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1969-05-14 第61回国会 衆議院 建設委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十四年五月十四日(水曜日)     午前十時三十七分開議  出席委員    委員長 始関 伊平君    理事 天野 光晴君 理事 大野  明君    理事 金丸  信君 理事 草野一郎平君    理事 田村 良平君 理事 井上 普方君    理事 佐野 憲治君 理事 吉田 之久君       伊藤宗一郎君    池田 清志君      稻村左四郎君    塩川正十郎君       進藤 一馬君    丹羽喬四郎君       廣瀬 正雄君    古屋  亨君       堀川 恭平君    森下 國雄君       山口 敏夫君    阿部 昭吾君       岡本 隆一君    島上善五郎君       福岡 義登君    山崎 始男君       渡辺 惣蔵君    内海  清君       小川新一郎君    北側 義一君  出席国務大臣         建 設 大 臣 坪川 信三君  出席政府委員         建設政務次官  渡辺 栄一君         建設省都市局長 竹内 藤男君         建設省道路局長 蓑輪健二郎君         建設省住宅局長 大津留 温君  委員外出席者         建設省都市局都         市再開発課長  森田 松仁君         専  門  員 曾田  忠君     ――――――――――――― 五月十四日  委員葉梨信行辞任につき、その補欠として塩  川正十郎君が議長指名委員に選任された。 同日  委員塩川正十郎辞任につき、その補欠として  葉梨信行君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 五月九日  建設業法の一部を改正する法律案内閣提出第  九六号) 同月十三日  道路整備特別措置法の一部を改正する法律案(  内閣提出第一〇八号) 同月十二日  自転車道整備等に関する法律制定に関する  請願井村重雄紹介)(第六一四六号)  同(稻村左四郎紹介)(第六一四七号)  同(大久保武雄紹介)(第六一四八号)  同(大柴滋夫紹介)(第六一四九号)  同(桂木鉄夫紹介)(第六一五〇号)  同(久保三郎紹介)(第六一五一号)  同(坂田英一紹介)(第六一五二号)  同(坂本三十次君紹介)(第六一五三号)  同(渡海元三郎紹介)(第六一五四号)  同(永江一夫紹介)(第六一五五号)  同(野口忠夫紹介)(第六一五六号)  同(野間千代三君紹介)(第六一五七号)  同(福永一臣紹介)(第六一五八号)  同(細谷治嘉紹介)(第六一五九号)  同(益谷秀次紹介)(第六二六〇号)  同(松前重義紹介)(第六一六一号)  同(本島百合子紹介)(第六二一六号)  同(森本靖紹介)(第六一六三号)  同(山下榮二紹介)(第六一六四号)  同(受田新吉紹介)(第六二一二号)  同(河上民雄紹介)(第六三六一号)  同(中曽根康弘紹介)(第六三六二号)  同(山中吾郎紹介)(第六三六三号)  同(渡部一郎紹介)(第六三六四号) 同月十三日  中央自動車道長野線等建設促進に関する請願  (井出一太郎紹介)(第六四二五号)  同(小川平二紹介)(第六四二六号)  同(小沢貞孝紹介)(第六四二七号)  同(吉川久衛紹介)(第六四二八号)  同(小坂善太郎紹介)(第六四二九号)  同(下平正一紹介)(第六四三〇号)  同(羽田武嗣郎紹介)(第六四三一号)  同(原茂紹介)(第六四三二号)  同(平等文成紹介)(第六四三三号)  同(増田甲子七君紹介)(第六四三四号)  自転車道整備等に関する法律制定に関する  請願受田新吉紹介)(第六五六一号)  同(勝間田清一紹介)(第六五六二号)  同(唐橋東紹介)(第六五六三号)  同(田中角榮紹介)(第六五六四号)  同(田中武夫紹介)(第六五六五号)  同(谷垣專一君紹介)(第六五六六号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 五月十三日  建築基準法改正に関する陳情書  (第三六七号)  東京湾沿岸環状道路建設に関する陳情書  (第三六八号)  水源地域開発法早期制定に関する陳情書  (第三六九号)  西湘国道全面開通促進に関する陳情書  (第三七〇  号)  名四国道建設促進に関する陳情書  (第四五三号)  東京秩父茅野線国道編入に関する陳情書  (第四五四号)  中部横断道路国道編入に関する陳情書  (第四五五号)  霧ケ峰有料道路八島線道路変更に関する陳情  書  (第四五六号)  自転車道整備等に関する法律制定に関する  陳情書外三件  (第四  五七号)  公営住宅法の一部を改正する法律案反対に関す  る陳情書外一件  (第四五八号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  道路整備特別措置法の一部を改正する法律案(  内閣提出第一〇八号)  都市開発法案内閣提出第七六号)(参議院  送付)      ――――◇―――――
  2. 始関伊平

