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1969-02-18 第61回国会 衆議院 交通安全対策特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十四年二月十八日(火曜日)     午後一時二十六分開議  出席委員    委員長 内海  清君   理事 稻村左近四郎君 理事 大竹 太郎君    理事 斎藤 寿夫君 理事 田中 榮一君    理事 板川 正吾君 理事 河村  勝君       加藤 六月君    川野 芳滿君       太田 一夫君    久保 三郎君       後藤 俊男君    古川 喜一君       松本 忠助君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 原田  憲君  出席政府委員         内閣総理大臣官         房陸上交通安全         調査室長    宮崎 清文君         運輸大臣官房長 鈴木 珊吉君  委員外出席者         運輸大臣官房審         議官      井上  弘君     ————————————— 本日の会議に付した案件  交通安全対策に関する件      ————◇—————
  2. 内海清

    内海委員長 これより会議を開きます。  交通安全対策に関する件について調査を進めます。  この際、原田運輸大臣から、交通安全対策について説明を聴取いたします。原田運輸大臣
  3. 原田憲

    原田国務大臣 交通安全対策につきまして運輸大臣として所懐の一端を申し述べたいと存じます。  今日、運輸省が所管いたしております行政は、自動車鉄道船舶航空機等の陸、海、空の各分野にわたっておりますが、いずれの分野におきましても国民生活に密接な関係を持っているのであります。  特に、交通における安全の確保は、国民生活遂行のため最も重要なことであると信じております。  ところが最近における交通事故発生状況を見ますと、残念ながら事故は必ずしも少なくなっておりません。  昭和四十三年中に発生した交通事故により一日平均四十八人ものとうとい人命が奪われ、二千二百余人にのぼる負傷者を出している状況にあります。  特に、交通事故のうち最も大きな比重を占めている道路交通事故につきましては、自動車保有台数増加自動車交通量の増大に比べれば、保有台数当たり事故率は相対的には減少しておりますものの絶対数におきましては、年々依然として増加の一途をたどっております。  鉄道事故につきましては、国鉄、私鉄とも保安施設整備の進捗に伴い、輸送量増加にもかかわらず漸次減少の傾向にありますが、昨年は一部の鉄道従業員の過失に基づく事故等が続発しましたことはまことに遺憾にたえません。  船舶海難事故件数は、ここ数年間の横ばい状況でありますが、近年の海難の特徴としては、特に港内、狭水道等交通のふくそうする海域で多発しております。  また航空事故につきましては、四十一年の四大事故発生以降特に重大事故はなく横ばい状況にあります。  このような情勢にかんがみ運輸省としましては、ここ数年来、交通安全対策を最も重要な施策一つに取り上げ、陸、海、空を通じ  一、線路増設港湾航路空港整備等による交通容量の拡大  二、踏切道自動列車停止装置(ATS)、航路標識水路業務航空保安施設気象業務等交通安全施設及び安全業務整備  三、車両、船舶航空機等安全性の向上  四、安全運転確保のための従業員服務規律厳正化及び教育訓練等人的対策充実  五、自動車損害賠償保険制度等被害者救済制度充実 等の施策を実施しておりますほか、当面の鉄道事故防止に関しましては、省内に臨時に鉄道事故防止対策委員会を設け、総合的、抜本的な対策につきまして検討をお願いしておりましたが、二月六日にその意見書が提出されましたので、その趣旨を十分尊重いたし、関係方面の協力を得て、その実現に万全の努力をいたす所存であります。また、ぼりばあ丸事件に対しましては、造船技術審議会において検討を行ない、鉱石運搬船事故防止対策を樹立し、これを実行することにより国民の全幅の信頼を得るよう最大の努力をいたす所存であります。  また、近来の海上交通ふくそう化に対処し、海上における船舶交通の安全と円滑をはかるため、本国会に海上交通法案(仮称)を提案いたしたいと考えております。  私といたしましては、人命尊重基本理念に立脚しまして安全を確保することは運輸行政における最も基本的な使命の一つであると考え、今後さらに交通事故防止のためなお一そう徹底した総合的な安全施策を推進するとともに、万一事故発生したときの被害者救済にさらに万全を期する所存であります。  なお、本年度の具体的な安全施策を推進するための諸経費につきましては、別途説明させることといたさせます。  何とぞよろしく御指導御鞭撻をお願いする次第であります。  これをもって所信表明を終わります。(拍手)
  4. 内海清

