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1969-06-19 第61回国会 衆議院 交通安全対策特別委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十四年六月十九日(木曜日)     午前十時三十九分開議  出席委員    委員長 内海  清君   理事 稻村左近四郎君 理事 大竹 太郎君    理事 田中 榮一君 理事 山口シヅエ君    理事 板川 正吾君 理事 山田 耻目君    理事 河村  勝君       加藤 六月君    川野 芳滿君       小峯 柳多君    河野 洋平君       太田 一夫君    久保 三郎君       古川 喜一君    松本 忠助君  出席政府委員         内閣総理大臣官         房陸上交通安全         調査室長    宮崎 清文君         警察庁交通局長 久保 卓也君         通商産業省重工         業局長     吉光  久君         運輸政務次官  村山 達雄君  委員外出席者         公正取引委員会         事務局経済部国         際課長     伊從  寛君         通商産業省化学         工業局化政課長 長宗 正次君         工業技術院標準         部長      久良知章悟君         運輸省自動車局         整備部長    堀山  健君     ————————————— 本日の会議に付した案件  交通安全対策に関する作      ————◇—————
  2. 内海清

    内海委員長 これより会議を開きます。  交通安全対策に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
  3. 久保三郎

    久保委員 自動車欠陥車というものに関連して、二、三お伺いするわけでありますが、まず最初に、タイヤ安全性についてお伺いしたいと思います。  最初運輸省に聞きますが、タイヤ安全基準というか、保安基準というのは、道路運送車両保安基準の中では構造については何も言及していないようでありますが、最終的には構造なり設計、そういう問題についてどこの役所が責任を持つのか、お答えをいただきたい。
  4. 堀山健

    堀山説明員 道路運送車両保安基準におきましては、自動車走行装置ということでタイヤ規定をしております。それは堅牢で、安全運行確保ができるものであること、それから、亀裂コード層露出等著しい破損がないものであること。もう一つタイヤ接地圧でございますが、タイヤ接地部につきましては幅一センチ当たり百五十キロをこえてはならない、こういうことでタイヤと載せる車の荷重と申しますか、そのバランスをこちらでチェックしておる、こういうことで規定しておるわけでございます。
  5. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、タイヤについてはいまお話しがあった項目というか、要点について保安基準ができている。それで安全は確保できるというお話でありますか。それとも、いまお話し項目だけでは、残念ながら自動車のボディー、エンジン、そういうものに比べてあまりにも簡単過ぎてはいないか、こういうふうに思うのですが、これはあなたのほうのいわゆる守備範囲でないからそういうことになっておるのかどうか、その点いかがですか。
  6. 堀山健

    堀山説明員 タイヤにつきましては、日本工業標準規格できまっておりますが、そういう規格で生産され、市販されているものの中から、自動車として取りつけるのを選ぶ、こういうことになっております。したがいまして、その能力以上のものはわれわれとして使うわけにはまいらない、こういう考え方でございます。
  7. 久保三郎

    久保委員 JISマーク指定されたものの中から使う、そういうのは保安基準に何も規定がないはずだと思うということが一つ。それからもう一つは、いまの項目の中で一つ耐久力というか、そういうものだけで選定していくんだというようなことだし、JISマークの中で安全だと思っている、こう言うのですね。それじゃJISをつくる工業技術院のほうではこの工業標準化法に基づいて、タイヤにかかる指定を安全のサイドからいかようにやっているのか、さらには構造上の欠陥なり技術設計欠陥、そうものが今日まで出てきているわけですね。これは通産省からいただいた質料で、日本自動車タイヤ協会、いわゆるタイヤメーカーから出た資料によりましても、いうならばクレームが昨年度一ぱいでかなり出ております。そのクレームの数は四十三年度は少し少なくなったようでございますが、一万五千本以上出ている。そのクレームの中身でも一番多いのはトレッド・セパレーシヨン、いわゆる踏面の損傷事故、これが千八百二十九本出ている。これは交換対象となった損傷だといっています。それ以下、トレッド・セパレーシヨンのバースト、これが千百六十四、それぞれずっとたくさんありますが、それ以外に使用上の原因により生じた損傷として、第一番に多いのが、カットと称して千七百十本ある。それ以下ずっとございます。こういうものについて工業技術院標準化法によって指定したものの中から、これに出てくる標準化指定する場合にかかる安全性というか、品質について、いかよう試験、あるいはいかような判定をしているのか、あわせて御説明をいただきたい。
  8. 久良知章悟

    久良知説明員 お答え申し上げます。  自動車タイヤにつきましては、JISとしまして自動車用タイヤの諸元と申しますか、寸法ですとか荷重でございますとか、そういうものをきめました、いわゆるタイヤの諸元についてのJIS、これをD四二〇二と呼んでおりますが、このJISと、それから自動車用タイヤ空気弁につきまして、形状でありますとか寸法でありますとか、気密検査というようなものをきめましたD四二〇七号という規格、それから、同じく自動車用のリムの輪郭に関し、形状寸法等をきめましたD四二一八という規格。それからその次に、自動車用ゴムタイヤ規格と申しまして、D四二三〇という規格がございます。この四二三〇の自動車用ゴムタイヤ規格につきましては、これは品目指定という指定をしておりまして、一定標準を備えました工場で生産する規格に合ったタイヤには、JISマークをつけてもいいというふうな制度にしておるわけでございます。この四二三〇という自動車タイヤ規格におきましては、おもに使用材料加工方法について規定をいたしております。安全に関係のある品質基準といたしましては、トレッドゴムの引っぱり強さ、それから伸び、同じくトレッドゴム耐老化性、それからカーカスの引っぱり強さ、それから剥離強さ、それからプランジャー試験によります対破壊エネルギー、そういうふうな品質関係のある性質につきまして、具体的に規格の中で規定をしておるわけでございます。  それから、安全に関しまして、それではJISマークをつける工場の資格についてどういうふうにやっておるか、それからその工場の中で生産にあたりまして、こういう点を保障するためにどういう手段を講じておるかという問題でございますが、このJISマークというものの目的は、やはり規格に合った品質タイヤ使用者に供給するというところにねらいがあるわけでございます。第一は、やはりメーカーがそういうふうな品質のいいタイヤを連続してつくる能力があるかどうか、これは、そういう設備を持っておるかどうかということと、それからその設備管理を十分にやっていけるかどうかということを中心にいたしまして、いわゆる統計的な品質管理というものがやり得るかどうかということを視点に置いて審査をするわけでございます。現在四千二百三十の規格につきましては、会社にいたしまして八社、工場にいたしまして十六工場JISマーク対象工場として認可をしておるわけでございます。  それから、会社はどういうふうにやるかということでございますが、これはやはり、つくりますものの品物性質によりまして検査のやり方をいろいろ変えるわけでございます。ゴムタイヤにつきましては、全数検査ということではなくて、一定ロットの中から抜き取り検査をいたしまして、その結果によってそのロットとしての良否を判定するという方法検査をやっておるわけでございます。
  9. 久保三郎

    久保委員 いろいろ御説明がありましたが、結論的に、それでは、タイヤクレームですね、こういうものがあったときには当然あなたのほうに通報があって、これに対してのいわゆる原因調査、そういうものを的確にやるのでしょう。やった結果として欠陥があるという場合には、JISマーク取り消しなり内容の変更を命ずるのか。  それからもう一つは、総括的に、タイヤ安全基準については工業技術院政府側としては最終的に責任を負うところであるかどうか。先ほど来の自動車局のほうのお話では何か完全ではないようですが、いかがですか。
  10. 久良知章悟

    久良知説明員 許可を一度いたしましたJISマークをつける工場につきましては、先ほど私が申し上げましたような、一定品質以上の品物を生産し、それを販売するという義務を課しておるわけでございます。また私どもといたしましても、それを監督する義務があるわけでございます。したがいまして、許可工場に対しましては定期的に検査を私どものほうで実施をしております。その検査の間隔でございますが、マーク対象にしております一般物品につきましては、約六千の工場につきまして大体六、七百程度工場という年間の比率でございます。タイヤにつきましては、先ほど申し上げました全部で十六工場あるわけでございますが、昨年度六工場検査をいたしております。  それから次の、クレームがあった場合の処置でございますが、先ほど申し上げましたのは定期的に検査をするわけでございます。クレームがありましたときに、それが製造工程の何らかの欠陥によるものというふうに考えられる場合には、臨時に検査を行なうことにいたしております。そうしてそれが品質管理上の欠陥からくる不良品ということでありますならば、マーク使用取り消しということを含む行政処分をやるわけでございます。  最後に、安全基準でございますが、JISとしてきめますのは品質基準でございまして、私どもは、安全基準としても使用し得るような品質基準というものをJISの中に盛り込むように常に努力をしておるわけでございまして、これを安全基準として使用するかどうかということはやはり運輸省のほうのお仕事だろうと私は思います。
  11. 久保三郎

