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福田(一)
委員 公害問題が非常に出てまいりましたので、
硫黄分をよけい含んだ
原油を多く
開発しても、これを
石油精製のほうで引き取ることについてはなかなかがえんじないという
事情も最近出てきております。これは非常に問題でありますが、かといって、
硫黄分を多く含まない油がどれだけよけい
日本に入れられるかということになると、現
段階においてはかなりむずかしい面があるように見られる。将来もまたそれほど十分な低
硫黄分の
原油を輸入できるかどうか、あるいは確保できるかどうかということは問題があると思うのであります。そうなってみますと、しかし
公害ということはわれわれはもう無視することはできませんから、
公害を除去するためにどこかの
部門で
硫黄分を少なくする、あるいはまた
硫黄分が
公害として流布されないように
措置をする必要があるということになるわけであります。そうなると、
硫黄分の少ない
原油を獲得することが第一。
石油精製の
段階において
硫黄分を少なくするくふうをすることが第二。それから今度は
重油を使う場合に、使ったところからできるだけ
硫黄分が出ないようなくふうをする、たとえば煙突を高くするとかいろいろなことをやっておるようであります。
脱硫装置というようなものを十分にしていくということが必要になると思うのでありますが、こういう面については
石油精製と
重油の三〇%を使う
電力会社が相当私は協力をしてやらなければいけないと思っているわけです。これはもうすでに
通産省でわかっていることでありますが、大体今日の
電力料金は
重油を一キロ
当たり六千八百円という値で押えて形づくっておるのであります。ところが現実の
市況はどうであるかというと、五千八、九百円、スポットものになると五千五百円くらいで買っておるという
段階であります。こういうことになると、実は
電力会社が非常にうまくやっておるという形になるのでありますが、何も高く買うのが能ではありません。
電力会社が豊富、低廉な
電力をわれわれに供給してくれることもありがたいことではあるけれども、かといって重要な
エネルギー源である
石油精製の
会社が参ってしまうというようなことでは、これまた重大な問題が起きることは先ほど申し上げたとおりであります。ところが
脱硫装置をやりますと、大体一%の
硫黄分をなくすのにはかれこれ八百円から千円の
コストがかかるということになっておる。そういたしますと、八百円の
コストがかかる分を全部
石油精製が持つということでは、私は非常にこれは残念しごくなことであると思うのでございまして、そうなりますと、
石油会社が八百円なら八百円かけておるならば、
電力会社のほうでも半分くらいは
負担するというような姿になっていくくらいが好ましいことじゃないかと思う。何も
電力会社の
味方をするわけでもなければ
油会社の
味方をするわけでもありませんが、
公害のために
負担する分は
両者で半々くらい
負担していくのが正しいのじゃないか。ましていわんや、十年くらい大体
重油は六千八百円くらいで買うんだと言っていたのを五千円台で買っておったという
実績等から見て、この際は
電力会社がある程度こういう面を
是正していかれることが必要じゃないか。また
通産省としてもそういう
指導をされてはどうかと私は思うのであります。ということは、
電力のほうは一定の地域を独占いたしております。ところが
石油精製のほうはこれは
独占企業ではございませんから、
過当競争がある。
過当競争をしておるのは
業界が悪いのでありますから、それは
業界が悪いと言ってしまえばそれまでのようではあるけれども、しかしこれは
エネルギー源を獲得するという
意味で、やはりわれわれとして
両者の協調というか調和というか、そういう面を
考えて
行政をやっていくべきものではないか、こう思いますので、この点についての
通産大臣のお
考えを承りたい。