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草野委員 それでは、
委員長から簡潔にというお話でありますから、もうこれで終わります。
もう
一つ。これは時間をとらせないために、一ぺんに私がしゃべります。したがって、その中に
質問もあり私の
意見もありますから、最後に一括してどなたかから
お答えをいただけばけっこうであります。
それは、ちょうど昨日まで行なわれておりました日米貿易
経済閣僚
会議、あそこでも大きな問題になってまいりました資本自由化の問題であります。資本の自由化がわが国の
建設業に対していかなる影響を与えるであろうか。もし影響を与えるとするならば、
建設省はこれに対してどういう
対策をとり、どういう指導をなさろうとしておるのか、これであります。
第二次自由化の決定に際しまして、
建設業界は、一部専門業種を除いて自由化の時期は尚早であると訴え、そのために、総合工
事業種と、これに密接な関連のある、たとえば設備、しゅんせつ工事等は第三次自由化以降に持ち越されることとなったのであります。
この際、自由化によって起こる影響として
想定されるものの二、三を上げるならば、第一、大型プロジェクトに対して外資の進出あるいは新技術の導入が行なわれ、これに伴い、先進国系
建設業の進出が予想されはしないか。たとえば、原子力発電所建設における
ところのGE系の建設会社、エバスコまたはベクテル等の進出の問題であります。これに対する進出の予想はどうか。
二番目は、長大橋梁に対する技術、工事経験等を
背景として外資系の企業が進出する可能性がありはしないか。
三番目、
日本国内における
経済発展に伴う建設市場の
投資需要がすこぶる旺盛であるという事実に従って、ことにこの
経済の発展が安定性を持っておるという点に着目して、たとえば新建材の開発、量産化が外資系の大資本のもとに行なわれるとするならば、これを足場にして建設市場が撹乱され、あるいは地場
業者がこの結果として恐慌を来たすようなことになりはしないか、こういうことにも懸念を持ちます。
続いて、大型企業は自由独立の立場をとることは可能であっても、
過小資本の中小企業層は外資の魅力に引かれやすいのではないだろうか。資本、経営の基盤に幾ぶんでも
脆弱性のあるものはその資本に吸収されはしないだろうか。それに吸収されるとするならば、
日本の市場は外資によって次第に侵食される結果になりはしないだろうか。
以上の四点に対して、私は次の六つの点をあげながらこの
対策をとるべきでないかということを申し上げて、これで
質問を打ち切るのでありますから、ひとつ聞いておいてもらいたい。
第一、国際競争力を持つ
ところの企業
体質を充実すべく、段階的になるべく早く
体質づくりをすること。これに今回の
建設業の許可制というものをうまく関連さしていく必要があるのではないか。
二番目、
体質づくりの前提として、
業界の秩序を整備すること。それは、
業界再編成という大上段に振りかぶった、あるいは官僚統制のようなものの
考え方ではなくして、大企業、中小企業あるいは零細企業のそれぞれのランク、ランクに応じながら、あるいは分野、分野に応じながら、建設的な整備方向をとっていくということ、いわゆる
体質の強化をはかっていくということ。特定
建設業者と専門工事
業者の系列化、すなわち、元請、下請の系列化をはかること、こうしたことが
考えられる必要があるのではないか。
続いて、海外からの
労働力の移動を一応排除することを
考えなければならないのではないか。そんなものは来ないのだとたかをくくることは私は危険だと思う。なぜかと言えば、
日本経済がここまで高まってき、国民所得というものが今日では世界の十何番目、二十番目だと卑下した言い方をしておりますが、たとえば、もう十五年、二十年すればアメリカに匹敵する
ところまで前進すると私は思う。そうなったときに、周辺の国々を見渡しますと、
日本の十分の一あるいは二十分の一というような低い国民所得の、きわめて気の毒なような生活状態を続けておることは、皆さん御承知のとおりなんです。こういう
労働力というものが海外から
日本へ流れ込んでくるとなると、
日本の労働市場はこのために撹乱されます。この問題に対する
考え方があるかどうか。
さらに、海外からの進出企業が国内の商慣行等を無視したり中小企業等の弱点に乗じながら無秩序に進出してまいりますと、
〔
委員長退席、
金丸(信)
委員長代理着席〕
その結果外資が支配力を持ち、もしくは大、中、小の各市場を撹乱する、そういうことの防止
対策を一体どうしていけばいいのだろうか。
最後に、米国は国全体といたしましては自由化はいたしておりますが、州法が採用している免許制の実情から判断いたしまして、自由化の場合でも、互恵平等の原則から、わが国に来た場合に、わが国もこれに対して互恵平等の対抗条件を出さなければならぬのじゃないだろうか。
そういうことも一応
考えて、以上の前提として、
建設業界の現在の登録制が
業者の分裂、乱立、過当競争等の
原因を誘発しておりますから、これを許可制にすることは私はけっこうだと思うが、先ほど申し上げましたような適用除外の線をつくることと、同時に、緩衝地帯をどうするかということは、これからの審議の過程においても、あるいは今後の中建審の審議においても、与党たるわれわれとしても真剣に
考えるべき問題となっておりますから、この問題の
背景となるべき諸問題に対して整備し、いわゆる準備体制を完全にする必要がある。私は資本の自由化に対してもこれらをあわせて
考えるのでありますが、以上の点を一括して御答弁いただくことによって、私はどうもきょうの予定時間よりも長くなったようでございますが、以上をもって私の
質問を終わりますから、要領よくひとつ
お答えをいただきたいと思います。