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武藤(嘉)
委員 賢明な
大臣のことでございますし、また、非常に優秀な高橋
局長のことでございますから、私もそれじゃ、いまのそういう御答弁で信用させておいていただきますので、よろしくその点を
お願い申し上げます。
それじゃ、最後に
局長にひとつお尋ねをしたいと思うのでございますが、先ほど私が、いわゆる
貿易は自由でなければいけないというほうにきているという観点から、
アメリカの
繊維産業にも
努力が足りなかった点があるということを私は指摘を申し上げましたが、もう
一つ、そういう点もよく見てきていただきたいと思うのでございます。
日本のいわゆる出しておる
製品、これがはたしていま
アメリカでつくられ得るのかどうか、こういう点は、私は非常に疑問があるんじゃないか。いま
日本から出ておる
品物というものは、少なくとも現在の
アメリカの
繊維製品工業においてはつくられ得ないものである、私
どもはこう判断いたしております。
〔
委員長退席、浦野
委員長代理着席〕
その辺ひとつ十分見てきていただきたいと思います。
それから、確かに
アメリカは
日本あたりから
繊維製品がたくさん入っておりますが、それはあくまでいま申し上げましたように、
日本の
製品、
日本のつくっておるそういうレベルのものに対して
アメリカの
消費者が非常に望んでおる、こういうことも私はあるんじゃないかと思います。そういうところはぜひ見てきていただきたいと思います。そうして、もしそういうことが事実であれば、かえって
アメリカと
日本の
繊維産業というものは、
お互いに足りないところを助け合う関係にあるんじゃないか、こういうことを私指摘できると思うのでございますが、とにかく見てきていただきたいと思いますし、それからもう
一つ、この間うちいろいろと、ちょうどあの
日米合同
委員会が開かれておりますとき、
アメリカの議会においてはこの
繊維の問題について各
アメリカの議員が
発言をしておりまして、それが、私
ども新聞やその他で読んでおりますと、どうも私が非常に残念だと思いますのは、その議員の
発言の中に、必ずしも
日本の
繊維産業の実情をまだ承知していない方がある。まあ昔のいわゆる女工哀史といわれたころのほどには想像しておられないと思いますけれ
ども、たとえばある議員などによれば、全く厚生施設もできていないとか、まだ低賃金であるとか、それから労働基準法さえしっかり守られていないとか、あるいは時間外手当も出していないとか、いろいろそういう
日本の実際の現在の
繊維の
実態とはおよそ違った
認識を持っておられる議員が相当あるように私、その
発言を読みまして感じたわけでございます。どうか、
向こうの
実態を見に行かれると同時に、ひとつこっちの
繊維産業の
実態というものも、非常に現在は構造改善が進み、近代化が進んで、昔の
繊維産業とは全くいま現実に
日本の
繊維産業は違っておる、こういうことも私はもっとしっかりと
向こうに
認識をしていただく必要があるんじゃなかろうか、こういう感じがしたのでございます。ひとつその点よろしく
お願いを申し上げたいと思いますが、まあ、これは私のほうで要望でございますので、
お願いだけいたしておきます。
とにかく、私はこの間も最後に
お願いを申し上げまして、きょうももう
一つ大臣にも
お願いを申し上げておきたいと思いますが、
アメリカの議会筋が、もし
日本が、あるいはその他の国々がこの
繊維の
自主規制に応じない場合には保護立法をつくるんだ、こういうことを何かというとすぐ
発言をいたしておりますが、私は現在
アメリカの
新聞論調などを見ておりましても、そういうことは結局において最終的にできない、だから、あくまでこの
自主規制を強く要求してきておる、こう私は感じております。ですから、ひとつその辺は十分に御
認識をいただきまして、へたに、保護立法ができるから
自主規制に応じたほうがいいんじゃないかというような
気持ちだけは毛頭持っていただきたくないと思いますし、また、持つ必要は私はない、こう感じております。
それからもう
一つは、先ほどの
大臣の御答弁で、勇ましい
繊維の戦争は私はそこまで強くできないというような
お話がございましたけれ
ども、ぜひ
お願いを申し上げたいのは、やはり韓国なり台湾なり香港なり、そういう東南アジアの連中は、
日本のこの
繊維の交渉に対して非常に注目しており、非常に期待を持っておるわけでございます。どうかそういう意味合いにおいても、やはり
アメリカとも親交を深めていかなければなりませんけれ
ども、やはりわれわれはこのアジアの一員でございます。どうかアジアのそういう連中が信用しておる
日本として、少なくともその期待を裏切らないように、彼らに失望を与えないように、今後ともぜひそういう
方向で、決して
日本だけの問題ではないのだ、この
日本が挫折をすれば、それに続いて
相手は、台湾、香港あるいは韓国あるいはフィリピンというように順次、こういう協定を
日本と結んだからおまえのところも結べということを必ずやってくるに違いないと思うのです。そういうことでございますので、正義の戦争であるならば、こういう平和的なうちの戦争でございますから、私はどうか大いにがんばっていただきたいということを、時間がございませんので、特に最後に御要望をしておきまして私の
質問を終わらせていただきます。