○
田澤委員 ただいま
竹内委員からお話しがありましたように、四月の一日十六時四十分に、
荒川放水路の新
四ツ木橋の
工事現場から
災害が起きたわけでございますが、この点に関しましては、私も現場へ参りまして、いろいろ現場の
方々と話し合いをいたしましたが、私は潮の干満の状態、あるいはまた川の質の問題、底の土質の問題、あるいはこの
リングビームというものが、ああいう大きい川、水のある川ではたしていいのかどうかというような
経験が、はたしてあったのかどうかということを
考えますと、かなり私は、あれを行なっている
建設省自体にも大きな責任があると思う。ですが、私はいま時間がありませんので、これを
建設省に
質問をいたしておりますとたっぷり一時間はかかると思いますから、これはこの次に譲りますが、こういう新しい
方法でやるときには、単にこの問題は経済的によく、家際にやってもいいくらいの簡単なものでは、私は重大な問題だと思いますので、今後ひとつ累計的にその実績を積んだものでなければ、実際に行なわないように十分考慮していただきたい。そうして一日も早く
原因の
究明をいたしまして、今後これらの
工事に対して、安全に
工事ができるという体制を、この際しっかり
建設省はやっていただくことをお願い申し上げる次第であります。
そこで、先ほ
ども竹内委員からもお話しがありましたように、今回の
事故にあった八人のうちの七名が私の県の出身者なんでございます。それは申し上げるまでもありません、出かせぎとして出てきたわけでございます。私は、きょう実は向こうから帰ってきたのですが、あの遺骨が大鰐駅に着いたときに、大鰐町の人たちは、約数千人の人が駅前に集まりまして、そうして県民全体が嘆き、悲しみ、憤りさえ持っているわけでございます。きょうはちょうど合同葬儀の日でございます。ですから、私はこの八名の
方々の御
冥福をお祈り申し上げると同時に、この御家族の
方々が、将来安心して生活ができる体制をひとつ
労働省が叱咜激励してつくり上げていくことが必要でありましょう。
それからもう一つは、この出かせぎ者がなくなった、この死亡というものを将来に生かすために、やはり新たなる
考え方を持ってこういう職場の安全というものに、もっともっと力を入れていかなければならないということを皆さん方が
考えていただきたい。そういう観点から、私は以後
質問を申し上げる次第であります。
今回の
事故の
犠牲になったような出かせぎ労務者は、
労働省の推定で六十万あるといっております。その半分以上がいわゆる大都市に来ているわけです。道路とか、橋梁とか、ビルディングをつくるために従事しているわけでありますが、そのうちの六〇%が北海道と東北なんです。この六十万の中で、職業安定所を通じて来た者は二十万前後であろうといわれております。あとは縁故や会社が直接に採用したという形の者で、正確に実態が把握されていないということを
労働省自体も白状している状態では、一体これをどうするのですか。はっきりこの実態というものを把握して、六十万いるなら、六十万の人はこうこうこういう状態にあるということを、はっきり把握しなければ私はいけないと思うのであります。先ほどの
労働大臣の御答弁によりますと、
労働力が不足だから出かせぎというものはこういう状態にあると言いながら、なぜ、そういう重要な
労働力であるならば、はっきり実態を把握できないのであるかどうか、そういう点を一つ尋ねたいのであります。
それから、この六十万のうち建設業に従事しているのは五五・二%あるといわれております。半数をこえておるわけです。その次が電機あるいは自動車等の製造業が二六・六%あるといわれておりますが、ことに大阪の万博
工事や、東京の道路とか、地下鉄等には、出かせぎが大きなウエート力を持っているわけであります。最近の日本の一つの
労働のあり方というのは、若年
労働者、いわゆる中学校あるいは高等学校を卒業したあの人たちが、鉱工業の重要な一つの
労働力として働いていると同時に、公共事業、ことに建設業に働いている日雇い
労働者の
労働力というものは、非常に大きな力を日本の
労働力の中に持っていると私は思うのです。これを単に、低開発のほうから、経済的に困っているから出てきているんだというような安易な
考え方で、この
労働力を使ってもらってはたいへんな問題であります。少なくともこれは、出てくるのじゃない、これが必要なんだ、この
労働力は、日本の建設のために必要なんだという積極的なかまえで
労働省が向かわなかったならば、出かせぎ対策などというものは出てきません。そういう意味において、今後この出かせぎ対策に対して、
労働大臣が一体どういう
考えで進もとするのか、いまの問題に対してどういうような反省を持っているのか、今後何らかの法的な措置によって、不安のない、非常に意欲的な職場につくり上げていくような気持ちがあるかどうか、この二点を私はお伺いする次第であります。