○手塚
政府委員 御
質問は二点あったかと思いますが、
一つは訓練飛行場を早急に設置すべきではないかという問題、それからもう
一つは空の管制を再
検討すべきではないか、この二つの御
質問かと思います。
第一の訓練飛行場を早急に設置する問題でございますが、現在乗員の訓練をいたしておりますのはいろいろなコースと方法、場所によりまして行なっております。御承知のとおり国内用のプロペラを主としました乗員の訓練につきましては、国内の飛行場を数カ所使っております。
中心となります航空大
学校におきましては、御承知の
宮崎を使い、各日航、全日空等の自社でやっておりますもの、あるいは航大の分校で最近仙台に設置をいたしまして、これらでやっております。これらを基地にいたしまして、その先の国内の飛行場を使っておるものもある。しかしながら、実は私
どもが一番問題にもしておりますし、
先生の御指摘の御
中心もそうだと思いますが、ジェット機用の訓練飛行場というものが国内に現在ないわけでございます。これを現在
実施しておりますのは当初におきましては、ここ数年来まではハワイにおいて
実施をいたしておりました。昨年の十一月から米国のシアトルの南にございますワシントン州のモーゼス・レークの飛行場、ここに日航が
中心になりまして、訓練センターといいますか、そういったものをここに置きまして訓練を
実施しておる。なおまたこれ以外に米国の会社の訓練専門の会社に委託をしてやってもらう、こういう事態になっております。幸いモーゼス・レークにおきます飛行場は、従来米軍がB52の基地として使っておりました非常に広大な場所でございまして、この空港からこういった米軍の軍隊が全部撤収をいたしましたので、地元も大いに誘致につとめまして、そこへ日本航空が乗り込んだ、かような経緯になっております。現在までのところ、この空港ではさして支障はございませんが、ここでは先々まで永久的にやるかということになりますと、やはり問題があるわけです。たとえば外貨にいたしましても、年間約邦貨八億円に該当するような外貨が流出する、あるいは教官、機材等の
法律的な運用という面において必ずしも適当ではない。そういうことで訓練の会社、回数、機数というものがふえつつあって、
現状のままでいきますと、またこういった状態で相当窮屈なことになってくる、かようなことが予見される問題であるわけでございます。なお先般ここで事故もあったわけでございまして、事故の原因については目下調査をしておるわけでございます。
そういったことを総合的に考えますときに、われわれもかねがね
検討、調査をしておりましたが永久的な、いま申し上げました不都合を解消するようなジェット専用の訓練飛行場をどこかに求めたいということを考えておるわけでございます。御承知の空港整備五カ年
計画におきまして、やはりそういった問題を考えて予算面も進めてまいっておるわけですが、
現実の問題といたしましてなかなか適地が見つからない。巷間いままで話題になりましたたとえば硫黄島にいたしましても、内地の空港から相当距離が離れておりますために、ここで飛行機が飛びますのには訓練時間が非常に制約を受ける。オールタネートの飛行場までの燃料等を搭載したままで訓練をいたしますので、非常に訓練時間に制約がある。あるいはここへ訓練用の燃料を輸送するのに非常にコストが高くつくというような問題等がございまして、必ずしもここは適当ではないというようなことになっております。
訓練飛行場で一番やはり重要な要件と考えますのは、ただいま申し上げましたような効率的な訓練ができるということが第一だと思いますが、さらにジェットの訓練でございますので、騒音が非常にはげしいということで、周辺に対しましてそういった騒音等が問題にならないような場所ということがどうしても必要な要件になると思います。そういう
意味で実は基本的には島というのが適当ではなかろうかというので、ただいま申し上げました硫黄島などは候補の有力なものとして考えてまいったわけでございます。そのほか内地等におきましても、やはり島で適当なものがないかということでさがしてまいりましたが、一長一短がございまして、どうも内地並びにその周辺におきましては現在までのところ
結論に至る適地がないという状態でございます。ただ一方、これも御承知かと思いますが、沖繩の一部の島に、いまの騒音問題あるいは運航の能率あるいは気象、そういった問題として適地ではなかろうかと一応考えられますようなものが二、三現在考えられております。飛行場設置に伴いまして地元の皆さんに御迷惑のかかることのみならず、土地の取得の
観点からいきましても適当と思われるものでございます。ただ沖繩の現在の地位その他にかんがみまして、やはり地元としての琉球
政府の御協力が得られなければわれわれとしては独自にこれを推進することもいかがかというようなことで、現在力を入れておりますのはこの地元の御協力が得られるかどうかという点で、実は琉球
政府と密接な
連絡をとりながら、できればこの沖繩はいかがかということで、最も有力な候補ということでただいま
検討しておるわけです。昨年来二、三回当方もここに出かけまして、いろいろ
検討いたしましたが、そういう状態でさらに
検討を進められれば進めていきたいという考えでおります。
次の空の管制の再
検討の問題でございます。
御承知のように飛行機の
交通量が非常にふえてまいりまして、私
どもの長期の見通しといたしましては、五十年におきまして、空港周辺の
交通として現在の約二倍、エンルートの
交通といたしましてやはり九十三万機という、
現状の二倍くらいになると想定をいたしますし、六十年になりますと、さらに空港周辺で
現状の五・三倍くらい、エンルートも約三倍くらいになるだろうと想定をいたしております。現在羽田等におきましては、御承知のような工事という問題もかみ合いまして、そういったやや混雑を来たしておるという事態がございますし、こういった増加に対処すべき成田の新空港というものも近く運用が開始される予定で努力がされておる最中でございます。こういった
現状から見まして、御指摘のとおり管制について十分これらに対処するような
検討は行なわなければならないと考えております。
検討の方法、現在やっております内容といたしましては、やはり緊急な
対策と長期にわたる
対策という二方面から
検討を進めております。羽田の混雑のような状態につきましては、やはりこれに対処する緊急
対策が必要だと考えております。これにはやはり器材、管制用の
施設の整備、要員の増員あるいはこれらの訓練、さらには管制方式といたしまして、御承知の木更津一方からのILSによる誘導というものをさらに効率的にルートを分けるというようなこともただいま
検討をいたしておりまして、これらも
一つの緊急
対策と考えて鋭意急いでやっておるつもりでございます。
〔稻村(左)
委員長代理退席、
委員長着席〕
新空港ができ上がりますと、関東周辺におきます航空路、空域というものをこれまた全面的に改定をする必要がございます。これにつきましても現在鋭意努力をいたしております。
長期の問題といたしましては、これは専門用語になって恐縮でございますが、いわゆる特別管制空域を設定をする、あるいは広域管制区を拡大をしていく、さらには管制間隔を短縮して、やはり数の多くなるものの能率よいさばき方を考えるというような問題がございまして、中の、いま申し上げました一部につきましてはある程度の
実施をやっておるところもございますが、こういったものも全面的に使用していくことを考えなければならぬと思っております。
さらに、やはり米軍飛行場なり関東
地方の空域との
関係もあるかと考えるわけでございますが、こういったものも米軍飛行場との
関係をいかにするかというような関連におきまして、根本的に再
検討していかなければならぬ、かように考えておる次第でございます。