    内海委員長 以上で原田運輸大臣説明は終わりました。     —————————————
  5. 内海清

    内海委員長 次に、昭和四十四年度における交通安全関係予算等について説明を聴取いたします。井上審議官
  6. 井上弘

    井上説明員 昭和四十四年度におきます海上安全及び航空安全対策予算につきまして御説明申し上げたいと思います。  お手元に配りました資料をごらんいただきたいと思います。  まず最初に、海上交通安全対策につきまして、四十四年度予算額といたしまして五十三億を計上いたしております。  その内容は、第一が交通環境交通安全施設等整備でございまして、さらにその内訳を申し上げますと、(1)が港湾局所管の避難港の整備でございます。備考のところに書いてございますように、内地九港、離島、北海道各一港、計十一港を考えております。  その(2)が海上保安庁所管になります航路標識整備及び維持運営でございます。港湾標識沿岸標識障害標識及び電波標識の新営を約百九十基、既存の航路標識改良改修三百件ほど予定しております。  第二は、船舶安全性強化でございますが、その内容を申し上げますと、いずれも船舶局所管でございますが、船舶検査危険物検査認定事業場適格審査等検査業務といたしまして予算を計上いたしております。  また、漁船、内航船等安全対策につきまして、乾舷、GMの基準作成、タンカー及び危険物専用船災害防止等につきまして委員会を設けることといたしまして基準を作成していきたい、かように考えておるものでございます。第三に、安全運航確保でございますが、その内容を申し上げますと、船員局関係といたしまして、海技従事者国家試験実施に関します経費、それから発航監査につきまして、船員労務官によります監査を六十八港におきまして実施したいということでございます。  そのほか、短波放送を利用いたしまして船員災害防止を実施いたすことに相なっております。  また、海上保安庁所管といたしまして、海上交通法令整備励行のために、船舶に対する海上交通安全指導、あるいは狭水道等におきます通行船舶動態調査並びに港湾調査を実施いたす所存でございます。  また、海上安全船員教育審議会運営をはかるべく予算を計上いたしております。  第四に、警備救難体制整備でございますが、その内訳を申し上げますと、海上保安庁におきまして、巡視船艇及び航空機等備考に書いてございますように整備強化することに相なっております。  なお、船舶技術研究所並びに電子航法研究所におきまして、安全のための科学的研究の推進をはかりたいというふうに考えております。  次に航空について申し上げます。  航空交通安全対策といたしまして、四十四年度予算は九十八億八千六百万円を計上いたしております。  その第一は、交通環境交通安全施設整備でございますが、その内訳を申し上げますと、(1)として空港安全施設整備をはかりたいと考えております。これは滑走路の延長あるいはILS等航空保安施設整備をはかるものでございます。  その(2)は空港維持運営でございます。これは滑走路、照明、通信施設等維持運営をはかるものでございます。  その(3)は航空路施設維持運営でございますが、これはVOR等整備によります航空保安施設あるいはARSR等航空交通管制施設等整備維持運営をはかるものでございます。ここで前年度に比べまして減となっておりますが、これは昨年度におきまして監視レーダーが福岡のほうに建設しておりましたのが完成したのによるものであります。  次に、航空保安施設等検査に要する経費でございますが、MU2型の航空機を一機購入いたしますほか、飛行検査業務運営を行なうものでございます。これもまた前年度に比べまして減額になっておるのでございますが、これは航空局におきまして、航空保安施設検査をいたします航空機といたしまして、いろいろございますが、YSHをずっと購入いたしておりましたのが、一応本年度で完成したということで減額になっているものでございます。  次に航空気象業務整備強化でございますが、これは沖永良部空港出張所業務開始及び既設の航空気象官署整備拡充に要する費用でございます。  第二に航空機安全性強化でございますが、検査機器の購入をはかるものでございます。  第三に安全運航確保でございますが、航空従事者技能証明管制官に対する技能検定試験を行なう、そのほか航空保安職員研修所拡充整備に関する予算でございます。航空保安職員研修所のほうは、本年度予算をもちまして施設のほうは一応完了いたしまして、四十四年度におきましては無線通信等教材器材整備をはかろうというものでございます。  なお、船舶技術研究所電子航法研究所におきまして、あるいは港湾技術研究所気象研究所におきまして、備考に書いてございますような諸研究を実施していきたいというふうに考えておる次第でございます。  以上をもって、簡単でございますが御説明を終わらしていただきます。
  7. 内海清

    内海委員長 以上で説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時四十分散会