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鐘江政府委員 それでは、お手元の
防衛施設の
運用に伴い生ずる
障害の
処理一覧表につきまして御説明いたしたいと思います。これは昭和三十五年から四十三年度までの分でございまして、
防衛施設庁本庁で作成時にわかっておる
範囲でまとめたものでございます。
まず、
騒音にかかわるものといたしまして、
補助金
関係で
処理済み六百三十一件、未
処理三百三十一件とございますが、この内訳を申し上げますと、
処理済みの六百三十一件のうち、
学校防音関係につきましては五百四十四件、病院の
防音工事につきましては三十二件、それから保育所等の
防音関係につきましては十八件、診療所の
防音関係につきましては六件、
学習等共用施設の設置が二十八件、老人ホーム等の設置が三件、以上六百三十一件でございます。これはすでに
先生も御
承知であると思いますが、
学校防音工事等につきましては、単年度で
処理できない事案もございますが、ここで
処理済みという件数にあげましたのは、すでに手をつけたもの、すなわち三年計画でやるということでも、四十三年度に三分の一やったという
学校につきましては、この
処理済みの件数にあげております。そういうことでございますので、以下……(島本
委員「合計何ぼですか。」と呼ぶ)六百三十一件でございます。最初に申し上げましたとおり、
補助金
関係で合計が六百三十一件
処理済み、これは手をつけたものをすべて
処理件数にあげております。それから同じく
補助金
関係で未
処理のものは、
学校防音関係が百六十八件、病院の
防音関係が十五件、保育所等の
防音関係が二十七件、診療所の
防音工事関係が六件、学習等共同
施設が五十八件、その他四十七件、合計三百三十一件に相なっております。そこで、このその他の四十七件のおもなものは、
関係市町村の庁舎に
防音工事をやってもらいたいという陳情、要望、あるいは市民体育館に
防音工事をしてくれあるいは集会
施設について
防音工事を施してくれというようないろいろな要望事案がその
内容になっております。
次は、
補償の
関係でございますが、
処理済みが三件、未
処理が四件ということに相なっております。この
処理済みの三件と申します
内容は、島松演習場
周辺におけるところの乳牛の搾乳量の
低下に伴うところの
補償金、これを払ってもらいたいという問題、そういうことで三件
処理しております。その他未
処理につきましては、三沢の対地射爆撃場あるいは
横田の
飛行場等の
飛行場周辺におけるところの同じく乳牛の搾乳量が減少した、この問題について
補償してほしいという陳情を受けておりまして、これは現在検討中でございます。
それから、同じく
騒音にかかわる見舞金でございますが、これは三沢の対地射爆難場
周辺におけるところのジェット機の
騒音による魚群の逃避に伴う漁獲量の減少
被害等でございまして、これは
特別損失補償法の見舞金として七件を
処理いたしております。未
処理の案件につきましては、小松の
飛行場の
防音畜舎の建設または畜舎の移転の費用、こういったものを
補償してくれという事案ほか、三沢で魚群の逃避に伴うところの
補償金、見舞金、これをぜひ支払ってほしいという事案がございまして、これは現在検討中でございます。
それから、次は、
騒音関係で
賠償金を支払いましたものが一件ございます。これは三沢
飛行場におけるところのジェット機の
爆音によって馬車の馬がはねまして、それによって人が傷害を受けた、それの
賠償金を一件払っております。
それから同じく
騒音にかかわるもので、移転等
補償につきましてすでに十八件の
処理をいたしておりますが、これは行政
措置ないしは
整備法によりまして、
飛行場周辺の民家の移転あるいは敷地の買収、農地の買収、こういったものを
処理いたしまして、それが十八件ございます。同様の申請が、鹿屋の
飛行場あるいは芦屋の対地射爆撃場等で四件ございまして、これは現在検討中ということでございます。それから未
処理の五件のうち同じく――民家の移転ではございませんが、千歳
基地の
周辺における末広
小学校と青葉中
学校がございます。これは滑走路の直下約二千メートルの付近にある
学校でございまして、非常に