    始関委員長 これより会議を開きます。  内閣提出道路整備特別措置法の一部を改正する法律案議題といたします。
  3. 始関伊平

    始関委員長 まず、提案理由説明を求めます。坪川建設大臣
  4. 坪川信三

    坪川国務大臣 ただいま議題となりました道路整備特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  政府におきましては、従来から長期的な視野に立ち道路整備事業の一環として有料道路整備を推進し、今日まで相当成果をあげてまいりましたことは、御承知のとおりであります。  しかしながら、自動車交通量の伸びに対し道路整備はなお著しい立ちおくれを示しており、国土の総合的な開発交通事故防止のためには、一般道路とあわせて有料道路についてもさらに強力にその整備を推進する必要に迫られている次第であります。  このような観点から、政府といたしましては、有料道路整備効率化とその管理適正化をはかるため種々の施策を講じておりますが、このたび道路整備特別措置法規定に基づく有料道路料金徴収の特例を設ける等の措置を講ずることとし、この法律案を提出することといたした次第であります。  次に、この法律案要旨を御説明申し上げます。  まず第一に、日本道路公団または道路管理者は、高速自動車国道を除く二以上の有料道路で、交通上密接な関連を有すると認められる等の一定の条件に該当するものを、建設大臣許可を受けて、一つ道路として合併採算して料金を徴収することができることといたしました。  第二に、道路管理者は、日本道路公団管理している都道府県道または指定市の市道である有料道路については、日本道路公団と協議し、かつ、建設大臣許可を受けて、その管理を引き継ぐことができることといたしました。  以上が、この法律案提案理由及び要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願い申し上げます。
  5. 始関伊平

    始関委員長 以上で本案趣旨説明は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ります。      ————◇—————
  6. 始関伊平

    始関委員長 都市開発法案議題といたします。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。吉田之久君。
  7. 吉田之久

    吉田(之)委員 都市開発法案につきまして若干の御質問をいたしたいと思います。  まず、大臣並びに局長にお伺い申し上げたいのですが、この都市開発法案は、言うまでもなく、市街地改造法防災建築街造成法、こういう二つ法律の流れを受けて、その成果と、欠陥を正しながら、さらに総合的な一元化された新しい法律をつくろうという発想から行なわれていることは、すでにお互い熟知いたしておりますが、この市街地改造法防災建築街造成法が、昭和三十六年ですから、今日まで八年間にわたって運営されてきたわけでございますが、われわれの受けます感じでは、その進みぐあいというもの、ピッチというものが非常に遅々としておったのではないかという気がするわけでございます。特に、この前この法案参議院のほうで先議されておりますけれども、昭和四十四年三月二十五日、参議院宮崎委員に対する答弁速記録によりますと、その中で竹内局長は「防災建築街区は百四都市で行なっておりまして、組合が四百六十九組合でございます。整備済みの街区面積が二十六ヘクタール、」とおっしゃっているのですけれども、この二十六ヘクタールというのは何か間違いじゃございませんか。
  8. 竹内藤男

    竹内政府委員 三十六年から四十三年におきます防災建築街造成事業の実績でございますが、整備済み街区は二十六ヘクタール、それから、そのときは整備中の街区を申し上げてなかったのでございますが、整備中の街区が百三十四ヘクタールございます。したがいまして、整備がすでに終わっているのは、防災建築街区の関係では、面積といたしまして二十六ヘクタール、こういうことでございます。
  9. 吉田之久

    吉田(之)委員 そうすると、「都市開発法案のあらまし」という資料をいただいておりますが、このほうでは、現在までに「防災建築街造成事業については、昭和三十六年以来約四百七十組合」こちらは四百六十九組合、大体一緒ですね。「が設立され、約二百三十ヘクタールについて街区の整備が進められており、」となっております。それから局長答弁では、二十六ヘクタールで、整備中のものが百三十四ヘクタール。どう計算してもこれは合わないのですが……。
  10. 竹内藤男

    竹内政府委員 数字がいろいろあるものですから——全部申し上げますと、防災建築街区というのは、まず街区の指定をするわけでございまして、その街区の指定は、そこに申し上げておりますように百四都市ございまして、街区を指定した指定面積は三百四十ヘクタール。それから、その街区の中で組合ができるわけなんです。その組合設立認可の際に一応どこをやるかというのをきめますので、その組合設立認可の際に、組合がその地区において行ないます区域、その面積が二百二十ヘクタール——二百三十、ちょっと違っておりますが、約二百二十ヘクタール。それで、組合ができまして、それに対して補助なり融資なりをいたしまして整備を進めていくわけであります。その整備を終わりました面積が二十六ヘクタールで、整備中のものが百三十四ヘクタールでございます。ただ、組合はできましたけれども、事業計画をつくって整備にかかってないというのがあるわけであります。ですから、街区面積は三百四十、組合設立認可をいたしましたのが二百二十、整備済みが二十六、整備中が百三十四、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
  11. 吉田之久

