一郎

    ○上村政府委員 そのとおりです。
  62. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 この法案は、自由裁量の余地を大きくすることになると思うのです。いままでの、ここに書いてありますが、等価、同一効用の財産の同時引き渡しの原則ですな、いままで非常に窮屈な原則があった、これを取っ払うのだと、そういうふうに書いてございます。もう一回読み上げますが、「等価、同一効用の財産の同時引渡しを建前としている等の運用上の制約があったため、国有財産の効果的な利活用に支障を来す面もあった。」そこでこれを直したわけなんですがね。そうしますと、やはり自由裁量の余地が多くなって、こういう形になるということになれば、さっきに戻りますが、なおさらこの問題については、単価、売り渡し条件その他ずっとあるわけです。これについては国会の承認を受ける、厳密な監査を受ける。そしてやったあとは決算委員会でいろいろ審査を受けるということになると、先ほどような十分な措置が大もとでとられて、自由裁量の余地が働く、こういうことになると思うのですが、政務次官、どうですか。
  63. 上村千一郎

    ○上村政府委員 実は昨日、先生方の御質問に対しまして、特に村山委員の御質問に対しまして申し上げたとおりでございます。実は会計関係あるいは財政関係の内在的な体質からいえば、むろんその基準をきちっとしまして、自由裁量の範囲を極力というよりもほとんどなくしていくという要請だと思われるのです。けれども、今回の改正によりまして資金会計から事業会計にしたということにしますと、いろいろとその事業目的もございまして、そして今後の特定国有財産の利活用を積極的に進めていくということになりますと、また自由裁量の点もあるわけです。でございますので、財源の措置にしましても、一般会計の繰り入れだとか、あるいは借り入れ金だとか、その他の財源をも考慮しておる、こういうようなふうに変わってきております。変わっただけ、いま広沢委員がおっしゃったように、その基準とかいうようなものを相当注意して確立していくという要請も非常に大切なことでございますので、十分その点は考慮していきたい。こういうことでございまして、昨日村山委員にもお答えしたとおりの考えを持っておるわけでございます。
  64. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 各委員とも大体その点については同じ感情を持っておるのですよ。だから、この法案はちょっとひどい法案じゃないかという気持ちになる。だから、それは歯どめがきっちりしておれば、やはりいいメリットの点があるのですから理解すると思うのですが、その歯どめをはっきりさせなければ、この法案はみんなから批判されます。たとえばここに一冊本があるのですが、その本の中に一ぱい出ているんですよ。御承知のとおり旧虎の門の公園のあとの千二百坪、それから共和製糖の宮崎県の臨海工業地帯の問題、ずっと出してきますと、一ぱいなんです。「不況期には国有地をねらえ」という表題が出ています。不景気になった場合には国有地をねらったほうが利益があがるというところまで書かれているのです。したがって、この問題についてはやはり厳重な管理が必要だと思うのです。そういう意味で私は先ほど申し上げました。  その次に、今度は個々の問題をちょっと聞きますが、建設省の方にお聞きしますが、いろいろな川の河川敷というのがありますけれども、河川敷は民有の場合もあるのですか、どうでしょう。
  65. 谷川寛三

    谷川説明員 建設省の方が来ておられませんから、かわって申し上げますが、民有のものはございません。
  66. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 あるのですよ。で、この民有のものがあるというのは、実をいうとおかしいのです。
  67. 谷川寛三

    谷川説明員 不正確なものでございますから、先ほどのあれをうも一ぺん専門家が見えてからお願いいたします。
  68. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 民有のものがあるというのはおかしいのですが、結局こういうことなんです。川の流れが変わった。流れが変わったときに、前に国有だったところがはみ出て、前に民有だったところが河川敷の中に入っちゃって、そのまま変更していないということがあるのです。そういう場合、売り買いがされるのです。これはあとで質問することになっておる日本大学の不正事件にからんでおりますが、そういうものが売り買いされる。売り買いされると、それはずっと権利になって温存される。そこで、これは民有地だから、おれはここで何をしてもかまわないのだということになると不都合だから、一回大蔵省建設省は、それを全部総点検する必要があるのじゃないかと思うのですが、どうでしょう。
  69. 谷川寛三

    谷川説明員 建設省とよく相談いたしまして、実態を調べてみたいと思います。
  70. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 その問題については、またあとで御質問いたします。  それからもう一つ建設省の方に、おられますね。——今度は国有財産をふやすほうですから、これは非常にいいんですが、たとえば建設省は、御承知のとおり、麹町三年町ですね、ここは官庁が——合同庁舎もここに書いてある。いろいろ建てるために必要だというところです。必要だということで、この法律に基づいて一この法律というか、こっちのほうですな。とにかく指定する法律に基づいて境域を指定したんです。指定したらば、そこのところはまあ二階以上は建てられないとか、地下室で本格的な建築はできないということになる。それで、半分は解除されて、半分はそのまま置かれる。そうすると、こっちのほうはいろいろやれるし、売るときも値段が出る。ところが、こっちは値段が出ないですね、もちろん。ということで、十年間指定しっぱなしでもって、ヘビのなま殺しという状況が行なわれる。建設省が苦労していろいろ予算要求をするが、大蔵省がなかなか出さない。そうすると、地価はやっぱりよそは上がっていくという形になって、矛盾が出てくると思うのですがね。だから、こういうように指定しっぱなしでもって十年間ほっぽり出すということは、これはほんとにかわいそうだと思います。これについてどう思われますか。建設省としては、何かこう不都合な点はありませんか。
  71. 横山正彦

    ○横山説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生おっしゃいましたような状態に現実になっておりますことは、非常に遺憾に思っておりますけれども、実は中央官庁の境域を、都市計画決定をいたします経緯がございまして、十年以上前に、その当時の中央官庁の業務運営の実態を調査いたしまして、人員とか執務内容を調査いたしまして、それらが将来の行政事務の複雑化とか、あるいは進展に伴いましてふえるのであろうという一応の見通しを立てまして、これらを十分収容し得るような境域を想定いたしまして、中央官庁の境域の都市計画決定をいたしておるわけでございます。その際に、たまたまだだいま先生おっしゃいました旧三年町の敷地、これは民有地でございますが、議事堂等の周辺に近接しておりまして、ちょうど私ども都市計画的に考えました境域の中にくさびのように割り込んでおったわけでございます。当時は十年以上前でございますので、比較買収も容易であろう、また土地交換の可能性もあるであろうというふうな想定のもとに、これらを境域に取り込みまして、なるべく早い機会に買収等の措置によりまして国有地にいたしたほうがよかろう、こう考えておったわけでございます。ところが、その後、境域決定当初は買収費の概算要求をいたしておりませんでしたが、だんだん情勢が変わってまいりまして、どうしても早期に国有地にいたしたほうがよかろうという判断のもとに、買収費の要求を始めたわけでございます。ただし、当時の財政事情等によりまして、予算化が行なわれないままに今日に及んでおるのでございますが、現段階といたしましては、いま、四十四年度から実施いたされます新都市計画法の定めによりまして、買い取り請求に応ずることができるのではないか、かように考えております。
  72. 田中正巳

    田中委員長 関連して渡辺美智雄君。
  73. 渡辺美智雄

    渡辺(美)委員 先ほど、光栄なことに、御料牧場買い取りの値段の問題について広沢委員から私の名前が出まして、渡辺君もよく知っておられることと思うがというお話がございましたから、私からひとつ所見を申し上げておきたいと存じます。  と申しますのは、高根沢黒羽刑務所の予定地も、実は私の選挙区でございます。そこで、高根沢のほうは坪千円で買った、それから黒羽刑務所のほうは二千五百円とか三千円とか聞いておりますが、それよりも高い値段で買った。高根沢のほうが宇都宮に近くて、黒羽のほうが宇都宮よりも離れておるところだ、それがそういうふうな値段なのは、どっちかが高くて、どっちかが安いという、こういうふうな御質問だと思います。  そこで、そのいきさつを簡単に申し上げますと、御承知のとおり、この栃木県は那須の御用邸がございまして、天皇一家に対する非常な敬愛という程度がほかの県以上にあの県は強いところであります。そこで、いまから三年ぐらい前でございますが、御料牧場の移転の問題が出ました。ところが、さっそく名のりをあげたのが矢板市というところと高根沢町というところ、両方名のりをあげまして、猛烈な誘致運動をやったわけであります。知事が中に入って、お預けになって、と本かくまかしてくれというようなことで、高根沢にきまった。そういうようなことで、地元の受け入れ体制というものは、何が何でも来てもらうのだ、こういうような情勢であったわけであります。そして高根沢の場合は、やはり国道から離れたところでございますが、鬼怒川という大きな川があって、宇都宮のほうとは分断をされておる。そして案外そこは土地ブームということがないところでございますので、当時千円という値段は決して低い値段ではなくて、その後その近辺が売られておる状況を見ても、その千円というものは決して当時としては低い値段ではなかった、適切な値段であったと思います。  それから、黒羽のほうで、ございますが、黒羽のほうは、御承知のとおり那須の近く、黒磯の駅から約六キロぐらいのところでございます。あの地方は、一がいに那須野が原といわれて、いま那須野を目当てに観光ブームで、とにかく分譲屋が百社ぐらい入っておる。ものすごい土地のつり上げをやっておるという地域であります。そこへもってきて刑務所の誘致をするということになったものですから、地域住民が大騒ぎしだした。ともかく栃木県知事が、法務政務次官をやったというよう関係があって、中へ入って、黒羽が一番いいだろう、地主は一人しかいない、参議院議員が地主になっておる。その人は財産家でもあるのだから、その人を射とめようというので、ずいぶん苦労をなさった。町長さんも中へ入った。ところが、町長がそれで落選をしてしまうというような番狂わせが起きるということで、地元では反対運動が起きたところであります。もちろん地主は、これに対しては、ともかく絶対承服しないということで、相当てこずっておった。最近に至ってやっと話がまとまった。こういうような状態であります。  しかもその間には二年以上の時期的なズレがある。一方には東北自動車道の発表前という問題があり、片方では東北自動車道が発表になって、最近はくい打ちがずっとやられる。こういうような状態で、その刑務所の近くに、そこから約八キロぐらいになりますか、インターチェンジができるというよう問題等もあり、道路の舗装もどんどん進んでおる。こういうようないろんな条件がございますから、一がいに不当に高い値段だということも、これは言えないのではなかろうか。こう思いますので、せっかくお名前を出していただきましたので、一応所感を申し上げておきたいと存じます。
  74. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 その話は、議論しても始まらないから……。私の言っておるのは、やはりこういうような坪単価や何かの問題が全部出ていないし、そういうことがはっきりしていないから、不明朗な感じを起こさせるものが幾らでもあるということで、一つの例としてあげたのです。  それで、さっきの質問を続行いたしますけれども、ヘビのなま殺しではいけない。だから鋭意努力して、それで申し出たらば買い取り請求に応じるということになると、買い取り請求と強制収用の場合と、いろいろの条件ずいぶん違いますね。そういうような場合、やはり不公平を是正するいろいろな考え方、そういう措置が必要だと思いますがね。どうでしょうか。
  75. 横山正彦

    ○横山説明員 買収価格につきましては、実はこういう問題と並行いたしまして、建設省で現在考えております地価公示制度もございますので、これらを総合的によく勘案いたしまして、不公平がないように善処してまいりたいと考えております。
  76. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 じゃ、その質問を終わりまして、王子野戦病院の問題についてお聞きしたいのです。  ここに王子野戦病院の移転に要する費用が出ております。これは九億六千万円。この九億六千万円というのはどういう基準できめられたのか、お聞きしたいと思います。
  77. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 王子病院の移転に伴う経費でございますが、この病院の移転の全体計画としましては、病棟、診療棟が約一万八千平米、その他の付帯施設が約三万六千平米というようなことで、全体としては約五万五千平米のものを移転するという計画になっております。そのうち四十四年度におきましては、設計の委託費としまして三千六百万円、それからいま申し上げた病棟のうちの八千二百六十六平米のものを移転する経費として、工事費九億六千四百万円、合計十億円を要求しておる次第でございます。
  78. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 そうしますと、もうすでに五万五千平米で設計もやっているというんだから、大体場所はきまっているんでしょう。きまっているんですね。どうですか。
  79. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 これの移転先につきましては、目下米側と鋭意折衝中でございまして、現在米軍に提供しておる区域内に移転するということについては了解はついておりますが、その中で具体的にどこということにつきましては、まだ決定を見ておりません。
  80. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 この前の多摩弾薬庫が一つ予定地である、あとの予定地は言えないということなんですね。やっぱりこれは王子野戦病院であれだけ反対運動が起きたのですから、よそへ行けば、予定されたところでまた反対運動が起きると思うのです。だから都心部、人が密集しているところ、そういうところに軍事基地がある、それから野戦病院がある、伝染病院の心配もあるということをいろいろ心配させるのはよくないから、遠いほうへ行ったって何も差しつかえないのですから、遠いほうへ行くという原則ですね、これは大体考えておられますか。
  81. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 いま先生おっしゃったように、都心部にああいう米軍施設があるということが問題でございますので、これを都心部から郊外地区に移転するという方向でもちろん検討しておるわけでございます。
  82. 田中正巳

    田中委員長 広沢君、時間が来ましたから、もう一問くらいで。
  83. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 もうちょっとです。  そうしますと、たとえば麻布ヘリコプター基地というのがあそこにあるのです。いまの御趣旨からいいますと、麻布ヘリコプター基地はやっぱり都心部から移転しなければならぬと思うのです。なぜかといいますと、もうたいへんな、いろいろ陳情とか、都議会のいろんな要請とか、文部省のいろんなものがそちらへ来ていると思いますが、そういう要望は大体御承知ですか。
  84. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 赤坂プレスセンターにつきましては、あそこに米軍のヘリポートがございまして、その騒音がうるさいというようなことで、周辺から苦情が出ておるということは承知しております。
  85. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 承知していただけじゃだめなんですね。いまのあなたの御答弁の原則とこれは全く合致しているのです。ヘリコプターの離着陸でもって、三十分以上、上にばりばりととまっているのですよ、自動車が着くのを待って。一日に三、四回やられたら頭にきてしまう。ここには東大の研究所があるのです。しかも東大の研究所じゃ会議も何もできやしない。それからもう一つは、その研究所の中に水素ガスとか酸素ガスとかヘリウムとか、いろいろな貯蔵庫がすぐそばにあるのです。そうしますと、ヘリコプターだって落ちますからね。ここへ万一のことがあったらたいへんだという心配がある。もう一つは、ここでもって星条旗新聞というのをつくっている。それから下士官、将校の出入りするバーみたいな怪しげなのがある。そこへ、この前都議会で問題になったのですが、オンリーさんが出入りする。風紀上の問題も出てくるということで、あそこは何とかしてもらいたい、こういう要望があるのですよ。それは御承知でしょう。そうすると、やっぱりみんながまんできなくなると、いろいろな運動が起きてくる。それより早くあそこを移転さしたらどうか。そういうことを米軍といろいろ協議したらどうかという点についてお伺いしたいと思います。
  86. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 昨年の十二月の二十三日に、日米間で安保協議委員会というものを開催しまして、主として基地の問題について相談をしたわけでございますが、その結果、協議の内容の一部を発表いたしまして、御承知ように、赤坂のプレスセンターにつきましても、ヘリポートはこれを他に移転するということで検討することに方針を決定しております。しかしながら、ヘリポートは移転しましても、あの区域そのものが返還になるかどうかということについては、まだ不確定でございまして、今後米側と折衝してあるいは一部返還になるかどうかということでございますが、返還問題につきましては、現段階では明確でございません。
  87. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 最上の策は、あそこを全部移転して、あそこに公務員住宅を建てる、その他のことをやったら一番いいのです。民間に払い下げるということはもってのほかです。そういう用途は一ぱいあると思うのです。あそこを児童公園にしてもいいし、あそこは非常に込み入っているまん中ですから、やはり十分公の利益に活用される、国民の福祉に活用される、これが重要なんです。  それで今度は中策としては、これはやはりなかなか向こうが返還に応じないとしても、ヘリコプターだけは、あれはあぶないから、だからほかに移転するということに最善の努力をしてほしいと思います。(「あそこに自分たちもいるし」と呼ぶ者あり)そうですね。議員会館がすぐそばにあるし、あぶなくてしょうがないのです。  それで大体私の質問は終わりますけれども先ほどの、二点お願いしたいと思うのですが、一つは、河川敷がどのぐらい全国的に売買されているか。民間保有があるか。残っているか、それから売買されているか。それから、それに使用される建築物があったらたいへんなんですよ。これは建築物があったら法律違反です。建築物がなくても、そこをかってにいろんなことをやっていると思うのですよ。いつも問題になるのは、たとえば自動車の練習場だということをいっていて、いつの間にかゴルフ場になってみたり、いろいろあるのです。これについては問題がずいぶんある。それで庶民は都会に運動場がないものだから、たとえば学校が幾らでも積み重ねて要求しているのです。運動場としていろいろやりたい。ところが、そこをがんばっちゃって、いや、おれの権利だといってがんばっている不届き者がいる。ゴルフ場とかなんかでもって地方自治体を相手に訴訟ざたを起こしているばか者がいるのです。だから、そういう点よく調べまして、資料として提出していただきたいと思うのですが、いかがですか。これは建設省の所管だと思いますが、国有財産の管理だから、そちらのほうで、大蔵省お答え願いたいと思うのです。
  88. 谷川寛三

    谷川説明員 建設省にお話しいたしまして、処置をしていきたいと思います。
  89. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 それでは先ほど、一番初め御質問しました点、特に十分留意していただきたいと思います。  以上で終わります。
  90. 田中正巳

