○岡田(利)委員 それじゃ次に、きのうきょうと、北海道の産炭地鉄道四社がストライキを行なっているわけです。これは北海道の特殊な事情なんです。九州には、別に産炭地鉄道というのはないわけです。九州は、御存じのとおり、
開発が優先している。国鉄が大体
石炭輸送を担当する。北海道の
開発というのは、水産資源と
石炭から始まったわけですから、北海道の鉄道の発祥地は
炭鉱であるわけです。いわゆる幌内鉄道が、北海道で一番早い鉄道である。その後国鉄が敷かれた、こういう状態でありますから、
炭鉱を
開発するためにはどうしても鉄道をみずから持たなければならないということで、今日まで推移をしてまいりました。今日、北海道では九カ所の産炭地鉄道があります。そのうち
炭鉱と直接
経営形態を同じくしている鉄道は、羽幌
炭鉱鉄道、尺別鉄道、三菱大夕張鉄道であります。それから美唄鉄道というのがあるのでありますが、これは三菱美唄から美唄
炭鉱第二社会、分離をして、
炭鉱と一緒だったのですが、鉄道は親会社の三菱鉱業の鉄道だ、こういう
関係が三菱美唄鉄道。それから
炭鉱から分離をして、その資本をほぼ一〇〇%近く持っておる私鉄では、雄別
炭鉱鉄道会社、三井芦別
炭鉱鉄道会社、釧路臨港鉄道というのがあるわけです。それから北炭系の夕張鉄道。留萠鉄道というのは純然たる、
炭鉱が持っていない鉄道であります。この九つの私鉄があるわけです。先般
予算委員会でも、私は、
石炭産業というのは運搬産業である。切り羽で炭を起こしたら、
あとは運搬するだけなんです。これが
石炭産業の実態なんです。いままでのものは、海上輸送については専用船をつくって、これは船賃を安くして、流通
合理化をはかってきたという面があるわけです。たとえば荷役設備を共同化して、荷役料をとにかく安くしようということで若松の荷役設備ができた。そういう会社をつくったのです。あるいは留萠に、留萠の荷役設備の近代化
資金でそういう会社をつくった。ところが鉄道だけは、国鉄に至る
炭鉱の鉄道、あるいは埠頭に至る
炭鉱の鉄道というものは、
炭鉱と鉄道は同じようなものでありますから、政策的には、いままで陥没地帯に実はなっていたわけです。荷役設備、船まで流通
合理化してやってまいったのでありますから、産炭地の鉄道についても当然考えなければならぬ時期に来ているのではなかろうか。たとえば
石炭を運送する
石炭専用貨車でありますか、
石炭だけしか運送できない貨車ですから、ほかに転用のしようがないわけです。これを引っぱる機関車というものがあるわけです。旅客はいま大体ディーゼルカーでやっていますから、全然客体が別である。こういう面でありますから、純然たる
石炭ということがわかるわけですね。こういう面については、私は、ある
程度近代化
資金の
対象になってしかるべきではなかろうか、こういう面について検討をすべきではないかという意見を持っておるわけです。また産炭地鉄道は産炭地のみにあるわけです。ですから、結局
産炭地域の振興という面からやれば、
産炭地域振興
事業団の
関係についても、産炭地鉄道が、多少貨物が減っても
石炭の輸送が減っても、ある
程度安定できるような、そういう側面を吸い上げるべきではなかろうか。さらにまた
炭鉱が、
企業ぐるみ閉山になってしまう、そのために鉄道というものは廃止しなければならない、こういう事態になりますと、いままでは
炭鉱労働者であったわけですから、
坑口から選炭機に
石炭を輸送するのは、坑外運搬員とこういうわけです。選炭機から国鉄あるいは埠頭まで
石炭を輸送するものは、結局鉄道でありますけれども、坑外運搬員でもあるわけです。そういう面を考えますと、いまの政策で、山がつぶれて、鉄道がやめなければならない。資産があるところは
退職金を払うし、それほど問題もないわけです。しかしながら、どうにもこうにもならない、
退職金すら払えないということになりますと、この面については、何らかの
措置をしなければならない。歴史性から見ても、現実からいっても、そういう側面を持っておるのではなかろうか、私は、こういう見解を持っておるわけです。これもすでに産炭地鉄道がストライキに入っておるという事態に対処して、いますぐにここで結論をいただくということは困難かと思いますけれども、こういう面について、ひとつ
現行制度もあるでしょうし、またこの中でやれるものもあるでしょうし、また何らかの処置をしなければやれないものもあるかもしれませんが、これは当然検討に値するものであり、何らかの対策を立てなければならない問題ではないか、かように思うのでありますが、この点についての見解を承っておきたい。