    吉田(之)委員 そうすると、やはり参議院のほうでおっしゃっているこの数字は、現に整備された面積としては正しい。——よけいなことを言いますけれども、ちょっとこの書き方はおかしいでしょう。  それで、市街地改造のほう、これはすでに三十七ヘクタールの整備が進められておる、そして現在までに使われた事業費というものは五百億円だということで間違いはございませんか。
  12. 竹内藤男

    竹内政府委員 三十七ヘクタールで、約五百億で間違いございません。
  13. 吉田之久

    吉田(之)委員 そうすると、この市街地改造の場合も、あるいは防災建築街区の場合も、どちらも、われわれの計算によりますと、前者のほうは一ヘクタール四、五十億円かかっておる、それから後者のほうは約二十億円かかっておる、こういうことでございますので、金額から見ると相当かさの高い事業であることは事実だと思います。しかし、八年間かかって全国でわずかに三十ないし四十ヘクタールしかこの二つ法律によって実施できなかった、整備できなかったということは事実でございます。実は大臣は、参議院のほうで、「防災建築街造成法といい、あるいは市街地造成法といい、両方とも今日まで相当役割りを果たしてまいっております」また別のところで、「非常に役割りを果たしてまいった次第でございますが」ということで、この二つ法律について非常に高くその成果を評価しておられるようにわれわれは受け取るわけなんでございますけれども、実際のところ、率直に申されてそれほど成果があがったとお考えなのですか、それとも、実はそうは言いたいけれども、十分成果があがらないのでこの都市開発法に踏み切ったのだということなのか、その辺のところを、もう少しすなおに実情を吐露されたほうがいいのではないかと思います。
  14. 坪川信三

    坪川国務大臣 吉田委員御指摘になりました従来の二法律によるところの効率的な効果をあげてまいったことは事実でございます。しかし、立法をいたしました当時から今日に至るまでの間において急激な都市化現象の大きな変化を来たしつつあることも、吉田委員承知のとおりでございます。したがって、これらの複雑化した都市化現象に対応する措置といたしまして、従来の法制措置によってとり得るということからくるその効率的ねらいというものは、かなり期待が薄らいでまいったといいますか、その効率、あるいはその法的措置によってのねらいというものの成果が決して満足のいく成果をあげていないという観点から、このたび、いわゆる総合的な都市開発法適用いたしましてそしてこれらの補いをいたしたいということが本法案立法趣旨でございまして、その時代においてはその時代に即応いたしましたある程度成果をあげてきたことは私は評価をいたしたい、こう考えておりますが、率直に申し上げまして、まことに急激な現象化しつつある都市化現象に対する措置といたしまして、この二法の依存によってはかなり成果を期待できないまことに憂うべき現状に立ち至っておりますので、再開発法立法措置を講じまして、総合的なるところの施策によって万全を期したい、こういうような偽らない気持ちといいますか、私の気持ちはそういうところにあることを御了承願いたいと思います。
  15. 吉田之久

    吉田(之)委員 それで局長にお伺いいたしますけれども、いま市街地改造法は、大規模道路、広場を整備する目的のみに限定されておった、また防災建築街造成法は、建築物共同化不燃化を推進するための助成法にとどまった、したがって、総合的な都市開発法をひとつここで制定しようではないかということは、われわれも非常によくわかるわけなんでございますが、先ほどもちょっと申しておりましたように、この市街地改造法あるいは防災建築街造成法、この二つ法律を包括して統合する趣旨法律が今度の都市開発法だろうというふうにわれわれは考えているわけでございます。それらも含めた、さらに新しい目的を持っている法律ではございますが。そこで、実際にこの事業を実施していく場合に、先ほど申しましたように、一ヘクタール当たり二十億ないし四、五十億の金がそれぞれいままでは投入されてきておったわけですけれども、今後の都市開発をやる場合も、やはりそれと同じないしはそれ以上の経費というものを必要とするものだろうとわれわれば思うのですけれども、そういうふうに考えていいのですか。この辺のところを——これは場所場所によって違うと思いますが、大体平均してどの程度単位当たりの費用が想定できるか。
  16. 竹内藤男