    田中委員長 平林剛君。
  91. 平林剛

    ○平林委員 私は、ただいま議題になっておる法律に関連をいたしまして、基地の周辺における国有地の取り扱いに関しまして、いろいろとお尋ねをしてまいりたいと思うのであります。  基地の周辺における国有地、正確にいえば自衛隊の施設並びに駐留軍の施設及び区域の周辺に所在する行政財産、そういう名前で表現されておると思うのであります。このような国有地はいま全国十五の施設の周辺に散在をしておりまして、その面積は、昭和四十三年一月一日において約百万平方メートルに達しておるといわれておるわけでございますが、その実情はどうでありましょうか。具体的にまず御説明をしていただきたいと思います。
  92. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 ただいま先生からお話のございました基地周辺における国有財産と申しますのは、飛行場の周辺で進入表面かあるいは転移表面かに民家がある場合、航空機事故等による危険の排除あるいは騒音といったような点から、本人の申請によりまして、これが他に移転する場合には移転の補償をしておるわけでございます。これに伴いまして家屋の移転補償、宅地の買収等を実施しているわけでございますが、なお、飛行場から近距離、厳密に申し上げますと、滑走路のオーバーランの末端から五百メートルの範囲内につきましては、現に家屋がなくても、将来家を建てることを防止するという意味合いにおいて農地の買収等を実施しております。   〔委員長退席、倉成委員長代理着席〕  こういった飛行場周辺の安全対策として従来国が土地買収したものが、ただいま先生のおっしゃる飛行場周辺における国有財産、こういうことでございますが、これが現実にどういうぐあいになっておるかということを数字的に御説明しますと、札幌の防衛施設局の管内におきまして、千歳の飛行場の周辺に、これはわずかでございますが、七百六十四平方メートル、それから仙台の防衛施設局管内で八戸の飛行場で五千四百八十七平方メートル、それから三沢の飛行場の周辺で二十三万六千六百八十四平方メートル、それから松島の飛行場で二万四千四十七平方メートル、それから東京にきまして百里の飛行場で七万六千八百二十八平方メートル、入間の飛行場で二万七千五百九十三平方メートル、それから木更津の飛行場が十三万六千五百二十一平方メートル、横田の飛行場が二十五万三千五百九十六平方メートル、それから横浜のほうにいきまして厚木の飛行場が四十七万六千七百六十八平方メートル、それから名古屋のほうにいきまして小牧飛行場が四万二百十二平方メートル、岐阜の飛行場が六千九百五平方メートル、岩国の飛行場が二万七千三百三十七平方メートル、それから福岡のほうにいきまして築城の飛行場が八万六百二十一平方メートル、板付の飛行場が七千百四十平方メートル、それから熊本支局の管内で宮崎県の新田原飛行場、これが三万三百二十八平方メートル。それから、こういった飛行場のほかに電波障害を防止する意味合いにおきまして、神奈川県の上瀬谷通信施設がございますが、これの周辺で土地買収したものが三万七千百六平方メートル、以上の総計が十六施設で数量の全体が百四十六万七千九百三十七平方メートル、こういう形になっております。
  93. 平林剛

    ○平林委員 私は、ただいま読み上げられましたよう基地の周辺にある国有地の問題をこれから取り上げていきたいと思うのであります。  この施設周辺に散在する国有地は、今後なお毎年およそ二十万平方メートルくらいふえていくという趨勢にあると聞いておりますけれども、その点はいかがですか。
  94. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 これは一がいに申し上げかねるかと思うのですが、われわれのほうとしましては、まだまだ安全対策として不十分であるということで、今後も継続してやっていく意向でおりますが、土地を売ろうという相手方あるいは家を移転したいという相手方がなければ、これはできないわけでございまして、現在まではわりに順調に進んでおりましたけれども、今後においては、多少移転の条件その他の問題がございまして、いままでのようにはいかないかとも思っております。
  95. 平林剛

    ○平林委員 しかし、現在は百四十六万七千九百三十七平方メートル、多少移転その他の処理の状況がおくれたといたしましても、二十万までいかなくても、十万とか十五万とか逐次これは増大していくものと思われるわけでありまして、近い将来その周辺の安全対策ということを考慮いたしますれば、二百万平方メートルぐらいまでは伸びていくというふうに見ておるわけでありますが、その点はいかがですか。
  96. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 われわれとしても、なるべくこの安全対策を推進する意味合いにおいて、今後移転、買収等を促進したい、このように考えております。
  97. 平林剛

    ○平林委員 この基地周辺の国有地は、先ほどあげられました十六の地域、その中に私の選挙区である大和市もあるわけであります。アメリカの厚木の航空基地ですね。これが大和市にございまして、人口はわずか十万ぐらいの都市でありますが、大和市の総面積の四〇%が基地である。そしてその周辺に、ただいまのような指定地域内の移転、農地等の買い上げによりまして、大和市だけでただいまお話がありましたように、四十七万六千七百六十八平方メートルあるわけであります。ところが、そのあと地は大部分がほうりっぱなしでございますから、さくなどは一応やってありますけれども、カヤなどの雑草が繁茂いたし、ごみ、じんあいなどの放棄などというよう事態が生じておりますし、衛生上の問題もございます。また、犯罪や非行の温床になるということのおそれがございまして、周辺住民の悩みというものはかなり深刻でございます。  このような事熊に対処するために、大蔵省はかつて防衛施設庁に対しまして、その取り扱いを通知したと承知いたしておるわけでありますが、これはどういうものであるか、概要を御説明をいただきたいと思います。
  98. 谷川寛三

    谷川説明員 防衛庁に通知したと申しますよりも、防衛庁からこういう取り扱いで善処したいがという御相談がありまして、けっこうでございましょうと申し上げたことがございます。防衛庁のほうから御説明申し上げたほうがいいかと思います。
  99. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 この飛行場周辺の安全対策のために買収した土地等につきましては、ただいま先生から御指摘のようないろいろ問題点がございます。そこで、従来は毎年多少の予算を計上しまして、雑草を刈ったり、あるいは境界さくのないところについては境界さくを設置するというよう措置を講じておったのでございますが、こういうやり方ではなかなか管理の完全を期しがたい。毎年夏になれば当然雑草が繁茂する。フェンスも、もう二、三年たてばいかぬというよう事態の繰り返しでございます。そこで抜本的にこういった事態を解決するためには、積極的にこれの利用をはかるということがいいのではなかろうかというようなことで一案をこさえまして、大蔵省のほうにも協議をいたした結果、そういうことでよかろうということで御承知を得たわけでございます。  その具体的な内容としましては、大ざっぱに申し上げますと、これらの土地はあくまでも安全対策というような行政目的によって取得した土地でございますので、この安全措置の趣旨にたがうような用途にはもちろん使えない。そこで、こういったところにまた人の住む建物を建てるとか、あるいは集会場をつくるとか、こういったことは、この本来の目的から違反するわけでございますので、そういった形でなくて、たとえば芝をそこで栽培する、あるいは植木の苗を植えるとか、そういった人がそこに常に住むという形でなくて、そういった用途に利用する。あるいは何か危険のない材料の置き場にする。こういった幾つかの代表的な例をあげまして、局のほうにその意向を指示しまして、もし希望の者があれば、よく内容を審査して本庁のほうに協議するようにということを、昨年の六月に各局に指示をしてございます。
  100. 平林剛

    ○平林委員 ただいまの措置は、国有財産法第十四条並びに同法第十八条に基づいて防衛施設庁から大蔵省に相談をかけ、その承認を得ておやりになった仕事と私は考えるわけでございます。そこで、国が適当と認めるものに維持保存させる、当該財産の行政目的を妨げない限度内で使用または収益をさせる、これによって当該財産の管理の効果をあげるということであろうと思うのであります。  そこで、私は、この基地周辺における国有地の使用について基本的な考え方をどうとるべきか。いまお話しした範囲内においても、どういう基本的な考え方をとるべきかという点を明確にさせる必要を感じておるわけでございます。私は、この基地のある都市の問題点を、先般も政府に指摘いたしたことがございます。特に大和市の例をあげますと、首都圏からあふれ出る人口が次第に神奈川県に移ってまいりまして、この地域は人口が急増する都市でございます。ところが、総面積の四〇%が基地であり、しかも周辺の地域は、なお安全対策の意味から広がっていくというようなことに相なりますと、都市計画の実施ができない。そういう悩みを地方では市町村は抱く。これは私は、大和の例だけではなくて、すべての基地においての共通の問題だろうと思うのであります。特に昨年の国会におきましては、新都市計画法というものができまして、市街化区域というものと、それから市街化調整区域というもので新たな都市づくりをやるという法律国会の意思として定められました。ところが、このような住宅都市的な傾向を持つ都市にありましては、市街化区域ともなるべきところが基地の存在のためにそうならない。むしろ市街化調整区域的な取り扱いということに相なってくる。このためにそこは公共用地の取得もなかなか困難である。たとえば小学校や中学校の計画的な用地の確保ということもできなくなってくる。こういうような非常に負担といいますか、問題が広がっておるわけであります。それだけではなく、特に航空基地になりますと、ジェット機によるところの騒音は、基地周辺の住民にとっては骨身にこたえる問題であります。この間も大和の市長を中心に地元の代議士がいろいろとこの話を聞いたのでありますが、はだに感ずるどころではない、風月身にこたえるというぐあいに、騒音によるところの市民の生活はまさに非常に悲痛なものがある。そのために学校においても、病院においても、騒音を防止するための施設をつくらねばならぬ。私ら基本的には基地撤去のことを言っておりますが、きょうはそこまで話をしません。しかし、さしあたりは防音施設というものを用意せねばならぬ、病院も学校も。そうすれ、は、それの経費は、基地のあるところの都市と、基地のない都市では、それらの施設に要する経費もまた違ってくる。国からの助成というものは十分ではありませんから、結局それはその基地のある都市が負担をせねばならぬ。こうした相当の経費負担増加という問題で、これらの地域はやはり問題をかかえるわけであります。  そればかりではなくて、基地となりますと、アメリカ軍の軍人軍属が当然居住するわけでございます。厚木市の例を言うと、おおよそ一千世帯の軍人軍属の居住がございます。これはちょうど大和市の人口でいうと、十六人に一人の割合でおります。これらの軍人軍属の人たちは、もちろん大和の道路を使うし、施設を使うし、水道、ガス、そうした利便も受けております。しかし、これは協定によりまして税金は免除されておるわけであります。一般の市民の支払う税金が、これらの人には課税をされないということに相なるわけでありますから、たとえある程度基地交付金がありましても十分ではございません。もしかりにこれが日本人であったならば、その市はもっと多くの収益をあげるでしょう。それを果たすことができない。そういう点では、また基地のないところの都市と比べますと、それだけ過重な負担をしいられておるという結果に相なるわけであります。  これらの生命、財産、地方財政におけるハンディキャップというものは、基地のある都市の悩みである。こういうことばが適切であるかどうか、私は議論の余地があると思いますけれども、何で基地のあるところの都市だけが、日本の防衛ということから犠牲を受けねばならぬのか、こういう声も、これは率直な市民の感情であり、感じであります。  こういうぐあいにいろいろな意味のハンディキャップを受けておるわけでございますから、私は、せめて基地周辺にある国有地、つまり移転とか農地の買い上げによって得られたところの国有地についての使用については、基本的には民生安定という考え方に立って、基地の所在する住民のいろいろなハンディキャップを埋めてやる、また基地をかかえておる都市などの特殊性にかんがみ、これらの使用について基本的に民生安定の考え方を取り入れていくということが、私は、せめてもの行政に当る者の態度でなければならぬ、こう考えておるわけでございますか、これに関する基本的なお考え方を責任者の方からお伺いをいたしたいと思います。   〔倉成委員長代理退席、委員長着席〕
  101. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 いま先生からお話のございましたように、基地のあるところにつきましては、住民に対しいろいろ利害のしわ寄せといいますか、そういうものがあるということは、われわれよく認識しております。そこで、御承知の周辺整備法等によりまして、その障害の防止とか軽減あるいは民生安定等にいろいろ努力をしておるわけでございます。  ただいまお話の国有地の問題につきましては、もちろんそういった施策の一環としまして、行政目的を阻害しない範囲において、民生安定に役立つようにいろいろ研究をしておるわけでございますが、具体的な処理としましては、厚木につきましてはいろいろ競願がございまして、まだその調整がついていないという状況でございますけれども、方針としましては、あくまでも地元の民生の向上に役立つ方向でこの使用を許したい、このように考えております。
  102. 平林剛

    ○平林委員 行政目的に沿う範囲内で研究をしておるというお話ですが、私は、これはほんとう大蔵大臣にもお尋ねしたい基本的な考え方なんです。研究をしているということではなくて、むしろ私の述べた趣旨が、これが妥当であるならば、すみやかにそういう措置を基本的におとりになるのが、行政に当たる者の姿勢ではありませんかということを私は伺っておるわけでございまして、政務次官の御見解を承りたいと思います。
  103. 上村千一郎

    ○上村政府委員 平林委員のおっしゃるとおりだと存じておりますので、そういうよう方向で善処していきたいと思います。
  104. 平林剛

    ○平林委員 私は、この善処は単なることばの善処でなくて、基本的な考え方をすみやかに確定をしてほしいということを強く要望いたしておきたいと思うのであります。  そこで、私はこの場合に、基地周辺の国有地を当該市町村に委任をするというようなやり方はどうなんだろうか。むしろ当該の市町村に委任をして運用させるという考え方をとるべきだ、こう思うのであります。もちろん、行政目的の範囲内という条件つきでもようございます。先ほど防衛施設部長からあげられましたように、使用の許可の条件というものを取りきめまして、たとえていえば苗木、芝の苗をつくるところであるとか、あるいは種芸の育成地であるとか、材木の置き場であるとか、いろいろなこうした公共的なもの、しかも民生安定に資することができるものというものを、その市町村に条件を付して委任をする、こういう考え方はいかがでしょう。
  105. 上村千一郎

    ○上村政府委員 考え方としては非常に参考になる考え方と思います。しかし、具体的な問題につきまして、委任というふうにすべてを割り切っていくかどうかということは、これは検討の対象になるかと思いますが、その委任したと同じようなウエートにおいて非常に市町村とよく相談をしていく、こういうことは私は大切なことだ、こう思っております。御案内のように、これは管理の問題でございますので、その点は平林委員も十分御承知になっておられるかと存ずるわけであります。
  106. 谷川寛三

    谷川説明員 ちょっと補足をさせていただきます。  いま政務次官がお答え申し上げたとおりでございますが、法律上は国が管理すべきものをかわって管理してもらうということでございますから、法律上の管理の委任でございますと、市町村といたしましてもなかなか管理の費用がかかりますし、問題があろうかと思います。そこで大和市の例を申しますと、昨年の秋に大和市長さんから御陳情がございました。基本的には、さっき御質問がありましたように、民生安定的な配慮に基づいて地元市町村内住民優先ということでやってほしいという基本的な御要望がございます。私も、先ほど来政務次官なり防衛庁のほうから御答弁がありましたように、そういう精神でやりたいということで、具体的に——個々には、公共的な利用については無償で基地地元市町村に使わせてほしいとかいろいろ御希望がございますが、何しろ買収をいたしました動機が、基地周辺の私有地につきましては飛行機離着陸に支障があるとか、住民の方の安全、危険防止とか、いろいろ目的がございますので、そこに常時皆さんが立ち入って御利用なさるということになりますと、その買収目的にも反することになりますし、いろいろむずかしい問題もございます。そこで、地元の財務部に注文をいたしまして、よく地元の市町村と接触をいたしまして、どういうふうに利用したら——先ほど防衛庁から御説明申し上げましたように、いろいろこういう方面に使うのが妥当でなかろうかという基準は一応示されておりますが、そういったことも参考にしながら、どういう方面に使えるか、さっき言った買収目的に反しない範囲でどういうふうに使えば一番喜んでいただけるかということを研究いたしまして、速急に具体案を立てたいと考えております。先般、予算の分科会でも御答弁申し上げたとおりでございます。
  107. 平林剛

    ○平林委員 基地周辺の国有地を当該市町村に委任することはどうかという私の質問に対しまして、政務次官からは、委任と同じウエートによって考えることは正しい、適当なよい考えであるというお話があって、その線で検討したいというお話がございました。また谷川次長からは、基地被害者である——被害者ということばは適当かどうかわかりませんけれども、まあ私のことばで使わせていただきますが、基地被害者である当該市町村及び周辺住民を最優先として当該市町村に主導権を持たせるということはどうかという考え方について、そういう精神でやりたいというお話がありました。施設庁もこの点は同感でしょうか。
  108. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 ただいま大蔵当局から御説明のありましたように、われわれも具体的な処理にあたっては、もちろん自治体の長である市長さんの御意見も十分お聞きした上で処置したい、こう考えております。
  109. 平林剛

    ○平林委員 市町村の意向で措置するというその前に、私があげた前提はいかがでしょうかと聞いておるわけです。
  110. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 もちろん、こういった国有財産の管理あるいは処分をします場合に、それぞれの法律上の制約もございますけれども方向としましては地元の方々に利用していただくということが適当であろう、こう考えております。
  111. 平林剛

    ○平林委員 地元の方に利用していただくことが適当である——まだあいまいなんてすね。国有地を管理するところの大蔵省政務次官も、次長も、先ほど私があげたような基本的な考え方でいきたい。ただし、これは行政目的に反しないという条件はありますよ。ありますが、民生安定的な、押元優先的な考え方でいきたいということに対して、あなたの答えは、ちょっとまだあいまいなんです、地元ということだけでございましてね。その点はどうもちょっとすっきりしませんけれども、私はそれでは、いまなぜすっきりしないかをこれからあげていきます。あなたがはっきり、すっきりしてくれなければ、なぜあなたがすっきりしないかということをこれからあげていきますよ。どうですか、初めにちゃんとすっきりさせておいてください。
  112. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 先生のお話とそう違ったことをお答えしているつもりはございませんが、要するに民生安定という方向に向かってその利活用をはかる。それから、やはり地元の方々を優先するんだ。それから、具体的な決定にあたっては事前に市長さんの御意見をよく聞く。管理を委託するというところまではいきませんけれども、十分市長さんの御意見を聞いてやりたい、こう考えておるわけでございます。
  113. 平林剛