    久保委員 自動車局整備部長にお尋ねしますが、いま工業技術院からお答えがあったとおり、私もそう思うのです。タイヤといわず車全体の安全確保の最終的な責任運輸省であろう。ところが保安基準には、先ほど来おあげになった簡単な項目だけなんですね。あとはJISに合格したものならばそこからとるのだということは、それを安全基準一つにあげているようであります。しかしそれは別に法律や規則には書いてはおらないようであります。実際行為としてはJISマークのつけられたものはもう安全基準に適合しているものであるというふうに解釈しているようだけれども、いまの工業技術院説明では、品質基準をきめることがまずJISの大きなねらいであります、でき得べくんば安全基準も取り入れてということでありました。これは、言うなら本質的なJISのものではないような答弁がいまありました。これに対してはどういうふうに考えていますか。  それからもう一つ、同じようなことでありますが、タイヤ保安基準というか、安全基準は、先ほどあげたようなことでは事足りないではないかというふうに思うのであります。というのは、このクレームがこんなに出てきている。しかもこれは高速道路上においてかかる欠陥が発生すれば大きな事故になってくるわけであります。ところが、警察庁も来ておられますが、先般も別な席でお尋ねしたのでありますが、事故が起きた場合に、それは道交法違反という、道交法に照らしてまず第一に第一次的な責任を追及していこうというような気がまえでありますから、たとえば事故が起きてタイヤもめちゃくちゃになった場合は、その事故タイヤで起きたかどうかわからぬ、とにかく道交法違反ということで、たとえばセンターラインをオーバーしたとか、それで乗り上げたとかいうようなことで処理されているものがあったのではなかろうかと思うのですね。車両欠陥というか、エンジンブレーキその他の機械的なものの欠陥よりは、タイヤ欠陥のほうが発見しにくいというか、事故原因として解析というか、分析がしにくいのではないかと私は思うのであります。それだけにこの問題は、高速化してくる最近における自動車の問題に考え合わせれば、これの安全確保についてはもっときびしい態度をとっていかねばならぬのではないかということなのです。  まず、それだけお答えいただきたい。
  12. 堀山健

    堀山説明員 タイヤ安全基準という立場で、明確なる表現はしてございませんが、使われておる使い方の問題と、もう一つは、走る場合の条件として、タイヤとして完全な姿でなければならない。先ほど言いましたように、亀裂があった状態とか、あるいはすり減ってまる坊主になっている、こういうものはタイヤ本来の使われ方ではないという意味で、その意味の制限をしておるわけでございます。もう一つは荷物を、あるいは人間を積んだ場合に、その荷重にたえ得るようなタイヤの力と申しますか、それが均衡をとっておりませんと、本来のタイヤ能力が発揮できない。簡単に申しますと、過積載の状態で走るということは、そのタイヤがそのタイヤの本来の目的を発しないで、これがタイヤを摩滅する原因になる、こういうようなことからの押え方をしているわけでございます。そういった意味で、タイヤ使い方としてどうしたら適正な使い方であるか、あるいはどのような使用者注意義務を払えればタイヤ事故が起こらないか。これは使い方の問題として定期点検基準というものがございますが、その中に、タイヤ摩耗とか損傷とかあるいは空気圧が適正な状態で走らなければいけない、こういうことを言っておるわけでございます。でございますから、使い方と、自動車としてそのタイヤがふさわしいタイヤであるかどうかということを、この接地圧という数字であらわしておる、こういうことでございます。
  13. 久保三郎

    久保委員 接地圧だけで安全——もちろんそれも一番大事なことの一つでありますが、接地圧だけでタイヤが安全だということ以前に、タイヤそのものが安全であるかどうかですね。空気を入れない状態の、つくったときの、設計とか材質とか、それはあなたのほうじゃなくて、工業技術院責任である、こういうのですか。そこでやるというのですか。いかがですか。
  14. 堀山健

    堀山説明員 現在の保安基準の立て方は、いわゆる機能と申しますか、自動車としていろいろな部品の組み合わせがございます。その各部品が重なって自動車としてどのような機能を発揮するかというその機能押え方ということできめておりますので、個々の材質その他についてはきめておらないわけでございます。
  15. 久保三郎

    久保委員 工業技術院に聞きますが、あなたの先ほどお話では、タイヤについて御答弁がありまして、JISのねらいというのは品質標準化基準をきめるのである。しかし、これからは安全の基準についてもひとつ取り入れていこうというふうな、あまり責任というか、どこが一番安全を確保する態度仕事をする場所なのか、いまお二人のお話を聞いているとちょっとよくわからぬのでありますが、あなたのところでどうもとりそうなんですが、その点はどうなんですか。
  16. 久良知章悟

    久良知説明員 先ほど申し上げましたように、JISそのもの品質基準と申しますか、それをきめるわけでございますが、その品質基準そのものがそのまま安全基準として使われることが理想だと私は思います。私どもといたしましては、JISマークをつけましたタイヤが、きめております品質基準を満たさないということについては責任があるわけでございます。JISマークをつけておるタイヤは全部そういう品質基準を満たしておるというふうな状態にするように努力をしておるわけでございます。
  17. 久保三郎

    久保委員 どうも質問のしかたが悪いのか、これははっきりしませんね。  ところで、それでは質問のしかたをちょっと変えていきましょう。  警察庁にお尋ねしますが、いままでタイヤクレームがかなり出ているのです。しかし、それがクレームでありますから、おそらくタイヤのことでありますから、事故に関連して出てきたものはほとんどないと思うのです。しかし、いままでの警察がタッチした自動車事故の中で、タイヤに起因するものがあったかどうか、いかがでしょう。
  18. 久保卓也

    久保政府委員 私どものほうの統計では、再々申し上げておりますように、整備不良車両ということで統計をとっております。その整備不良の車両の中味は一つはハンドル、一つブレーキ、その他となっております。したがいまして、その他の中では、タイヤの件は各県の事故の原票を見ればわかるかもしれませんけれども警察庁に対する報告の中では全然あらわれておりませんので、私どものほうではよくわかりません。
  19. 久保三郎

    久保委員 大きな事故があったときには、これはもちろん特定の事業者に限られておりますが、自動車事故報告がなされるわけであります。これは運輸省になるわけですね。それじゃ運輸省では、そういう事故報告があったためしがあるかどうか。
  20. 堀山健

    堀山説明員 私ども統計的には——主として高速道路でございますけれども高速道路で、道路公団ないしJAFという組織で車両故障サービスをいたしております。そういうところでいままであったデータを私どもは集めて、首都高速と名神、東名についてはそういうデータを持っております。
  21. 久保三郎

    久保委員 データをとっているとおっしゃるが、それじゃその事故があったということですか。タイヤ欠陥に起因する事故がいままでにあったということですか。
  22. 堀山健

    堀山説明員 タイヤに起因するトラブルがあった、特に速度の早い道路ほどその率が高いという統計が出ております。したがいまして私どもタイヤ維持管理につきましては特に高速になればなるほど注意を払わなければならないということになりますので、実は昨年の十月三日に高速走行自動車点検要領というものをつくりまして、これはタイヤだけでなくて車全体の操縦装置なりあるいはタイヤなりエンジンなり、いろんな、そういう道で起こる事故統計をとった結果に基づきまして調べたわけでございますが、タイヤについては、タイヤ摩耗状態タイヤ損傷状態タイヤ空気圧、この三つが安全上必要なきわめて大きな要素である、かように判断いたしまして、その三つの点につきまして点検要領を定めまして、これをいろんな機関を通じて普及しておるつもりでございます。
  23. 久保三郎

    久保委員 いまのお答えだというと、何かあるにはあるが、使用上の注意ぐらい与えているようでありまして、タイヤそのものについての事故解析というか、そういうものが全然なされていないのではないかと思うのですが、これはあなたのほうの職分の範囲外なんですか。事故報告をとった場合に、これを分析して適切な指示を与えるというのが当然じゃなかろうかと私は思うのであります。  それからもう一つは、そういうものがあった場合に公表をあまりしない。これはいままで欠陥車の問題でメーカー公表の問題が非難されておりましたが、タイヤについてというより、運輸省自体公表も怠っているのではなかろうかと私は思うのですが、これはどうなんですか。
  24. 堀山健

    堀山説明員 この高速走行につきましては、先ほど申しましたように、いままでの経験的にタイヤ故障というものがウエートが高いということでございましたので、高速点検要領としていろんな項目がございますが、その中でタイヤについては摩耗損傷空気圧、これが適正でなければいけないということで点検要領をきめて、これは広く公表したつもりでございます。それから、たとえば交通安全旬間とか、そういったときには警察庁当局協力も得ますし、民間団体協力も得てタイヤチェックして、その関心を深める、こういうことにいたしておるわけでございます。
  25. 久保三郎

    久保委員 それじゃ次に、通産省に、これは化政課長さんおいでになっておりますから、課長さんにちょっと説明してもらいたいのでありますが、あなたのほうからいただいたこの日本自動車タイヤ協会からの報告書の中にあるクレームの中で、交換対象となる損傷があった約四千本ぐらいのタイヤですね。これはどんな状態で見つかったのか、そういうことについてはあなたのほうではおわかりにならないのか、あるいはおわかりにならないとするならば、工業技術院としてはこういう報告を聞いておって原因を調べているのかどうか、いかがですか。
  26. 長宗正次

    長宗説明員 お答えいたします。タイヤ協会がやっておりますアジャストメント委員会と申すものがございますが、それはユーザーの方の申告に基づきまして、そのタイヤ製造上の欠陥があったかどうかということを判定いたしましてやっておるのでございまして、ユーザー申告を待った上でこういう措置をとるということでございます。
  27. 久保三郎

    久保委員 それで十分だと思いますか、いかがですか。
  28. 長宗正次

    長宗説明員 その点につきましては、先ほど工業技術院のほうから回答しておりますように、JISのルートを通じまして安全性を高めるという努力をしておるわけでございます。
  29. 久保三郎

    久保委員 JISのほうを通して安全性を高めるということでありますが、それじゃ、今度また工業技術院お話になるようでありますが、同じようなことをお尋ねすることになると思うのですが、工業技術院としていまのようなクレームを承知しているかどうか。それは具体的に一本一本の特殊な事情があると思うのですね。そういうものは検査されたかどうか。それから単にユーザーからメーカーに対してのクレームであって、メーカーからこういう何本かいわゆるトレッドセパレーシヨンでありましたというような報告を受けておって、それはもう少し改善したほうがいいというような程度注意でも与えておられるのかどうか、それとも積極的に工業技術院がそれに取り組んで、さらに安全な基準をつくるようにくふうして今日まできておるのかどうか、いかがですか。
  30. 久良知章悟

