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佐野(進)
委員 同じ条件にあるのをどうして除外したかということになると、
説明にならないと思うのですよ。準備が必要でございます、準備は同じでしょう。だからどういう形の中でこれがはずされたかということをもう少し明確に——では、これについてはいつごろ対策に取り組むのかということをひとつ聞かしていただきたいと思います。
最後に、振興事業団の問題があったのですが、これは
武藤委員が待っていますからはしょりまして、労働力対策の問題について
質問をして終わりたいと思うわけですが、問題は、
大臣の
説明の中にもこういうことを書いてあるのです。「関連
労働者の職業の安定につき配慮することといたしております。」この文章をそのまま読みますと、関連
労働者の職業の安定につき配慮するということは、当然これらの対策を実施するという形になると、首切りというか、職場を離れる
労働者が出てくるのだ、そういう前提に立ってお考えになっているというぐあいに受け取らなければならぬわけですが、これらの対策を実施する上において、
労働者に対するそのような
措置が具体的にどの程度出るか。対策を立てるときにどの程度生ずるという人員、そう具体的でなくていいですが、生ずると予想しているかということが
一つでございます。
それからもう
一つは、いわゆる
労働者の問題は、いま
繊維産業だけでなく、むしろ中小企業全体に対して労働力が不足しているということは非常に大きな問題になり、ひいてはそれがコストの上昇の
一つの原因になっているということもいろいろな面で
指摘されるわけですが、結局この労働力を確保しようという形の中で、不公正な
競争というか、そういうものが必然的に発生してくるわけです。労働力確保の問題について、この改善に対する対策として非常に大きな問題になると思うのですが、それらについてどう
措置されるかということが二つ目であります。そして不公正な取引の条件としては、結局その
説明にもありましたとおり、職業の安定という名のもとに事実上職場を離れていった人たちが、いわゆる零細家内労働的になって、長時間労働、深夜労働あるいはその他低工賃というような形の中で、全体的な混乱を招く
一つの要因になるわけです。こういうことは
臨時措置法の対象として追加される染色はもちろん、メリヤス業は特にそういう面に対する対策を立てておかなければならない問題だと思うのですが、この点どう
措置されるかということを伺いたい。
それからもう
一つ、
繊維産業全体においてもそうなんですが、特に今回対象になる業種については、企業間の
競争というものが、グルーピングを進めたりいろいろな対策を進める中で、どうしても出てくるわけです。そういう中において、あそこの工場はうちの工場より
賃金がいいとか、あるいは労働条件がいいとかいう形の中で、いわゆる
労働者の移動、これはもう当然行なわれることがあたりまえなことなんですけれ
ども、そのことのために奔命に疲れざるを得ない企業者というものもまた出てくるわけです。
賃金問題に対する対策というものは、今日安定した対策がどう立てられるかということは、構造改善対策として非常に大きなウエートを占めてくると思うのです。いま最低
賃金法というものが出ておりますが、実際上なかなか実施されておりません。こういう問題について、業者を
指導する形の中で、適正なる
賃金というか、そういうものがとられるような
措置をどうやったらよいかということについて考えがあるかどうか、この点をお聞きしておきたいと思うのです。
それから最後に——最後の最後なんだけれ
ども、私は、
労働者、特にこういう零細小規模企業、中を含めてですが、
労働者の一番問題になることは、大企業
労働者に比較して非常に福祉施設なり厚生施設というものがおくれておる。このおくれを取り戻してやらない限り、定着率というものは非常に弱いということは火を見るよりも明らかです。
〔
武藤(嘉)
委員長代理退席、
委員長着席〕
したがって、こういう
措置をとり、
近代化して、グルーピング化して、国際
競争にうちかつということになるのですから、こういうような体制の組合に対して、福祉施設なりあるいは厚生施設なり労働条件なりという形の中で、
政府はひとつ十分配慮した施策を行なってやる、これが絶対必要だと思うのですが、こういう点についてどのような
措置をする考えかということを、これは
中小企業庁長官あるいは
繊維局長でもけっこうです。そして全体的には構造改善
臨時措置法に基づく対象業種としてあがった業種に対して、非常にいろいろな
問題点があったし、これからのその対策の成功ということが、
日本の
繊維産業全体に対して非常に大きなウエートを占めるようになると思うのです。これら私が
質問した点について、ひとつ総括的に
大臣の
見解をお述べいただいて私の
質問を終わりたい、こう思うわけであります。