    ○平林委員 これは大和だけの場合に限らず、私は全国的な問題として考えていきたいと思っておるわけでございます。  同時に、私はこの機会に聞いておきたいのですが、このような国有地を大蔵省から防衛施設庁の所管に移して行政財産にするということは問題がありはしないか。つまり、この点を検討する必要があるのではないかという問題を提起したいと思うのです。  それは、区域の安定的運用に資するというような行政目的は確かにございますけれども、私は冒頭説明を求めましたように、「自衛隊の施設並びに駐留軍の施設及び区域の周辺に所在する行政財産の取扱いについて」という、当時の大蔵省国有財産局長から防衛施設庁次長に対する通知を見ますと、使用を許可する財産の範囲、使用の許可の条件、使用の許可の手続等、相手方の選定、使用を許可する期間、使用料の算定基準、使用料の決定、こまかい規定ができておるわけであります。私はこの通知でありますか手紙であるか明らかにしませんが、使用の許可の条件をしっかり規定さえすれば、普通財産であってもいいのじゃないか。私は、これを防衛施設庁の所管に移して行政財産にするよりは、普通財産であってもいいのではないかということを主張したいと思うのであります。特に行政財産ということにしておきますと、行政財産というのはどういうことになるかあれですが、いろんな解釈があります。行政財産とは何ぞやという解釈がありますけれども、これを行政財産にいたしますと、基地の安全対策のために基地周辺のこれらの財産は毎年ふえていく傾向にあるわけですね。ことばをかえて言うと、基地はなるべく縮小したいというような考えに反して、これらの行政財産は広がっていくという傾向になるわけです。おわかりですか。つまり、基地をなるべく縮小しようとする方向に相反する方向になっていくのではないか。ですから、これら——これらというのは私いまあげたので誤解はないと思いますが、これらの地域の財産は行政財産より普通財産とすることはどうなのか、こういうことを言っておるわけでありまして、これはいかがでしょう。
  114. 谷川寛三

    谷川説明員 まあ行政財産の定義についてここで申し上げる必要もございませんが、先ほど申し上げましたように、この基地周辺の土地は、とにかく飛行機離着陸に支障があるとか、それからあそこはあぶないとかいうような、一つの防衛庁の目的をもって、御案内のとおり防衛施設周辺の整備等に関する法律等に基づいて買収をされたものでございますし、やはりそういう目的からいたしまして、行政財産として防衛庁で管理を御担当いただくのが適当なのではないだろうか。先ほど御質問がありましたように、御心配になっておられますように、基地縮小の方向にこれが逆の作用をするということは、私は考えられぬと思います。  それから、行政財産であれ普通財産であれ、さっき申しましたようにいろいろ制限はございましても、決して住民の方の御利便に供しないということは、大蔵省も防衛庁も考えてはいないわけでございますので、そういった点も御心配は要らぬかと考えております。
  115. 平林剛

    ○平林委員 私は、この点は、先ほどお答えがありましたけれども、なお本来はこれらは普通財産として管理することが適当でないかという問題だけを提起をしておきたい。そして、これについての検討を要望いたしたいと思っておるわけであります。ぜひひとつ心にとめて、適当な機会に善処することを希望いたします。  そこで、これと関連をする意味で吟味をしていただきたいので、少し大和の例に入りますけれども、大和の場合に、先ほど市長さんの要望を最優先的に考えたい、よく相談をしてやりたいという施設庁からのお話がございました。市長さんのほうでは、このあと地の利用につきましてかなり具体的な構想を立てて、施設庁との間に話し合いを進めておる。そうしてその話し合いは施設庁との間にほぼ了解をされた、こう聞いておりますけれども、いかがでございましょう。
  116. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 現在、地元のほうと私のほうの横浜防衛施設局の間でいろいろ調整をしているようでございます。まだ具体的な案について、局のほうから本庁に正式の申達はきておりません。いままでの状況を調べましたところ、大和市の関係では、昨年の十一月三十日の日付をもちまして、市長名で、車両の置き場、材料の置き場あるいはじんあい焼却場の設置というような申請が出ておるようでございます。
  117. 平林剛

    ○平林委員 お話しのとおりに、この厚木基地周辺国有地の使用許可の申請を、市が構想をまとめまして、じんあい焼却のいろいろな施設であるとか、牧草地であるとか、植木のせり市の会場であるとかという形で具体案を立てて、当局と話をしておるが、まだ結論に達していないのですか。先ほどは調整中と言いましたけれども、まだ結論はついていないのですか。
  118. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 これまで市のほうと私のほうの出先の局といろいろ御相談をしておりますけれども、まだ結論に達していないようでございます。
  119. 平林剛

    ○平林委員 あなたは大体のことは御存じだと思いますが、これは大蔵省が返事をしてきた通牒の内容に合致し、かつ、きょう私の質疑で政務次官も大蔵省の理財局次長もその方向でと言われるし、あなたも市長さんの意見をよく聞いて相談をしてやりたい、こう言っておる範囲のものでございますから、いいのじゃないですか。もう大体方向としてはよろしいのじゃないですか。
  120. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 その交渉のこまかい内容を私まだ承知しておりませんので、局のほうに状況をよく聞きまして、なるべく早く調整を完了するように指示したいと思います。
  121. 平林剛

    ○平林委員 なるべく早く指示したいということは、きょうのこの委員会方向で指示したいというお話だろうと私は考えるのでありますが、実は、この基地周辺の国有地に、これを活用してやりたいという申請は、市だけではなくて一般的にもきておるのです。例を申し上げますと、日産自動車がきているのです。日本ハイウェイ株式会社もきているわけです。三井不動産、ここからも何に使うかわからぬけれども申請がきているわけであります。昭和無線という会社からも、鹿島建設からもきているわけであります。日本飛行機からも、神奈川エバタという会社からもきているわけであります。それでなかなか解決がつかないのです。調整中と言っているのです。政務次官や次長さんがわりあいと、私が述べた趣旨に方向をはっきりお答えになっておるのに、施設庁が何かこうもやもやとしているということは、これらの調整がつかないからだと私は実は感じておるわけなんであります。しかし、先ほど来述べておりましたように、こうした日産自動車あるいは三井不動産、このあと地を利用するのに一体何に使うのか。私は、先ほどこの法案審議のときに、一般的な国有地の問題でございましたけれども使用するときに、こうした特定の営利を目的とする、あるいは独占的な企業というようなものが、わがもの顔にそれを占有していきたいという希望を示してくるのは当然だと思うのです。そういうものと、調整ではありません。私は、そういう動きがあるからかえって公共用地的なものにこれをしたらどうだろうか、そういう基本的な考え方をとるべきだということを主張しておるわけなんであります。特に三井不動産には元防衛施設庁の幹部がいるのです。そしてその幹部は、ここの厚木飛行基地の周辺に存在する四十七万平方メートルのすべての地域を、おれは自分の思うとおりにやってみせるといって豪語しておる。メンツがあるからといってがんばっておるという話も風のたよりに聞いておるわけであります。こんなことは通るとは私は思いませんよ。思いませんが、そういうことを言っておる人もあると聞いておるわけであります。  私は、このような独占に奉仕するようなことはいけない。使用目的はあいまいで、かりに厚木基地が撤去になったときには、その使用の権限を受けたことを一つの既得権にして、またそれでもうけをたくらむという考え方をもし許したならば、一体どういう国民的批判を受けるかということを考えなければならぬ。基地が撤去されたあとの状態を考えた場合には、私はそういった意味で、むしろ市町村に権限を委託するか、普通財産にすべきだ、こういうことを言うておるわけであります。しかし、百歩譲っても、先ほどような政務次官や谷川次長がお答えになったような基本的な考え方、市町村の意見を尊重しよう、そういう考えで指示しようという施設庁のお答えような形で処理をしていくのが妥当である、そうすべきだということを申し上げておるわけでありまして、私はその具体例を申し上げたわけです。これは厳然たる事実でございますから、私は、ちゅうちょせずやはり民生安定的な公共的なものにやる、それをことばをかえて、地元に使うなんということばでこういうものを織りまぜていくようなことはおやりにならぬようにひとつ御指示をいただきたい、こう思うのです。いかがでしょうか。
  122. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 先ほども申し上げましたように、この問題につきましては、自治体の長である市長さんの御意向を十分聞いた上で慎重に処理したい、このように考えております。
  123. 平林剛

    ○平林委員 非常に官庁用語で、あなたもここでずばり答えるのはむずかしいかもしれませんけれども、空気だけは十分知って指示をしてもらいたいと考えております。  そこで次に、この問題に関連をして、これから使用許可をするわけでありますけれども、その場合の使用料の点です。一体幾ら使用させるかという点を明らかにしてほしいと思うのです。
  124. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 使用許可をします場合に、その基礎となる価格をどこに求めるかということが一つのポイントになるわけでございますが、いま申し上げましたような安全措置のために買収した国有地の使用許可にあたっては、民生安定に貢献するというようなこともございますし、なるべく法の許す範囲内で安い価格使用料を徴したい、こう思っております。  そこで、これはまだ確定的ではございませんけれども国有財産台帳に登載してあります価格、これはわがほう、か買収したときの価格でございますが、それによらないで、その周辺の類似の土地の固定資産課税の基礎となる価格、固定資産の評価額、これを基礎にやれば使用料も非常に少なくて済むというようなことで、これによってやりたいという方向で現在検討しております。
  125. 平林剛

    ○平林委員 許可した日の属する年の登録価格、つまり、いまお話がありました固定資産税の課税台帳に登録された価格を基準にしてやる、その三%、こう書いてあるのですが、いま率のことはお話しにならなかったので、私はあとでそこを議論するために必要でありますから、はっきりとお答え願いたいと思います。
  126. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 固定資産評価額の三%になっております。
  127. 平林剛

    ○平林委員 私、地元の関係者と話をしたときには百分の四・四、こういう話がきておるということを聞いておるのですが、百分の三で間違いございませんか。
  128. 谷川寛三

    谷川説明員 かわってお答えしますが、国有地でも、国が行政目的にそのまま使ってない、つまり、他に貸しておりますような場合には、地方団体に対しまして、これは法律の規定がございますが、市町村交付金というのを交付することになっております。その率が一・四%でございますので、それを足しますと四・四になります。
  129. 平林剛

    ○平林委員 そうでしょう。だから百分の四・四なんですよね。私は、谷川さん、この考え方は少し検討する必要があると思うんです。なぜかというと、この固定資産税相当額の百分の一・四を加えるということになりますと、いま基地のある都市に対しましては交付金があるわけですね。これは大体、基地交付金というのは固定資産税評価額に対する一定の割合で定められておるわけです。大和の例をとりますと、昭和四十三年大体九百七十二万円の基地交付金があるわけであります。そこで、この九百七十二万円は、ではどのくらいの割合になるか、固定資産税相当額の百分の一・四に達しておるかというと達してないのですよ。百分の大体〇・九ぐらいに昭和四十三年度はなった程度です。この考え方はどういうことになるかというと、基地周辺のこうした行政賜産を、その使用料を取り上げて、そのうちの一部を基地交付金一というような発想と同じことになっている。使用料を取り上げて、そのうちの一部は基地交付金にやる、それも固定資産税相当額の百分の一・四に達しない額を交付金でやっておる。つまり、先ほど私は声を大きくして申し上げましたように、基地のある都市の悩み、そうした地域におけるところの市民感情を考えると、使用料を取り上げて、そのうちの一部は基地交付金の財源に使うなんというような考え方、これはおやめになって、むしろ、こうした地域に対しましては無料で使用させるというようなことにしたらどうなんだろう。あこぎということばがあるけれども、これが適用するかどうかは別にして、そんなに大蔵省、そろばんを入れてやるようなお考え方で基地のある都市に接すべきではないんじゃないか。私はむしろ、よろしく無料で使用させるという線に踏み切っていくべきではないか、こう思うのでありますけれども、いかがでしょう。
  130. 谷川寛三

    谷川説明員 先ほど私が申しました市町村交付金と、基地交付金はこれまただいぶ違いまして、たしか私の理解しているところでは、基地交付金というのは、防衛庁の施設とか、駐留軍の施設とかに関しまして交付されるものでございますが、市町村交付金のほうは、そこの土地にかかわる固定資産税にかわるものでございますから、それをお使いになっている方にやっぱり負担していただくということが理屈ではないかと思います。しかし、先ほど来いろいろ指摘されましたよう基地の存在にまつわるいろいろな問題がございますので、使用料につきましても、防衛庁御当局とも御相談しますが、地元の要望もよく聞きまして、これはさっき申しましたよう使用自体がまたいろいろ制限されることでもございますから、実情に合うような検討はこれからしてみたいと思います。まあ、無償ということは、法律でこういうものにしか無償にできないという制限がございますから、一文もいただかないというわけにはまいりませんが、どこをどうすればいいか、もっと検討してみたいと思います。
  131. 平林剛

    ○平林委員 私は、その使用相手方が営利を目的としてする場合、これは論外にしてもよろしいと思います。しかし、これを公共的なものに使用させるというような場合の使用料については、国として、やはりとるべき態度があるのではないか。いまのお話の線で私はぜひ検討を進めてもらいたいと考えておるわけであります。  ところで、問題は、先ほどお話ように、全国では百四十六万七千九百三十七平方メートルございますね。これが全部、直ちに生きて使えるというような状態には必ずしもならぬと思いますけれども、一〇〇%使用ということにはならないとは思いますけれども、相当程度具体的な計画が練られ、構想が立てられて使用されるということに相なりますと、確かに固定資産税相当額の百分の三とか、あるいは無償ということになれば話は別でありますけれども、四・四とかいうことになりますと、かなりの収益、そういうものが要するに期待できるのではないか。これは大体どのくらいあがる、だろう、どういうふうに御算定になっておりますか。
  132. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 現在各局のほうで地元といろいろ調整の段階でございまして、しかも四十三年度につきましてはある程度試験的にやってみたいというような考え方でございますので、まだ全般的にこれが運用されたならばどれぐらいの歳入になるかというようなことは、詳細検討をしておりません。
  133. 平林剛

    ○平林委員 私は、それは厚木の場合と、それからもう一カ所試験的に始める、これは漸次十六の施設に及ぼしてほしいと思うのでありますが、そうなった場合、かなりの収益——この収益というのは法律上の収益ですよ。国有財産法にあるところの使用によって得るところの収益、いわゆる営利とかその他でない。この収益が大きくなるだろう。これはだれが管理するのですか。
  134. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 現在この周辺の国有財産は、行政財産ということで防衛庁が管理しております。
  135. 平林剛

    ○平林委員 このただいま議題になっている国有財産特殊整理資金特別会計法及び国の庁舎等使用調整等に関する特別措置法の一部を改正する法律案、これは提案理由の説明がございましたように、これから対象となる財産の範囲を拡大をし、いろいろな事業をやって、その収支計算を一つ特別会計に持っていくわけであります。私がいままで議論してまいりましたこの基地周辺の国有地、これは先ほどあげましたように、相当の広範囲にわたるものであります。そしてまた、これを生かして使うというような計画がいまはテストケースとして進められますけれども、次第に、基地の撤去のない限りこれを使用していく。そしてその使用によるところの一定の基準に定められた収益というものは集まる、これは防衛庁が担当する。どうなんでしょうか、私はその点統一してやるというお考えを持つのが妥当ではないだろうか。この法律の、これはある意味では対象の範囲が今度は特定の普通財産ということまで広がることになりますね。駐留軍提供施設等が含まれることになりますね。これはいわゆる行政財産になっておりますけれども、しかし、態様としてはそう変わりがないものである。それをこの法律では、大蔵大臣建設大臣並びに運輸大臣になっておりますね。私がいま申し上げた地域もかなり大きいものである。そして活用していくということになりますれば、かなり大きな収益ということになる。これは大蔵省は全然めくらですか、施設庁だけがこれを担当するということに相なるのですか。私は、そこのところはむしろ統一すべきものではないかということを考えておる。ですからさっき言いましたように、むしろ普通財産ということにしたらどうなんだろうかという提言も、そういう点もありまして私はこれを発想して指摘をしておるわけです。どうするのですか。
  136. 相沢英之

    相沢政府委員 大蔵大臣は、国有財産法の規定によりまして国有財産に関する総括的な権限がございますから、各省各省、この場合でいいますと防衛施設庁の所管しておりますところの提供施設について、その使用方法その他について不適切な事例があればもちろんその是正を勧告する、また使用方法について意見を述べるということは可能になっております。この特別会計法で処理いたします事案は、この施設の処分収入を見合いにいたしまして新しい施設整備をするというものでございますから、その防衛施設庁の提供施設につきましてそのよう措置をすることが適当である場合には、当然この特別会計対象として取り入れてやっていくということになりますから、その施設の利活用の一部がこの特別会計で果たされるというふうに考えております。
  137. 平林剛

    ○平林委員 いま聞いておりますと、私がいまあげたところの使用料は、この特別会計で扱うということですか。
  138. 相沢英之

    相沢政府委員 それは、そういう施設を処分いたしまして、その収入見合いに財産を取得する場合のみこの特別会計対象になりますから、そういうことが行なわれない一般の管理処分収入は当然一般会計に入ります。特別会計とは関係ございません。
  139. 平林剛

    ○平林委員 これらの収益は施設庁が管理をする、そしてそれはもちろん明確になる。その収入は何に使いますか。
  140. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 その収入は国庫に入るだけでございます。
  141. 平林剛

    ○平林委員 国庫に入るだけ。これを生かして使うとか、そういうことはなくて、国庫に入るだけということですか。
  142. 相沢英之

    相沢政府委員 一般的に国有財産の管理処分収入は、一般会計の場合には一般財源として雑収入に入りますから、特定の歳出との結びつきはございません。
  143. 平林剛

    ○平林委員 私は、その程度のものであるならば、営利を目的とするものに使用させる場合は別にして、むしろ公共的なものについては無料という線をぜひひとつ打ち出してほしいということを希望しておきます。  それからまた、この収入がどう取り扱われるかについては、もう少し時間をかけて検討してもらいたいということを希望いたしまして、私の質問は終わることにいたします。
  144. 田中正巳

    田中委員長 午後一時三十分再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時三十四分休憩      ————◇—————    午後一時五十分開議
  145. 田中正巳

    田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。田中昭二君。
  146. 田中昭二

    田中(昭)委員 大蔵大臣国有財産のすべてについて総括して責任を持つというようなたてまえになっておりますが、この特別会計に所属します財産について、統一的に総合的に活用するためにはどういう配慮があるものか、次官からでもけっこうでございますからお答えいただきたい。
  147. 谷川寛三

