○加藤(清)
委員 大臣よく聞いてもらいたい。ウールまたしかりです。ラッシュもしないのにラッシュしたと言う。柄ものがどうしてラッシュします。それを日本の
政府は額面どおり受け取るのです。柄もののラッシュしようがないじゃないか、注文生産だから。もしそれで数量がラッシュしたとすれば、それは
アメリカの輸入業者が注文した証拠じゃないか。注文せぬものがどうしてラッシュします。無地ものは別です。
今度は合成
繊維がまたやられそうになっている。これはたくさんの資料を持ってきておりまするけれ
ども、時間がありませんから……。
〔加藤(清)
委員図表を示す〕
これをよく見てください。これは
アメリカの
繊維の利益率の推移なんです。これでおわかりでしょうが、非常に伸びておる。これによって
アメリカの
繊維産業、特に合成
繊維産業は好況をきわめているということが言えるのです。十一日には数字をもってぐっとこまかく説明いたします。
これは売り上げの推移なんですが、これも同じことなんです。一九六八年においては史上最高の売り上げとなっておるのです。
次は生産指数、この指数も一九六八年十一月には非常な伸び方をしているということがこれでおわかりでございましょう。
次は
労働雇用、これはこの時期において二百四十二万人、これも史上最高です。完全雇用が行なわれて、同時に史上最高となっておる。にもかかわりませず、日本の合成
繊維を制限すると言うんだ。
大臣、よく見てくださいよ。制限される側の日本の合成
繊維は一体どれだけあるかというんだ。米国内の総消費量、それから輸入量、これも伸びておるが、米国内の総消費量に対する輸入の比率はわずか八・五%なんです。この年にはわずか八・五%が輸入ですから。ところでその八・五%の中に占める日本の占拠率は一体どれだけだと調べてみると、何と驚くなかれ三・二%、これは日にちにして十日分なんです。十日分に足りないのです。日本産品がラッシュするの、脅迫しているのというけれ
ども、鉄の場合は確かに
アメリカの総使用量の一五%になんなんとした。しかし自動車にしても、
繊維にしても、一〇%はおろか三か四%なんです。何がラッシュです。なぜ日本はこんなことを言われなければならぬのか。日米経済
会議において
大臣たちはどういう交渉をしておられますか。
業界のひとしく遺憾とするところなんです。わが社会党もひとしく遺憾としている。何%がいけない。しからば逆に、日米友好通商航海条約を忠実に守っているのは日本だけだ。チンコム、ココムにおいてもイギリスは承知してない。イギリスと
アメリカとの協定は同じように結ばれているけれ
ども、そんなことは承知してない。その結果どうなっている。
アメリカが日本へ輸入する品物については日本はどれだけ制限していると思いますか
大臣、これを聞いてみよう。
アメリカから日本へ輸入している品物を日本が制限しようとしたときにはどれだけのパーセンテージを許されるのですか。実績からいきましょう。――私は
委員長に
協力し、
理事に
協力すると最初に申し上げました。これが予算
委員会だったら、ここで半日か二日ストップです、答えができないから。しかし、私はそれが目的ではございませんから、きょうはこの
法律を通したい、通して早く完べきなものをつくりたいというところに念願があるのですから、先へ進みます。
たとえば映画のクォータ制はどうなっておる。日本のプロダクションは次々に不況で倒れて、永田ラッパがどれだけ吹いてみたって、だんだん不況なんです。倒産倒産が続いて、残ったのは四つ。にもかかわりませず、上映のクォータ制をしくといったら
アメリカは何と要求したか。
アメリカの日本輸出が日本の総生産の五〇%、したがって上映比率が五〇%、五〇%になったら制限しろ、それ以前は制限してはいけない、こういうことなんです。現に行なわれておる。だから新聞を見て
ごらんなさい。テレビやらラジオの映画のプログラム、あるいは上映館の映画を見て
ごらんなさい。五〇%まで
アメリカ映画がミリタリズムや
アメリカの主義、主張の宣伝をやっておる。相手国には五〇%も踏みにじられておりながら、なぜ日本は三%くらいの文句が言えないのですか、
大臣。