騒音が激しいし、
危険感もあるということで、ぜひこの
学校の移転をしたいという陳情を受けておりまして、これは現在検討中でございますが、明年度あたり、四十五年度の予算要求におきまして計上するかどうかについて、現在検討中ということでございます。したがいまして、移転等
補償につきましては、
処理済みが十八件、未
処理が五件ということに相なっております。
それから、その他の事項で、
処理済み十二件、未
処理件数七件、こういうことに相なっておりますが、この
内容を申し上げますと、芦屋
基地の
騒音にかかわる飛行経路の変更、ともかく民家の密集地帯を通ってうるさい、あるいはあぶないということから、陳情等を受けまして、飛行の経路を変えるとか、そういう経路の変更を行なった事案がございます。これが
自衛隊
関係では浜松
飛行場ほか七件、それから米軍
関係におきましては、
横田の
周辺における
騒音の緩和ということで、同じく
騒音の規制あるいは経路の変更、そういったことを
措置しまして、これが米軍
関係では五件ございます。
騒音の緩和の規制
措置で未
処理の問題が一件手持ちでございますが、これは赤坂プレスセンターでヘリコプターが離発着いたしますので、東京大学から、これをぜひどこかへ移設してもらいたいという要望がございまして、現在この移転先につきまして検討中ということでございます。それから、非常に
騒音がうるさくて電話がよく聞けない、電話料の減免をしてくれという陳情が
横田基地ほか五カ所の
飛行場等から持ち込まれております。これは現在六件ございますが、検討中ということで、未
処理にあがっております。以上申し上げました件数を総計いたしますと、
処理件数が六百七十二件、それから未
処理件数が三百四十九件、かように相なります。
それから次は
水質の汚濁にかかわる問題でございますが、まず
補助金
関係から申しますと、
処理件数が四十件、未
処理件数が同じく四十件ございます。
内容を申し上げますと、演習場等が荒れて
周辺の河川が濁った、あるいは場合によっては井戸水まで濁るというような問題に発展いたしまして、そのために水道
施設を設置してくれという要望、陳情がございました。それに対しまして
処理済みが十四件、現在未
処理の案件が十一件ございます。それから、同じく演習場の
周辺等で、河川が濁るあるいは海岸が使えないということで、プールを設置してもらいたいという要望がございました。それに対しましてすでに
補助金で設置いたしましたのが十三件、それから未
処理件数が二十一件、こういうことに相なっております。それから饗庭野の演習場に関するところの漁業用
施設の設置その他一件が未
処理としまして二件計上いたしております。それから千歳
基地に関するところの汚水排水
施設設置等の要望がございまして、このうち
処理したものが十三件、未
処理が六件、かように相なっております。
それから次は
補償関係でございますが、
処理済みが八件の未
処理がゼロ。この八件の
内容を申しますと、三沢
飛行場におけるところの水稲等の
被害、こういった問題が三沢
飛行場外七件に生じまして、これに対する
補償を特損
補償によって
処理済みでございます。
それから次は見舞い金でございますが、岩国
飛行場において水が濁りまして、
飛行場から流れ出た水によってノリに
被害があった、これに対する
補償をしてくれということで、見舞い金としまして二件払っております。
それから
損害賠償といたしましては、
横田の
飛行場で油送管の
施設の管理が不十分であったために
周辺の井戸水が汚染されたということで、
賠償金を一件払っております。それから神奈川県の小柴の貯油
施設におけるところのノリ等の漁業
被害、こういったものも発生いたしまして、これに対して
賠償金で
処理した、これが七件ございます。
それから、その他といたしまして、入間
基地内で排水の
施設が悪いために――これはすべて
自衛隊の
施設でございますが、浄化貯留槽を新たに設置いたしまして、
施設の
改善を行なって、そういう
障害の
防止措置を講じたということでございます。
以上の件数を合計いたしますと、
処理済みが六十二件、未
処理が四十件ございます。
さらにその次に異議の申し立てという事案がございますが、これは三沢
基地の
周辺におけるところの稲の減収