    谷川説明員 現在国有財産の管理につきましては、行政財産の管理はもちろん各省各庁の長がやっております。普通財産のほうは大蔵大臣が管理をもちろん行なうことになっております。そうして行政財産でも用途が廃止されました場合には、行政財産を処分しようという、これはできません。用途廃止をして処分する場合もありますから、その場合には普通財産として大蔵省に引き継いでいただきまして、一般的に申せばですが、そうして大蔵大臣が一括して処分を行なうことになっております。ところが、いま御質問がありました特別会計につきましては、処分も全部各省各庁の長が行なうことに法律上なっております。そのためにいま処分の面ではどうしても統一性が薄くなってまいっております。また、先ほど申しました管理の面につきましても、一般会計の所属のものにつきましては、利用状況につきましても常時大蔵省におきまして監査を行ないまして、そうして未利用のものにつきましては大蔵省に引き継ぎを受けまして、そしてこれを利活用をしてまいるということにすることができるのでございますが、特別会計につきましては、監査をいたしましても、これまた法律上異なる会計間におきましては、引き継ぎを受けます場合には有償だということになっておりまして、特別会計の行政財産の未利用のものがある場合でありましても、これを引き継ぐとなると有償だということで、そこでやはり利用状況の調査をやりましても、結局のところは、特別会計分についてはこういう未利用になっておりますから、こういうふうに転活用をすべきじゃないかという要請といいますか勧告をするにとどまりまして、引き継ぎを受けまして、大蔵省で一元的に最近の土地問題に対処するという目的から国有財産の利活用をはかっていくという点では、どうしても不徹底な面が出てまいります。そういう点で売り払いの場合にも、特別会計の分につきましては大蔵大臣協議を受けてはおりますけれども、そうしていま申しましたように、一般会計の所属の分と同じように利用状況の調査を行なっておりますけれども土地の公正利用という見地からいたしますと、現状では若干隔靴掻痒の感があるような状況でございます。  さて、これをどういうふうに一元的にやっていくかとなりますと、各省間のいろいろな問題がありますので、なかなか一挙に解決することはできないと思いますが、国有財産の一元管理ということは将来の大きな研究課題であるというふうに考える次第であります。
  148. 上村千一郎

    ○上村政府委員 ただいま谷川次長が申しましたが、先生の御指摘の問題につきまして、私、実は特別会計なり、この国有財産の問題についていろいろと検討してまいりますと、今後の国土全体についてのあれでございますが、土地の利用、活用という問題から考え、また、特に都市開発などの点から考えましても、昨日も諸委員方々からお話もございましたが、総合的に国有財産というものについて管理あるいは運営減るというようなことが必要ではないか、少なくとも基本的な姿勢というものが必要ではないかということを非常に痛感しておるわけです。それで、たとえば特別会計でも四十二くらいだし、その間各省のいろいろな考え方もある、また特別会計自身の政策目標もあるというようなことではございまするが、高度の土地利用という観点からしますと、何らか総合的な一貫したものを検討していく時期であろうという感じを持っておるわけでございます。
  149. 田中昭二

    田中(昭)委員 少し明確な答弁ではないと思いますが、時間があまりありませんから次に進みます。  この特別会計に入ってくる財産でございますが、提案理由にもありましたように、国有地の利活用の見地から総合的に調整する。それをどういうふうにするのか、積極的に生かそうという見地から進めていかなければならない。そういうことを考えますと、たとえば今回の特別会計で財産の取得と処分の一元的運営といいますか活用といいますか、そういうものについてはどのような見解をお持ちでございますか。
  150. 上村千一郎

    ○上村政府委員 田中委員も御承知と思いますが、今回の特定国有財産整備特別会計というような名前にするわけは、その実態に即するわけでございますが、それに対しましては特定国有財産整備計画というものを立てまして、そして大蔵大臣が中心になって各省庁の意見も聞き、協議しながらその計画を樹立していくわけですね。ですから、そこでおのずと特別会計の範囲、ワク、規模というものがきまっていく、こういうたてまえになっておるわけです。  それで、今回の改正の目途につきましては、対象財産の種類から申しますれば、現行法は「国の事務、事業又は企業の用に供する庁舎その他の建物等」ということになっておりますが、改正をお願いをいたしたいと存じておる対象財産の種類につきましては、「国の事務、事業又は企業の用に供する庁舎その他の建物等」それから「公共用飛行場、演習場等」とか、あるいは皇室の用に供する財産とか「公務員宿舎」あるいは「特定の普通財灘」、これは駐留軍提供施設ということになっておる。そして先ほどもすでに諸先生がいろいろと指摘され、また政府側も答弁を申し上げたよう対象施設というものが今回の計画の中に取り入れられておる、こういうふうな状態になっておるわけです。
  151. 田中昭二

    田中(昭)委員 そこで、もう一回そのことについてお尋ねしたいと思いますが、昨日の各委員から御質問の中にもありましたが、私もこの提案理由を読みまして初めに思いましたことは、これを読んでみますと「この特別会計の資金の使用にあたっては、所要の金額を一般会計の歳入に繰り入れ、同会計の歳出に計上して支出することになっておりますので、この計画に基づく庁舎等の処分収入と取得経費の支出との関係は必ずしも明確にされていないのであります。」こういうことですね。きのうも次官がおっしゃったと思いますが、明確にされていないために、それを反省しながら、この特別会計の運用がその趣旨に沿っていかなければならない、こういうようお話もあったようでございます。また、調査室のほうで調べた書類から見ましても、なるほど両者のつながりが必ずしも明確でなかった、こういうふうにも書いてございますが、それではそういうところを、明確でなかった、はっきりしなかったということを反省するならば、その反省に立って、現在までの資金会計においてはどのような点をやっていかなければならないか。その点が特別会計をつくるためにおいてどのように生かされていくか、そういうことをもう少しはっきりしてもらいたい、それが一点。  それから、先ほど言いましたように、この財産の取得ですね。いわゆる各省庁が新規に営繕要求するものについては、一般会計のほうから出るわけでございましょう。それも含めたところの庁舎等の一元的な考え方が当然この特別会計になければならない、こう思うのですが、その点どうでしょう。その二点だけ。
  152. 上村千一郎

    ○上村政府委員 ごもっともな御指摘と存じますが、現行法は資金会計でございまして、そして特定の庁舎施設を処分して、それを特別会計にしまして、積み立てておいて、それを一般会計へ入れていく、こういうたてまえであったわけでございます。それでございますので、いま先生も御指摘のように、資金が一般会計へ入ってまいりますから、取得する財産とのかね合いとか結びつきというものが、そこに明白さというものが薄れてきておる、こういうわけです。そこでこの際、この特定国有財産整備をする、そして国有財産というものにつきまして利活用をはかっていきたい、こういう考えのもとに、従来の国有財産というものを処分して、その収益を財源として、それから今後の特定国有財産整備をはかっていく、こういう考えであります。そうすると事業会計にしたほうがいい。しかし、いろいろと昨日も諸先生から御指摘がございましたように、都市開発なりその他いろいろな問題が起きてまいりますと、従来のあと地、そういうものにつきまして、それをすぐ処分して財源に——その財源がなければ新しい特定国有財産整備はできぬというようなふうではかえってまずい。だから、それかといって従来の国有財産の処分というものを当てにせぬというわけじゃない。それを効率的に利活用しながら、新しい特定の国有財産整備をはかっていくという考えもございます。ですから、従来の国有財産を処分した財源というものが主要財源になっておるけれども、その範囲内においてすべてをやるということは、これまたその政策目的をも十分に果たすことができませんので、一般会計からの繰り入れということも財源の一部にし、また、場合によれば借り入れ金もして財源に充て、あるいはその他のものも財源に充てながらこの目的を達していこう、こういう事業会計にしたわけです。けれども、あくまでも既存の国有財産というものを有効に活用しながら、財源の重要な部分にしながら、特定国有財産整備をはかっていくという目途にございますので、要するに従来の国有財産の処分というものと、いわば今後取得していく国有財産というものに対してのいわばかね合いということは十分はかっていきたい、これが今回の特別会計のまあ目安と申しましょうか、目標と申しましょうか、そういうような考え方に立っておるわけでございます。
  153. 田中昭二

    田中(昭)委員 その言われることはわかります。いま私が最後の一点をお願いしました、いわゆる有効的にそれを活用していこう、こういうことになるならば、いまのいわゆる新規の庁舎なんかをつくるようなことも当然含めて考えて、そういうことまで含めた特別会計にはどうしてできませんか、こうこうことが一つです。  それから、先ほどいろいろおっしゃいましたが、一般会計に繰り入れるといいながら、きのうも聞いてみますと、三十四年に一回だけ二億五千万円だけ繰り入れただけだ。そういうところが反省する余地があると私はきのうは聞いたんです。そういうところの具体的な説明はなくて、ただ一般的な御説明ようでございますが、その辺、弔う少し私たちが質問しておりますことをつかまえてわかりやすくもう一回お答えいただきたい。
  154. 相沢英之

    相沢政府委員 新規の庁舎等の建築につきましては、これは既存の施設の処分収入というようなものが見合いになりませんものですから、この特別会計対象にはならないというふうに考えておる次第でございます。
  155. 田中昭二

    田中(昭)委員 ならないことがいかぬじゃないかということです。
  156. 相沢英之

    相沢政府委員 その点は、全体の官庁施設全部の処分収入と、それから施設の取得費等、歳入、歳出するところの特別会計をつくることも、これは考え方としてはあり得ると思います。しかしながら、そういたしますと、現在一般会計で行なっておりますところの官庁営繕との限界がなかなか引きにくいということもこれあり、また、官庁営繕についての各種の所管問題、権限問題等にもいろいろ関係いたしますので、そういった意味におきましては不十分のきらいはございますけれども、今回の特別会計の改正に際しましては、それぞれ個々の施設についてその処分収入があるもの、つまり特定の収入があるものについてその施設の取得と処分を区分経理するという形でこの特別会計を考えたわけでございます。したがいまして、処分収入のない新規の研究施設、四十四年度で申しますと、例の研究学園都市につくりますところの国立防災科学技術センターの大型耐震施設部門あるいは無機材質研究所につきましては、これは処分収入が見込めませんものですから、従来どうり一般会計でやるということにしているわけであります。  それからもう一点。この従来の資金会計が活用されていなかった理由でございますが、これはどの資金会計の形が、とにかく特定庁舎等特殊整備計画に基づくところの財産の処分収入を歳入としてその資金を積み立て、それから必要がある場合には一般会計に繰り入れる。一般会計に繰り入れるという措置がなければ活用できないような形になっております。しかも、これの特定庁舎等特殊整備計画に基づくところの庁舎整備自身は一般会計の歳出でもって行なわれている。ですから、資金の繰り入れがあるなしにかかわらず、施設整備は一応行ない得るような形になっている。その点が庁舎の処分と取得との有機的な連関を欠くことになっている原因であったわけであります。ですから、おっしゃるとおり、運用上両者を結び合わせてやればよかったじゃないかという議論はあろうかと存じます。しかしながら、せっかくこういう特別会計があるわけでございますから、これを活用するように、つまりこの収入、支出を実際の経理面でも有機的に結びつきやすいようにすることのほうがよりベターじゃないかというような判断でこういう改正を考えたわけでございます。   〔発言する者あり〕
  157. 上村千一郎

    ○上村政府委員 実は、一般営繕の場合とこの特別会計の場合、これは私も、いま田中先生がおっしゃるような、何か統一した、一貫したものを出したほうがいいと思うのですよ。でございますが、とにかく、昨日も御質問があった際にお答えしたのでございますが、この際、どうせ改正するなら、もう一歩進んだ考えを出したらどうか、いまのような総合的なものを打ち出していったら、というお話がございましたが、それまではまだ煮詰まっていないわけですね、検討する対象となるのは。その調整はどこまではかるかというのが、結局、大蔵大臣が主になりまして、各省庁の長と相談をしまして、そうして特定国有財産整備計画というものを一々出して、その出す段階において、一般営繕との間の調整がついていくであろう、こういうようなものの考え方であるわけです。
  158. 田中正巳

    田中委員長 暫時休憩いたします。    午後二時十二分休憩      ————◇—————    午後二時十七分閉講
  159. 田中正巳

    田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。田中昭二君。
  160. 田中昭二

    田中(昭)委員 先ほど初めに聞きましたが、この特別会計を共管する大臣は、運輸大臣建設大臣、こういうようになっておりますが、その総括としてまた大蔵大臣が管理する、こういうことがありまして、先ほど番いましたようなこと、一元化されないじゃないか、こういう心配をしたわけでございます。その点もう一ぺん次官のほうから簡単に承りたいと思います。
  161. 上村千一郎

    ○上村政府委員 会計の所管としまして、大蔵大臣は歳入、それから運輸大臣及び建設大臣の所管する施設以外のものを大蔵大臣が所管します。それから運輸大臣空港施設建設大臣は官庁営繕をそれぞれ所管する。こういう意味で、大蔵大臣運輸大臣建設大臣というのが共管ということに相なっておるわけであります。
  162. 田中昭二

    田中(昭)委員 きのうも出ましたが、建築交換の問題でございますね。この問題が、現在までは国有財産の効果的な利活用に支障を来たす面があった、こういうふうに言われておりますが、具体的にどういうことがいままでそういう面であったのか、これを具体的にひとつ教えていただきたいと思います。
  163. 相沢英之

    相沢政府委員 いわゆる建築交換と申しますのは、国有財産交換一つの態様でございますが、本来、国有財産交換というのは、土地にいたしましても建物にいたしましても、現にあるものと、それから他の地方公共団体あるいは民間土地、建物で現にあるものとの間に行なわれるのがたてまえでございますが、建築交換というのは、その土地はもちろん現にあるものですが、その上につくる建物は今後相手方が建築をしてでき上がったところで、それがあるものとして交換をするということになっているわけです。したがいまして、本来の交換の姿からしますと、非常にいわば変体であるわけです。そういう建築交換を行なうことの利点というものはもちろんございます。国のほうからいいますと、現にある建物が老朽化しておる、あるいは周囲の要件、立地条件からいたしまして、移転をしたほうが適当だというような場合においてこれを移すのに、一般の税収その他の財源を使わないで、しかるべき相手方を見つければ、それとの間において交換の形で所期の目的が達せられるということにおいて利点があるわけでございますが、しかし、その建築交換の形でやりますと、とにかく相手方は特定するわけであります。したがいまして、国の土地、建物の処分からいたしますと、形態は随意契約になります。したがいまして、随意契約に伴うところのいろいろないやな問題が起こり得る可能性もございます。それから、建築交換の場合は、一般の交換と同様に、交換価格の開きは、高いほうの価格の四分の一以内ということになっておりますが、実際問題としては等価交換がございます。したがって、両者の価格を合わすために、何と申しますか、そこに無理が行なわれる可能性があるというようなことがございますので、でき得れば、建築交換というような形によらず、処分する財産はすっきりこれを処分をする、取得するものは取得するということでやったほうが、いろいろ建築交換にまつわるところの問題を払拭することができるんじゃないかというふうに考えられるわけでございます。まあ一般会計におきましても、当然財産の処分とそれから取得と別個に行なうことも可能でございますけれども、それはやはり特別会計に持ってきまして、その取得と処分とが有機的に連結する形で行なわれるということのほうが、現在の財産を活用するという意味におきまして、いろいろな面においていいのではないかというふうに考えておるわけであります。
  164. 田中昭二

    田中(昭)委員 次は、私の考え方が間違っておるかもしれませんが、国有財産の中には、公社、公団等の財産も含まれるとするならば、そのいわゆる公社、公団等の財産の処理は、大体どういう機関でどういう立場に立ってなされておりますか。また、特に現在土地の有効利用、そういう面から見ても、私は当然総合的な見方で見ていかなければならないんじゃないか、こういうように思いますが、いかがでしょうか。
  165. 谷川寛三

    谷川説明員 公社、公団につきましては、ただいまは総括して土地問題というような大きな見地から見てまいる機関がございません。国有財産法で大蔵大臣の総括権を規定されておりますけれども、これはまさに公社、公団以外の国有の土地だけでございまして、これにつきましてはそういうあれがございません。将来の問題といたしましては、いろいろ勉強していく必要があろうかとは思っております。
  166. 田中昭二

    田中(昭)委員 いろいろな土地の利用については問題もありますし、どうでしょうか、そういう消極的な勉強のしかたでは。こういう特別会計ができたときこそ、そういうこともあわせて考えるべきじゃないでしょうか。
  167. 上村千一郎

    ○上村政府委員 先ほどもしばしば申し上げておるわけでございますが、お考え方につきましては、私も同感のわけで、公社、公団につきましても、実はこれを統括して一つの総合的な考え方のもとに土地利用をしていくというようなふうにいまなっておりません。そこへ持ってきて、特別会計が現在においては四十二、その他一般会計との間、いろいろこの間の、要するに土地利用、この効率化をはかっていくという問題については、この際におきましても、何らか総合的なものの考え方というものを打ち出したほうがよかろうというわけで、検討をいたしていきたい、こう思っておるわけです。
  168. 田中昭二

    田中(昭)委員 現在、この事業特別会計で、提供財産でわかっておるものはどのくらいあるか。それが一点。  それから返還後の財産の処理方針といいますか、それはいかがでしょうか。
  169. 谷川寛三

    谷川説明員 米軍に対する提供財産でございますが、四十三年三月三十一日現在で把握をしてございますので、申し上げます。  おもなものは、土地が二億四千三百十八万平方メートルでございます。台帳価額で申し上げますと、千三百四十六億円でございます。それから建物が四百四十六万平方メートル、台帳・価額が三百七十二億円でございます。その他立木とかいろいろございます。  それから、返還財産でございますが、最近米軍のほうからたくさん返還がなされつつございますが、もちろんこの返還されます施設につきまして、大蔵省といたしましては、実態を十分把握をいたしまして、そうして地元のこれにつきましてのいろいろな御要望等も十分承りまして、返還になりました暁には、できるだけすみやかに、そうして実情に合うような、そうして国有財産として高度に生かされるよう方向におきまして活用する方針で対処しておる次第でございます。
  170. 田中昭二

    田中(昭)委員 提案理由の説明等から見てみまして、調べますと、王子病院並びに民間空港が事業の対象になっております。いま言われたように、たとえば基地問題の解決策として、板付基地の移転等も問題になっておりますが、この板付基地の移転等もこの事業の対象になるのでしょうか、どうでしょうか。
  171. 相沢英之