    久良知説明員 一般鉱工業製品品質管理につきまして許可工場検査ということにつきましては、先ほどお話し申し上げたとおりでございますが、実はことしから消費財それから安全衛生に非常に関係の深い物品、そういうふうなものにつきましての許可工場検査というものを、でき上がりました製品についての品質を調べるというふうな形で、これは年に一回必ずやるようにしようということで努力をいたしておるわけでございます。自動車タイヤにつきましては、ことしにつきましてはその対象にしていないわけでございます。先ほどから先生もおっしゃいましたように、高速化ということからやはりタイヤ品質が直接そういう災害に結びつく度合いがだんだんと高まってきておるというふうに感じておりますので、来年からはタイヤもひとつこの対象に含めるように予算の措置その他を検討していきたいと考えております。これが第一でございます。  それからJIS内容そのものでございますが、やはり高速化ということが避けられない実情でもございますので、高速化に相備えました——現在のJISでもJISそのもの内容というものが高速化に対して不十分であるというふうには私ども考えていないわけでございます。列国のタイヤ規格基準と遜色のない水準にあるというふうに考えておるわけでございますが、やはりそういう社会的な傾向と申しますか、一般的な傾向は避けられない状況にございますので、近いうちにタイヤについてはもう一度見直しをするというふうに考えておるわけでございますが、その第一着手といたしまして、やはりJISをきめる、JIS品質水準をきめるためには、その品質水準についての検査方法ということをまず最初にはっきりときめなければいかぬという技術的な必要性があるわけでございます。そのために、高速時のタイヤの持たなければならない特別な性質、そういうものを試験をする試験方法についてのJIS規格を現在準備いたしております。摩耗でございますとか、発熱でございますとか、破損というふうなものを調べますのにドラムの試験方法という試験をやるわけでございます。その試験方法についての規格をつくろうということにしておるわけでございます。ことしじゅうにその原案をつくり上げたいと考えておる次第でございます。
  31. 久保三郎

    久保委員 そのドラム試験をあなたのところで直接おやりになりますか。  それからもう一つは、あなたのほうでは、メーカーにまさるとも劣らないようないわゆる試験機能とか技術陳営というか設備というか、そういうものをお持ちでありますか。
  32. 久良知章悟

    久良知説明員 先ほど申し上げました試験そのものは、これは生産工程におきます品質管理ということを中心にしてやるわけでございまして、私どものほうで直接タイヤについてのそういう試験設備というものを持つことは考えていない、それから現在持っていないわけでございます。
  33. 久保三郎

    久保委員 それではどこで試験されるのですか。たとえばいまお話しのドラム試験、何かを回してその上にタイヤを置いて、それでどれだけ摩耗するかとか、試験されるのでしょうが、それはどこでおやりになるのですか。
  34. 久良知章悟

    久良知説明員 ただいまつくろうといたしておりますのは、試験方法JISでございまして、これはそういう試験について専門的な知識を持っておられる方、これはタイヤを使うユーザーのサイドにもありますし、それからタイヤメーカーのサイドにもありますし、いろいろな国立の研究所、学校というふうなところの中立の立場にあるそういう学識経験を持たれた方もあるわけでございます。そういう方々で専門委員会をつくりまして、その委員会でこういう規格の審議をしていただく、そういうシステムになるわけでございます。
  35. 久保三郎

    久保委員 わかりました。自分ではやらぬが、こういう試験をやれという規格をきめてやらせるのだということ、これは必ずしもいまの問題に全然プラスではないとは言いませんけれども、決定的なものではなさそうにわれわれ自身は思うので、これはいずれあとからまたよく検討してお尋ねをしたいと思うのであります。  それで時間も進んでまいりましたから、次に警察の交通局長は何か参議院のほうへ回られるというのでありますから、ちょっとあなたを中心に先にお尋ねします。  いろいろいままでもお尋ねしておりますが、過去において、たとえばサイドミラーのとんがりのものがあって、これによる事故があったとか、あるいはドアの取っ手が表へ出て、そのために死傷事故が出たという過去の事故が幾つかありました。そのたびにその構造運輸省のほうからの指示によって改善されたことば事実であります。そういう事故のあと始末はだれが責任を持ったのか、おわかりでありましょうか。
  36. 久保卓也

    久保政府委員 当事の話を簡単に聞いたことがありますが、いまの二つおあげになりました事件につきましては、そのことについて当事者、つまりメーカー側でありますが、について予見可能性がなかった、つまり通常の状態で走っておりました場合に、被害者といいますか、人をひっかけるであろう、そういった事故が起こるであろうという、そういう予見可能性がなかったということで過失は認められなかったということで処置されたというふうに聞いております。
  37. 久保三郎

    久保委員 それははなはだしく不当だと思うのですね。それじゃ、いままでのことはそれとして、いまのような見解で今後もいかれることなんでしょうかね、政府としては。いかがでしょう。
  38. 久保卓也

    久保政府委員 刑事上の責任は言うまでもなく業務上過失傷害ということでありますから、業務上客観的に見て必要な注意義務を払っておったかどうかということが法律的には問題になりますので、その点に焦点がしぼられるわけでありますし、ことに車の今後の構造上の欠陥につきましては、いろいろな車の使用状況なども総合して勘案してみなければなりませんので、具体的な事案に即して考えてみたい、かように考えております。
  39. 久保三郎

    久保委員 しかしそれは、ケース・バイ・ケースでお考えになるということ自体は、いまはっきりした二つの例をあげたわけですね。これはそうでなかりせばということであって、当然ちょっと考えれば常識的にわかることだろうと思うのですね。そういうものによる事故については当然メーカーが、あなたがおっしゃる業務上の注意を怠ったという的確な例じゃないかと私は思うのですね。それをいまケース・バイ・ケースで——もっともわきへ人間が来なければそんなことはなかった、こういうことでありますが、そういう考えが今日いろいろ欠陥車の問題を大きくした一つの理由でもあるんじゃないかというふうにわれわれは考えておる。車が人間のいる中を走る、あるいは人間が走る、そういうこと自体にひとつ大きな責任を持たなければならぬ。というのは、車は一つの凶器であるという、極端かもしれませんがそういう表現さえある。人間の注意力は限界があるという前提に立てばこれは当然だと思うのですね。そういう意味からいって、いまのケース・バイ・ケースでお考えになるということはいかがかと思うのです。これはもう一ぺんこれから検討していただく必要があると思うのですが、どうでしょうか。
  40. 久保卓也

    久保政府委員 私も若干法律を勉強してみたわけですが、自動車が凶器であるという考え方があります。そこで車をつくること自体がすでに危険を世の中に放しておる、あるいは事故を予測させておるということにもなるわけでありますが、そこに信頼の原則があるそうでありまして、歩行者も車も相互に交通のルールを守っておれば事故は起こらないはずであるということで、自動車の生産の認められるというのがものの考え方だそうであります。  ところでいまの問題につきましては、警察の場合では一般に事件の捜査、その前に防犯という行為もあるわけであります。ところが防犯の場合には通常の人の行為について防犯的な措置を講ずるわけでございますが、一般的に機械の問題に関しましては防犯的な措置でいろんなことを考える、予告をするということも考えられるわけでありまするが、しかし、たとえば飛行機であれ汽車であれ船であれ、あるいは自動車であれ防犯的な面、つまり保安的な面につきましては、それぞれの行政官庁にゆだねまして、事件の起こった際に、そのときにだれが責任があるかということを追及するというのが警察の立場ではなかろうかというふうに考えます。
  41. 久保三郎

    久保委員 私はここに印刷物を持っているのですが、ある人の書いた書物の要約したもののようであります。その中でいまのような問題について言及しているわけです。こういうことを言っているのですね。「自動車と人間がぶつかれば間違いなく人間が死傷する。」これは当然ですね。「この典型は車対歩行者の事故である。しかし車の外装にもっと配慮があれば、たとえ衝突があっても歩行者の傷害の受ける程度を軽くできるはずである。」ということを言っている。これは当然だと思う。ところがそういう観点からいけば、いまあげた二つの例などは当然配慮があってしかるべきだ、こういうふうにわれわれはこれを契機に考える必要があると思うのです。いままであまりにもこういうわかり切った原則を忘れがちであったのじゃなかろうか、そういう反省がこの際必要だと思うのですね。だからそういう意味で私はお尋ねをしているわけなんであります。そういう意味からいっても、もう少し厳重にやるべきだろうと私らは思うのであります。これはたくさんそういう意味のことを書いてありますが、時間の都合もありますから省略しておきます。  そこで現在警察庁は、欠陥車公表がなされたについて、警察庁としても業者からそれぞれ事情を聞いている。その中で、すでに新聞にも発表されたようでありますが、何件かは直接その自動車事故関係あるものが出てきたように発表されております。それはそのとおりでありますか。
  42. 久保卓也

    久保政府委員 現在の段階では、新聞に報道されておりまするものは、各警察署で捜査中のものでありまして、確実にこれのものであるとして私どものほうに報告をまだ受けておりません。そこで私どものほうでは、いまのところまだ個々の問題で報告を受けると申しますよりは、六月初めまでの事件の総点検ということで、その結果を七月一ぱいくらいに求めたいというふうに考えております。
  43. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、いま捜査中のものについてのみ、いま問題になっている点も含めて捜査をしよう、こういうことでありますか。
  44. 久保卓也

