○小川(新)
委員 薬の効果というのは両刃のもでありまして、適量に与えればこれはきく。化学薬品がきけばきくほどこれは危険な副作用を伴う、これは常識であります。幾ら混乱時ではあるといえども、こういうふうに薬事行政と申しますか保健行政が
市町村に徹底しない。さらし粉の件もしかり。いま言った予防経口薬の件もしかり。
富山は幸か不幸か知りませんが、薬が非常にできる。そのために誤ったこういう薬に対する過信、盲信、もしくは薬に対する甘さと申しますか、薬というものに対する感覚の鈍さ、こういうものがこういう事故を生み出しているのじゃないか。それも一つくらいの町ならいざ知らず、あなたのおっしゃったように一市五町、その人口対象はたいへんなものです。
それで、私の調べたところ、あなたからお聞きしたところによりますと、中田清兵衛薬品KKの
富山市の所長青木正治さん、この方が大量に薬を売り込んだ。これは売り込んだだけではないのですよ。県や国が、伝染病の経口の予防薬を飲ましてはいけないというのにはわけがある。これはこの前の
委員会で私は
説明を受けました。こういうものを誤ってはいけないということが一つ。それに、実際上の伝染病予防薬というものは抗生物質である。たとえばクロマイのようなものである。ところがこれは飲ませると耐性菌ができて危険である。いろいろな理由があって厚生省としては飲ませないのでしょう。それを、そういう
市町村の無知につけ込み、こういう
災害のときに金もうけしょうというその根性がまず第一番目に気に食わない。第二番目には、気に食わないだけで済めばいい。事故が起きた。あなたは軽く二日ないし三日ということをおっしゃっておるが、万が一これがサリドマイド事件のように大きな事故になったら、一体これはだれが責任を負うか。ましていわんや、この前の
委員会においては、私はこの問題を徹底することを厚生省にお願いしました。しかるに依然としてこういう問題が徹底していない。私がなぜこうやって食いつくかと申しますと、
制度資金の問題とか
災害対策の公共土木の
復旧とか、それはもちろん大事ではありますが、事人命、健康に関する問題は、何はさておいてもこれを徹底し、改革をしていくのが私は政治の常道だと思う。しかるに、こういう
委員会でわずか三人か四人しか議員がいない。だれも出てこない。これだけの大事な問題をいま論じておるにもかかわらずうやむやにされたのでは、次に起きてくる
災害のときにもつと大きな事故が出ないとは、だれもこれは確証ありませんよ。そのときに、
滑川市長に言ったのだけれども守らなかったのだ、
富山県に指導したけれども徹底できなかったのだで済みますか。指導とは、相手に納得のいくまで説得をするのが指導なんです。それをしないで、できません、あるいはしません、これは厚生省
当局の怠慢といっても過言でないと思う。
そこで、再度こういう事故が起きて、たまたま事故にならなかったということによってうやむやにされたのでは、これは大問題です。もしも私が予算
委員会の席上、総理大臣にこの問題を追及したらどういうことになる。厚生大臣がこの席上にいて、厚生大臣に追及したらどうなる。本日は、防災
会議議長の総理も、また当面の最高責任者である厚生大臣もおいでにならない。第一線で戦ってくださるあなたにはまことにお気の毒だけれども、この
委員会でこれだけのことはどうしてもいっておかなければならぬし、議事録にとどめておかなければならぬ。私は次の通常国会の予算
委員会で、公明党がこの問題をもう少し重視して取り上げることを言っておきますので、全
市町村並びに日本全国こういう問題が二度と起きないように、本日この
委員会で指摘があったことを厚生大臣に必ずお伝え願って、閣僚
会議が五日に行なわれるそうでありますから、その席上この問題が対象になることを私期待しておきます。この点が第一点でございます。どうかひとつ、ただいま申し上げましたように伝染病予防薬に対する非常にあいまいたるものの考え方、また指導の不徹底、これはこの前の
委員会以来追及しておりますので、何とぞきょうお帰りの節には大臣によろしくお伝え願いたい。小川が申しておるのではなくして、国民がこれを言っているのだという自覚に立ってひとつお伝え願いたいのです。よろしくお願いいたします。
以上をもちまして、薬に対する質問は終わらしていただきます。御苦労さまでした。
次に、予算の問題でお尋ねいたします。ほんとうはこれも大蔵大臣もしくは
床次総務
長官にお答え願わなければならぬ問題で大事な問題であります。
災害が連発しておりますが、総合予算システムの中で補正予算を組まずに
昭和四十四年度を一体乗り切れるのかどうか。また公務員の給与問題等非常に大きな社会問題になっております。こういう問題に対して、
災害対策の予算をとるのか、また、公務員給与問題で世論のうるさくなった今日、完全実施という点に踏み込んで、はたして一体補正予算を組まずにできるのかどうか。私はその点、まだはなはだ疑問な点があるので、政治的姿勢はともかくとしても、計算的、数字的にいってはたしてこれが可能なのかどうか。いままで起きてきた
災害の損害から見て予備費等の中でまかなえるかどうか。この点についてお答えを願いたい。