    相沢政府委員 板付空港の移転問題は、まだ計画として具体化しているよう承知いたしておりませんが、もし移転をするようなことになりますれば、当然あと地の処分収入が考えられます。場所柄相当な価額になると思われますので、この特別会計対象にはなり得ると思っております。
  172. 田中昭二

    田中(昭)委員 施設庁の方、来ておられますからお聞きしておきますが、この板付基地の中で民間土地を借り上げた、そういう基地全体としての土地の現在使用されておる分について、内容を御説明を願いたいと思います。
  173. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 板付飛行場土地の所有関係でございますが、現在民公有は百七十五万七千七百九十四平方メートルございます。それから国有は二百八十一億四千七百二十六平方メートル、合計しまして四百五十七万二千五百二十平方メートルという数字になります。
  174. 田中正巳

    田中委員長 施設部長に申し上げておきますが、数字をもう一度言ってください、位取りが違っておると思うのだが。
  175. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 もう一度読み上げます。  民公有は百七十五万七千七百九十四平米です。それから国有が二百八十一万四千七百二十六平米、合計が四百五十七万二千五百二十平米です。
  176. 田中昭二

    田中(昭)委員 委員長、どうもありがとうございました。  施設庁のほう、けっこうです。  そこで、この特別会計、新しい特別会計の新設でございますから、少し事務的にわたると思いますが、お聞きしたいと思います。  昨年までの資金会計の場合に、きのうからずっとお聞きしますと、累積されました金額が約四十一億円程度あるように聞いております。問題は、この四十二年度の事業対象になった建設省の所管する分の福岡合同庁舎ですか、この分と、それから従来の建築交換の分、大蔵省所管の分、この実施された結果はどのようなことになっておりますか。まずそれからお答え願いたいと思います。
  177. 井上幸夫

    ○井上説明員 御説明申し上げます。  四十三年度の官庁営繕費でいわゆる特特計画と申して実行いたしております分は、ただいま申されました福岡等七件ございました。その事業費は二十四億九百万円でございます。
  178. 田中昭二

    田中(昭)委員 その建築交換の分は幾らですか。——じゃ調べておいてください。  その次ですが、この福岡合同庁舎の分が、現在もう完成しましてみんな入っているわけでございますが、その場合に、その入りました官庁のあと地と、福岡国税局並びに北九州財務局がおりましたところのあと地と、それから福岡通産局でございますかがいましたところのあと地、これはどうなっておりますか。
  179. 谷川寛三

    谷川説明員 あそこへ十六官署、御案内のとおり合同で入りましたが、あと地を持っておりましたのは、いまお話しの福岡国税局等四官署でございまして、面積は二万四千、平米ばかりございます。そのうち一万八千平米につきましては、もうすでに公園とか公的な部門に使いたいという福岡市等の御要望もございまして、おおむねそういうよう方向で使おうかというふうに研究をしておるところでございます。残りの六千平米余りのものにつきましても、これはまあ処分することになりましょうか、いろいろ御要望があるようでございますが、処分することになろうかと思っております。現地からの情報を十分握ってはおりませんけれども、おおむねそういうようなことでございます。
  180. 田中昭二

    田中(昭)委員 その公園か何かにしたいというところは、福岡国税局のあったところですね。その福岡国税局、北九州財務局があったところは、いま次長のお話では、公園か何かにしたい、研究をしておるということですし、現地の市の要望だというふうなことも聞きましたけれども、私たちは現地におりまして、現地の者でございますから少し事情を申し上げておきます。  福岡は、特に幼い子供のいわゆる幼稚園とか保育所とか、そういう役所のものが一つもないのです。そういうことにでもしてもらえば、あそこはものすごく環境がいいところでございますから、あぶなくもないし、現在の建物もありますから、これも使おうと思えば使えますし、とにかくそういうことを現地では要望する人もおりますし、私たちもそれはいいことだ、こう思っておるのです。それを公園にするという研究をしているというようなことと、実際現地に住んでおる者の気持ちとは違うようです。  それからもう一つの福岡通産局のあと地でございますが、これは当然もう処分になると思いますが、その処分の相手先はどういうところですか、お聞かせを願いたい。
  181. 谷川寛三

    谷川説明員 国家公務員共済組合連合会の建物を建てたいという御要望が参っておるようでございます。
  182. 田中昭二

    田中(昭)委員 その国税局のほうのあと地はどうですか。それでいいですか。公園としていま研究しておると言うが、いま私が説明申し上げたでしょう。そういう地元の要望もある。ですからそれを考えてもらって、大蔵省のほうから福岡市のほうに対して、そういう幼い子供の施設がないならば、そういうものにでもしてはどうかというように話してもらうわけにはいきませんか。
  183. 谷川寛三

    谷川説明員 先ほどお話し申し上げましたように、福岡市から公園にしたいという強い要望がずっと前からございまして、先ほど申しましたようにそういう方向で研究をしておるということなんでございますが、この中へ食い込んで、いま先生お話しのよう施設をつくるということになりますと、むしろ市との調整の問題になってくるのではないか。先生のおっしゃる御関係の向きと市との調整の問題が、まず前提として問題になるのではないかと思っております。まあ私どもといたしましては、長年の御要望でもありましたし、そういうことにしたほうがよかろうということで、公園にするというよう方向で御調整を願って、また財務局で御相談を願いたいと思います。
  184. 田中昭二

    田中(昭)委員 おそらく公園にすることにきまったのですね。きまったのでしょうか。
  185. 谷川寛三

    谷川説明員 まだ最終的な報告は受けておりませんですけれども現地国有財産地方審議会と御相談してやるわけでございます。聞いておりませんが、大体そういう方向でいっておるのではないかと思っております。
  186. 田中昭二

    田中(昭)委員 それは聞いていただいて、私まで御連絡いただきたいと思いますが、よろしゅうございますね。  それじゃ次に移りますが、この特別会計の歳入歳出を見てみますと、歳入が百二億円、それに歳出は八十一億八千万円、こういう姿になっておることは財政上も問題はないのでしょうか。
  187. 相沢英之

    相沢政府委員 歳入と歳出の金額がアンバランスであるということは、これは過去にも例がございますし、また、財政法上別に問題はございません。
  188. 田中昭二

    田中(昭)委員 そうしますと、きのうもちょっとお話しになっておりましたが、前年度剰余金並びに売払収入ですね、この関係ですが、四十四年度に契約がなされて、入ってくる売払収入、それがどれだけあるものか。また聞いてみますと、何か未処分のものもあると聞いておりますが、その未処分の売り払い財産についてはどのような計画があるのか、それを聞かしてください。
  189. 相沢英之

    相沢政府委員 四十四年度のこの特別会計予算の歳入に見込んでおりますところの特定施設の売り払い代五十七億二千万円のうち、過去の処分に基づきますところの延納分の収入が七億三千百万円、それから四十四年度において処分予定をしております分が一億二千四百万円ということになっております。残りは建築交換にかかる収入予定でございまして、四十八億六千五百万円ということになっております。
  190. 田中昭二

    田中(昭)委員 それではちょっと合わないのじゃないですか。売払収入が五十七億二千百万円、そのうちに四十四年度に入る分が約八億二千万円、それと建築交換の分とそれから空港の分ですがね。その分の合計とは、そのようにならないようですがね。
  191. 相沢英之

    相沢政府委員 五十七億二千万円の内訳は、延納分が七億三千百万円、それから四十四年度の売り払い予定分が一億二千四百万円、建築交換分が四十八億六千五百万円、それで五十七億二千万円になると思います。
  192. 田中昭二

    田中(昭)委員 そうしますと未処分の分はどうなりますか。
  193. 相沢英之

    相沢政府委員 未処分のもののうち、四十四年度に売り払い予定分の収入はただいま申し上げました一億二千四百万円でございます。
  194. 田中昭二

    田中(昭)委員 まだ全然未処分の純粋のあと地として残っておる分は幾らですか。
  195. 相沢英之

    相沢政府委員 この過去の、四十三年度までの特定庁舎等特殊整備計画に基づきますところの庁舎の処分収入は、全体で約百九億円でございまして、そのうち四十三年度までに入りました分が三十九億円でございます。したがいまして、四十四年度以降入る分が約七十億円あります。
  196. 田中昭二

    田中(昭)委員 その七十億が未処分なやつですね、確認しておきたいのでございますが。
  197. 相沢英之

    相沢政府委員 七十億円は未処分及び延納部分になっておりまして、その延納分のうちの一部が四十四年度に先ほど申し上げました七億三千百万円となって歳入になっておるわけでございます。
  198. 田中昭二

    田中(昭)委員 だからその七十億の中には延納分も入っておる、それから純粋な未処分のやつも入っておるから、その延納分を引いた七十億未満の金額の今後の方針はどうなっていますかと聞いているのです。
  199. 相沢英之

    相沢政府委員 七十億円のうち約四十億円が延納にかかる分でございまして、今後処分する予定の財産が三十億円でございます。
  200. 田中昭二

    田中(昭)委員 次に移ります。理財局の次長さんのほうに、昨年からいろいろ私お願いして調べてもらっております福岡県の玄海町鐘崎海岸の土地の問題、これをひとつ初めから御説明願いたいと思います。
  201. 谷川寛三

    谷川説明員 玄海町ですか、鐘崎の漁港の海浜地の問題でございますが、一昨年の秋ごろから地方の新聞とか週刊誌等にも報道されまして、このほうはむしろ大体これはゼロ番地じゃないか、使用料も払わずに使っておるのはけしからぬじゃないかというような記事であったように思うのでございますが、そういうことでも取り上げられまして、処理が問題となっておりました。大体その使用の実態がこの土地につきましては全く不明であったというのが実情でございます。  そこで、北九州財務局におきましては、まずその実態の把握から着手をしてまいりました。田中先生からもいろいろ御陳情がございまして、実態の把握につとめてまいりました。ところが、実態の把握にかかりましてからぶち当たりましたのは、公図はありますけれども、それが実際と全く違っているということもありまして、この鐘崎の海浜地区に住みついておられます各人別の占有区域とかそれから面積などの決定が困難をきわめました。それからその調査を進めておるうちに、戦前に売り払った部分がこれまた幾らかある、戦前にすでに売っていたというところもござい一ました。ところが登記は国有のままで残っているということですね、そういうこともわかってまいりまして、非常に全貌の把握に時間がかかりまして処理がおくれてまいったのでございますが、去年の秋になりまして、ようやく最終的に大蔵省の所管の普通財産は、町道はこうだ、突堤敷となっているものがこうだというふうにわかってまいりました。数字を申しますと、町道、それから突堤敷となっておるものが三千七百七十八平方メートルでございます。それからあそこにお宮がございまして織幡神社というのでしょうか、その社域となっておるものが五百六十六平方メートルとわかってまいりました。それから住宅地として二十九名の方がお使いになっておるものが千三百六十三平方メートル、こういうことがわかってまいりました。そこで北九州財務局では、町道と突堤の敷地としてただいま使用されておるものにつきましては玄海町に無償でお貸しする、これは普通財産……(田中(昭)委員「貸すのですか」と呼ぶ)貸します。普通財産の国有財産であることがわかりましたから、貸します、玄海町にですね。それから織幡神社の境内地と、先ほど申しました二十九名の方の住宅敷地等として使用されておる国有財産につきましては、これは時価で売りますので、ただいま財務局におきまして財産の評価をやっておるような状況でございます。それから売り払い申請書が大体全部出てまいりまして、さっき申しましたように、実態調査をやって大体お使いになっている区域、面積もわかってまいりましたので、それぞれの方の申請書を拝見いたしまして、評価ができ次第売り払いをしたいと思って準備を進めておるところでございます。  ところが、以上申しました普通財産のほかに、漁港区域内の公共用の海浜地がございますが、その中にまた漁業協同組合等が使用しておるものが、これは大体七千六百平方メートルくらいあるようでございますが、そういうものがあるということがわかってまいりました。これにつきましてはただいま農林省、これは第一線といたしましては、漁港管理者としましては町が当たっておるわけでありますが、農林省が実態を調査しておる状況であるようでございます。その農林省の実態調査の結果を待ちまして、これはもう用途廃止すべきものならば、すみやかに大蔵省に用途廃止して引き継ぎをしてもらいまして、使用の実態を見まして、適当と思われる方に払い下げを——ただいま申しました実態のわかった国有財産、大願省所管の普通財産の場合と同じようなやり方で、逐次払い下げをしてまいりたいというふうに、せっかく現地で勉強をしておるところでございます。
  202. 田中昭二

    田中(昭)委員 この問題は、いま理財局のほうからお聞きしますと、そのとおりいま進めてもらっておればけっこうでございますが、次官、聞いていただきたいのですけれども、ここに至るまでには、相当新聞にも書かれ、週刊誌にも書かれて、そうして現地の地域住民の方も、土木事務所に行くわ、町に行くわ、財務局に行くわ——財務局に行っても全然受け付けないんですよ、そんなばかなことはないと言って。それで昨年の春でございましたか、私のところにそれを持ってきましたから、私が財務局に行ってみました。ところが、私が行っていろいろ話をしても全然受け付けないのです、そんなばかなことはないと言って。私もそこで、そんなばかなことがないと言うが、実際土地現実にあるものをないとは何を言うか、現地に行ってみなさいと言って、初めて腰を上げて現地に行ったところが、全然台帳にない、国有財産にもあがってない土地がたくさんあるのです。一万坪ぐらいあるのです。いろいろ内容はありますけれどもね。そうしますと、国はちゃんと国会で決算報告も行なって、何年何月、現実においてはこれだけの国有地しかありません、こういうふうに報告したことがうそになるじゃないですか。そうしてもう一年以上もたっているのです。聞きますところによりますと、財務局長さんにも私は何回もお会いしましたが、田中さんそういうことを言っても、全国にこういうことはたくさんありますよ、特に千葉県の海岸なんかはたくさんそういうのがあります、そういうことまで私は聞いたんですよ。何もそれを責任追及するわけじゃございませんけれども、あまりにも……。私が行ってもそういう程度ですから、地域住民なんか行ったって、いろいろ言っても全然話にならない。その結果がそういう不始末になっておらなければ、それは役所の仕事ですからそれでいいと思いますけれども、調べてみますと、自分たちの手落ちじゃないですか。昭和九年、十一年に無償でやっておりながら、そういうこともはっきりわからない。そういうことではほんとうにけしからぬと思うのです。  農林省のほうもせっかく来てございますから、その後はそういうことについて——漁業組合の台帳にもそういうのであがってないのです。それはそれとしまして、実態調査が行なわれているとするならば、そのいままでの経過を報告してもらいたい。いま理財局のほうから言ったのでしょう。農林省が実態調査をして、事情を報告するというようなことを。
  203. 谷川寛三

    谷川説明員 見えてないようでございます。
  204. 田中昭二

    田中(昭)委員 それじゃ次長からもう少しその辺のいきさつを伺いたい。いまおっしゃった海浜地なんかを普通財産とするとかなんとかいう問題もございますけれども、国は何十年もほったらかしておって、そうしてそれをまた売るというよう権利があるのですか。そういうところをお聞きしましょう。
  205. 谷川寛三

    谷川説明員 まあ一がいに申し上げられません。どういう状態においてそこを占有されておりましたか、その実態がわかりませんから一がいに申されませんが、ただいま御質問がありました鐘崎地区につきましては、昨年先生からお話がございまして、私も財務局長にも直接注文をつけまして、田中先生のほうからも地元のほうによく話をしてくれるから、ひとつよく意思の疎通をはかって、すみやかにこういう問題は片づけようじゃないかということで促進をしてまいったわけでございます。その間に、いろいろ法の不備等がありまして、おくれてまいった経過はございますけれども、そういったふうに国有財産使用の状況等を見てみますと、どうもお互いに意思の疎通を欠くというようなことが原因になってトラブルが起こっておるような状況もよく見られますので、今後におきましては、もっときめこまかく、普通財産管理者のほうから、財務部なり財務局なりあるいは出張所のほうからもっと親切に接触をして、そうして実情に合ったような管理、処分をするようにしようじゃないか。この間うちから局長会議等も含めまして、関係会議でいろいろ話し合いをいたしまして、今後におきましてはこういう事態の起こりませんようにいろいろ改善をはかっていきたい。  なお、さっきあとで発言されました、ただいま実態調査を農林省で行なっていただいている分につきましては、きょうはお見えになっておりませんから、きょう御質問の趣旨等も担当部局の責任者に話しまして、本省でも現地に十分注文をいたしまして、さっき私が申しましたように、不用なものなら大蔵省に引き継いで生かすよう、その後においてはかっていく方向を積極的にとるような打ち合わせをいたしたいと思います。
  206. 田中昭二

    田中(昭)委員 ですから次官、いまお聞きになったように、役所も自分のほうの手落ちは手落ちとして認めなければいけませんよ。そうしなければ、そんなにきめこまかく話し合いをしようと言っても前に進みませんよ。そうでしょう。  そういうことを考えますと、国会において決算報告もなされ、国有財産これだけしかありません、適正な評価をしております、こういう報告がなされておることと、それに対する大蔵省の考え方と、それからいま私が言いましたように、三十年も四十年もほっといて、そうしていまになってそれを有償で払い下げるという、こういう問題も、私は何かそこに特別な救済措置があっていいのじゃないか、こう思うのですが、いかがですか。
  207. 上村千一郎

    ○上村政府委員 事情、はなはだ申しわけありませんが、いまよく質疑応答で承ったようなわけなんでございます。まあ、現実に台帳漏れの国有地があった、それが長年の間に、一体所有権がどこに帰属するかということは、これは民法上の即時取得の問題もございますし、条件というものがいろいろございませんというと、たとえば百年使っておりましても取得時効にならぬ場合もあります。そうでなくて条件を満たせばなるというふうに、おのおのの具体的事例がございますので、いまここでどうということの判断がつきかねるわけでございますが、しかし、いま田中委員の御指摘になっておるような事実につきまして、いろいろと係の者がもっと積極的に真摯な態度で取っ組むということが必要だと思いまするので、今後こういうことのないようによく注意をいたすようにいたしたい、こう思っております。
  208. 田中昭二