    久保政府委員 現在新聞に出ておりまするものは、各警察署で捜査中のものでありますが、私どもが各県から報告を求めようとしておりまするものは、この一月から六月までという、その範囲に起こったものであります。
  45. 久保三郎

    久保委員 その中で、いま調べ中でありますから、はっきりと車両欠陥に基づくものである、であったというふうなことはまだ出てきませんか。
  46. 久保卓也

    久保政府委員 具体的な問題として私どものほうで報告はまだ受けておりません。
  47. 久保三郎

    久保委員 方針としてはそういうふうにさせるつもりでありますか。
  48. 久保卓也

    久保政府委員 一月から六月までの事件の中で、車両欠陥事故原因がある、そうして運転者のほうにその責任がある場合もありましょうし、ない場合もありましょうが、それが明確にその欠陥につながっていると思えるものは、それはすべて報告を求めます。
  49. 久保三郎

    久保委員 それは報告を求めるだけですか。それによる手続というか、それはなさらないのですか。
  50. 久保卓也

    久保政府委員 そこでまず実態を把握するということが肝心でありますので、一体どういう車種でどの程度のものがあるのか、またその原因がどういう欠陥であったのかということをまず把握いたしまして、その次にはそれを対象にいたしまして、今度はそれぞれの自動車使用状況あるいは使用期間つまり買ってすぐに事故が起こったのであるか、あるいは相当期間乗った後に事故が起こったのであるか、相当期間たっておりますれば、これは途中で整備をいたしておるわけでありますから、整備の関係がどうであったかというようなことを調べなければならない。その整備の中でもそれぞれの整備者が適当な注意義務を払っておったかどうかということを総合的に調べた上で責任がどこにあるかということが問われるわけであります。そういうことをやるつもりであります。
  51. 久保三郎

    久保委員 その場合にもう一つ責任が出てくると思うのですね。一月から六月まで、もっともいま捜査中のものであるからその結果は出ないのかもしれませんが、過去にいつかも申し上げたのでありますが、あなたではないが、交通課長かだれかにちょっとお尋ねしたことがあるのですが、実際は道交法違反で処分されて、自動車損害賠償法によって損害賠償も済んでいる事故が幾つかあると思うのですね。そういう中で実際は欠陥車であるという場合は、当然メーカー責任は追及される。と同時に、そういう処分をした行政官庁が一つ責任を負わなきゃならぬではなかろうかという考えもあるわけですね。そういうきびしい態度を考えておりますか。
  52. 久保卓也

    久保政府委員 いまの運転者の処分の問題は二つあります。  一つは刑事処分を受けた問題であります。つまり業務上過失傷害ということで裁判所に送られて、すでに判決を受けた者、この場合の考え方は、これは法務省のほうの所管で、私が申し上げる筋ではございませんが、あとで申し上げる行政処分との関係関係がありますので、ついでに申し上げますると、車のほうの責任があったかどうかということとは別個に、運転者に何らかの違反があったかどうか、そこに着目されて、裁判所で判決を下されておるということでありますから、その場合には、かりに車の欠陥があとでわかったということであれば、車と運転者の両方の責任が競合するということであって、運転者の責任がそこでなくなるというものではないわけであります。しかし、もし車の運転者のほうに全然責任がなかったということが判明したとすれば、それは当然再審理ということになろうかと考えます。これは必ずしも車の欠陥の問題だけではなくて、一般の問題と同様であります。同じような問題が、行政処分についても起こるのでありまして、行政処分道交法違反があったかなかったかということに着目をされて行政処分が行なわれるわけでございます。  そこで、車の欠陥があったから運転者は責任がなかったはずだということがもしあとで立証されたならば、それは行政処分そのものが間違っておったことになる。通常の場合には、車の欠陥の有無にかかわらず、運転者が道交法違反をやっておったかどうかということに着目をされて行政処分をやっておるわけでございます。  そこで、もしかりに、設問のように、運転者にほんとうは責任はなかったんだ、車のほうに責任があったんだということになりますと、これは行政処分をやり直すあるいは取り消すということになろうかと考えますが、その場合の公安委員会の責任はどうかということになりますと、公安委員会が故意にそういうことをやるわけではありませんでしょうから、公安委員会に過失があったかどうかという問題でありまして、もし過失があったら国家賠償法で、もし取り消しができないような場合には国家賠償法で賠償が行なわれるということになろうかと考えますが、従来の判決によりますと、そういった場合に、公安委員会がそのときの状況でそういうふうに判断するのはやむを得なかったというようなことで、賠償法の適用はなかったように聞いております。
  53. 久保三郎

    久保委員 わかりました。しかし、今後はわからなかったということではもはや問題は処理できないと思うのです。  そこで、これも手配されてありますが、第一線の警察官に技術的なものを身につけさせようということでありますが、これは十分に身につけさせることができるかどうか。  それからもう一つは、科学的な調査を最終的には厳密にしなければならぬと思うのですね。そういう機構について、あなたのほうはあなたのほうで独自に持つ考えでいるのか、いかがでしょう。
  54. 久保卓也

    久保政府委員 警官はやはりいろんな広範囲な仕事をやらなければなりませんので、技術的に相当深い知識を与えることは、特定の人を除けば困難であると考えます。そうして、一般の交通係あるいは外勤の人たちに対しましては、やはり初歩的な運転の——運転といいますか、自動車の知識、構造上の知識を初歩的なものについて与える、あるいは少なくともどういう点をチェックすべきかということについては、これは教えるべきでありますけれども、現実に事故が起こって、構造上の問題がある場合には、やはり陸運事務所のほうあるいは場合によっては整備工場の整備士、さらには警察の場合に関係者がおりますれば鑑識課の協力を得て調べさしていくということになろうかと考えます。  しかし、将来の問題といたしましては、これは私の考え方で、まだ熟しておりませんけれども、警察に最近大学出、特に理工科系の人たちもだいぶ入っておりますので、これを交通部門にひとつ吸収してまいり、糾合してまいりたい。そういう人たちを車の関係、それから事故分析の関係のほうに回してまいりたい。やや長期的な考え方でありますが、そういうことでありまして、特にそういった部門を設けるということは、せっかく陸運事務所がありますことでありますので、不経済と考えております。
  55. 久保三郎

    久保委員 いまのあなたのお考えから一つは考えましても、さらには、交通事故とは直接関係というよりは——関係はありますけれども、特に路面交通における輸送秩序の維持というか、あるいは進んで輸送調整の問題がきているわけです。これを大都市においてはどうさばくかという問題が、御案内のとおり大きな問題になってきているわけです。そういう問題を含めて警察が、その分野として、いまお話しのようなものも含めて、今後科学的なものも一そう導入しながら人間的にもそういうものを含んで入れてやっていくというならば、いまの警察庁の中で、いわゆる刑事警察や警備警察やそういうものと一緒に混在していること自体はどうも不合理ではないか、というより非能率ではないか。たとえば第一線の警察官が交通事故のこともやらなければならぬ、警備警察もやらなければならぬ、刑事警察も場合によってはやる。たいへん能率的であるかもしれませんが、より交通の問題は高度になってきているわけですね。そうだとすれば、やはり交通警察というのは、警察庁に置くにしても、警備警察や刑事警察と交流というか出入りができるようなことではなくて、独立した立場でこれはおやりになることが一番いいのではないかと思う。こういうことに対しては、御検討を願っているかどうか。いかがでしょう。
  56. 久保卓也

    久保政府委員 現在のところは、当面の仕事に忙殺されておりまして、組織上の問題についての検討まではまだ至っておりませんが、少なくとも警察庁の内部で交通局にもう少し技術的な専門分野、これはただいまお話しになりましたような都市交通、つまり交通の規制ということでありますが、規制の分野、それから事故分析の問題、それからいまの構造上の問題、そういったようなものを所掌する、部の程度のものがあってもしかるべきではなかろうかという感じがいたしております。  それから、第一線のほうでは、これは交通のほうがほかに流用される場合もあるわけでありますが、現実的に申し上げますと、ちょっといま数字を手元に持っておりませんけれども、交通が他の分野から応援を受けておるということのほうがはるかに多いのが現状であります。たとえば刑事事件であれ警備事件であれ、毎日起こっておるわけではありませんけれども、交通の場合は毎日起こっております。したがいまして、交通関係者だけでこれを処理するということはほとんど不可能でありまして、したがいまして交通を他の分野から切り離すことの得、不得はあろうかと考えます。もちろんここで何万人か交通関係者を動員すれば別でありますけれども、一応いま与えられた定員の中でやる場合には、やはりお互いに幾らか手がすいたときに彼此融通し合うということのほうが効率的ではなかろうかと考えておりますが、将来の問題として勉強させていただきたいと考えます。
  57. 久保三郎

