○加藤(清)
委員 それでは、時間を節約するために私が持っておりまする
——私というより、わが党が集めましたデータを一ぺん皆さんに紹介してみます。それが正しいか正しくないかを判定していただきましょう。
これは
アメリカの統計でございます。
日本の統計ではございません。
アメリカの全
繊維の綿換算、ポンド換算でございます。ポンドとは通貨でなくて目方のことでございます。一九六四年から六九年に至るデータを私は持っております。
繊維だけを見ますと、
アメリカは
輸入もふえておりまするが、輸出もまた伸びております。あとでこれをごらんいただきますから走って読みますと、何よりもふえているのは見かけ消費でございます。消費がふえておるのでございます。逐年増加している。これが
輸入の増加と大体比例しているのでございます。見合っている。全消費、言いかえれば
アメリカのオール生産と申しましょうか、オール生産に対する
輸入の率は伸びていないのでございます。私は、この問題をかつて通常
国会のときに大きな図表にして皆さんに見ていただいた。これはその続きの統計でございます。
さて、それじゃどれだけ占めているか。オール消費といいましょうか、オール生産
——ミル消費と見かけ消費と両方ございますが、それをごっちゃにして、それに対して
輸入のパーセンテージはどれだけか。一九六四年で六・二%でございます。ほんのわずかです。六五年で六・八%、六六年で八・二%、六七年で七・五%、六八年で七・七%で、六九年上半期では、その上半期間に八・四%の伸び、こういうことになっておるようでございます。
ところで、これを衣料品だけ抽出してみます。衣料品が伸びた伸びたという
先方さまの御言い分でございます。衣料品とは第二次布帛加工品のことでございます。これをとってみますると、おかしいですね。目方にして、ポンド換算にしまして、伸び率は、一九六四年から逐次申し上げます。四・五%、五・一%、五・一%、六%、七・七%、七・七%、こういうことになっております。これは伸び率ではございません。いま私が伸び率と言ったのは間違いで、オール生産、オール消費に対して
アメリカがどれだけ
輸入しておるかという問題であります。問題は、
輸入が多過ぎる、ラッシュすると、こうおっしゃられますが、わずか
最高でもって七・七%でございます。その七%はオール
輸入でございます。
日本の輸出量ではございません。コットンでいえば三十二カ国から
輸入した。それがこの率でございます。では、
アメリカの総
輸入量に対する
日本の占拠率は
一体どれだけあるかといえば、化合繊にしても三%ありません。日にちに換算すれば、三百六十五日分の十日以下でございます。これが
アメリカ経済に影響を及ぼすとなると、
アメリカの
繊維業界は何とちっこい、何と弱い
業界でございましょうか。これは不可解きわまることでございます。
次に、平方ヤード換算をしてみました。そうしますると、これは一九六八年と一九六九年を比較してみますると、なるほど化合繊は輸出量が伸びております。衣料、つまり第二次布帛加工品にして三七・七%、化合繊のその他の製品を合わせて一三・四%伸びております。しかし、この間にコットンの糸はマイナス二八%の減少でございます。毛製品、ウールもマイナス七%でございます。二
国間協定あるいはLTAを結ぶと、どのような結果になるかがだんだんおわかりだと存じます。確かに化合繊は三七・七%、一三・四%と伸びておりまするけれ
ども、これは伸び率でございます。伸び率だけを問題にするということは、これは統計上正確な答えを抽出することの不可能なファクターでございます。なぜかならば、ゼロから出発しておりますから、ゼロから出発すれば伸び率は大きいにきまっている。称してこれをタケノコ成長と申します。ある程度までは伸び率がばっと伸びますけれ
ども、そこから先へは伸びていかないのです。ウールの例をごらんになればよくおわかりになると存じます。むしろ今日では減少です。
こういう状況下において、では、この
日本の相手方に占めている占拠率の伸び縮みはどうなったか。コットンの場合
最高の占拠率は、二
国間協定のなかったとき、これはいわゆる
日本にとってよき日、それでも
アメリカのオール
輸入の二八%以上伸びたことはございません。コットンで数量に換算すれば、ヤード換算にして三億スクエア以上伸びたためしはございません。しかし、二
国間協定の結果はどうなったか、いまごらんのとおりです。きのうきょう、ことし
あたりでは一〇%以下に減っておるのでございます。ウールもまたこれに似たり寄ったりでございます。いかに
条約の第一条、第二条にうまいことが書かれておっても、これは、うまいこと言いのええことしいだと関西の
業界の人たちがおっしゃるのは、無理からぬことでございます。だんだん減っている。うまいこと言いのええことしいで、向こうはええことしいだが、こっちにとってはたいへん悪いことだ。これが今日の実態なんです。
では、合繊はどうなっておりますか。合繊は、
日本は何も
アメリカにだけ伸ばしておるのではございません。合繊のことしの一−六の伸びは
——合繊だけではない、全
繊維二〇・三%アップでございます。ことしの一−六では、
アメリカに対しては一九・九%で全体平均より少ないのでございます。いわんや一−八になってまいりますと、これが一−八を加えた場合に二〇・三から一七・七に減りましたから、減少の傾向でございます。
では、化合繊だけをとったらどういうことになるか。世界の輸出は伸びが二七・四%で、
アメリカに対しては一三・五%の伸びでございます。では、一番伸びた、伸びた、けしからぬといわれるところの第二次布帛衣料品と称するものがどれだけ伸びたか。世界に対しては二〇・七%伸びているにもかかわらず、これだけが、それこそ先ほど
繊維雑貨局長がおっしゃった、
アメリカに三二%伸びておるのでございます。ここだけでございます。それ以外は伸びておりません。平均値よりも少ないのでございます。ここでもって言えることは、何か伸び率の少ないところからクレームをつけられて、はい、そうですかと言って言うことを聞いたら、もっと伸び率の多いところは何と言うてくるでございましょうか。
そこでお尋ねしたい。
日本だけではないが、
日本の
アメリカへの輸出の率は、どの
繊維をとっても
アメリカの総消費量の三%か四%なんです。なぜそんなことでおこられなければならないのか。
では、
日本が
アメリカから
輸入しているものは
一体何%か、これを聞きたい。鉄は何%、小麦は何%、コットンは何%でございますか。