    田中(昭)委員 いまの国が何十年もそのままにしておいて、——そこは大体海岸線ですから、波打ちぎわで自然とできたということも考えられるのです。そこはどうしているかといいますと、漁師ですから、魚を干したりそういうものに使っているところもあるわけです。ですから、その辺のところはまた次にするとしまして、もう一つ問題がございます。  これは、林野庁来てございますね。同じやっぱり福岡市の近郊でございますが、津屋崎町という海水浴場がございまして、そこに現在約二十軒ぐらいの家が建っておるわけでございますが、その土地のすぐ前のほうはもう防風林になっておりまして、近所のおたくのほうの出先機関から調べに来たそうです、昨年の二月ごろですけれどもね。それでその家が建っております土地を測量して、その家の建っておる宅地のまん中辺に、ここまでは林野庁の土地ですよといってくいを打っているのです。そして鉄条網を張っているのです。ところが、いま簡単に申し上げておりますが、この土地は、いろいろありますが代表的なものを申し上げますと、一番最近買った人の話からいきますと、四十年に坪一万円ぐらいで町から買っておるのですね。そういう私有地に対して営林局がそういうくいを打ったり鉄条網を張ったりするということはどういうことなのか、ほんとうはふしぎなことが現地で行なわれておりますから、これについてどのような調査をなさっておるか、お聞きしたいと思います。
  209. 片山正英

    ○片山政府委員 先生から御連絡がございましたので、さっそく調査に入っておるわけでございますが、私、現在知り得ておりますものを要約いたしますと、福岡県の津屋崎町でございますが、われわれの管轄のあるといいますと、おそらく熊本営林局福岡営林署の新浜山百十一林班に相当している、こう思っております。そこで、経過等を調べますと、かって国有地と町有地が隣接しておった、その町有地をいまの所有者の方々に町として売り払いをやられた。その際に国有地の一部があるいは少しまじった形で売り払われたのではないだろうか。そこに一つの問題が出たのではないだろうかというふうに実は考えられるわけでございます。  そこで、国有地の実態でございますが、これは先生御承知ように、私、このところを調べますと、大正六年の一月二十二日に立ち会いのもとに境界確定ということが実はやられておるわけでございます。そこでその境界確定に基づきまして、昭和三十九年に境界検測、これは常にそういうことを国でやるわけでございますが、これも町が立ち会いまして境界検測ということをやっておるわけでございます。そのような形で一応国有地としてわれわれは認定をいたしておる次第でございます。  先ほど先生がおっしゃったように、民有地にくいを打つとは何事だ、これはまさしくそのとおりだと思います。ところが、われわれのいまの判断でみますと、それは民有地じゃなしに国有地であるということのゆえをもってそういうことが行なわれたというふうに思います。しかし、だいぶいろいろな経緯があるようでございますので、先生の御指摘の点もございましたので、十分調査をいたしまして、そして関係者と十分打ち合わせてまいりたい、かように存じております。
  210. 田中昭二

    田中(昭)委員 そのように地域住民が自分で買った土地に対してそういうものを建てて、住んでおるところから見れば私有地ですよ。そうでしょう。おたくのほうから見れば国有地だ。これではいろいろな問題が起こっておりますよ。傷害問題まで起こっております。そういうことが解決にならないのですね。いま最後におっしゃったように、よく調査するというようなこともけっこうでございますが、さっそくやってもらいたいことは、鉄条網が張りめぐらされておりまして、海水浴場ですから夏の期間だけですけれども、遊びに来た人がその鉄条網にひっかかって大けがをするということが毎年あるのです。何も鉄条網でなくてもほかに方法があると思うのですね。夏の期間だけでも、そのお客の多いときだけでもそういうあぶないところに鉄条網のような物騒なものを張りめぐらす必要はない、私はこう思うのですが、それについてだけでもさっそく調査してそういうものは取り除くとか、いわゆる住民の被害とか傷害、そういうものを守る立場に立っていま一度御検討をお願いしたいと思うのです。
  211. 片山正英

    ○片山政府委員 先生の御指摘の境界の問題は、今後地元民あるいは町と十分打ち合わせてまいりたいと思いますが、鉄条網でけがをするというようなことはたいへん御迷惑かかるわけでございますから、その辺はそういうことのないように、境界問題と別に善処してまいりたいと思います。
  212. 田中昭二

    田中(昭)委員 では以上で終わります。
  213. 田中正巳

  214. 岡沢完治

    岡沢委員 最初に文部省にお尋ねいたしますけれども、学生暴力によって国有財産がいま各地で多数被害を受けていると思いますが、その実態を文部省として把握しておられるか、あるいは調査しておられるか、お尋ねいたします。
  215. 安養寺重夫

    ○安養寺政府委員 お答えいたします。  現在、国立大学で紛争いたしております該当校が三十校程度ございます。紛争の様相、実態等いろいろでございまして、いまお尋ね現実に被害のあった大学は、われわれ現在承知しております学校で十五校ほどございます。東京大学はじめ東京教育大学、電気通信大学その他含めまして全体で十五校、かよう承知しておるわけであります。
  216. 岡沢完治

    岡沢委員 私が聞いたのは、その被害の実態についての調査なり額なり態様です。お尋ねします。
  217. 安養寺重夫

    ○安養寺政府委員 明確に承知しております大学と、封鎖中というようなことで実態を承知し得ないようなものもございまして、こういう被害を受けました際には即刻文部省のほうへ被害の調査の報告をできるだけするようにはいっておりますが、全部が全部知悉をしておるというわけではございません。
  218. 岡沢完治

    岡沢委員 非常に無責任だと思うのですよ。私はもっと詳しい実態を聞いているのです。どこで幾らあったか、わかってないところはわかってないでいいのです。東京大学で幾ら大阪大学で幾ら、それをお尋ねします。
  219. 安養寺重夫

    ○安養寺政府委員 全部ではございませんが、いまお話に出ました東京大学では、二月末現時点におきまして損害額、被害額が四億五千七百万円、東京教育大学が八百五十六万円、電気通信大学が、これは現在調査中でございますのであれですが、約一千万円。いろいろございますが、京都大学につきましては、最近の入学試験をめぐる紛争は別といたしまして、二月末現在で約九百万円、こういうふうなことを承知しておるわけでございます。
  220. 岡沢完治

    岡沢委員 重ねてお尋ねいたしますけれども、いま課長は国立大学の中で十五校は現実国有財産に被害があるとおっしゃった。いまお答えになったのは四校であります。あとの十一校についてはどうなっているのですか。
  221. 安養寺重夫

    ○安養寺政府委員 現実に被害があったことはわかっておりますが、いま申し上げましたような克明な金額まで点検をいたしまして、これだけの額が被害であるというように確定しましたものは、他にはございません。
  222. 岡沢完治

    岡沢委員 法制局にお尋ねいたしますが、こういう国有財産、特に文部省所管の国立大学の国有財産については管理の責任はだれが負うのでありますか。
  223. 荒井勇

    ○荒井政府委員 国有財産法上は、各省各庁の長がその所管に属する行政財産を管理しなければならないというたてまえになっておりまして、国立大学の施設にかかわる国有財産につきましての各省各庁の長は文部大臣でございますけれども国有財産法はその各行政目的に応じて、それぞれの国有財産の管理の義務の責任に当たる者として部局等の長というものをいま考えております。これは国有財産法の五条なりあるいは第九条というところで規定されておるわけでございますが、国立大学につきましては、現実にその部局等の長としては学長というものが指定されているというふうに承知しております。
  224. 岡沢完治

    岡沢委員 そうすると、国立大学については国立大学の学長あるいは総長が第一義的な管理責任者と理解してよろしゅうございますか。
  225. 安養寺重夫

    ○安養寺政府委員 文部省の関係でございますので私から申し上げますが、いま法制局の部長からお話しございましたように、文部大臣が権限を有しております。現在は文部省で、その権限の行使につきましてその大綱をきめまして、国立大学に関する国有財産の管理の責任は学長に委任をいたしております。
  226. 岡沢完治

    岡沢委員 文部省についてはどの程度責任がありますか。
  227. 安養寺重夫

    ○安養寺政府委員 国立大学につきましては、お話し申しましたように、学長が一切の権限を持っておるわけでございますから、文部大臣はその総括的な指導、助言、かようなことと考えております。
  228. 岡沢完治

    岡沢委員 そうすると、文部大臣は総括的な指導、助言ということばがございましたが、国立大学の国有財産の管理について実態を把握する必要はないのですか。
  229. 安養寺重夫

    ○安養寺政府委員 実態はことごとく承知しておる必要があると思います。
  230. 岡沢完治

    岡沢委員 当然指導、助言をするためにも、あるいは文部大臣の権限からいたしましても、実態把握ということは私はその責任があろうと思うのですいま会計課長のお答え、あなたがいま文部省の中では国立大学の国有財産については一番詳しいと理解してよろしゅうございますか。それともほかに文部省の中であなた以上に詳しい人があればその人にお尋ねいたします。
  231. 安養寺重夫

    ○安養寺政府委員 私が一番詳しいものだと、本人も心得ております。
  232. 岡沢完治

    岡沢委員 その一番詳しい会計課長が、十五校、国立大学で現に国有財産について学生暴力による被害があると認められながら、わずかに四校について、それも数字をあげられたのはきわめて少ない。東京大学だけはかなり詳しくおあげになりましたが、あとについては条件つきで御報告になった限りであって、それ以外は結局実態はつかめてないというのが実情ではございませんか。私の発言に異議ありますか。
  233. 安養寺重夫

    ○安養寺政府委員 まことに残念なことでございますが、御承知ように大学の紛争で、ある場合には大学を占拠され、ある場合には事務局を占拠されるというような状態が頻発してございまして、克明に申し上げる程度責任ある被害の状況報告に接していないというのが実情でございまして、これはお話しのように残念だと思います。
  234. 岡沢完治

    岡沢委員 私は、時間の関係であまり詳しく追及できないのは残念でありますけれども、詳細な報告を受けていない、それだけでは私は済まされないと思う。第一義的には国立大学の学長に責任がありましても、文部省については当然に、お認めになりましたように、指導、助言、監督の義務があります。また、国有財産は国民の財産であるということを考えた場合に、単に封鎖されているから——封鎖が正当な封鎖でないことも、ここで論ずる場ではないと思いますが、封鎖されているから国有財産の実態がつかめないということでは、極端なことばでいえば、背任ではないか、任務にそむいているのではないかと考えますけれども、御所見を伺いたい。
  235. 安養寺重夫

    ○安養寺政府委員 われわれも鋭意大学を督励をいたしまして、いま御指摘のような状況の詳細を知るべく毎日努力をしているわけでございますが、何せ御承知ような状態でございまして、まことに残念でございます。
  236. 岡沢完治

    岡沢委員 大蔵大臣がおられないで残念ですが、大蔵大臣国有財産を総括する立場にあると私は考えます。そこで、この問題について上村政務次官の御所見を聞きます。
  237. 上村千一郎

    ○上村政府委員 実はこの前、大蔵のほうからも安田講堂を調査に参りました。そうして意外にその被害が大きいという実情の報告に接しまして、実に容易ならぬことであるというふうな感じを持っておりまして、これにどう対処するかということにつきましては、大臣ともお話しをいたしているというのが現在の実情でございます。
  238. 岡沢完治

    岡沢委員 時間の関係で一応次に進みます。  東京大学の国有財産はどのくらいいまお持ちでありますか。
  239. 安養寺重夫

    ○安養寺政府委員 東京大学の国有財産は六百五十一億一千万円、これは四十三年三月三十一日現在であります。
  240. 岡沢完治

    岡沢委員 東京大学の昨年度の予算幾らですか。
  241. 安養寺重夫

    ○安養寺政府委員 四十二年度は東京大学二亘二十七億三百万円でございます。
  242. 岡沢完治

    岡沢委員 佐藤総理はことしの一月二十一日、自由民主党の本部で行なわれた自由民主党の青年部婦人部の大会において、東京大学には責任者は一人もいないということを公表されております。行政府の最高の長が、いま会計課長が伝えられましたように、国民の財産六百五十一億を預かり、年間二百三十七億の予算を使う東京大学に一人の責任者もいない、これは国民に対する大きな背任行為であると思うのですが、これについて大蔵省、文部省の御所見を聞きます。
  243. 上村千一郎

    ○上村政府委員 いまの背任という問題は、要するに刑法上の構成要件を満たす背任罪を構成するのかどうかということについては、それはまだ検討の余地あると思いますが、これは放置できない。何らかの処置をせぬ限り、その任務について完全に果たしているというふうに言われないというような状態になるであろう、こういうわけで鋭意これに対してどう処置をするかというふうに、いわば協議をいたしている、こういう実情であります。
  244. 岡沢完治

    岡沢委員 東京大学に限りましても、先ほど会計課長の答弁で、四億五千七百万円にのぼる国有財産の被害が、学生暴力によって、確認されているわけです。この被害についてどういう対処をしておられるか。私は、これは過失によって起こったものではなしに、故意による被害だということは明らかだと思うのですが、求償措置その他についてとられた行動を具体的にお示し願いたいと思います。
  245. 安養寺重夫

    ○安養寺政府委員 去る一月三十一日に、東京大学の学長名をもちまして、本郷の関係部におきます器物損壊等についての加害者に対する告訴をいたしております。これは刑事問題であります。他方、現実の損害がございましたので、民事的な責任を追及するという見地から、関係の省庁にもいろいろと智恵をかりまして、現在民事的な手段に訴える前提の立証とか、いろいろ具体的な事実の調査を検討しておるという状態でございます。
  246. 岡沢完治

    岡沢委員 私は、大阪府の出身でありますけれども大阪府の教育委員会は、去る二月二十五日、府立の阪南高校で行なわれました卒業式の妨害行為による学校施設等の破壊に関連して、この加害者と目される生徒に対して、刑事的には器物損壊、建造物侵入等で告訴、告発をするとともに、民事的には、弁護士と相談をして、府民の財産を守るという意味から、諸準備に入ったということが報じられております。この記事と関連して、文部省の宮地茂初中局長は、このような悪質な行為を黙認するということは教育上好ましくない。大阪府教育委員会の処置は当然だ、しなければ義務に反するということばを使っておられるわけです。府立高校の場合、高校生ですからみな未成年者です。未成年者で、しかも阪南高校の場合の被害は約七十五万と報じられております。東大の場合、被害額は四億五千万円をこえる。反徒化した学生諸君は、私は、原則として二十歳以上の、少なくとも高校生よりは責任能力のある学生が中心だろうと思うのです。しかも府立高校の場合は二月二十五日一日の行為でありますけれども、東京大学の場合は、計画的な、あるいは大規模な破壊行為だということが言えるかと思います。この二つの措置を対比いたしまして、私は、国有財産を預かっている責任ある立場方々に、東京大学、文部省、大蔵省も含めまして、納税者である国民から見た場合に、納得のできない感情を持つのは無理もない、これではほんとうに快く税金を納める気持ちになれないというのが偽らない国民の心情かと思います。これについて、大阪府の教育委員会のとられた処置と比較して、いまの東京大学をはじめとする国立大学一般についての国有財産の被害についての、文部省及び大蔵省の今後の措置についてお尋ねいたします。
  247. 谷川寛三

    谷川説明員 私どもも実は、暴力学生が排除されて、すぐ東京大学へ参りまして実情を調査いたしました。ただいまも岡沢先生の御質問にもありましたように、私もあまりのひどさにほんとうにびっくりしてしまって、これはとにかくこのままほうっておくわけにいかぬじゃなかろうかということを実感をもって感じました。帰りまして直ちに、そのときも大学当局と話しましたが、文部省のほうに——大蔵省国有財産法の規定によりまして国有財産の総括をしておりますので、先ほども被害額の報告がありましたが、報告をいただきますと同時に、これは当然加害者が賠償責任を負うべきじゃなかろうか、これをこのまま放置しましたらたいへんなことになるのじゃないかということを考えまして、文部御当局に、さっそく法務省とも、専門家とも御相談をいただいて、適切な措置をとっていただきたいというふうに申し入れをしてございます。  それと同時に、先ほどお話がありましたように、各地で同様の紛争が起こっております。先般、全国の財務局管財部長会議を開催いたしました際に、私どもの東京大学についてとりました態度を説明いたしまして、状況が許せば管財部長みずから紛争の大学に参って実情も調査して、よく現地の大学と相談をして、適切に、時期を失しないよう措置をしてもらいたいということを、厳重に注意をしております。
  248. 安養寺重夫

    ○安養寺政府委員 かねてから国立大学のいろいろの紛争問題がございまして、国有財産の管理、物品の管理につきましては、関係の大学事務局を通じまして厳重に督励をいたしておるわけであります。不幸にしてそういう傾向がまだあとを絶たない。この点につきましては、先ほど東大の例で申しましたよう措置を今後も継続せざるを得ぬ、するつもりでございますが、特に文部省独自の問題といたしましては、御承知ように、これは大学問題あるいは大学の管理の問題それ自身につながる問題でもございます。そういう観点からの検討も鋭意進めておるという実情でございます。あわせて、今後国有財産としての面からの手配の遺憾なきを期したいと思っておるわけでございます。
  249. 岡沢完治

    岡沢委員 大蔵省谷川次長のお答え、ある意味では納得いたしますけれども、例の東大紛争が、安田講党の攻防で一時的に収拾しました段階で、大蔵省だったと思います。私は新聞報道で見たのですが、国費で復旧する。復興に努力を惜しまないというお話があったと思うのです。私は、国民感情として、あれだけ学生暴力によってむちゃな被害を受けたしりぬぐいを国民の血税で補う、即刻そういう発表をするということについては、やはり納税者としての国民の立場からは納得できないのではないか。当然加害者に損害賠償の責任なり、あるいは管理者に法律上復旧の責任を負わせるかどうかは別として、大きく責任追及の処置がとられてしかるべきじゃないか。先ほどお話にございましたが、東京大学の予算は四十二年度で年間二百三十七億、いずれも国民の血税であります。二百三十七億の血税を使いながら、授業をせず、また授業を受けず、研究をせず、おまけに国有財産を四億五千万にわたって破壊をする。私は税金でその人たちの給料を払うという気持ちになれないのであります。私の尊敬する人ですが、カリフォルニア大学の政治学教授にアーサー・ターナーという人がおられます。この人の本を読んでおりますと、この間偶然に見たのでありますけれども、「私は信ずる。教授があるのは教えるため、管理者があるのは管理のため、学生があるのは学ぶため、」きわめて端的に指摘されております。管理能力あるいは管理責任を果たさない管理者に、私は国民の税金で給料を払うということは、どうしても納得できない。また現在の東京大学、そこの管理者が責任を果たしていると思えない。この辺についての御見解を聞きたいと思います。
  250. 上村千一郎