    久保委員 次に、運輸省に……。政務次官にお尋ねしたがいいと思う。  十七日に運輸省欠陥車の問題に対しての対策を発表されました。これは、発表して、それぞれの対策を立てることになったのでありますが、これはいうならば結局運輸省の指導方針というかそういう域を一歩も出ないと思うのです。これは前にも運輸委員会で申し上げましたが、やはりかかる安全の問題は一番大事な問題でもありますから、法的な規制をもってこれを担保していくというのがたてまえであろうと思うのであります。ついては、メーカーあるいはディラー、あるいは整備業者、こういうものに対する対策は、これは早い時期に法制化をして法律によって担保する必要があると私は思うのです。これはもはや長いこと申し上げる必要はありません。汽車や電車は、事故が起きればたいへんですね。飛行機もそうです。なぜたいへんかというと、そういうものは一たん事故が起きれば、自分の営業というか、企業の成績に影響してくるわけですね。それから大量でありますから、一ぺんに人間というか、そういう死傷事故になりますれば、当然厳密な、精密な事故調査をしていくわけです。それであるからこそ、安全についてはかなり神経を使っているわけですね。ところが、自動車メーカーは車を売ることだけが可能なんですね。安全の問題はあまり関係ないのです。安全の問題に一番関係あるのは、これはユーザー使用者だけなんですね。いままでの事故も全部そうなんですね。自賠責も、よってもって、これはユーザー責任でやっているわけです。結局事故がどうあろうとも——どうあろうともといったら、たいへん語弊がありますけれどもメーカーはちっとも苦にならない。そういう仕組みになっているのですね。だから、苦にならないから、言うならば企業内部でも性能向上というか、あるいは外装のデザインというか、そういうもののくふうにはたいへん努力をしているようでありますが、残念ながら安全の問題については何と抗弁しようとも、これは一歩も二歩も後退しているというふうにとっていいと思うのです。だからこの際、身にしみて今回の欠陥車の問題については、前向きで考えてくれるであろうことを期待してはいますが、しかし人間でありますから、企業でありますから、やはり国民的な要求としては、法的な規制をつけることが当然だろうと思うのですね。いかがでしょう。
  58. 村山達雄

    ○村山(達)政府委員 ただいまおっしゃったことは、まことにそのとおりだと思うのでございます。私見でございますが、何よりも安全が売りものにならなければいかぬのだろうと思うのでございます。運輸省は一昨日の十七日に、今後とるべき総合対策のようなものを発表させていただいたのでございますが、まず第一に、やはり新車のときに安全性をはっきりさせるというようなことで、今度は新型車を持ち込むときから相当程度使って、その耐久性を試験したものを持ってくるようにということを、まず第一に法的な、これは型式指定規則の改正によるものでございますが、そういうものを考えているわけでございます。そしてまた、現在審査項目は相当ございますが、今度の欠陥車の事例にかんがみまして、必要と思われる安全基準を、審査項目の中に織り込んでいくということが大事じゃないかと思っておるわけでございます。それを達成するためには、役所側におきましてもみずから検査する設備、あるいは人員の確保をし、さらにこれから増強してまいらなければならないと思いますし、また安全の研究体制といたしまして、現在は船舶研究所の中に、自動車関係する交通安全部、交通公害部があるわけでございますが、何とかこれを独立させまして、この両部のほかに、事故が起きたときの事故原因を科学的に追究して、その原因を確かめるような事故解析部というようなものを設けたい、かように考えておるわけでございます。  さらに新型車がかりにパスいたしましても、やはり機械のことでございますから、使用していく過程におきまして漸次安全性が失われてくるのは当然でございますから、定期点検あるいは車検の際にも、現在の保安基準をさらに精密な安全度の高いものに改定する、そしてまた万一こういういろいろな事故が起きたとか、あるいは事故が起きるまでもなく、メーカーが保安上の点から回収したような場合に、いまの制度では運輸省に届け出になっていないわけでございますが、これをやはり規則の改正で全部届け出させると同時に、今回とりましたように、すぐメーカーから公表させる、こういったことも必要だと思います。  さらにつけ加えて申しますれば、先ほど先生がちょっとタイヤの問題に触れられたのでございますが、部品の中には、あるいは定期的に取りかえねばならぬというもので、技術的にはっきりしておるものがあると思うのでございます。そういうものは初めから、もうメーカーからこの部品部品一定期間たったから、取りかえるようにというように、取りかえる部品をはっきりさせると同時に、取りかえる時期をあらかじめはっきりさせた上でユーザーに渡していく、こういう措置も必要ではないかと思うのでございます。  これらの点を目下研究につとめておりまして、できるだけ早い機会に関係法令の改正を行ないたい、そういうことでいま進めておる次第でございます。
  59. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、いろいろお答えがありましたが、たとえばメーカー欠陥車公表義務とか、あるいはユーザーに対する通知の義務とか、そういうものは法的にこれは規制していこうということでありますね。そうですね。——それじゃ早い時期にそれをやってもらうことと、それからもう一つは、検査官の定員というか、そういうものが少ない、あるいは施設もないということであります。そして来年度の予算要求でというお話でありますが、これだけ世間の問題になっておるし、いまだに百三十万台くらいは欠陥車といわれるものが走っているわけですね。国民とすれば非常な不安なんです。あるメーカーのものは公表された以外の欠陥もあるという話であります。そうなると、もっと数が多いのではないか、それを来年度予算で要求していこうというのでは、どうも何か世間から見ると、ずいぶん役所というものはのんびりしたものだなという考えを持っているわけです。もちろん総合予算ですから、途中で要求できないのかもしれませんが、国民の生命の安全というものは、まず政治姿勢で第一番目に取り上げられていくべきものだと思います。いかがですか、国会は七十二日、八月五日まであるのですから、よけいな法律ではなくて、国民がいま一番要求している、そういう法律を出すのが当然だと思います。もし間に合わなければ、私らのほうでお手伝いしてもいいですよ。しかし政府にはたくさんりっぱな方がおられるのだから、どうでしょう法律を出して、せめて検査官の増員くらいはとって、秋ごろまでには何とかこれを見つけようというような体制にはならぬのですか、いかがです。
  60. 村山達雄

    ○村山(達)政府委員 先ほどは、運輸省がこれからとるべき政策につきまして総合的に申し上げたのでございますが、何よりいま急がねばならぬものは、欠陥車についての回収の問題、それから周知徹底の問題だと思うのでございます。先ほど申しました新型車の型式指定の問題でございますと、年に百三十件くらいでございます。お説のとおり、できるだけやるのはよろしいのでございますが、御案内のような予算でやっておるわけでございますので、それまでは部内でできるだけやるようにいたしまして、来年度ではぜひ通したいと思っております。
  61. 久保三郎

    久保委員 法律で規制すべきものは早いところ規制したほうがよろしゅうございます。そうでないと、何か政府の姿勢が新聞その他の報道機関のキャンペーンもあって、重い腰が上がってきた。運輸省自体もそうですよ。一番先に運輸委員会で始まったころは言うなら業者のほうのサイドに姿勢が曲がっていたのですよ。だんだんこれじゃいかぬということで驚いて、運輸大臣が公表すべきだとやっと踏み切った。法的にどうだと言ったら、法的にはいかがかと思う、こういうように言ってきておるのですね。もう一息ですよ、ほめられるのは。このままでは残念ながらやはりきちんとしない理由は何だろうかと疑われますよ。だから制度的なことは一刻も早く確立すべきだと私は思うのであります。  それからもう一つ、これは政務次官にお聞きしたほうがいいと思うのでありますが、かかる車両欠陥がかなり出てきている。これからも欠陥の問題が出てくると思うのですね。あるいはいま百何十万台と走っているのでありますから、これが事故原因にならないという保証はないのですね。そういう場合には、いままで警察の調べは道交法違反でみんな処理したのですね。しかし、これからは先ほどの言明のとおり車両欠陥についても厳重に調査するし、それから運輸省もおざなりの事故報告書をもらって統計の数字を並べるだけじゃなくて、その解析原因の追及もしていくという態度でありましょうから、そうなるというと、言うなればこの事故による損害、被害、これに対する責任メーカーもきちんと負ってもらうということです。ところがなるほどそういうものは民事訴訟というか、そういうものでやればいいということにあるいはなるかもしれない。しかしそれであっては完全なものではないと思うのですね。これは巨大な資本をバックにしてたとえば訴訟に持ち込んだ場合、一般の国民は残念ながらそういう資本の力や時間によって制約が起きて、これは当然負けていくというか、うまい結論は得られないと思うのですね。泣き寝入りのほうが多くなる。また、いまのような中でそういうものを言ってみたところでやはりメーカー自身の責任というのはそんなに積極的には出ないだろうというふうに私はいまでも疑っているのです。  そこで一つの提案でありますが、自賠責と並行して、メーカーのいわゆる車両欠陥による交通事故に対してはメーカーが賠償の責任を負うものであるという制度をこの際法的に確立すべき時期じゃないかと思うのです。それはお考えになりませんか。
  62. 村山達雄

    ○村山(達)政府委員 先ほどのことに関連して一言だけ申し上げておきますが、運輸省もできるだけ運輸省限りでやれることは即刻やりたいと思っております。なお関係各省と連絡をとりまして、制度の改正を伴わずあるいは予算の問題を伴わずにやれることがございましたら、これから早急にやりたいと思っております。どうしても定員の改正その他予算措置を伴うものにつきましては年内はできるだけやりくりいたしまして、来年度予算でやりたいということでございまして、運輸省としてはできるだけのことをやりたいつもりでございますので、ひとつ御了承賜わりたいと思います。  それから欠陥車に基づく責任、申しますれば欠陥車事故でございますが、その場合の具体的の事故原因欠陥に基づかない場合でも欠陥車にしたらどうかというふうに受け取ったのでございますが、言いますならば、いわば無過失賠償のような制度を設けることはどうかというふうに私伺ったのでございますが、これは非常にむずかしい問題でございますので、今後欠陥車のさらに具体的な内容とか具体的な問題が起きたときに、どういうふうにその問題が解決されるかというようなものを見ながら、その点はさらに検討さしていただきたいと思うのでございます。
  63. 久保三郎