    竹内政府委員 新しい再開発事業によります事業費、これはもちろん場所によって違いますけれども、ヘクタール当たり二十億ぐらいかかると思います。新しい法律によりますと、やり方が三つございまして、最も原則的な場合には、土地底地権は買わない方式でございますので、その分だけは安くなる、こういうように考えておるわけでございます。
  17. 吉田之久

    吉田(之)委員 次に、各条項にわたって若干の御質問をいたしたいと思います。  まず、第三条でございまして、この第三条では、要するに木造で平べったい建物の集まっている地域を再開発しようということのようですが、その地区に、たとえば、木造ではないけれども、古い赤れんがで、けっこう旧式な、すでにもう使いものにならない建物があるということを想定した場合、そういうものはどうなるのですか。そういうところは含むことはできないのでしょうか。
  18. 竹内藤男

    竹内政府委員 三条の二号に関連する問題だと思いますが、たとえば、その赤れんが建物が、そこに再開発をしようとする区域の中の建物建築面積のほんの一部であるという場合には、この二号に該当いたしまして再開発ができるわけでございますので、赤れがの建物を取りこわして再開発するということはできるわけでございますが、ここに書いてございますように、たとえば、耐火建築物相当多く建っているというような場合には、この耐火建築物が建っているところをさらに取りこわして、ある程度強制権を持ちながら再開発を進めるというところまでは、この法律ではできない、こういうことになっているわけでございます。
  19. 吉田之久

    吉田(之)委員 次に、この第三条各項にわたっていろいろ述べられておりますが、要するに、土地利用が不健全であるところ、そういう考え方をいろいろ述べておられると思うのです。しかし、実際この土地がその再開発地区に該当するものと認定すべきであるかどうかというような問題になってまいりますと、なかなか抽象的な表現では、現地でいろいろと意見違い——特に住民意見をきわめて尊重しなければならないたてまえの法律でございますので、混乱が起こらないとも限らないと思うのです。その点もう少し具体的に何か、都市計画一つの標準と申しますか、そういうものを個々に検討しておられるべきだと思いますが、いままでそういう各具体的な検討を進められた点がございましたならば、この機会に御説明をいただきたいと思います。
  20. 竹内藤男

    竹内政府委員 第三条の三号におきまして「土地利用状況が著しく不健全である」ということがございまして、それが要件になっておりまして、この不健全であるということの例示といたしまして、十分な公共施設がない、あるいは土地利用が細分化されていること等というのが入っているわけでございます。具体的にどういうことを意味するのかという御質問であろうと思いますが、一つは、都市計画道路公園等施設は決定いたしておりますが、それが十分整備されていないというような場合、それから二番目には、土地利用状況が著しく低い、たとえば、今度の再開発事業をやります地区は、高度利用地区というものがかかるわけでありますが、高度利用地区で定められております容積率最低限度というものに比べまして著しく低い利用しかされていないというような場合、それから、土地利用状況が細分化されている、そして共同建築を行なわなければとてもその土地の有効な利用ができないというような場合、それから四番目といたしましては、老朽家屋が密集しておって、防災上も衛生上も放置できないというような場合が考えられるわけであります。したがいまして、客観的に見まして都市計画決定権者がこれを判断するわけでございますし、また、認可にもかかってくるわけでございますが、これだけでは、先生おっしゃるように確かに不十分だと思います。三号の解釈につきましては、通達等において明らかにいたしたい、こういうように考えております。
  21. 塩川正十郎

    塩川委員 まことに恐縮ですが、吉田委員質問に関連いたしまして二、三ちょっとお尋ねいたしたいと思います。お許しいただきたいと思います。  つきましては、先ほどお話のございましたように、都市の計画的な再開発高度利用、こういうことの目的のために、新しく都市開発法というものを設定して総合的、計画的にやる、こういうことでございまして、まことにけっこうだと思うのですが、しかし、それに類似した発想が、過去におきまして、防災建築街造成法というものに基づきましてある程度これに着手をしてまいりました。御承知のように、防災建築街区は、昭和三十六年に制定されまして今日に至っておるのでございますが、何といたしましても、こういう都市の再開発というものは、住民協力を得なければできません。ところが、法が制定されたと申しましても、直ちに防災街区、こういう事業住民協力一致を得て態勢に入っていくのにはなかなか時日を要します。そこで最近になってやっとこれが軌道に乗ってきたところでございます。したがって、昭和四十三年度現在で建設省の発表されておる数字によりますと、約四百五十の造成組合ができて、全国的な規模においてこれがとり行なわれておるということになっておる。ところが、今回再開発法が審議されて制定されるといたしますと、これらの防災建築街造成法というもののあと始末がどうなるのかということが非常に不安であります。都市開発を自主的にやろうと思って地域住民が意気込んで積極的に取り組んだやさきに、これが改正をされるということになりますと、非常に不安を持っております。ついては、その四百五十からにのぼっております現在設立されておるところの造成組合、これに対して今後どういう処置で臨まれるのか、これはひとつ建設省としての御意向をお伺いしておきたい、こう思うわけです。
  22. 竹内藤男

