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中井委員 この立ち入りのことにつきましては、
考えてみますと、中央でないと立ち入り権がないということになると、これはまあたいへん中央は忙しかろうと思うのです。ここ数年たてばたいへん忙しくなる。そうして小さい事件まで全部東京へ出てくるということになって、私は煩にたえないような
感じがするのです。
それに
関連して、諸外国の
実情を聞いてみますと、英国やドイツあたりのものは非常に強い権限を持っているらしくて、それはそれとして専門家がたくさんおるわけです。
政府が心配しておるのは、おそらく政治的な
判断とかなんとかいうものが非常に大きくなって、専門屋でない者が工場に立ち入ってかってなことを言うので、公正を欠くというふうなことをおそれておるのではないかと思うのであります。それにつきましては、やはりこういう
公害に関する権威といいますか科学知識の非常にある
人たち、これは通産省だろうと思うのですけれども、もっと人員をそろえてやりませんことには――私も数年前から通産省あたり、工業技術院ですか、そういう
人たちの
説明を聞いたり、技術を研究しているところをたずねたりいたしておりますが、いかにもどうも人員が少なくて、そうして何かままごとのようなことをやっておる。特に私は、きょうは見えていませんからなんでございますが、運輸
関係の自動車の排気ガスその他ああいうことの研究の場所に行きまして驚きました。非常に貧弱なんです。でございますから、そういう貧弱な人員や何かで変な立ち入りをやるというと、かえって妥当な
判断が出にくいということもあろうとは思いますが、しかしこれは、
紛争処理は中央の東京だけに立ち入り権ということになってくると、
ほんとうに忙しくなる。その辺に対する手足とか、あるいは通産省あたりの
公害に対するかまえが、どうも非常に少なくて貧弱であるというようなことを私は
感じるわけですが、どうですか。
通産省の
公害部長にお尋ねいたしますが、これは
ほんとうに科学技術を基礎とした正確な
判断をいたさねばなりません。たとえば私の選挙区にあります
四日市の亜硫酸ガスなんというものは、無色無臭のものだそうであります。ところが市民は、二十数万おるうちのもうほとんど九五%までは、そういう亜硫酸ガスが無色無臭なんということは知らないで、くさいにおいがする、あれがそうに違いないというふうなことで、基本的な誤解があるわけです。したがってその対策等につきましても、においがしなければいいと思っておるというふうな
考え方等もありまして、そういう点で非常にやはり立ち入り権が重要であるし、その場合に専門家がそれに絶対参加する必要がある。と
うしろうばかり幾ら寄って対策を立てておったところで、これはだめだと思う。その人的な構成といいますか、かまえといいますか、そういうものについて
政府はどう
考えておるのか。イギリスあたりには、そういう
公害関係の専門の技術家がおって、それは数千名おるという話を私は聞いておりまするが、その辺のところをひとつまず通産省
関係の人から
説明をしてもらいたい。
最後にまた、立ち入りが地方の審査会でできないということでは、
ほんとうの切実な対策は生まれない。東京からいつ幾日行くというようなことを言うて、――それは私どもの長年の経験ですが、やってくるときには、なるべく
公害に影響のない、たとえば油をたくにしましても、亜硫酸ガスの一番少ない油をその日に限ってたくというようなことになりまして、どうも隔靴掻痒の感があるわけです。ですから、その辺のところについて、ひとつお答えを願いたいと思います。