    久保委員 私も無過失賠償の制度によってやるのがいいかどうか、これは多少問題が、まだ詰めねばいかぬと思うのであります。少なくとも車両欠陥に基づくものが原因一つであった場合には、これは責任を追及せられるという制度を確立しておくことは、国民大衆の安全を守る道ではなかろうかと思う。ただ単にいまの法律の中で民事訴訟に持ち込むというだけでは解決できないだろうということを申し上げたのであります。一応御検討いただきたい。  たいへん通産省恐縮でありましたが、一つだけお伺いいたします。いま欠陥車の問題で自動車界はたいへんな騒ぎだろうと思うのであります。われわれ国民からとれば、ずいぶん通産行政の中を通して自動車産業には保護をしてきた、それだけの国民的な経済の利益も与えてもらったと思うのだが、どうも結論として今日のバランスシートは自動車メーカーを少し保護し過ぎて国民の生命まで危ぶまれるようなことを、裏ではと言っては語弊があるが、隠れてやっていたというふうにとれるのであります。ついてはいままでの保護政策というか助成政策というか、そういうものと今日の欠陥車との間の関係をどういうふうに御理解でありましょうか。これが一つ。  それからもう一つ、安全の問題はいわゆる会社の組織というか、これがあると思うのですね。特に自動車は大体原価の六割ぐらいは外注であるというふうに言われております。そうしますとメーカーとしてはコストダウンなりあるいは利潤を追求しようということになれば、御案内のとおり下請に対して値を下げて、いわゆる下請をきびしくするということがあると思うのですね。その結果として車両の安全が置き忘れられて、そのために欠陥車が出てきたということも、原因一つになろうかと思うのですね。ついては独禁法によれば、不公正な取引によってこの下請代金を不当に圧迫しては、制限してはいけないという項目があるようでありますが、これは独禁法にはかかりませんね、いまのメーカーと下請部品屋との関係は。だけれどもいまの安全を考えれば、当然そういう取引の公正を期するための安全サイドからやはり一つの法体系をつくるべきじゃないか、こういうふうに思う。それからこのことはまたもう一つメーカーとディーラーとの関係もあります。販売合戦、そのために、言うならばいろいろな問題がある。メーカーとディーラーの間には必ずしもノーマルな状態でないものがある。こういうものもやはり安全サイドから考えた場合好ましくない現象があると思うのであります。  それからもう一つは、これは続けて申し上げますが、これはむしろ運輸省だと思うのでありますが、あるメーカー、これは本田だそうでありますが、本田は修理工場は自前だそうでありますね。SF工場と称して、自前以外のところで車両欠陥が見つかってもこれはクレームにならぬという話だそうですね。これはメーカー自体がおやりになっても何をやっても、いまの制度の中では自由でありますけれども、安全を確保する面からいけば必ずしもいままでのメーカー態度からいって完全ではない。むしろこれは分離すべきだ。ディーラーにおいてもそのとおり。メーカーとディーラーの関係メーカーと整備工場関係、これもやはり切り離していくほうが一番完全ではないかという意見もあるわけです。これについて通産省並びに運輸省からお答えをいただきたい。
  64. 吉光久

    ○吉光政府委員 私に対する御質問、三点ございました。順を追ってお答え申し上げたいと存じます。  最初の一自動車産業に対します保護政策と安全性の問題でございます。確かに自動車産業はすそ野の広い産業でございまして、したがいまして、これが基礎産業として相当重要な地位を持つべき産業ではないかという認識と、そしてまた自動車産業が輸出産業として相当適格性を持っておる産業であるというふうな二つの前提に立ちまして、政府は自動車産業の育成につとめてまいったわけでございます。そのために主といたしましては、体制整備を中心といたします構造改善についての金融上の措置と申しますか、これが一番の中心であったわけでございまして、その他の措置といたしましては、いわゆる外資法に基づきますところの資本自由化等についての問題、あるいはまた関税の関係、その他の措置が並行的にとられておったわけでございます。ただ、こういうふうに基幹産業としてこれを育成してまいるということと、いま御指摘ございました安全性の確保というものは、当然に安全性の確保ということが大前提でございまして、したがいまして、今回のような事故が起こりましたことにつきましては、私ども、ほんとうに遺憾にたえないと思っておる次第でございまして、むしろ安全性を確保し、要するに品質、性能を売りものにするその品質、性能の中には、当然安全性というものが織り込まれた品質、性能ということで、自動車業界も考えなければならない当然の責務ではないかと思うわけでございます。したがいまして、今回の事件を契機にいたしまして、運輸省のほうでもいろいろときびしい姿勢が出されておるわけでございますけれども、私どもといたしましても、この運輸省の出されておりますきびしい態度と全く呼応いたしまして、メーカーに対するいろいろな意味での指導行政をやってまいりたい、このように考えておるわけでございます。  それから第二の、安全の問題と関連いたしまして、下請業界に対してメーカーが非常にきびしくある、その点が今回の件に関連はしないかどうかという御指摘と、それからそういう下請業者に対する監督をさらに厳重にするための何かの立法措置が考えられないかというふうな御指摘であったかと思います。確かに自動車業界が国際競争力を強化いたしますために、自分も相当きびしく合理化要請にこたえますと同時に、部品業界に対しましても相当きびしい合理化要請をしておったというふうなことを私どもも想像することはやさしいわけでございます。まあ、そういう意味で、部品業界も相当きびしい合理化要請の中で成長してまいっておるというふうなことであろうと思うわけでございますけれども、何と申しましても、やはり自動車業界と部品業界というのは、ほんとうに車の両輪のようなものでございまして、いずれか一方が立つという現象はあり得ないと思うわけでございます。御指摘のように、現在の自動車部品のうち、大体内製品が四割程度、それから外注部品というのが六割程度というのが日本の現状でございますが、特に今回問題になっておりますような機能部品のほうの問題につきましては、内製品が大体半分程度、外注品が半分程度ということではないかと思うわけでございますけれども、これは各社によって違いますけれども、ともあれ相当部分をそういうふうに外注に依存しておるというのが現状でございます。私も、先般も自動車工業会の社長会に参りましたときにも、今回のようなケースの措置につきましても、事後措置の問題でありましても、このしわを下請業界、あるいは部品業界にしわ寄せするということで解決してはならないということを、厳重に注意いたしたわけでございまして、自動車工業会といたしましても、今後そういう部品工業会その他と、こういう安全性確保という問題を中心にいたしまして、連絡協議会をつくって善処してまいるというふうな意向に伺っております。そういうふうな意味で、この問題、こういうふうなことについて、下請業界に不当にしわ寄せされることがないよう、私どもも厳重に注意をしてまいりたいと思っております。  なお、いまの特別立法の問題でございますけれども、現在ございます立法といたしましては、下請に対します代金の支払い遅延防止法という法律がございます。これは支払い遅延防止についてうたっておるわけでございますけれども、同時にまた、その実質的な内容等につきましても調査権が発動できるというふうなことになっております。私どもの中にございます中小企業庁とも密接に連絡をとりながら、この法の運用によりまして、ただいま御指摘されました点につきまして、将来とも厳重に取り締まりをやってまいりたいと考えるわけでございます。  それから第三の御指摘の、ディーラーの販売競争というふうな問題が今回の件に関連してはおらないかという御指摘でございます。確かに自動車業界は、現在販売競争が激しゅうございます。したがいまして、ディーラーの中でも赤字で経営しておるというふうなところもあるわけでございます。この点は、今回のディーラー間におけるいろいろな競争というものが、直ちに今回の欠陥車に結びついたというふうな因果関係でつかまえることは、非常にむずかしいと思うのでございますけれども、何と申しましても、やはりそういうもとにあります過当競争的競争事態というものは、これは厳に戒められなければならないわけでございまして、不当に値引きして売る、あるいはまた不当に高く下取り車をとるというふうなこと、これは流通秩序の面から申しましても、厳に戒めなければならない問題でございます。従来割賦販売条件、この標準条件の設定、その他下取り価格につきましての適正化の方法というふうなものを具体的に実施してまいっておるわけでございますけれども、この機会にさらに、あらためてそういう流通秩序の確保という観点から、いままでの体系をもう一回再検討してみたいと考えております。
  65. 堀山健

    堀山説明員 販売店と整備工場関係の御質問だと思いますが、販売店とメーカーとの間は、メーカーの直営の販売店の場合と、契約してその地区の販売を受け持つ、こういう場合といろいろあろうかと思いますが、これは各社各様でございまして、特に私どもどうこうするわけにはまいらないと思いますが、ただ売った車のアフターケアとして、ユーザーからいろいろな修理を頼まれたり、クレームが来たときに、迅速に的確なる技術を提供してサービスをするということが大事なことではないかと思います。したがって、この面につきましては、各社がいろいろな形でやっておりますので、特にどういう方法をとらなければいけないということは非常にむずかしいと思います。したがいまして、私どもの見る見方といたしましては、できるだけユーザーに迷惑をかけない、迅速に的確なるサービスのできるような体制について指導してまいりたいと思います。
  66. 久保三郎

    久保委員 もう時間でありますからやめますが、通産省の重工業局長に申し上げますが、いまの下請代金の法律によって運用できると、こうおっしゃいますが、あなたも御存じかどうかわかりませんか、いま国会に建設業法の改正が出ております。その中には、ぼくが言うような制度改正があるのですよ、建築、建物自体には。建物は動かないのですよ。だけれども、最近におけるような建築の安全というものもあるだろうし、不良建築というものもあるだろう、そういうことで、これは下請と発注者の間の規制をしておる。当然この際やはり下請とメーカーとの関係をもう少しきちんとしたほうがいいというふうに思うので、御検討をいただきたい。  それから、整備部長はなかなかむずかしいようなお話でありますが、メーカー直属のいわゆるサービス工場というか、それ以外のところへ整備に行っても、たとえば欠陥車があっても、これをメーカーが受け付けないという制度が、いま本田の中にはあるという話もわれわれは聞いておるのです。だから、そういうものぐらいは何かチェックする方法を考えないと、疑うわけじゃありませんけれども、自分のところで、自分でつくって、自分で修理しているのでありますから、よそへ公表というか、そういうものもなかなかむずかしいのじゃなかろうかと私は思う。なかなかむずかしいかもしれませんが、そういう制度自体にも欠陥があるのだから、進んで制度自体にもメスを入れていくように要望します。  以上です。
  67. 内海清

