○
宮崎(清)
政府委員 先ほどに引き続きまして、御
説明を続けさしていただきたいと思います。
三枚目の一番下でございますが、第四の柱であります
被害者救済対策について御
説明申し上げます。
総額としては、四十四
年度におきましては九億一千万でございまして、四十三
年度は約八億でございますので、約一億一千万の増でございます。
第一は、救急医療
施設の
整備等でございます。これは厚生省関係でございまして、御
承知のように、現在厚生省におきましては、
年次計画で、
全国に約百十カ所の
救急医療センターを、主として国公立の病院に
整備する
計画でこれを
実施中でございます。四十四
年度におきましては約四億三千万を投入いたしまして、国立病院七カ所、それから公的な医療機関十五カ所にこのような
救急医療センターを
整備する
予定でございます。
なお、現在までにこの
救急医療センターは
全国で約六十カ所
程度整備されております。
それから二番目が、むち打ち症
対策でございます。いわゆるむち打ち症
対策がここ一両年たいへん問題になっておりまして、これは労働省におきまして、ここにもございますように、主として労災病院に委託いたしましてむち打ち症
対策の研究をいたすとともに、労災病院におきます医療機器の
整備をやっております。
昭和四十四
年度の
予算額は四千万でございます。四十三
年度は四千百万で、百万減っております。
それから三番目が救急業務
施設の
整備。これは消防庁関係でございまして、現在、御
承知のように、救急業務は消防の所管になっております。四十四
年度は千五百万でございますが、その
内訳は、ここにもございますように、救急指令装置を漸次
都市に
整備するために要する費用でございます。
なお、一昨年までは救急
自動車につきましても
補助をいたしておりましたが、四十四
年度からは、救急
自動車につきましては、原則として先ほど申し上げました
交通安全対策特別交付金でこれをまかなう
予定にしております。
それから四番目が
交通事故相談活動の
強化で、これは現在
総理府におきまして
補助をいたしております各
都道府県の
交通事故相談所に要する
経費でございます。四十四
年度は四千二百万で、四十三
年度の七千万に比べまして二千八百万減っております。実は四十四
年度以降はこの
都道府県相談所に要します
経費に対する
補助は、一般会計及び
自動車損害賠償責任再保険特別会計の両方から
補助いたそうということになりまして、四十四
年度におきましては一般会計の四千二百万のほかに、自賠責特会から三千五百万を出しまして、合計七千七百万で
補助をいたそうということでございます。したがいまして、
総額といたしましては七百万の増でございます。
五番目が法律扶助
事業補助でございまして、これは法務省所管でございます。四十四
年度六千五百万で本
年度どおりでございます。これはここにもございますように、法律扶助協会が行なっております法律
補助事業に対する
補助でございます。
それから六番目が
自動車損害賠償責任再保険特別会計による
補助でございますが、これは御
承知のように、現在、自賠責特会のうち保障勘定に累積黒字がございまして、その保障勘定の累積黒字の利子収入の範囲内で一定の
交通安全関係の
事業等に
補助をしているわけでございます。この額が四十四
年度では三億一千九百万でございます。四十三
年度は二億四千三百万でございますので、七千六百万の増でございます。先ほど申し上げました
都道府県の
交通事故相談所に対する
補助は、四十四
年度から一応この自賠責特会の保障勘定の利子収入からも
補助いたすことになっているわけでございます。
それから五番目が
交通事故防止に関する科学的研究の
推進でございまして、これは四十四
年度一億五千六百万、四十三
年度が三億一千八百万でございますので、六千二百万減少いたしております。
第一は、
交通制御の
調査研究、これは
警察庁の科学
警察研究所で行なっておりますが、二百万でございます。四十三
年度と同額でございまして、これはここにもございますように、
大都市におきます
交通の
円滑化をはかるための
交通制御の
実施に必要な
調査用機器の
整備でございます。
それから次のページにまいりまして、
自動車安全研究の
