○林
参考人 先ほど来
河野さんからいろいろ御質問があり、また
大臣方や
南部理事からお答えを申し上げて、その間ちょっと重複いたしますが、
住宅公団は、おっしゃるとおりに、
国民の待望のものでございまして、また現下一番大切な一翼をになっている仕事と存じます。したがいまして、
労使の間というものは、極力相互に信頼を持って、そして一丸となって、この大切な時期に大切な仕事をいたさなければならないということは、心からさように信じて、微力をいたしている次第でございます。
しかし、冒頭御質問がありましたように、これが特殊の法律による特殊の法人でございますから、たてまえは
民間企業体と同じというたてまえになっておりますと同時に、
先ほど労働大臣その他から申し上げましたように、法規的には、性格上
公共的
事業を行ないます
関係上、予算及び
給与の基準というものについては、監督官庁の認可を要するという点がございます。また、当然のことでありますが、社会的全般に見ますと、やりますこと全部、家賃にはね返り、また土地の分譲価格にはね返るという、庶民大衆の利益ということを
考えながらやっている。それに基づいて資金がまた運用されていく。こういう、そちらの
制約もあり、大きく分ければ三つの
制約から成り立ちながら、しかし
民間企業体である特色を極力生かしてやっていこうというような
立場のものでございまして、自主的に
労使の間も、しっかり、よく話し合って
解決をしてまいらなければならないと存じております。
私は、つくづく思うのでありますが、まあ当然のことでありますが、
労使の労のほうの面というものを十分に考慮して、気持ちよく働ける状態というものを、いろいろな
制約のある中でも最善を尽くしてやっていかなかったならば、
企業としては一番大事なところを失うということになるというふうに信じておりまして、今後におきましても、
労使間の折衝というものを、十分に、この点至らないところを補強いたしまして、改めまして、絶えず反省をいたしながら、この大切な問題を推進してまいりたいと存ずるのでございます。
しかし、当面のことになってまいりますが、この
ベースアップ並びに俸給表の改定というもの、
ベースアップは当然なさねばならぬと存じます。それから、率直に申しますと、他
公団よりも現在少し実態として
給与の状態というものは悪くなっているような感じでございまして、何とかしてこれを一応少しでもよくしてもらいたい、そして気持ちよく働いてもらいたいという気持ちで一ぱいでございますが、それらと関連いたしまして、世間の一般
企業体でも採用し、また
関係の類似の
公団でも続々採用いたしておりますような、職位に基づく能力的な
給与体系を、年功序列だけでなくて若干加味したものにすることが合理的であり、かつ全体としての
給与をよくするゆえんだと信じまして、提案をし、また納得をし、協力していただきたいと思って、いろいろお話し合いを進めておるところでございます。しかし、虚心たんかい組合側の意見というものも聞きまして、そしてそれを、私
どもの心を心とすべきところはやりまして、今後も
努力をしてまいりたいと思いますが、いま、それらで、いろいろなことで、
公団としてはこれをやる時期はむしろおそきに失しているというふうに
考えておるような状態でございまして、そして双方の話し合いがつくようにいま鋭意
努力をいたしておるのでございます。
その間、相互に
立場がわかってもらいたいという気持ちが一ぱいでございますものですから、いろいろと、わかってもらいたいための、いわゆる普及活動というようなものもいろいろありまして、いろいろなその状態においてのいきさつがあるのでございますが、基本としては
河野さんの御指摘のように、誠意をもって今後も協議を尽くしまして、すみやかに最善の
解決をいたしたいというふうに
考えておる次第をございます。よろしく御了承願います。