    内海委員長 板川正吾君。
  68. 板川正吾

    ○板川委員 久保委員が広範にわたって質疑をいたしましたから、私はその中で二、三点だけさらに質問をいたしたいと思います。  いま久保委員も取り上げました本田技研の欠陥車の取り扱いの問題であります。これは自動車工業会がメーカー各社の欠陥車について総括をして報告をされました。その総括して報告された中に、本田技研の欠陥車というのは、欠陥個所は九件、対象車が五十七万八千六百十七台、回収措置済みが三十六万一千七百六十三台、六四・二%、未回収車が二十万六千八百五十四台、こうあります。これに対して旧ホンダ会というかつてホンダの車の販売店、ディーラーをやっておった人たちの集団が全国的にあるようでありますが、このホンダの報告九件という内容は実は間違いである、私ども調査によると、さらに、九件でなくて、ほんとうならホンダのNシリーズ中四十二カ所の欠陥があるはずである、それを九件しか報告していない、他は隠されておるのだ、報告をされてない、こういわれております。そして報告されない欠陥による事故の例もあげておりまして、一つとしては、ブレーキドラムの材質の不良からくるドラムのすっぽ抜けの事故があった。またホンダNシリーズの独特の構造であるプライマリーチェーンの摩耗によるチェーンの切断がある。ドアキャッチの不良によって乗客が転落するという、こういう事故等がある。こういう欠陥については報告をされておらない、こういうことをわれわれに訴えてきておるわけでありますが、この欠陥報告を受け、検討をした運輸省としては、この旧ホンダの販売店関係者が取り上げた問題は、実情はどうでありましょうか。私はまだこの内容について検討しておりませんし、これが全部事実かどうかということもわかりませんから伺いますが、この訴えの内容の実情はどうでありましょう。この点をひとつ答弁をしていただきたいと思います。
  69. 堀山健

    堀山説明員 今月の六日の日に自動車工業会及び輸入自動車組合を通じまして、現在指定を受けた車で構造もしくは装置不良につき事故が発生し、または発生するおそれがあるもの、これについてすべて報告を出すように指示したわけでございます。それでその後集まりまして、現在国内車、四輪車以上、それから外国車、輸入車、これについても手元に参って、すでに御承知と思います。なお二輪車が残っておりますが、これも近く集まるわけでございます。私ども事務当局としては、これを受け取りまして逐次具体的に中身を検討しておるわけでございまして、不審の点その他については逐次事情を聴取するということにしております。
  70. 板川正吾

    ○板川委員 まあ今度の措置はやるほうも、業界のほうも、受けるほうも、初めてでありましょう。しかし、ホンダの欠陥内容については、ただしろうとのいやがらせ、あるいは他の業界社のいやがらせ的な問題じゃなくて、実際ホンダの車を扱っておって内容に詳しい人たちが、しかも明らかに責任を持つ態度でこういう欠陥の問題を取り上げて訴えておるわけでありますから、私は、このホンダの欠陥内容が九件という報告が事実であればそれはいいのですが、いわれるように四十二件もあって、あと三十何件も隠蔽しておったということが事実であるならば、私は、本田技研の社会的な良心といいますか、企業者の良心としてこれは追及さるべきじゃないだろうかと思います。運輸省では欠陥の未報告については、場合によっては型式指定取り消しをして、販売ができないようにする、今後はそういう措置をとられる、こういう意見を発表されているようでありますから、ぜひこの問題はなお詳細に調査をして、後刻報告をしていただきたいと思います。  それでこの旧ホンダ会の人たちがもう一点取り上げておる問題は、いま久保君も触れられましたように、ホンダは従来代理店、ディーラー販売をしておった方式をやめて、直接販売方式に切りかえた。Nシリーズを売るときにそういう方式に切りかえた。これは販売の方式ですから、われわれがとかくそれに口出しをするのはどうかという感じがしますが、ただもう一つは、修理工場がこのホンダの修理工場でなければ、クレームがあってもそれを取り上げない、こういう方式をとっておるのはけしからぬ、こういう訴え方をしております。この点について整備部長の見解を承りたいのですが、御承知のようにホンダの三六〇というのは、いわゆるフロントエンジン前輪駆動という方式をとっておるのですね。一般の車はフロントエンジン後輪駆動です。あるいはリアエンジン後輪駆動ですが、しかしホンダはその方式を一変して、フロントエンジン前輪駆動方式をとっておりますから、これは一般の車と違ってホンダ以外の修理工場に持っていっても直らないというのが普通だと私は思います、一般的な方式と違った構造を持っておりますから。したがって、ホンダとしては、修理をする場合にはホンダの指定工場でやれというのは、ある程度メーカーとしてはやむを得ない措置じゃないか、この理屈は。だから久保君の点と若干違いますが、私はそう思います。この点は私は非難すべきではない感じがします。しかし前者の、さっき言った四十二カ所の欠陥を九カ所と報告して、あとは隠蔽しているという問題に対しては、私は問題だと思うのですが、このうしろの点、この点については整備部長運輸省としてはどういうお考えですか。
  71. 堀山健

    堀山説明員 先生おっしゃいましたように特殊の機構の自動車である、したがって、専門の工場を使って専門的にやったほうがよりいいサービスができるということ、これは一つの考え方だと思います。特に軽自動車は発足の歴史からいいまして、二輪車、小さい車から始まっておりますので、最近だんだん大きい車、要するに四つ足がだんだがふえてきた。したがって、従来二輪車出身のサービス工場を使うよりは、特殊な機構でもございますので、直営で集中的にやったほうがよろしいというふうに見ますれば、それも一つの考え方である、私どももそのように思います。したがって、そのあと、今度のように回収作業なんかやるときに、そこ以外でやった場合にはクレームとして取り扱わないということでございますが、これも実は非常にむずかしい問題でございまして、私どもよく事情を会社からも聞きまして検討をしたいと思いますが、ただ行政的にどこまでこういうことについて関与できるかということには、限界があるかと思います。一番おそれておりますのは、短期間に回収しなければならない。それが現在の直営工場で短期間にまかなえるかどうかという問題が、私ども当面の行政的な措置として考えられる問題でございますので、それかといって技術能力のないところに持っていってもしようがない。その辺がどう考えるか、回収計画とその実態についていろいろ検討を加えております。
  72. 板川正吾

    ○板川委員 この非難の中に二点ありますが、私はあとのほうの一点は必ずしも賛成できないが、前の、欠陥を四十二件あるのを九件しか報告してないというのは問題でありますから、ぜひひとつこれを詳細に調査をして、後刻報告をしていただきたいと思います。  それから通産省の重工業局長に伺いますが、カーメーカーが、四十一年ごろまでには、いわゆる合理化と称しまして、毎年二回五%ないし一〇%の部品下請に対する部品の価格の値下げを要求してきた。四十二年以降は、やはり毎年二回三%ないし五%の値下げを部品メーカーに要求しておる。これは取引上の優越した地位を乱用して、いわば押しつけてきたきらいがあると思います。部品メーカーとすれば、やむを得ず材質の安いものに切りかえるとか、工程を省略する等、無理な合理化を行なってそれに対応した。これが過去のカーメーカー部品メーカーとの関係であるだろうと私は思います。その結果今日欠陥車として届けられたものが二百五十万台、これは保有台数のほぼ五台に一台という状況になってきた。ですからこれはカーメーカー部品業界に優越した地位を利用して取引を行なってき、その優越したカーメーカーを、ある意味では通産省は保護に過ぎたのではないだろうか、こういう感じがいたしますが、このカーメーカー部品メーカーとの取引関係について通産省は従来どういう考え方、指導をとっておられたのですか。その点お伺いいたしたい。
  73. 吉光久

    ○吉光政府委員 自動車業界が国際競争力に耐えますために、部品業界に対して相当強い合理化要請をやっておったというようなことにつきましては、そういう点があったかと思うわけでございます。ただ、部品業界と自動車業界というのは、ほんとうにいずれか一方だけが成り立つという企業ではないというふうに考えるわけでございまして、私どもといたしましては、むしろ現在の部品業界に対する育成の方向の問題でありますけれども、現在御承知のとおり、機械工業振興臨時措置法によりまして、部品業界の育成をはかっておるわけでございますけれども、やはり何と申しましても、従来のような垂直的なそういう結合で部品業界とカーメーカーとが結ばれるというふうな方向であれば、ともすればいま御指摘のあったような、そういう事態はなかなか解消できないのじゃないだろうかというふうにも考えるわけでございまして、むしろ部品業界を専門部品業界として強くしていくという方向、いわば垂直ではなくて水平的な意味での集約化と申しますか、そういう方向でカーメーカーに対処させていくのが一番いいのではないだろうかということで、実は昨年度来そういう方向にいまユニット化しながら総合化していく、そういうふうなことで部品業界の基本的な体制整備を現在やっておる段階でございまして、この方向が成功すれば、先ほど御指摘ございましたような線もだんだんと薄らいでいくというふうなことになるのではないかと思っております。したがって、いま申し上げましたような水平的な結合への方向をさらに一段と強めてまいりたいと考えております。
  74. 板川正吾

