○大平国務大臣
定員の配分問題の御指摘がありましたが、これは
長官からも御説明申し上げましたように、
審査官と、それを補助、補完していく事務を担当する方々とのバランスということが運営上必要であると判断して
長官の
立場で
処理しているものと私は信頼をいたしております。
第二の点でございますが、
特許庁の
予算は、歳入のワク、限界というようなものを頭に置かれて
編成されているのではないかということでございますけれども、寡聞にして私は、
特許庁の収入がこれだけであるから歳出はこれだけにしなければならないという
意味の圧力を財政当局から受けたことはございません。
〔
武藤(嘉)
委員長代理退席、
委員長着席〕
いま
武藤さんは
特許庁というものは黒字であるように申しましたが、私はすでに厳密な
意味において赤字になっておると思います。一般会計でほかの部面でいろいろ負担しておるものを計算いたしますと、正確に申しますと、決してこれはもうけておるというようなものではないと思います。
海堀次長も言われましたように、必要がございますならば一般会計におきまして
特許庁の歳入を越えた、手数料収入を越えた歳出を組んでいただけるものと私は確信をいたします。
それから第三の問題は、いずれにいたしましても、制度を
改正いたしましょうとどうしようと、
定員をふやしてまいらなければならぬ。それとあなたが御指摘になりましたように、いろいろ事務の合理化、
機械化、近代化というような点もあわせて進めてまいらなければいかぬわけでございますが、
定員の
人員の充足という点につきましては、本
委員会でこの前からいろいろ御
審議をいただいて、御理解をいただいておると思いますけれども、
定員をとるばかりが芸じゃありませんので、実際上それに相当した人材に来ていただかなければならぬわけでございます。しかし、いま
技術者はたいへん不足をいたしておりまして、なかなか思うように採れない。採りたくても採れない制約のもとに置かれておりますことは
武藤さんも御理解いただけると思うのでございます。しかし、それでもなお極力有為の人材を求めてまいるように努力をしてまいらなければならないことは当然でございますが、一方行政府全体といたしまして、いろいろ全体の要員を締めていくという大方針のもとにございますので、
特許庁も決して例外ではないわけでございます。その範囲内におきまして今日まで、私は
大蔵省当局も通産当局も力点を
特許庁に置きまして、与えられた条件のもとでは最善を尽してきたと申し上げても決して過言でないと判断をいたしております。私どもは、
予算を
編成する場合、最後に残って熱い折衝を重ねましたのは、ほかならぬ
特許庁の
定員問題であるわけでございまして、それほど
定員確保問題というのはいまむずかしい問題になっておりますことは御案内のとおりでございます。そういう点は大いに努力をしてまいるつもりでございますが、こういう
技術者の不足の
状況でございますから、思うようにまいらない。思うようにまいらないのが現実でございますから、それに対応いたしましていろいろなくふうをこらして、できるだけ
仕事の渋滞のないようにつとめてまいるのがわれわれの任務だと思っておるのでございます。すべての条件が満足でございますならば、ここでもっといばった
答弁ができるわけでございますけれども、そういういろいろな制約の条件のもとでわれわれは非常に苦心しておるのだという点には、きょういろいろ朝からおしかりをちょうだいいたしましたけれども、ひとつ御同情もいただきたいと思います。