    竹内政府委員 この法律施行の際におきまして——この法律施行は、都市計画法施行日に合わせておりますので、六月になると思いますが、その際に、すでにもう組合ができている、そういう組合につきましては、この法律でも、附則四条二項におきましてはっきりと、この法律施行後も、なお従前法律適用があるというふうに書いてございます。現在の防災建築街造成法におきましては補助規定もございますので、法律適用はもとより、予算措置等につきましても従前と同様の線で援助してまいりたい、こういうふうに考えております。
  23. 塩川正十郎

    塩川委員 それでは、もう一度、くどいようでございますけれども、要約して確認いたしますと、これはひとつ大臣にお答え願いたいと思うのですが、先ほど竹内局長お話では、法施行時に組合が結成されて、これが確定しておる組合に対しましては、従前と同様の行政指導並びに補助金的な対策、これは従来と変わるところがない、しかもその補助金の内容につきましては、現在まで継続されてまいります各組合に対する規定そのとおりに行なうということでございますが、それに間違いございませんでしょうか。
  24. 坪川信三

    坪川国務大臣 まことに大事な問題で、これに協力をし、大きな意欲を持ってそれぞれの組合をつくっていただいて事業の推進をはかっていただいているこれらの重要な地区に対するところの今後の方針は何ら変更なくして、これの予算的裏づけをいたしながら事業建設省は責任もって推進いたす決意でございます。
  25. 塩川正十郎

    塩川委員 私たちの一番心配いたしますのは、要するに、この種の補助金行政部費的補助金でございますので、したがって、事業所数の増加により一事業所が受ける補助金が薄められていく、規定を質的に落とされていくという心配を持っております。そういうことのないようにひとつ善処していただきたいと思います。  それから二番目の問題といたしまして、現在防災街建築造成法適用を受けまして補助金を受けておる組合がございます。この組合が、いわゆる地域的な広い面における再開発法適用を受けてそれに呼応いたします場合に、この防災建築街造成法に基づくところの補助金を受けておる組合、これは再開発法適用を受けにくいということを聞いておるのでございますが、私はこれはどうもおかしいと思うのです。より積極的に、より地域を広げて行なおうという再開発法に参加しようというのに、補助金を受けておる組合はこれの適用を受けられないということはおかしいと思うのですが、この間の事情をひとつ説明していただきたい。これは局長でけっこうでございます。
  26. 竹内藤男

    竹内政府委員 すでに補助金を受けて事業が進められているものにつきまして、別の事業に切りかえるということはなかなかむずかしいという意味で、すでに補助金が交付されておるものにつきましては組合の切りかえがむずかしいというふうに申し上げたわけでございますが、いろいろ検討いたしまして——防災のほうは、補助金を受けるのは、建築物について補助金を受けるわけでございます。したがいまして、まだ幾つかあと残っている建築物でこれからやろうというものがあるわけでございますので、その補助金を受けております建築物事業計画の中から何とか除外いたしまして、そして残りのものについて新法の組合で仕事をしていくというような事業移行を考えてまいりたい、こういうふうに思っております。
  27. 塩川正十郎

    塩川委員 それでは、そういう指導につきましては実態に即するようにひとつお願いいたしたいと思います。  最後にもう一つだけお聞きいたしたいのですが、本法によりますところの高度利用地区というのがどうももうひとつ私たち明確に理解できておらないのですが、この地区というのは、具体的に言いましたらどういう地区をさすのか、また、この地区におきまして再開発法によるところの再開発事業、これは大体どの程度面積を対象としてやっていこうとされておるのか、そういう点につきましてひとつ具体的に御説明いただきたい。
  28. 竹内藤男

