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岡沢委員 消防庁非常に積極的でございますし、先ほど消防隊員用のテキストブックがあるということをおっしゃいました。私もきょう
質問をするのにこうして総理府、警察庁、厚生省、文部省、ずらっと来ていただかなければならない。
交通安全対策全体が各省庁にわたっておるという
一つの適例かと思いますが、またそれぞれ決して無
意味ではなしに、部門が違うし、関連があるわけでございますけれ
ども、最終的にやはり行政の一元化と申しますか、いま私が申し上げました、またお願いいたしましたテキストブックにいたしましても、あるいはスライドにいたしましても映画にいたしましても、最終的にどこが一体責任をもってやっていただけるのか心配なんです。みなそれぞれ意欲を持っている、また文部省的な小中学校、高等学校の学生に対する教育の場合、あるいは厚生省のおっしゃる専門的な医者、看護婦に対する教材、あるいはまた警察及び消防の専門的なお立場の人に対する教育、それぞれ違うかもしれませんが、大
部分が共通面があろうと思います。大きく分けましていわゆる救急体系、
日本の場合消防
関係の方が中心だと思いますが、あるいは自衛隊員また警察官、あるいは民間であるかもしれませんがボディガードの方々 あるいはアメリカの場合行なわれております工場の医務室勤務者、安全衛生管理者の方、あるいは学校の先生方、こういう特殊職業の方々を対象にした指導的な教材と、一般の市民、ことに運転免許証取得者に対する啓蒙的な教材の二つに分けて、やはり最も適切なのは総理府の宮崎室長のもとで取りまとめていただいて、いいことがわかっているけれ
ども実行しないというのが残念ながらわれわれの欠点でございますから、先ほど申しましたように、これこそ緊急を要する問題としてぜひ取り上げていただきたい。すでに消防庁の岡村正明先生なんかも非常に熱心にこの問題と取り組んでいただいておるようでございますし、また都立墨東病院の四方先生なんかもこの問題については権威者として御勉強をしていただいておるようでございます。そういうその道の専門の方々の御協力をいただいて、玉井さんの御
計画によりましても、二つの種類の映画をつくるのに一千万も要らないという予算的な見積もりもあるようでございます。国家予算から見まして死者を四千人減らすだけでもきわめて安い金額であると同時に、これによって、先ほど来繰り返しておりますような死傷者を減らすこと、あるいは
事故を防止すること、あるいは先ほど来指摘いたしました応用範囲もきわめて広いということも含めまして、時間的な
意味で早急に取り組んでいただく、またその結果を取りまとめて宮崎室長からも私に御
報告いただきたい。そうでないと、またこの問題を取り上げてここでお尋ねをするというかっこうになろうかと思います。そういうことのないようにぜひ具体的な予算措置、また実現についての御協力をお願いいたしておきます。
この問題についての
質問はこれで終わりまして、あとは警察庁の
久保局長と文部省それから総理府の宮崎室長だけお残りいただいて、交通
事故防止と関連いたしまして交通運転者の教育の問題についてお尋ねいたします。
時間の
関係できょうは問題提起くらいに終わるかもしれませんが、交通
事故防止につきましてはあらゆる角度からすでに
検討されております。ことに、
久保局長お見えでございますけれ
ども、一般的に一番手っとり早い方法として取り締まりの面がある。昨年は道交法、特に刑法二百十一条の改正等もございました。また安全
施設の問題がある、あるいはまた車の問題、特に道路の問題等も交通
事故防止の対策面としてすでに十分に取り上げられておりますけれ
ども、私はやはり問題は人の面を忘れて交通
事故防止はあり得ないという立場から若干
質問をし、また御
意見を聞かせてもらいたいと思うわけであります。
私が申し上げるまでもなしに、
昭和四十三年中の人身
事故の発生件数は前年比二一%増の六十三万五千五十六件でございます。死者数は前年比四六%増の四千二百五十六人、負傷者数も前年比二六・四%増の八十二万八千七十一人、そして先ほ
ども指摘させていただきましたように本年度は死傷は百万、死者が一万四千人、二万人に近くなるのではないかという悲しい推定がされるわけであります。
事故の
原因についてもいろいろあります。しかしそのほとんどが
車両側、運転者の過失ということもこれはもう残念ながら事実であります。もちろんそのために先ほど指摘いたしました道路の面、あるいは
施設の面をおろそかにしていいというわけではございませんが、やはり運転者に
原因があるというのが大半の
事故の実態であります。そういうことを
考えますと、運転者の教育ということがきわめて重要視されなければならないのでございますが、現実にはどうかということを申し上げますと、現在自動車運転免許を取る人人の実数につきまして、若干触れてみたいと思いますけれ
ども、昨年度は二百八十万の新しいドライバーが生まれているわけです。そのうちの約七〇%がいわゆる自動車教習所の卒業生であります。免許
試験の全受験者の中で、自動車教習所の卒業生は七〇%強でございますけれ
ども、これを普通免許合格者、これは昨年の場合、二百十七万七千八百八名おられるわけでございますけれ
ども、そのうちで教習所の卒業生は百八十五万七千六百九十四人、実に八五%をこれら自動車教習所の卒業生で占めておられるわけです。この実数は、義務教育学校法による中学の卒業生をはるかにこえておるわけでございまして、昨年の四十三年度の中学卒業生は、百八十四万四千二百七十八人でございますけれ
ども、自動車教習所の卒業生は、二百六万五千八百八十六名、中学の卒業生よりも自動車学校を卒業する数のほうが多いわけであります。
そこで、この自動車教習所でどういう教育がなされておるか、あるいは自動車教習所の法的な位置づけは、どうであるかということを
考えてみたいわけでございますけれ
ども、私は自動車教習所の中での
試験の実態、あるいは教習の実態等につきましては、ここでちょうちょうすることは避けたいと思いますけれ
ども、技能
試験あるいは法規の
試験はございますけれ
ども、いわゆる安全運転教育というのが、法律上は義務づけられていないわけであります。私はこの際、この自動車
事故を防止するためにも、安全運転教育を自動車教習所の教習
内容の中に法的に位置づける、あるいは運転免許
試験を受ける場合には、安全運転教育を受けた、終了した証明書を必要とするというような措置が必要ではないか。あるいは三年ごとの例の運転免許の切りかえにつきましても、単に目の
検査だけが行なわれておるのでありまして、それ以外の一切の
試験はなしに当然に切りかえられる。これは御
承知のように、道路事情、交通事情は全く変わっておるわけでございますけれ
ども、十年前、二十年前に取った免許資格が、何らその後の法令の知識、安全の知識、技能の知識についてのテストなしに、目だけの
検査で更新される。ここにも大きな
事故の
原因があるんではないか。だから新規に運転免許を取る際に、安全運転教育を義務づけることが
一つ。あるいは免許更新時にやはり安全運転教育についての何らかのテストをするる。あわせて技能テスト等も必要かもしれませんん。そういう制度上の改正ということも要求される時期に来ているのではないかというふうに感ずるわけでございますが、これについての交通
局長の御
意見を聞きたいと思います。