補償、これの陳情、そういったものを受けまして、一たん特損
補償によって
補償いたしましたが、その額に不服があって異議の申し立てがありました。しかし再度話し合いの上、島松演習場におけるところの水稲の減収
補償以外は、当初当庁できめました
補償金で納得してもらいましたし、島松につきましては、昭和三十四年度末に
被害者からの陳情を受けまして、増額によって
処理いたしております。したがいまして、これは異議の申し立てが五件ありましたが、五件とも
処理済みということでございまして、
水質の汚濁にかかわるものは合計
処理済みが六十七件、未
処理件数が四十件ということに相なります。
それから悪臭等にかかわるもの、これは三沢
飛行場に関するところのごみ
処理施設の設置という要望の事案がございまして、一件は
処理しましたが、他の一件、江田島の術科
学校周辺におけるそういう陳情についてはまだ未
処理でございます。
それから次の
損害賠償でございますが、三沢
飛行場周辺における塩素ガス等によるところの農作物の
被害、これは
損害賠償金を払っております。それからグラントハイツにかかるところの汚水の
処理の
施設が不十分であるので
周辺が非常に悪臭で困っておるということで、これは米軍と折衝いたしました結果、米軍のほうで
施設の
改善を行なっておりまして、どうやらこの問題も
処理されておるということでございます。それから大宮駐とん地のじんあい焼却場の
改善等につきまして地元から陳情がございましたが、これらの
施設につきましては、
自衛隊みずから
施設の
改善を行ないまして問題を解決したということでございます。
それから振動にかかわるものにつきましては
賠償で六件ございますが、これは千歳
基地周辺におけるところのジェット機の衝撃波によるところの放牧馬等の
損害でございまして、千歳以外に
板付、厚木、
横田等の
基地がございますが、これは
賠償金で六件
処理しております。
それから
補助金といたしましては日出生台演習場の出入路の戦車その他の重車両が通行する際に振動を生じまして、家屋の屋根がわらがずれるということで、これは道路を舗装するということで
補助金で
処理してほしいということで、現在これは検討中でございます。
それから見舞い金といたしましては、三沢
飛行場の射爆場
周辺におけるところのジェット機の衝撃波による窓ガラスが割れたという問題、これにつきまして見舞い金で
処理しております。
それから地盤沈下にかかわるものでございますが、これは輪島のレーダーサイトの出入路の設置のため、地すべりが頻発いたしまして農家や農地を損壊したということで、これも善後
措置としまして、地すべりの
防止工事の
補助金を交付しております。それによって
処理しております。それから同じくその農家等に地すべりによって
損害が起きましたので、
特損法によりまして見舞い金を支給して、これも
処理済みということでございます。
それから、テレビジョンの受信
障害にかかわるものといたしましては、
横田の
飛行場ほか八件の
飛行場の
周辺でテレビジョンの受信料の減免区域の拡大という要望がございまして、これは目下NHKと協議中ということで未
処理でございます。ただ当初要望が出ましたところの
周辺におけるテレビ受信料の減免、これは千歳
飛行場ほか二十カ所の
飛行場周辺でそういった陳情を受けましたが、それは一キロ、二キロの長さにおいてテレビの受信料を減免するということで、その部分につきましては、昭和三十九年の四月に一応解決しておりますが、さらに区域を拡大してくれという陳情、これがまだ未
処理であるということであります。
最後に、土ぼこりにかかわるもの、これは北海道演習場におけるタンク等の通行に伴いまして、農作物に土ぼこりがかぶって
被害があるから何とかしてくれという陳情、要望がございまして、これにつきましては、道路の舗装を行なうことによって
処理済みでございます。それから未
処理の案件といたしましては、六カ所の対空射撃場におけるところの井戸水が土ぼこりによって汚染されるので水道を設置してくれという地元からの陳情等がございますので、これを現在検討中ということでございます。
以上の件数を合計いたしますと、
処理済みの件数が七百七十七件、未
処理の件数が四百五件ということに相なろうかと思います。