○中村(重)
委員 そうでしょう。そして無利子を有利子にしたのです。そして今度、申し込みがふえたからそれぞれ財政投融資をふやすんだ、そのかわり利子を上げなさい、これは一般の町の金融機関ならわかるわけですよ。私の言っているのは、少なくとも
政府の姿勢として、そういう朝令暮改みたいなことをやってよろしいのかどうかということです。あなたのそういう
考え方なら、来年はまた幾らにするかわからないのだ。そういう姿勢を私は指摘をしておるのであります。いわゆる高度化
政策というものがいかに重要なのか、
日本経済の中における
中小企業の果たす
役割りというものが非常に重要であるから、高度化
政策としてこれは無利子でもって近代化設備をやる――まだまだ無利子なんですよ。それを有利子にしたのです。そして今度は、一年でもって五厘上げるというのでしょう。それでもって
中小企業に対する大きな
役割りを果たさせるということになるのかどうか。
それから先ほど田代審
議官は、
政府関係金融機関は補完的な機関であるとか、あるいは最近は
政府関係金融機関に対する申し込みは非常に落ちつきを示してきている、こういうことです。私は必ずしもそうは思わない。きょうは三公庫のそれぞれの
総裁または
理事の方にお見えいただいておりますから、この際、率直に伺ってみたいとも思いますから、
あとで続いてお答えを願いたいと思いますが、この補完的機関であるということをいまなおそのまま固守してよろしいのかどうか。たとえば環衛金融公庫をお考えなさい。設備金融においてこれが補完的な
役割りを果たしているということになりますか。なるほど運転
資金というものは環衛金融公庫からの融資の対象にはなっていない。設備
資金は、すべてと申し上げてよろしいくらいに、これは一千万円と――もちろん大きなホテルであるとか高級料理店であるとか、そういうものは問題です。しかしそれ自体は融資の対象になっていないのだから、少なくとも融資の対象になっているようなそういう中小、小
規模企業というようなものは、一応特殊のクリーニングであるとか、あるいは
あとでお尋ねしようと考えておりますところの浴場であるとかいうものは、これは別であります。大体その他は一千万程度というものはもう設備
資金のほとんどは借り入れができておるということなんです。そのことは補完的金融機関ということではない。やはりそうしたサービス業に対して独立した金融機関というような形においての
役割りが果たされてきておると思う。
私は、
政府関係金融機関においてきわめて差別的な扱いがされておる、そのことについても問題を感じております。しかし環衛金融公庫に対するところの現在の融資制度というものが特別に優遇されておるという
考え方から申し上げておるのでは決してない。それはそれなりの当然のことをやっておるのだと思う。それならば、その他の三機関の一般融資の対象となっているプロパーの
中小企業というものは、生鮮食料品流通近代化
関係の
企業、環衛公庫の融資を受けている
企業と比較して特に特ワクの融資の必要がないかどうかということになってまいりますと、私は、その点に対しては十分あるのだ、
企業によってはそれ以上の重要な
役割りを果たしておるのだ、また果たさせなければならないのだ、そのためにはやはり特利、特ワクも考えなければならないし、現在の国民金融公庫の貸し付け限度額の三百万というようなものも、依然としてこれを改めないでおるということについても抵抗を感じている。これも当然引き上げていかなければならない。だがしかし、引き上げても、絶対額をふやさなければ、いままで国民金融公庫の融資に依存をしていないところの比較的大きい
企業が依存をしてくる。そして肝心の零細
企業への融資が非常に狭められてくることになるのだから、貸し付け限度額を引き上げていくと同時に融資ワクの絶対額もふやしていかなければならぬということになるのであります。それらの点等々を考えてみまして矛盾をお感じにならないのかどうか。依然として補完的な
役割りだ、それは一〇%だとあなたはおっしゃった。なるほどシェアは八・五%であるとか九%であるとか、ある月によっては九・五%程度となっているのです。しかしそれは財政投融資を十分やらないから、国の出資を十分やらないから、いつまでたってもシェアは八%ないし九%、そこらあたりにいまくぎづけされているというのが
実態です。もっとこれをふやしていく、そしてシェアを拡大しなければならぬという
考え方から、もっと出資をし、財政投融資をやるならもっとシェアは拡大をいたしますよ。八%ないし九%を低迷しているというのはもう何年間ですか。ここ十年間くらいは低迷しているでしょう。そういうことを意識的にしておいて、一〇%程度であるからしてこれは補完的な
役割りだ、そういうようなことでは私は答弁にならないと思うのです。ひとつあなたのお答えを願いましょうし、三機関もこの際それぞれの
立場から
考え方をお聞かせ願いたい。