○石川
委員 ありがとうございました。
いまのベスレヘムとヤングスタウン、二位と六位でありますから、大体粗鋼の
シェアでいきますと、ベスレヘムが一六%、ヤングスタウンが四%、合わせても二〇%、こういう程度の
合併ですら、いろんな事情がいま伺ったようにあったにいたしましても、き然として
合併は却下されたわけです。こういうことを見ますと、これに比べますと、今度の場合の
合併は比較にならぬほど巨大であるというような点で、
日本の
公取委員会はもう少し峻厳な態度でひとつ臨んでもらわなければならないと思うのです。
それで、御承知のように、価格政策としては、
日本では独禁政策と、それから最近いわれておる所得政策というものが取り入れられなければならぬということを、だいぶ大蔵省や
経済企画庁あたりでは言っておるわけでありますけれ
ども、この所得政策のほうは、時期尚早、あるいは労働組合側からの反発などがあってなかなか実現しないということになれば、価格政策の主要な柱は
独禁法にあるという点で使命感に燃えてもらわなければならない。そのためには、管理価格あるいは競争制限というものを排除する方向で、単なる
法律の番頭というかっこうではなくて、
法律の解釈ということではなくて、総合的な
判断の上に立って今後の
経済政策の重要な変革をもたらす可能性のあるこの
合併については対処してもらわなければならぬと思うのでありますけれ
ども、どうもいまの
公取委員皆さん方の
説明を聞きますと、そういう本質的なものの把握というものがなされていない。こんなことでこれだけの大
事件を簡単に白黒をきめたということについては、国民の一人といたしまして私は憤りを感ずるのです。山田
公取委員長はきょうはお見えになっておらないわけですけれ
ども、前々から言っておりますように、
経済政策としては独禁政策と産業政策と金融政策この三つが柱にならなければならぬ、こういうことをいつも強調されておったわけでありますが、その独禁政策がいまのようなていたらくであったのでは、初めに申し上げたように、レモン水の中にレモンが入っているかどうかということだけを結果としてはやるようなかっこうになりますね。それで
日本の
経済産業構造というものは大きく変革をして、国民の利益に反する、
公正取引を失わせる、そして自由な競争というものを失わせるような形にいく足がかりをあなた方は与えておるということを十分認識してもらいたいと思う。
まだまだ
質問したいことはたくさんございますけれ
ども、実は
問題点がだいぶ多過ぎて整理がつかないままにここへ参ったものですから、
質問が非常に支離滅裂になった点を心からおわびいたします。いずれ日をあらためて、いまの
答弁をもとにして再度
質問する機会を与えてもらいたいと思います。いまの
答弁では全然われわれは満足できません。
きわめて重要な問題でありますので、最後に
一つ伺いたいのでありますけれ
ども、どうしても
審判をして審決をするという態度をとらない限り、国民は満足しないと思う。いままでは単なる
公聴会を三回やっておりますね。この
公聴会等でお茶を濁すということに対する学者あたりの批判も非常にきびしいものがあることは皆さんも御承知のとおりです。今度の場合は、いままでとはスケールが全然違います。
日本の産業政策の根本的な変革をもたらすかもしれない可能性を持っておるこの問題については、どうしても
審判をし、審決をするというガラス張りの中での討議というものをひとつやってもらわなければ国民が納得しない。その点で
審判をやるかどうか。これは仮定の問題だと
お答えになるかもしれませんけれ
ども、いよいよとなればやる、こういう決意をひとつ示してもらいたいと思う。