    ○板川委員 その方針に私どもも賛成でありますが、御承知のようにカーメーカーはいわゆる組み立て、アセンブリーメーカーであって、自動車の価格の中で六〇%というものはいわゆる外注による部品の価格である、こういわれております。自動車安全性というのは、その六〇%を占める部品工業の精度というものが大きく支配をいたしておると私は思います。いまメーカー十社から欠陥個所が発表されました。その欠陥個所を、欠陥部品をつくっておる下請メーカー部品メーカーというのは、系列メーカーと専門メーカーとがどちらがどのように多いのか、調査をしておりますか。
  75. 吉光久

    ○吉光政府委員 現在届け出の出ておりますそういう欠陥個所につきまして、その欠陥部品メーカーがどういうメーカーであったかというふうなことにつきまして、現在その原因と同時に調査をいたしておる段階でございまして、その完全な数字がまとまりますと、系列部品メーカーあるいはまたそうでない専門メーカー、どういうところにどういう欠陥があったかという詳細が判明すると思うわけでございます。ただいま調査いたしておりますので、至急取りまとめました上で御報告申し上げたいと思います。
  76. 板川正吾

    ○板川委員 ぜひ至急に取りまとめて報告してもらいたいのですが、こういう考え方がありますね。部品工場の中でメーカーの系列下にあるものの場合には、多少欠陥があっても、価格競争のために欠陥があっても、あるいは安全性についての追求が十分でなくとも、とにかくこれを幾ら幾らでつくってほしい、こういう注文を系列部品メーカーにやる。で、もしその場合に、系列下における部品メーカーとしては、安全性に多少の疑義があっても、親会社、カーメーカーの要求に従って、その品物を注文どおりつくって出さざるを得ない。そして、その欠陥のために事故があっても、その系列部品メーカー責任を問われない。なぜならば、親会社であるカーメーカーが注文したものなんだから責任を問われないというので、安全性に手を抜く慣習が私はあり得ると思う。ところが、専門部品メーカーになりますと、いわゆるカーメーカーと独立しておりますから、もし自分の部品欠陥があるということであれば、それはすべてのカーメーカーに対しての影響なり、自社の運命にも関係するようになる。したがって、専門部品メーカーとしては、安全性については徹底的な研究と自信を持たない限りは、そういう不完全なものを注文があったからといって出すわけにはいかない。自社の運命に関係がある、興廃に関係がある。しかし、系列下における部品メーカーならば、万が一不良品であっても、それは親会社の注文だということで、その会社が栄えるか衰退するかということに関係ない、社運に関係ない。こういうことを考えますと、やはり自動車安全性を確保するためには、部品メーカーの育成と専門独立化、そういう体制がぜひ必要じゃないか。これは先ほど局長が言われましたから同感でありますが、そういう趣旨において、私は必要ではないだろうかと思います。  従来、機振法が一つの役割りを果たしてまいりましたが、来年、機振法が期限が切れるわけであります。ですから、そういう安全性について、部品メーカーの独立専門化をするために、今後さらにどういう体制をとられようとするのか、その具体的な施策について御意見があれば承っておきたいと思います。
  77. 吉光久

    ○吉光政府委員 ただいま御指摘の中にございましたように、機振法でそういう方向をとっておるわけでございます。これは昨年度からそういう方向をとることにいたしたわけでございまして、したがいまして、現在まで実効があがっておるものはまだ数が少のうございます。本年度の実施計画におきましては、さらにその範囲を広くしてまいるということで、先般も機振法関係の審議会で、最終的に本年度の実施計画の御了承をいただいたわけでございます。その方向で急速に、今年度、そして来年度、機振法の切れるまでは最大限の努力をしてまいりたいと思っておるわけであります。と同時に、この関係に現在開銀で機振法関係の特別の融資制度があるわけでございますが、できるだけこの専門化、集約化の方向に相当の金融をつけてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。何と申しましても、そういう専門メーカーを育成するということが、日本部品工業のためにも、あるいはまた自動車工業のためにも、より有益ではないかと思うわけでございます。現在、すでに部品そのものとしての輸出が昨年度一億三千万ドル程度ございます。これは主として専門メーカーからの輸出によるものでございます。こういう点から考えましても、やはり水平的な結合ということは自動車産業の将来にとっても非常に重要な意味を持っているのではないかと考えるわけでございまして、御指摘の線に沿ってさらに強力に進めてまいりたいと思います。
  78. 板川正吾

    ○板川委員 時間の都合がありまして、もう一点だけ質問しますが、外国車の欠陥状況が発表されました。それによると、対象外国車が八千四百二十七台あって、六月十七日までに回収されているものが六千三百七十一台、七五%、未回収のものが二千五十六台ある、こういわれております。その中には、米国で世界一を誇るGMが二千五百十八台、フォードが千五百八十九台、クライスラーが百九十三台、アメリカンモータースが八台というふうに欠陥車があるという発表もございます。  そこで、伺いたいのでありますが、外国車の構造上の欠陥によって事故が起こった場合に、責任はどこがとられるのですか、この点、ひとつ解明していただきたい。
  79. 堀山健

    堀山説明員 外国車は、日本の販売会社が販売契約を結びまして、その会社が私どもの役所に指定の申請をする、あるいは新車の登録などをしているわけでございます。したがいまして、第一義的には、日本における販売会社ということになるんではなかろうかと思います。
  80. 板川正吾

    ○板川委員 しかし、販売会社はあくまでも販売会社であって、その外車の構造上の欠陥というものにタッチをするわけではない。でき上がったものを売るということである。ですから、構造上の明らかな欠陥というものに販売会社責任を負うというのは不当じゃないでしょうか。いかがですか。
  81. 堀山健

    堀山説明員 苦情処理は販売会社が受けて、その結果メーカー責任を負うべきものは販売会社メーカーに請求するといいますか、追求するといいますか、そういう形をとるんではなかろうかと思います。
  82. 板川正吾

    ○板川委員 ところが、アメリカのフォードと近鉄モータースでは契約を結んでおる。その契約は、日本の国内でクレームが出た場合の一切の責任は販売店近鉄モータースが負うのだという契約があるそうであります。この場合に、構造上の欠陥までディーラーが責任を負うという契約は、私は問題だと思うのですが、これを運輸省はどうお考えですか。
  83. 堀山健

    堀山説明員 いろいろな契約があると思いますが、実は実質的にそういう外車販売店の販売契約ですか、これについて具体的に承知いたしておりませんので、ちょっと御返答しにくいわけですが、そういう契約ですから、それを承知で契約するということについてけしからぬとかけしかるとか、非常にむずかしいんじゃないかという気がいたします。
  84. 板川正吾

    ○板川委員 公取に伺いますが、いまのお話は、契約自由の原則だから、契約自由の原則に基づいて契約した以上はやむを得ないんじゃないんだというふうにもとれますが、しかし、独禁法六条によりますと、「不当な取引制限又は不公正な取引方法に該当する事項を内容とする国際的協定又は国際的契約をしてはならない。」という規定がありますが、いまのアメリカのメーカー日本のディーラーとの契約というものは、いわば国際契約であります。これは独禁法六条のいう不公正な取引方法による契約ということにはなりませんかどうか。この見解を承っておきます。
  85. 伊從寛

    伊從説明員 先生御指摘のように、独占禁止法の第六条では、「不公正な取引方法に該当する事項を内容とする国際的協定又は国際的契約をしてはならない。」という規定がございます。従来この規定によって問題になりましたのは、主として直接競争に影響のあるような問題、たとえば理由なく特許実施契約によって物品の購入を強制するとか、あるいは販売先を制限するというふうなことが問題になりましたけれども、不公正な取引方法としましては、別に昭和二十八年公正取引委員会告示第十一号で、不公正な取引方法が定められておりますが、その十号に「自己の取引上の地位が相手方に対して優越していることを利用して、正常な商慣習に照して相手方に不当に不利益な条件で取引すること。」ということが定められております。いま問題にされております契約につきましては、おそらく先生が御指摘になろうとしていることは、この十号に該当するかどうかの問題ではないかと思いますが、この点につきましては、いま正常な商慣習がどうであるとか、あるいは自己の取引上の相手方に対して優越しているかどうかというような、かなり認定上むずかしい問題がございますが、これに該当しないというふうにも言えませんので、これは実際に契約を見まして検討さしていただきたいと思います。
  86. 板川正吾

    ○板川委員 日本の輸出車がアメリカへ行って、いわゆる欠陥公表しないといって批判をされました。もし欠陥があり、その欠陥のために事故が起これば、これはアメリカの販売店に責任を負わせるという形式はとられてないのだろうと思うのです。その場合にはやはり日本メーカーが最終的に責任を負う形になっておると私は思うのです。そうすると、今度アメリカの場合には、メーカー責任を負わずにディーラーに一切の責任を負わせておる。そうしてアメリカの国内でも、御輿知のように構造上の欠陥というのはたくさんある。発表もされておる。ですから、構造上の欠陥によって事故が起こり得るということはアメリカのメーカーでも承知のはずであります。だから、それを日本の輸入業者、ディーラー、販買店に一切の責任を負わせるというのは、私は、取引上の優越した地位を利用した不公正取引だという論旨が成り立つのじゃないだろうか、こう思います。ぜひひとつこれはその国際契約を、届け出してあると思いますから、調査をして、もしそういうことであれば、その契約の是正なりを指示してもらいたい、こう思います。  実は、私ちょっと都合がありまして、時間の関係もありますので、以上三点だけで、あとの質問は後刻にいたしたいと思います。
  87. 内海清

    内海委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時四十五分散会