    竹内政府委員 現在のところ、用途地区におきましては建物の高さあるいは建築面積の最高限を押え、容積地区では建物の延べ面積の最高限度を押える。この高度利用地区は、最高限が押えられている地域地区制の中におきまして、延べ面積の最低限をきめようということでございます。同時に、建物の底面積の最低限をきめよう、こういうことでございます。したがいまして、一般的な地域地区制のかかっているところにおきまして高度利用地区指定していく形になるわけでございます。その指定の最小限度は、私どもといたしましては、高度利用地区のほうは大体一ヘクタール以上でなければおかしいのじゃないか、そういうふうに考えております。  それから、では一体指定はどういう都市で行なわれるかといいますと、これは用途地区指定があるところではどこでも指定ができるというふうに、前の法案と違いまして今度そういうことにいたしておりますので、中小都市においても高度利用地区指定ができる。  それから事業のほうでございますが、事業のほうは、われわれといたしましては、できる限り広く事業をやっていただきたいわけでございますけれども、一般の住宅地、商業地等におきましてまとまってやるということのむずかしさもございますので、大体二千平米から五千平米くらいをいまのところ考えておるわけでございます。
  29. 塩川正十郎

    塩川委員 用途地区指定のあるところは適用し得る資格がある、こういうことでございますが、用途指定と申しますのは、高度利用地区という用途指定ですか。
  30. 竹内藤男

    竹内政府委員 住居地域とか商業地域、工業地域、準工業地域というようなものが指定されております。そういうような地域制の塗ってあるところという意味です。基本的な用途地域が塗ってあるところを高度利用、こういうことです。その塗ってあるのは、現在都市計画法適用されておりますところはかなり塗ってございますが、さらに新都市計画法でこれは塗らざるを得なくなるわけです。したがいまして、実体的には、都市計画をやっている都市におきしまてはどこでもかけられる、こういうことになろうかと思います。ただ、その用途地域を塗っていない白地のところがございます。そこは入らないということでございます。
  31. 塩川正十郎

    塩川委員 私は、時間の制限がございますので、もう一問だけお願いいたしたいと思います。  この再開発法は公共事業とセットで行なわれる。したがって、再開発法指定を受け再開発事業をやる場合には、必ず公共事業をその中に書き込んでおらなければならない、こういうふうに聞いておるのですが、必ずしもそうでないかもしれません。そこでお尋ねいたしたいのは、公共事業が終わった後において、その公共事業利用しようとするために行なうところの再開発、これはこの法の適用を受けられるかどうかということでございますが、この点につきましてひとつお願いいたしたいと思います。
  32. 竹内藤男

    竹内政府委員 法律の二条におきましては「建築物及び建築敷地の整備並びに公共施設整備に関する事業」と書いてございますので、公共施設整備がないと再開発事業は行なえないというふうに誤解される方もあると思います。これは、公共施設整備があわせて行なわれる場合には、これを一緒に塗り込んで再開発事業でやりなさいということでございます。すでに公共施設整備されている、道路はちゃんとできているというところにおきましても、この再開発事業はできるわけでございます。
  33. 塩川正十郎

    塩川委員 最後に大臣にひとつ特にお願いしておきたいのですが、実は防災建築街区が全国的な規模において広がってまいりまして、そういう関係者が非常に強い意向として申しておりますこと、しかもそれに関係ございます公共団体等が意思表示しておりますことは、結局、一番最初に私がお願いかたがたお尋ねいたしました補助金の継続の問題でございますが、要するに、現在の存続しておるところの防災建築街造成組合、これにつきましては、従来同様の補助金、それから融資の助成措置並びに減免税措置、技術的援助、こういうものを継続していただいて完全なる事業の完了をはかっていただきたい、こういうことを非常に強い要望を受けておるものでございます。ぜひともひとつこの点につきましてお願い申し上げたいと思うわけでございます。
  34. 坪川信三

    坪川国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、防災街区の造成の事業は非常に重要な問題でございますので、御指摘のとおり、補助あるいは融資の措置あるいは減免措置等に対するところのこれらの組合の育成につきましては、今後とも何ら変わることなく、さらに意欲をもって適切なる指導援助をいたす覚悟でございますので、御了承願いたいと思います。
  35. 吉田之久

    吉田(之)委員 いま塩川委員からもいろいろと関連質問がございましたけれども、やはり今度のこの都市開発法、いわゆる市街地開発事業というものは、都市計画法のかさの下に置かれると申しますか、これと非常に密接不可分の関係を持たなければならないし、かつ、この二つが絶えず連携を保ちながらやられなければ、所期の成果を発揮することはできないというふうにわれわれは考えるわけでございます。  ところで、その新しい都市計画がこういう都市の再開発というものを完全に考慮に入れてこまやかなマスタープランをつくっている場合は問題は非常に楽だと思うのですけれども、そこまで配慮されないままに走っておる。今度都市開発法が実施されることになって、もう一度マスタープランそのものが見直しされなければならないというような問題が相当各所に出てくるのではないかというふうな気がいたします。また、それが完全に見直しされなければ、全国至るところ都市計画あるいは再開発というものが個々てんでんばらばらに行なわれるというようなことでは、これはなかなかに問題は重大だと思うのです。そういう点で、今後マスタープランの見直しをどうするのか、あるいは都市計画そのものの適時手直し、修正をどういう形で指導していくのかという問題につきまして御説明いただきたいと思います。
  36. 竹内藤男