    ○上村政府委員 私も同様な考えを持っております。
  251. 岡沢完治

    岡沢委員 残念ながらここには総理をはじめ文部大臣もだれもおられないので、純情な大蔵政務次官の上村さんを責めてもしようがないと思いますけれども、やはり政府としてもこの点については真剣に御配慮いただきたい。  ところで私は、本論の本法案に関連する質問を、いまの大蔵省、文部省の答弁と結びつけていたしたいと思いますけれども、残念ながら現在の文部省あるいは国立大学には、国有財産を管理する能力が少なくともあるとは思えない。また、制度上にも何らかの欠点があるという感じがするわけであります。そこで、いま議題になっておりますこの法案特別会計関係はどうなっているのか、お尋ねしたいと思います。
  252. 相沢英之

    相沢政府委員 これは一般会計に所属するところの財産の整備を促進することがねらいでございますので、すでに国立学校その他特別会計に所属する財産は、この特別会計対象にはなりません。
  253. 岡沢完治

    岡沢委員 そのとおりだと思いますけれども先ほど申しましたように、大蔵大臣は、国有財産を最終的には総括する立場にある方だと思います。国有財産を有効に活用する見地から、あるいは国有財産を能力のない人にまかすよりも、ある意味では専門的な立場からも、これを管理、運営する立場からも、特別会計所属の財産についてこの際検討を要すると思いますが、ここら辺の配慮についていかが考えておられますか。
  254. 上村千一郎

    ○上村政府委員 いまの岡沢委員の御見解につきましては、これはもう昨日からの諸先生の御意見も、根底的な考え方においては、みな一貫しておると思うのです。  それで、私のほうとしましても、どうもこれだけ特別会計というのが多くなってきておるし、また、今回の特別会計を御審議を願う際におきまして、一貫した総合的な一つのものの考え方というものを打ち出していく必要がありはせぬか、こういうふうに思っておりますが、いま直ちにこれを一本化するとかどうとか申しましても、おのおのの特別会計をつくりましたところのその政策目的もございますし、それから各省庁のいろいろな御意見もございますので、いま直ちにどうとは言いかねますが、その基本方針につきましては、きわめて同感でございますので、前向きで善処をしていきたい、こう思っておるわけであります。
  255. 岡沢完治

    岡沢委員 私も政務次官の考え方と大体一致するのですが、ことに土地問題につきましては、地価の問題も含めまして、現下の非常に大きな問題だと思います。特別会計に属する財産についても、財産の取得とか処分等を一元的にというお答えがございましたが、総合的に計画的に効果があるよう方向でやるべきではないかと思いますが、これは意見として申し上げておきます。  そこで、もとの質問に返るのでございますけれども大阪府の教育委員会がとった措置——国立大学については、先ほどの文部省の安養寺課長を責めるわけではございませんけれども、全くタイミングをはずした、しかも熱意を欠いた態度ではないか。個人を責める気持ちはありませんけれども、実態の把握すらまだ行なわれていない。だから、加害者についての追及もなおさら行なわれていないと思うのであります。大蔵政務次官は弁護士でございますので、御理解いただけると思いますが、大阪府教育委員会の場合には、刑事的には時期を失せずに告発する、そして民事的には損害賠償の用意をする。私は、府民の立場に立った処置が適切になされていると思います。私は、この大学紛争の原因を追及した場合に、これはもうきわめて多岐にわたりますし、これだけで解決できるというようなきめ手はないと思いますけれども、しかし、少なくとも間違った——理非曲直をただす、善悪の筋を通す。間違ったものをそのまま放置するということが、かえって彼らに彼らの行為を正当なものだと錯覚させる要因となり、エスカレートの原因になっておる。まして国有財産というものを考えた場合に、納税者の国民の納得という点は、私は、今後の納税意欲その他にも大きく影響するのではないかと思うだけに、きびし過ぎるくらいの態度で国有財産の破壊者に対しては刑事的にも民事的にも追及していただくという姿勢が必要ではないかと感ずるわけでございますけれども、これについての御見解をお聞きして、時間が参りましたので、質問を終わりたいと思います。
  256. 上村千一郎

    ○上村政府委員 岡沢先生のおっしゃることは、現下の国民の大多数の感情であるし、御意見であると思います。私どものほうとしましても、いまの御意見につきましては、何もそれについてどうということではなくて、そうあるべきじゃないかという空気のほうが強いのでございまして、これについてどういうふうに具体的に処置をするか、どういうふうにやっていくかということについていま協議をしている、こういう実情でございます。
  257. 岡沢完治

    岡沢委員 一言だけ。私は、子供が多いので、いま三人、小学校に行っております。それで小学校でガラス一枚こわしましても、母親が呼びつけられて弁償させられる、これも当然だと思います。ところが、東京大学という日本における第一級中の第一級の大学でああいう破壊行為が、責任ある学生によって行なわれながら放置されるということにつきましては、これはやはり与える影響が大き過ぎると思うだけに、ぜひとも民事、刑事の適切、厳正な処置をお願いして質問を終わります。(拍手)
  258. 田中正巳

    田中委員長 田村元君。
  259. 田村元

    田村(元)委員 私がこれからお伺いする問題は、きょう審議せられている案件にやや縁の遠い問題ではありますけれども、よき機会でありますので、私は前々からこれを一度伺いたいと思っておったので、同僚諸君のお許しを得て特にお伺いをいたしたいと思います。  私は、よく河川敷に関するいまわしい風評を耳にいたします。これは、おそらく私のみならず、政治、行政に携わる者は、何人といえども程度の差こそあれ、河川敷に関するいまわしい利権あさりの行為を耳にしているものと思います。私は、きょうはこの問題に関して特に一つ一つを御質問申し上げようとは思いません。あと広沢委員その他から御質問があると思いますので、私は、この河川敷の原則論で若干の御質問を申し上げたいと思います。  まず第一に、河川局長並びに主計局にお伺いをいたしますが、河川敷は、河川管理上国有地に全部しておくことが望ましいと考えられるかどうか、その点からお答えを願いたいと思います。
  260. 坂野重信

    ○坂野政府委員 河川法には、河川の中で民有といいますか、私有は認めておりますけれども、実態からいたしまして、やはり河川管理上からいいますと、理想的な形としましては、国有地に全部したほうが河川管理上の適正が一そう期せられる、ベターであるというふうに考えております。
  261. 相沢英之

    相沢政府委員 ただいま河川局長から答弁がございましたとおり、河川敷に関しましては、河川法上各種の権限の制限が加えられることになっておりますので、形としましては、これは国有地であることが望ましいというふうに考えております。
  262. 田村元

    田村(元)委員 なぜ国有地のほうが望ましいか、これは一々お尋ねしたいところでありますが、私なりの解釈をすれば、国有地にしておけば、管理上あらゆる計画を立てるにしても、いわゆる理想を追求することができる。ところが民有地の場合は、どうしても遠慮が起こりますし、めんどうくさい問題が出てくる。そこで限界が生じると思うのであります。結論としては国有地が望ましい、これは御両君のお答えのとおりであると私は思います。ところが、現実は河川敷というものはその管理が実にでたらめである。どういうことででたらめであるかというと、国有地であるのか民有地であるのか、その実態把握すら行なわれていないのが今日の実情ではなかろうかと思います。明治以来この方、内務省土木局時代から今日に至るまで河川管理というものは土木事業の最先端を走っておった。今日では経済の先行投資ということから、経済効果の面から道路にはなはだしくおくれをとっておりますけれども、かつては道路と治水は全く同じ格の両横綱であったことは御承知のとおりであります。でありますから、日本の河川管理というものは世界のあらゆる国に負けないほどすばらしいものがあると私は思っておる。ところが、それほどすぐれた河川管理をしておるはずの日本において、その実態調査というものがまだなされていないという現状であります。国有地が一体どれだけあるのか、民有地がどれだけあるのか、とにかく小さい河川は別としてせめても、建設省が大蔵省と相談をして、一級河川というものをどんどん指定しておりますが、その一級河川の河川敷の実態調査すら今日まだなされていないという現状であります。なされておりますか。もし実態調査の過去の経験があればその報告をちょっとお願いをいたしたい。
  263. 坂野重信

    ○坂野政府委員 実態調査につきましては、新法によりまして一級河川になりましたものにつきましては河川台帳の調製ということで、国土地理院で航究写真をとったもの、それを利用いたしまして、それをできるだけ図化しようということで逐次河川図というものを調製いたしまして、いわゆる河川の台帳調製をやっておりますけれども、先生の御指摘の国有地、民有地につきましては、実は四十一年ごろに十二河川ばかりの調査は代表的にやったわけでございますけれども、一筆ごとのこまかい調査につきましては、一級河川の区域内におきましてもなお不十分でございます。御指摘のとおりではなはだ残念でございますけれども、現在のところまだ正確なる一筆ごとの調査までには至っておりません。
  264. 田村元

    田村(元)委員 正確なるも不正確なるも、実態調査は全然していないのだ。正確も不正確もないのです。大体登記簿上における民有地と現状との食い違いぐらいは調べておいたっていいと思う。  それから航空写真では民有地と国有地のいわゆる隣地との確認なんてできるものじゃない。それほどいままだ写真技術は発達をしていないと私は思う。この測量をどうしてもしなければならぬわけですね。これは当然のことだと思う。ところが、それが全然なされていないというのは私はたいへんな怠慢だと思うのです。一言にしていえば、金がかかるからということだろうと思うのだが、三年、五年やってなかったというならわかるけれども、明治以来やっていないということは、私はこれはたいへんなことだと思うのです。そういう点で私はこの実態調査をどうしてもなされなければならぬと思います。  そこでもう一つお伺いをしたいが、大きい川で、一級河川を例にとって考えればいいと思いますが、大体民有地は何%ぐらいあります、概略。
  265. 坂野重信

    ○坂野政府委員 概略一六%余りでございます。
  266. 田村元

    田村(元)委員 一六%というのはどこから算定したのですか。
  267. 坂野重信

    ○坂野政府委員 それは重要な河川を、国有の面積、民有面積というものをサンプル調査的に昭和四十一年に調査いたしまして、まだ全河川をやっておりませんが、十二河川につきまして調査した結果が、比率を出しますと大体一六%強ということでございます。
  268. 田村元

    田村(元)委員 それじゃ一級河川だけで何本あります。
  269. 坂野重信

    ○坂野政府委員 九十一水系に今度新しく七水系指定していただきまして、水系としては九十八水系になります。本数はちょっと……。
  270. 田村元

    田村(元)委員 水系だけでよろしい。一級河川だけで九十八水系もある。しかもこれ水系ですよ。それで十二本やそこらの調査をしただけで一六%と断定的に推定をされることは、ぼくはちょっと危険じゃないかと思う。まことにあいまいなことで、私は非常に残念であります。  時間がありませんから次の質問に移りますが、四十年の十二月二十三日に出された次官通達の内容を御説明願いたい。
  271. 坂野重信

    ○坂野政府委員 ちょっと失念しております。
  272. 田村元

    田村(元)委員 私は、いまその文章を持っておりませんから具体的に言えませんが、四十年の十二月二十三日の建設次官通達では、河川敷の利用に関するいろいろなことがうたわれておるはずです。いわゆる河川敷の占用許可についてもろもろの指示が与えられておるはずです。  これは委員長、資料要求をします。  この次官通達の中でうたわれておる思想というものは何かといえば、河川敷というものはこれは広く大衆に開放するものであって、一部特定人の使用にかかわるものではないというのが私はその思想だと思う。そうして、この河川敷の占用許可の中からは将来ゴルフ場等をはずしてあります。四十年にはずしてあるはずです。たとえば公園、緑地であるとか運動場であるとかいうものはうたわれておるが、ゴルフ場等ははずしてあるはずです。御存じですか。
  273. 坂野重信

    ○坂野政府委員 知っております。
  274. 田村元

    田村(元)委員 知っておったら最初から知っておると言えばいい。知らないと言うから私のほらから説明したので……。通達の内容を大体知っていますか。
  275. 坂野重信

    ○坂野政府委員 知っております。
  276. 田村元

    田村(元)委員 そうすると、なぜゴルフ場をはずしたのでしょう。
  277. 坂野重信

    ○坂野政府委員 まあ先ほど先生が御指摘になりましたように、河川敷の占用というのはやはり基本的には公共の用に供する、自由使用というのが原則でございます。その面からいってやはり公園、緑地あるいは広場、それから一般公衆の用に供する運動場というもの、できるだけ不特定多数の多くの人の使用というたてまえからいいまして、ゴルフ場ということになりますと確かにその辺で使用する人の人数も限定されてまいりますし、まあその辺のところから、基本的にはやはり公共の不特定多数ということに若干はずれるというような観点から、ゴルフ場をはずしたのであります。
  278. 田村元

    田村(元)委員 若干というのはどの程度か私にもわからぬが、それではゴルフ場等、いわゆる次官通達の中からはずされておるものに関しては、期間更新の場合逐次その整理をしていくということですか。
  279. 坂野重信

    ○坂野政府委員 特に都市の周辺といいますか都市河川につきましては、もうゴルフ場は期間更新の際にはずそうということで、特に多摩川等につきましては、多摩川の第一次計画というものを打ち立てまして、昭和四十一年から四十三年に至りまして、ゴルフ場の開放というようなものを第一次計画で相当やりました。非常にゴルフ場のほうからも御協力をいただいて、予定どおりの進捗汐見ておるわけでございます。その他の特に都市の周辺のゴルフ場等につきましても、具体的に地元の要請があり、あるいはまた公園等がマッチいたしました場合には、できるだけひとつ開放という方向に持っていこうというわけでございます。
  280. 田村元

    田村(元)委員 私は、地元の要請のいかんというものではないと思うのです。河川管理上の観点から、河川をどのようにしていくかという長期計画、展望を建設省は当然持っておるだろうし、それからまた、次官通達でこういうことをしようということをうたったということは、ゴルフ場等は——ゴルフ場だけをいうのじゃない、そういうはずされたものは逐次整理していくことを意味するものだと思っております。でありますから、これは明確にこの委員会で明言しておかれたらどうです。地元の要請があればというような理屈にもならない逃げ口上でなしに、入れてもよろしいが、原則として、将来期間更新の場合許可をしないつもりであります、整理をしていくつもりでありますということをここで言っておかれたらどうかと思うが、いかがですか。
  281. 坂野重信

    ○坂野政府委員 原則としてはそういうことでございますけれども、やはりたとえばゴルフ場を開放した場合にはそのあととして利用するのは、運動場に利用したりあるいは公園緑地ということになると思うわけでございます。そこでやはり公園緑地の計画というものは一貫した、各都市ごとにいま都市局のほうでいろいろ検討しております。そういうものとやはり見合いまして、公園計画なりあるいは運動場というようなものになってきますと、やはり地元の要請なり、そういった需要度というものを勘案しながら総合的に計画を立ててまいりたいということで、私どもといたしましてももちろん河川管理の長期的な計画という中にはゴルフ場をさらに開放したいという気持ちはございますけれども、しかし、そういう意味で私は申し上げたわけでございます。
  282. 田村元

    田村(元)委員 これは論争するつもりはないけれども、地元の要請ということによってゴルフ場をつくったりはずしたりというものじゃないと思うのです。特に現在ゴルフ場ができておるようなところはほとんど国有地でしょう。民有地はほとんどないはずです。さすればなおさらのこと、地元の要請で云々ということはぼくはおかしいと思う。そうでなくて、子供たちは、青少年たちは、みな広場がほしいのです。緑がほしいのです。だから、そいういうふうに使途を転換してやったらいい、使い道を転換してやったらいいと思う。これは政府の指導のもとに転換してやるべきだ、自主的な判断のもとに転換すべきだとぼくは思う。ですからこの点、いま言ったような俗にいう政府答弁的な答弁でなしに、局長ひとつ、君はたいへんヒューマニストだが、君自身の考え方はどうですか。
  283. 坂野重信

    ○坂野政府委員 さき申し上げたとおりでございます。確かにゴルフ場よりも、開放して一般大衆の用に供するというのが——河川管理の立場からいいますと、主としてこれは治水という立場からいいますと、あるいは高水敷の整備という、いわゆる高水敷をきれいにしておいて高水の疎通をはかるということからいいますと、ゴルフ場であっても、治水上からいいますと別に差しつかえないわけであります。ただ河川の利用という立場からいいますと、できるだけ多数の人たちに使っていただくという意味合いからいいますと、確かに先生のおっしゃるように、できるだけ開放すべきだと私ども思うわけでございます。ただしかし、河川の立場からいいますと、治水上の問題と河川を利用することの、二つの立場が先生御承知ようにあるわけでございまして、治水上からいいますと、残念ながら、私どもできるだけ河川の高水敷をきれいにすべく努力しておりますけれども、現状におきましては、むしろゴルフ場のほうが高水敷はきれいである、こういう点もあるわけでございます。
  284. 只松祐治

    ○只松委員 関連。この問題は昨年も私が聞いたことがあるのです。それから四十年の三月三十一日には、なくなりましたけれども体育振興特別委員会というのがあって、このときは荒川、多摩川を相当広範囲に実地調査をしたのですね。関係者の皆さん方も全部おいでになって、説明したりいろいろやった。その上で多摩川は四十二年度以内に、荒川は四十三年度以内に完全開放いたします、こういう答弁をいただいた。あるいは決議もついた。長くなりますから読みませんが、決議もついてそのことを明言されております。いま田村委員に対する答弁と、その当時の答弁、建設省の方針とはだいぶ食い違っておりますね。特に全国的な一般論としては、あなたがいま言っておることもややわからないことはないけれども、後段あなたが答弁された大都市周辺の河川敷という問題について、その当時の決議なりあなたたちが答弁したこととだいぶ違った答弁をしている、これはどうお考えになりますか。そういうことは知らない、何年か前になくなった委員会は知らない、去年答弁したことは知らない、こういうことですね。
  285. 坂野重信