強化、これは通産省の工業技術院におきます研究でございます。四十四
年度は一億九千百万、四十三
年度二億三千四百万でございますから、四千万ほど減っております。
それから三番目が
自動車安全
整備研究等の
強化でございまして、これは運輸省の船舶技術研究所における研究でございます。これは四十四
年度は五千万でございまして、四十三
年度は三千三百万でございますから、千七百万
増加いたしております。
なお、通産省と運輸省で同じように
自動車の
安全性の研究をいたしておりますが、これがどこが違うか、ダブってないかという点につきましては、ちょっとここにも注をしておりますが、簡単に申しますと、通産省におきましては将来の
自動車に関するいろいろな研究をする、それから運輸省におきましては現在の
自動車の
安全性の研究をする、大ざっぱに申しましてそういう割り振りないたしまして、両者の研究がダブらず、かつ有機的に効果的に行なわれるようにいたしているわけでございます。
四番目がむち打ち症の研究の
推進でございまして、これは厚生省でございますが、四十三
年度におきまして一千万を計上いたしておりました。四十四
年度におきましてもこれを計上いたす
予定でございますが、まだその
内訳がはっきりいたしておりません。いずれ特別研究費の六千万のうちからその一部をこのいわゆるむち打ち症の研究に充当いたす
予定でございます。
それから五番目が脳神経外科の
充実でございます。申すまでもなく、脳神経外科の専門医の数が不足しておりますので、これを急速に養成しようということでございます。そのために、ここ数年来毎年各大学に脳神経外科の講座の増設と大学付属病院等におきます研究
施設の増設をいたしております。これはその初
年度の
経費だけをここに計算してございますので、四十三
年度の三千三百万に対しまして四十四
年度は千三百万と二千万減っておりますが、これは四十四
年度におきまして
整備すべき大学が
一つであるためでございます。いまのところ、四十四
年度におきましては神戸大学に脳神経外科の講座を新設し、それから岡山大学に研究
施設を
整備する
予定でございます。
それから六番目が
交通関係科学研究の
推進でございまして、
警察庁が四十三
年度において行なっておりますこの注にございますような研究が一応終わりましたので、これは四十四
年度はゼロになっております。
それからその他といたしまして、六番でございますが、これは
総理府におきまして
交通事故の実態
調査その他
交通事故防止のためのいろいろな研究
調査をいたしております。これに要する
経費でございまして、四十四
年度は千四百万、前
年度に比べて百万ふえております。
以上合計いたしますと、
総額が四十四
年度におきましては六百三十二億七千二百万でございまして、四十三
年度の五百九十一億六千五百万に比べまして四十一億七百万増、パーセントにいたしまして七%増でございます。
なお、これ以外にも最後のページでございますが、間接的に
交通安全に関係あるものあるいは直接的ではございますが、国の
予算そのものではないものといたしまして、自賠責の再保険特別会計が約二千億
程度ございます。それから国鉄の事故
防止対策事業といたしまして二百三十一億
程度ございます。国鉄が減りましたのは、
一つはATS装置がほぼ
予定の
計画が完了いたしたためにその分が減っているようでございますが、詳細はまだ十分に
調査いたしておりませんので、次の
機会にまた御
説明申し上げたいと思います。それから
私鉄に対する日本開発銀行の融資、これは四十三
年度におきましては九十八億いたしておりますが、四十四
年度はまだ
計画中で、その数は確定いたしておりません。
なお、御参考までに申し上げますと、以上六百三十二億七千二百万の
内訳でございますが、このうち一般会計において計上いたしておりますものが約百六十八億でございます。残りの四百六十四億が特別会計でございまして、特別会計の
内訳といたしましては
道路整備特別会計、
自動車検査登録特別会計、国立病院特別会計、労働者災害補償保険特別会計、
自動車損害賠償責任再保険特別会計、国立
学校特別会計、このように分かれているわけであります。
以上、
昭和四十四
年度の陸上
交通安全に関します
予算の
概要を御報告申し上げます。