    竹内政府委員 都市計画法におきましては、先生御承知のとおり、十二条の市街地開発事業の中にも、あらかじめ、再開発法による市街地再開発事業というのを入れておるわけでございます。新しい都市計画法に基づきまして新しい都市計画区域が知事によって定められ、その都市計画区域の中を市街化区域、調整区域に区分しております。当然、その際には、市街化区域におきまして整備開発、保全の地区を定める、こういうことに法律上もなっておりますし、私どもも、指導といたしまして——従前都市計画についていろいろ言われておりましたのは、総合的なマスタープランというものが明らかになっていないという点を言われていたわけでございますが、できる限りこの市街化区域整備開発、保全の方針をマスタープランをつくるものとして運用していきたいという指導をやってまいりたい、そういうふうに考えているわけでございます。したがいまして、一つ都市地域の中の市街化区域全体の地域地区、あるいは都市施設、あるいは市街地開発事業というものは、その骨格を方針の中で明らかにしていくべきじゃないかというふうに考えておりますので、そういう指導をしてまいりたい。その全体の方針に従いまして、個々の都市計画の決定が新都市計画法の手続で行なわれるというふうに考えているわけでございます。もちろん、その結果、地域地区はこうきまる、あるいは都市施設はこうきまる、それから事業はこういうところでやるというふうにきまってくるわけでございますけれども、新法で、これも先生御承知のように、五年ごとに知事は基礎調査をいたすことにいたしております。さらに、都市計画を立てます基準に書いてございますように、この基礎調査の結果、改定を必要とする場合には改定していくということが法律にも書いてございますが、私どもも五年ごとの基礎調査に基づきまして都市計画の見直しをし、それによりまして、市街化区域を含めまして、地域地区都市施設事業の計画の変更をしてまいる、こういうふうに考えているわけでございます。
  37. 吉田之久

    吉田(之)委員 そこで、いまおっしゃるとおり、都市計画法によりますと、御説明にありましたように、五年ごとに基礎調査をやってそうして見直ししていく。特に再開発の場合には、そこにいろいろと焦点を置きながら見直しをしていかれるだろうと思います。しかし、いま地方へ参りますと、どの地域でも今度は市街化区域というものができる、あるいは調整区域というものができる、われわれの町はどちらに入るのだろうかという点で非常に関心がわいております。そこで、ともかく五年ごとにこれはまた修正されるのだというふうなことが相当浸透しているわけなんですね。われわれの考え方によれば、市街化区域というものをつくる場合には、これは十年間はかかってそこを市街化にする、したがって、調整区域の場合には、十年間は調整区域として押えておくというふうに認識しているわけなんです。そこで、この五年と十年の刻みですね。これを調査は五年にする、手直し修正は十年ごとにするのか、やはり五年でもするのか、その辺のところがなかなか各地でそれぞれ思い思いの考え方に立っていま想を練っておるというふうな感じがいたしますので、ちょっとあわせて御説明をいただきたいと思います。
  38. 竹内藤男

    竹内政府委員 市街化区域につきましは、既成市街地と今後十年間に優先的、計画的に市街化をはかるべき区域を市街化区域にする、こういうふうになっているわけでございます。したがいまして、ある時点に立ちまして、ここをどう分けるかというときには、市街化区域には今後十年の見通しでこれは計画的に市街化をしようという区域まで取り込むわけです。しかし、その時点が五年たちますと、五年後におきまして、さらに十年の見通しで考えるということでございますので、その段階におきまして、市街化区域をさらに拡張しなければならぬという要請がありますれば、当然、その時点に立った十年先の見通しによりまして市街化区域の拡張をしてまいる、つまり、五年ごとに市街化区域につきましても検討してまいる、こういうことになります。
  39. 吉田之久