    ○坂野政府委員 先ほど私、田村先生にお答えしたのがあるいはことばが足りなかったかと思いますが、私どもは別にゴルフ場の開放には決して反対しておりませんし、できるだけ……(只松委員「反対しているじゃない、開放するんだ」と呼ぶ)そういうことでありますが、ただ開放するいろいろな時期なりタイミングの問題につきましては、さっき申し上げましたように、公園緑地の計画等と見合って、そして将来の計画というものを立てながら、タイミングを考えながら開放していきたいということでございまして、決してゴルフ場を開放しないとかという考え方ではございません。ただ河川敷地は、御承知ように占用されているところばかりじゃなくて、空地があるわけでございます。それから河川の高水敷を整備すれば、相当まだ公園緑地に使える場所がございますので、本年度からいろいろ大蔵省と相談いたしまして、都市河川の環境整備事業ということを実は考えております。できるだけそういったあいている川の高水敷を整備いたしまして、盛り土をしたりその他地ならしをして、そういうところにできるだけひとつ公園緑地というか、一般大衆の運動場になるような敷地をつくっていきたいということで、明年度におきましても、これは大幅に考えております。  そういうものを総合的にあわせ考えまして、できるだけ河川の利用は、先生、先ほどおっしゃいましたように、そういった一般大衆のスポーツその他の用に供するように努力いたしたい。これにつきましては、私どもは前向きの姿勢で従来からやっておりますし、今後も努力を進めていきたい、かように考えております。
  286. 只松祐治

    ○只松委員 関連の関連ですから、私はこれでやめますが、きょうだめだったら、ひとつあと理事会を開いてもらって、また金曜日に来てもらって、あなたがいまみたいな答弁なら金曜日さらにやります。いいですか。いま前向きにというようなことばが多少出てまいりましたけれども、その当時きめたこと、あるいは河川局長が答弁したことと、あなたが答弁したことはえらい大幅に違っております。そのことを指摘して、あなたの答弁いかんで、きょうは関連ですから私の質問はこれで終わって、金曜日やります。
  287. 田村元

    田村(元)委員 私は、きょうはあらかじめ質問を用意をしておったわけでも何でもないので、これという具体的な資料を持っておりませんが、四十年の次官通達の出たころ、建設省はたしかゴルフ場等、いわゆる次官通達からはずされておるものは逐次整理していくという方針であったと、私は当時聞いたように記憶しておりますが、どうですか。
  288. 坂野重信

    ○坂野政府委員 そのとおりでございます。
  289. 田村元

    田村(元)委員 それでは、いま只松君から関連の関連ということばがあった話の内容は、これはケリがついたというふうに考えていいのですね。
  290. 坂野重信

    ○坂野政府委員 御指摘のとおりでございます。
  291. 田村元

    田村(元)委員 ここで、まず第一に明確にしておきたいことはこの問題なんですが、くどいようですけれども、次官通達からはずされたものは逐次これを期間更新の場合に、再許可をしないで整理して、そうして公共の用に供する、すなわち広く大衆に開放する、こういうたてまえで建設省は今後歩んでいく、現在もその気持ちである、こういうふうに理解していいですね。
  292. 坂野重信

    ○坂野政府委員 そのとおりでございまして、逐次計画的にやってまいりたいと思います。
  293. 田村元

    田村(元)委員 問題は、期間更新の場合に許可をしないという場合でも、あるいはそれが法的に補償の対象になる場合もありましょう。だから、そういう点もありますから、一気に全部ばさばさ打ち切ってしまえということまでは言いませんけれども——たとえば、どうせ河川敷を使う場合には、そこに対するいろんな設備投資の計画等全部出て、その上で許可をするんでありましょうから、きのうつくったりっぱな設備をきょうもう許可しないということになれば、民事上の補償問題も起こりましょうから、だから、これをいま直ちにばさばさやれとは言いませんけれども、そういうきわめて前向きの姿勢であるということだけは間違いない、こういうことですね。くどいようですが、確認をしておきたいと思う。
  294. 坂野重信

    ○坂野政府委員 そのとおりでございます。
  295. 田村元

    田村(元)委員 そこで、私がいまお尋ねしておることは、民地より国有地のほうが河川敷はよいという判断を建設省も大蔵省もされたから、その上に立っての私の質問なんです。  そこで、私が聞きたいことは、砂利の採取の問題なんです。これは国有地と民有地と、どういう長所があり、どういう欠点がありますか。
  296. 坂野重信

    ○坂野政府委員 端的に申し上げますと、国有地につきましては、先ほどいろいろ話に出ておりますように、国が砂利採取の基本計画というものをつくりまして、そして国が河川管理者の立場で砂利の採取の可能量というものを算定いたしておるわけでございます。民有地になってまいりますと、どちらかといいますと、河川法に基づいて掘さく許可願いが出て、初めてそれが治水上に支障があるかどうかということを審査した上で、支障がなければ許可するというようなことで、いわば一貫した、河川法全般をながめて、ちょうど河川の管理上都合のいいように計画的な政策をやるというようなことにつきましては、民有地のほうにつきましては、そういった許可願いを出した時点でもって検討するということでございますので、計画的な河川管理という立場から見まして、民有地のほうは若干うまくいかないという点はございます。
  297. 田村元

    田村(元)委員 いま説明されたことと、もう一つ大きな民有地の欠陥があります。それはどういうことかといえば、砂利採取に関して、国有地の場合は河川管理上かりに支障がなくとも規制できますね。河川管理上支障がなくとも、国有地の場合は砂利採取をさせないことができますね。ところが、民有地の場合は、河川管理上支障がなければ、これはたてまえとして許可しなければならぬ。そこに行政官庁の一つの弱みがありますね。そこで、国有地にしておけば、これをきびしく規制することができるし、そしてまた、取らせるものはこれだけ取らせるということができると思うのです。ところが、民有地の場合は、あの業者は悪い業者だがとわかっておっても、河川管理上の支障がない場合には、これは取らさなければならぬ一つの原則がありますね。もっとも河川管理上の支障がないということとあるということは、幾らでも行政上できましょうけれども、原則はそういうことになりますね。そこで、いろいろな問題が起こるわけですね。ですから、砂利採取のいまのむちゃくちゃな姿を見ておっても、私は国有地にすべきだという考え方を持っておる。  それからもう一つは、たとえば現在ある河川の堤防を河川改修によって外側へ大きな堤防をつくるという場合、それは理屈抜きに用地買収するから国有地になる。ところが、現在堤防があるが、河川計画で内堤をつくるという場合がありますね。その土地というものはいわゆる廃川敷といってもいいだろうけれども、その土地というものは売り方が実にずさんなものですね。これは河川法にも一番おしりのほうにちょっと書いてある程度で、いいかげんな話ですね。そういう実例はそう多くはないけれども、たまにはある。こういうようなものを考えれば、もう少し河川敷の制限強化、いわゆる脱法行為の防止ということをやってもいいんじゃないか。そこにいろんな利権行為や思惑が織り込まれるわけですね。そうしてまた、そういうことがあるかないかは私にはわからぬけれども、政治家なんかがその中に介在して、そしていろんな新聞だねにもなるおそれだってあるということから、私は、河川敷というのはある意味においては黒い霧の一番大きな根源になるのではないかという感じすらするのですよ。ですから、こういう点で建設省は今後もなおかつきびしい河川敷の規制強化をしていく気持ちがあるかどうか。
  298. 坂野重信

    ○坂野政府委員 それは全く先生のおっしゃるとおりでございまして、私どもは、河川管理の適正化ということにつきましては、今後ともきびしい態度で進んでまいりたいと考えております。
  299. 田村元

    田村(元)委員 そこで、大体都市河川の場合がおもに大きな問題になりますが、都市河川のみならず、少なくとも一級河川といわれるような河川は、私はやはりどんどん国有地化を進めなければいかぬのじゃないかと思うのです。それは相当の金が要りますから、現実の問題として並みたいていでないことはよくわかりますけれども、将来国有地にしていくということは両省ともお認めになったのですから。  そこで私は一つ提案をしたいと思うのです。その提案は、どうですか、実態調査をやりますか、近々。一気に全部、全国一年間でやれとは言わないけれども、実態調査に本格的に取り組む意思ありやなしや、これは両省から伺いたい。
  300. 坂野重信

    ○坂野政府委員 建設省といたしましては、ひとつ実態調査をできるだけやってまいりたいと考えております。
  301. 相沢英之

    相沢政府委員 調査に伴う予算要求がございますれば、慎重に検討いたします。
  302. 田村元

    田村(元)委員 どうも大蔵省の答弁というのは妙な、奥歯にもののはさまったような言い方をするが、私はもう一歩進めて、これは大蔵省の主計局に対してお尋ね申すが、予算要求というものは大蔵対各省が虚々実々のけんかをするわけです。そこで、この実態調査というものをする必要があると大蔵省は認めますか。まず第一、その問題から伺いたい。
  303. 相沢英之

    相沢政府委員 河川敷の管理またこの使用ということが、いろんな意味におきまして問題になっていると存じますから、そういう意味におきまして現状を調査する必要はあると思います。
  304. 田村元

    田村(元)委員 非常によくわかりました。  そこで問題は、どういう金でこれを調査しますか。これは建設省と大蔵省に聞きたいが、どういう性質の金で実態調査をしますか。——ちょっと答えにくいようだから、私からもう少し具体的に聞きましょう。まさか、あらゆる角度から検討して合理的かつ科学的に積み重ねをした治水五カ年計画を食うということはないでしょうな。いままでしてなかったことが怠慢なんだから、全く別建ての予算でこれをやるということでしょうな。どうです。
  305. 相沢英之

    相沢政府委員 これは調査の性格からいいまして、公共事業費の範疇には入らないと思います。四十一年のときの調査も、これは一般会計のいわゆる行政部費といいますか、公共事業費以外の経費でやったはずでございます。
  306. 田村元

    田村(元)委員 そのとおり。私はそれを聞きたかったのです。極端にいえば、きょうの質問はそれだけを聞きたかったのです。行政部費でやるべきなんです。公共事業費でやるべきものじゃないのですね。でありますから、当然これは、四十四年度からといったって無理かもしれないが、四十五年度からやってもらいたい。いままでやらなかったこと自体が怠慢なんだから、これはやってもらいたい。それに対する決意はどうです。
  307. 相沢英之

    相沢政府委員 建設省の要求を待って検討いたします。
  308. 田村元

    田村(元)委員 建設省が要求すればやるということですね。
  309. 相沢英之

    相沢政府委員 金額の点は、これはいずれまた折衝の問題でございますが、調査ができるようにいたします。
  310. 田村元

    田村(元)委員 これで大体私の質問を終わりますが、あらかじめくぎをさしておくけれどもあとで、田村委員会でよけいなことに行政部費、行政部費と言うもんだから、建設省の行政部費がそれに食われてずいぶんひどい目にあったというような恨みを買いたくない。これはあくまでも別建ての問題である。それからもう一つは、これはあくまでもやらなければならないものだ、だからやるんだ。その金額がどれだけかということは、私も全然見当もつかないからものの言いようもないけれども、やるんだ、こういうことだと理解してよろしゅうございますか。政務次官、いかがでしょうか。
  311. 上村千一郎

    ○上村政府委員 さように理解していただいてよろしいかと思います。
  312. 田村元

    田村(元)委員 私は、いかに資料の準備がなくとも、もう少し時間をかけてやりたいのですけれども、飛び入りでありますから、これ以上聞きませんけれどもあと同僚の諸君がおやりになると思いますが、いずれにしても、いま私が申し上げたことは、一つの約束ごととして速記録に載ったのでありますから、拳々服膺されるように私から強く申し上げておいて、私の質問を終わります。
  313. 田中正巳

    田中委員長 関連で広沢君。
  314. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 関連して質問いたします。  先ほど時間がないので私省きましたけれども、いまの田村委員の言ったことを全く裏づけている事実があるんですから、ひとつ具体的にお聞きします。  日大当局と日大の山岳部が荒川で買った土地があるんです。その土地は、先ほど質問のとおり河川敷なんですが、いろいろよく調べたのです。調べましたら、大正十三年に個人のものになっている。それからずっといろんないきさつがありますが、初めは国有地を畑として貸していたのですね。地目は畑です。ところが、それが最近になりましてから、長野市の栄町の北野建設株式会社所有になって、四十年の十二月ですが、これが日大に売られております。これは一平米千七百六十円なんですよね。そうすると、いろいろ計算し直してみますと、三十坪ですね。三十坪だったらば十七万円くらいになるでしょう。こういうように、全然わからないでもってずっといきさつが積み重なって、ここでちゃんとした土地代金というのですか、権利金が生まれている。こういうこは許されるべきことでございますか。
  315. 坂野重信

    ○坂野政府委員 河川法上からは、先ほど申し上げましたように、私有権を認めておりまして、したがいまして、そういった私有地の売買は、これは河川管理上から取り締まるというわけにもいきませんので、これはそういうことはあってもやむを得ないのじゃないか。これは河川法の立場でございます。
  316. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 そうしますと、先ほど田村委員が言ったとおり、これはもういまになって手をつけようといってもたいへんな騒ぎですよ。先ほど民有地は一六%あるというのですが、これをどうやって整理していくかということですよ。そうしますと、たとえばゴルフ場の話がさっき出ました。いろいろ整理してみて、私、問い合わせしました。問い合わせしたら、大体建設大臣が都道府県に管理を委任しているというのですね。管理を委任しているんでは、国のほうとしてはつかみようがないんじゃないか。今度管理を委任された知事は、先ほどの子供たちのためにいろいろしようとしたり、小学校から、運動場が不足しているから貸してくれと言われたときにいろいろ話しかければ、ゴルフ場の人たち——これは民間の経営者ですよ。こういう人たちは、国の方針をたてにとって、ああだこうだと言って抵抗する。それでどうにもならぬ、こういう状況なんですよ。大体そういうことを知っておりますか、どうですか、河川局長。
  317. 坂野重信

    ○坂野政府委員 具体的にはちょっとわかりませんけれども先ほど先生もおっしゃいましたように、河川敷の中には、県にまかす区間とそれから建設大臣がみずから管理する区間とございまして、これは御承知のとおりでございます。その中で、占用を認めているところと、全く占用をしないで私有地のところといろいろあるわけでございますが、具体的なことはよく承知いたしておりません。
  318. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 例をあげれば幾らでもあるのですがね。そういうようにやむを得ないのだ。先ほど、河川というのは国有財産なんだ、国有財産にすべきであると言う。そんなときに、そういうことが一ぱい起きて、やむを得ないのだと言うなら今後は計画に沿ってやらなければならぬ。これは大事でしょう。どんどんそういう問題が出てきてしまうのですからね。それから土地の値段は上がってきますよ。そうすると権利料もずっと今後上がってきますよ。そういうことではどうにもならぬじゃないですか。その思いますね。だから今後は、田村委員が言ったとおりの方向を強力にやる以外にないと思いますが、どうですか。
  319. 坂野重信

    ○坂野政府委員 田村先生おっしゃいましたように、ゴルフ場につきましては、逐次そういった需要度なり公園緑地の計画と見合いまして開放する方向で進んでまいりたい、そのように考えております。  ただ、先生おっしゃいます中で、民有地の問題は、これは先ほどお話ししたように、これを買収するとなるとたいへんな経費がかかるわけでございますので、まずその辺の実態調査から始めてまいりたい。田村先生との議論にありましたように、民有地を買収いたしまして国有地にすれば、確かに河川管理上的確を期せられるわけでありますけれども買収となりますと、これは普通の売買契約で、普通の買収方式でやることになりますので、非常に多額の経費を要するわけであります。  占用の問題はまた別問題でございます。
  320. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 ちょっと聞きますけれども、そうすると、ゴルフ場やなんかは更新期限は何年ですか。
  321. 坂野重信

    ○坂野政府委員 普通三年でやっております。
  322. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 三年でやっている。そのあと、更新するについてのいろいろな条件は、国有財産だからつけられるでしょう。国有財産の場合にはきびしい条件がつけられるわけですね。
  323. 坂野重信

    ○坂野政府委員 もちろん条件をつけて占用さしております。
  324. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 それならばそのほうが簡単にいきますね。簡単にいくかどうかお答えを願いたいと思うのです。  それから民有の場合には、いろいろ例をあげましたけれども、ちょっと例をあげても、いつどういうふうになったかということはわからないんですよ。たとえばここを調べたのです。調べた人が困ったのは、どういうように調べたらいいか。登記はこういうようになっている、同じ番地でもって三カ所いろいろと売ったの買ったの契約上の問題になっている、その場所をさがしたけれども、わからぬという。これは日大の問題ですが、幽霊かわからぬ。そういう問題がずいぶんあるんです。そうすると、いまずっと田村委員に答えて今後調査すると言うんですが、そういう場合には航空写真でとるんじゃなくて、やはりそういう実態調査からずっとやっていって、それで自然そうなってしまった問題もあるし、いろいろのケースがあると思いますが、そういう問題もきちっと含めて調査し、それで計画を立てる気持なんですか、どうですか。
  325. 坂野重信

    ○坂野政府委員 前段の占用の問題は、先ほど田村先生にお答えしたとおりでございます。  私有地の問題につきましては、先ほどお話、いろいろ議論出ましたように、今後調査費を組んでいただきまして、逐次計画的に調査してまいりたい。その結果によって、いろいろ対策を講じたいと思います。
  326. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 そうすると、一つ台帳がありますね。登記謄本がありますね。これを全部照合して、それで一筆調査をする、具体的にはそれ以外ないと思いますが、どうですか。
  327. 坂野重信

    ○坂野政府委員 そういう方向でいくことになると思います。
  328. 広沢賢一

    広沢(賢)委員 まさに与野党協力して、この問題について解明しました。この問題はきわめて重要だと思うのです。非常に大きな収穫があったと思いますが、今後そのお約束をかたく守っていただきたいと思います。今後それについて、さらに質問いたします。  終わります。
  329. 田中正巳

    田中委員長 次回は、来たる七日金曜日、午前十一時理事会、十一時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後四時二十二分散会