○金丸(徳)
委員 ことし
冷害ワクを何か隠された潜在
被害のような形がありまして、おかしい、おかしいと気がつきながらも、しかし形、ふさなどの
状況もよかったものですから、それほどでもなかろうなどと
現地の農民は希望的
意見を持って見ておったようでありますが、これがだんだん、刈り取ってみると穂先が軽かった、さらにこれをこいでみますると目方が意外に少ない、脱穀してみると中に青いもみなどがたくさん入っておるというようなことからして、びっくりしておるようであります。もちろんその間におきましては、青枯れ、青立ちというようなところもあったわけです。そういうところについては県のほうでも十分警戒いたしておったのでありますが、これほど深刻に激甚であるとも思わなかったようでありまして、その点につきまして多少御
報告がおくれ、措置のお願いがおくれておることにつきましては、事情がそういうことでありまするので、今後さらに詳しい
状況を持って出てまいると思いますから、これについてはひとつさような目をもって好意的にごらんをいただきたいと思います。
そこで、私一つお願いをいたしたいのは、この
要請の文書にもありましたように、昨年も同じような
冷害を受けておる、ことしもそういうことであってはいけないということで、品種の選択あるいは植えつけ時期の促進というようなことについても十分注意をいたしたようであります。しかし、どうも
天候というのは皮肉なものでありまして、その注意のまた裏をかくような
状況になって、大事なときにおいて急に
冷害が来てしまった、そのためにこのような激甚を二年続けて受けなければならなかったということでありまして、
被害農家としては、通常の台風あるいは
集中豪雨というようなもの以上に深刻なものを受けておるようであります。ことに、これは感情論になるかもしれませんけれ
ども、よその県あるいはよその地方が一〇四とか一〇八とかあるいは多いところは一一〇というような増収
指数を示しておるようなときにおいて、ごく小地域ではあるにいたしましても、
災害が非常に激甚であるということからしますると、感じといたしましては、
被害度といいますか、
災害感というものが非常に重大、重くかつ大のように思われるのであります。したがって、ことしのそうした
災害につきましては、特別あたたかい目をもって見てもらわなければならないのではないかということが一つであります。
もう一つ、ことし及び去年にわたって
冷害の
被害を受けたところは、
陳情文にもありましたように、高冷地、ことにまた山間地であるのであります。そしてこの高冷地、山間地は、何年か前まで
政府のほうでしきりと奨励いたしておりました米の増産問題に協力いたしまして、苦労に苦労を重ねて、高いところに、また山の開拓の困難なところに水田をつくったのであります。
そういうふうに、非常に苦労して始めた米作が二年続きの
被害をこうむってしまった。あるものはもう収穫皆無、あるものは六割ないしは七割の
被害を受けるというようなことでありますから、
被害感というのは非常に大きいのであります。言ってみますれば、ショックが大きかったように思うのであります。したがって、受けた
被害額が、
金額にしてみますと、全体としては少ないかもしれませんが、個々の農家で受ける
被害の感じというものは非常に大きいように思うのであります。こういうものについては、何か特別な目をもって見てもらわなければならないと思うのですが、
政府のほうではいかがお取り扱いでありましょうか。