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加藤(清)
委員 まことに寛容な御態度で敬意を表するわけでございまするが、それではおことばに甘えまして、私がここでひとつ国民になりかわって
苦情を申し上げてみたいと存じます。特に
大蔵省さん、よく聞いておっていただきたい。こういう
案件は特にあなたのところの
指導、育成、監督の
責任の問題にも相なるからでございます。
すでに
公取から御発表になりましたように、
質権の設定、
預金証書の差し入れ、念書、口約束、特に近ごろは口約束がふえてまいりました。私
どものところへこういう訴えが入っている。あなたたちが国会で
歩積み・両
建てのことを責めると、それは
中小企業を守ってくれるかのごとき印象を受けるけれ
ども、事実はそうじゃないです、その結果、わしら損しちまったです、こういう声なんです。何を損したのですかといったら、いままで定期で拘束されていた金を、じゃあ普通
預金に切りかえてあげる、しかし、この普通
預金は絶対引き出すこと相ならぬぞよ、はい、
承知つかまつりましたという念書をとられる、その結果は、五分五厘の
金利が二分二厘に減ってしまった、こんなばかな話ないじゃないですか、何のために議員さんは国会で声を大にしてやってくれますか、こういう話なんです。こういう声が一件ございます。
公取ではすでに
調査済み、経験済みの件だと存じます。
もう一点、特に問題になりまする点は、
中小企業金融公庫の金が全事業の八%で、多いの少ないのという論議がこの前も本席で行なわれておりました。私はこれでは足りなさ過ぎると思います。
日本銀行が大
企業に
融資する率から比べたならば、とんでもない格差でございます。まま子扱いでございます。しかし、その乏しい金を今度は
歩積み・両
建てに利用している
機関があるということでございます。これはたいへん長期にして有利、
金利も少ない。ついてはあなたたちも考えてくれ。何を考えるんですかといったら、一千万円一挙に要るわけじゃないんだから、それだけ来たけれ
ども、まあ三割から三割五分ぐらいは積んでください。ついにもだしがたく積まざるを得ない。したがって、国家に払う
金利は確かに安かったけれ
ども、
実質使える金は七割前後であったので、試算してみると、ほれまた
金利が高うなってしまった、こういう結果でございます。これはまだまだいいほうでございます。ところが、せっかく許可がおりてきたにもかかわらず、このひもつき、期限つきの
融資がどこでどう間違ったか、
銀行の窓口で半年はおろか一年もストップしているという事件がございます。なぜそれを貸さないだろうかというたら、いや、まだ来ないから、まだ来ないからというて、じゃ、あなたのところは信用があるからうちの金を使いなさい、うちの金を貸してあげますというて、
銀行の金を肩がわりして貸しておるという件でございます。
もっとそれ以上なのがございます。どんなことか。医療
金融公庫、厚生年金、これらの金を会社が窓口
銀行を通じて申請を出します。ところが、当然許可になってしかるべき
案件であり、その資格を持っている人であるにもかかわらず、許可がおりない、だめだったというのです。しかし工事は始まった、金は払わなければならない、こういうわけです。弱った。その
苦情が私
どものところに集まってくるわけでございます。そこで公庫へ行き公団へ行って、なぜこれは落第しましたかと尋ねると、二つの形式がある。一つは、あるべきはずの担保がないと書いてある、これじゃ貸されるはずはない。一つは、期限があるにもかかわらず、期限切れに書類が窓口から公庫へ提出されている、期限切れじゃ落第するにきまっておる。こういう
案件が随所に散見されるわけでございます。
なぜこんな
状況に相なるであろうかと私
どもはとつおいつ、借りたいという対象自体が信用力がないのではないか、どんなに信用補完してやってもなお足りないのではないかと調べてみると、あにはからんや逆なんです。十分に信用がある。力もある。借りる資格もある。そこで推定できることは、こんないい
お客さんを国家にとられちまったら、自分のところの
支店が損するではないか、こういういわゆるお家大事、自分の
成績大事から発してくるわざではないかと思われる。これは
全国に見られる例を最大公約数にした表現でございます。もし必要とあれば、私のところには固有名詞のついた書類のコピーがちゃんとございますので、いつでも
大蔵省にはごらんをいただきます。
私はこういうことを提案して、だから
支店長の首を切れとか、そういうことをやった
銀行に営業停止を食らわせろと言うておるのではございません。なぜかならば、社会党は首切り反対だからでございます。しかし、このままこれを放置する場合は、先ほどの
親心でなしに、国家の
親心、本
委員会の審議の
親心、そうして
大蔵省をたたいてでもひとつ何とか中小
金融のワクをふやしてあげようというこの
親心が、途中なかでどこやらへ吸い取られて、パイプから水が漏れたおかげで、潤う末端はたいへん恩恵が少なくなってしまう。しかし、途中なかの人はそれでけっこう楽しめて、
シェアが
拡大されて、それで
支店長が栄転できたということになれば、これはけっこうな話かもしれません。しかし、ここの
親心は、そんな個人の栄転のためにここで
親心を発揮するわけじゃございませんので、ほんとうに末端の
倒産して苦しんでいる、手術して貧血になって苦しんでいる人に直ちに輸血ができるようにしていただきたい。これについて
大蔵省並びに
銀行当局の御意見を承りたい。これはあくまで陳情ではなくて、
苦情処理の実情があったら聞かしてもらいたいというおことばでしたから申し上げたわけでございます。