○
渡辺(惣)
委員 この
法律のうちで
相当の
部分がこの組合規定の問題に集中されている。あなたのおっしゃるような内部規定がある。しかし、それを守れるか守れないかということは、現実にわれわれは見詰めなければならない。そうすると、私は不動産賃貸業者という法的性格の不明確なものをだけ議論しているのですが、従来この
委員会の席でも問題になっているように、たとえばデベロッパーのような、いわゆる
開発業者ということばがここ数年来登場してきている、あるいは
開発産業ということばも登場してきている、あるいは最近は
住宅産業ということばも出てきている、そこへまた不動産賃貸業者という性格不明のことばが登場してきた。この
実態は何なんだ、何を
意味しているんだということを、われわれはわれれわなりで
考えてみたいと思う。法の起案者であるあなた方とわれわれは合わないかもしれない。あなた方はあくまで形式論で、こういう組合の参加規定や制限規定、権利規定等をしているので、間違いはございません、こうおっしゃる。しかし、最近の日本の経済界、財界というものは、いまこういうように問題になっている
開発産業とか
住宅産業といわれるほど
——現に私は一月ほど前に建設
委員会の席で全国総合
開発に関する質問をいたした機会にも、デベロッパーの問題について、いわゆる経済企画庁が国の政策で積極的に
民間の有力な業者を
政府の政策手段の中に導入していこうという積極的な
姿勢が示されてきたので、私はそのときから非常に気になっておった。現実に
昭和六十年までを展望する全国総合
開発計画によれば、御存じのとおり、三千万戸の
住宅が不足する、こういうことになっているわけですね。
老朽住宅や建てかえ
住宅も含めると、その間にそれだけの
住宅をつくらなければいかぬ。ということになりますと、まさに日本は
住宅産業花盛りになって、強大な資本が
住宅政策の中に投入されてくる。いわゆる
都市改造、
都市再
開発、
都市計画、港湾
計画、全部これにつながって出てくる中で、重要な役割りを占めるものは、
住宅建設業者、
住宅開発産業、デベロッパーというものが重要な位置を占めて浮かび上がってくる。
そこで問題は、あなた方はこの再
開発の中でデベロッパーをどううまくスムーズに登場させようかという道を開いておるのだ、こう私は受け取りたくなってくるのです。また、それは違いますと言っても、避けられない。避けて通る方法はないのです。局長はどう
答弁されても、現実に経済行為はすでに事実行為として進行しているのですからね。これは日本経済新聞の三月二十五日第二部「芽ぶく
都市再
開発産業」という見出しをつけて、八ページ全部
都市再
開発法を
中心とした特集です。お目通しになられただろうと思う。これは全文そうです。この日経の特集の中で感じましたのは、ここに日本高層
住宅協会という協会が登場してきたわけです。こちらは社団法人
中高層建築開発協会の、おたくからわれわれのほうへ配付を受けている月刊雑誌ですね、これを見ていると、
中高層建築開発協会というから、中高層ビルのことをやっているのだと思っていたら、今度はこっちを見ていたら、御注文どおりですよ、御注文どおりの高層ビル、日本高層
住宅協会という団体がスタートした。これもきっと御存じだと思うのです。あるいは招かれてごあいさつに行ったり、祝辞を述べたりしたかもしれない。(「一ぱい飲んだか」と呼ぶ者あり)そこまでは確認しませんけれ
ども……。そこで、これを見て驚きますのは、この日本高層
住宅協会というのがちょうどいまの不動産賃貸業に該当してくるのですよ。うそだと言っても、間違いなく出てきますからね。国会
答弁で、そんなことは予想しておりません、私
どもは非常に善意にものを見ておりますとおっしゃる。ただまじめに
住宅政策を推進する上から、
民間資金を積極的に導入しなければ間に合わないから、われわれが
要望するのは、
住宅政策に協力してくれる善意の
民間資金であります、こうおっしゃるでしょう。しかし、ここに出ております日本高層
住宅協会のメンバーは、驚くべき日本の一流の大企業ですよ。そうでしょう。三井から始まって、三菱、住友、これが中核ですからね。現にここに出てくる
理事長瀬山誠五郎という人は、住友不動産の社長であるはずですね。日本の一流の財界人が、いまこの
法律が通過するのを待っているのですよ。あなたにしり押しをして、
都市局長まごまごしていると、君がやれと言うからおれのほうでスタートしたのに、社会党や何かにぐじゃぐじゃ言われて、何をしているんだ
——そうじゃないかとぼくは思うのだ。これは局長、私は推定を言っているのじゃない。ちゃんと証拠を突きつけて言っているのですよ。ちゃんとメンバーがここに出ているのだから。おそらく、この特集の記事はみんなこの人たちが金を出したと思うのです。全部この人たちが金を出して
——これは全部広告ですよ。スペースは小さくとも、全部買い取って
——もうほんとに再
開発は始まっているのです。裏でそういう話ができているのではないのか。だから、早手回しに日本高層
住宅協会というのをスタートさせて、ちゃんと受け皿ができて、そこへこの
法律を乗せようと仕組まれた
法案の審議をいまわれわれはさせられているのではないか、われわれに
法案の審議の自主性があるのかどうか、事実は進行しているのじゃないのか、そういう疑問が私はぬぐい切れないのです。すっかりおぜん立てができてしまって、この人たちが
——性格不明な不動産賃貸業者の名においてこれはできている、こういう
条件を持ってこの
法案は提案されているのではないのかということです。