    吉田(之)委員 では次の質問に入りますが、特にこの法律はいろいろの面でなかなかに進歩的な要素を含んでいると思います。しかし、ある面で非常に冷酷非情な一面を持ち合わせておるというふうにわれわれは考えます。特にその一番冷酷な面は、借家権者が組合員となり得ないというところにあると思います。この点につきましては、局長もいろいろと参議院のほうで御説明をなさっております。要するに、借家法によりますと、排他的な支配占有の可能なように構造上の独立を持っているものについて借家法の適用があるわけだ、したがって、日本の木造の、隣の座敷を通っていかなければ自分の部屋に入ることができないというふうな間借り人については、いわゆる借家法というものは適用されていない、したがって借家権というものはないのだ、したがって組合員たり得ないのだというふうな御説明をなさっております。ところで、今日の日本の現状を見ますときに、間借り人といえども、半永久的に相当長期にわたって、当然事実上は正規の借家人と同じような形によって契約を結んで入っているという実態が相当多くあると思うのです。短期間学生が下宿しているというような状態と必ずしも同様でない間借り人というものが相当あるはずです。しかも日本の今日の現状では、その家屋の構造からいって、隣の座敷を通っていかなければ自分の部屋に入れないというふうな部屋が相当ございます。ところで、たまたま今度の再開発法によって家が大きく近代的に建ちかわって一つのビルの形式になって、やれ、うれしやと思っておったら、これはおまえたちの入る資格も権利もない、また組合員たることもできないのだというような問題になってまいりますと、これは入っている間借り人の人たちにとっては非常に深刻な打撃を与えることになるだろうと思います。その生活の設計においていろいろとそごを来たすだろうと思います。こういう点で何とか配慮し得る考え方はないのかどうかということについてお伺いしたい。
  40. 竹内藤男

    竹内政府委員 間借り人が常に借家権がないかというと、これは判例がございまして、いろいろな場合がございますが、先生がいま御指摘になりましたような、他人の占有しております隣の座敷を通らなければ出られないというような場合には、おそらく借家権が与えられないことになろうと思います。つまり、借家法において保護されていない権利でございまして、したがって、借家法に借家人のためにいろいろな規制がございますけれども、それが適用されないような権利でございます。したがって、私どもの今度出しましたいわゆる再開発法は、これは権利調整の法律でございますので、そこでは借家権者としての取り扱いを受けてないという形になるわけでございます。先生おっしゃいましたように、気の毒だという事情はあるわけでございます。間借り人に対する措置はどうなるかということでございますが、これは普通の通常損失と申しますか、間借り人がある程度通常損失として補償されるという場合は出てくると思います。それからなお、この事業によりましていわば住居を失うわけでございますので、そのような場合には、住宅金融公庫の貸し付けその他公的住宅のほうで優先的に取り扱うということは考えられると思います。また、保留床を希望してそこに入りたいというところがありますれば、そこに入れるということもできると思います。ただ、いま申し上げましたような実体の権利がそういう権利になっておりますので、法律上の権利調整を行なう私どもの再開発事業では、当然の権利として借家権は与えられない、こういう形になっておるわけでありますが、気の毒な面につきましては、他の手段によりましてできる限りそういうことのないようにしてまいりたい、こういうように考えているわけでございます。
  41. 吉田之久

    吉田(之)委員 他の手段とは、たとえば公営住宅なんかに特別優先的に入居させてやるとか、あるいはやはり住宅金融公庫の融資を優先的に受けさせるとか、いろいろな方法が具体的でなければならないと思うのです。この再開発に伴って、犠牲になるといえばやや大げさかもしれませんけれども、間借りの資格を失う——もちろん、できるだけ間借り人も込みでビルに移させるという指導はまず十分なさっておると私は思います。しかし、どうしてもそういかない場合の救済措置につきまして、よほど十分な手だてをしていただかなければならないのではないかというふうに考えますが、大臣、この辺いかがでありますか。
  42. 坪川信三

    坪川国務大臣 これらのお気の毒な方々に対しましては、建築物の一部にお入りをいただくという優先的に分譲することもできますし、また、融資の面におきましても、住宅金融公庫等を通じましてこれらの方々に優先的に融資をいたすという方針をとって、こうした不幸なといいますか、お気の毒な方々に対する措置を十分講じてまいりたい、こう考えております。また、公営住宅等に対するところの優先入居等も十分配慮いたしてまいりたい、こう考えております。
  43. 吉田之久

    吉田(之)委員 第十四条ですが、「施行地区となるべき区域内の宅地について所有権を有するすべての者及びその区域内の宅地について借地権を有するすべての者のそれぞれの三分の二以上の同意を得なければならない。」こういう表現がなされております。この「それぞれ」というのは、所有権を有する人間の三分の二と、借地権を持っておる人間の三分の二、どちらも三分の二を満たさなければならない、そういう考え方でございますね。
  44. 竹内藤男

    竹内政府委員 そういう考え方でございます。
  45. 吉田之久

    吉田(之)委員 第十六条で、都道府県知事に対して、その縦覧期間満了の翌日から起算して二週間を経過するまでの間に意見書を提出することができる、こうなっております。意見書を出した場合に、一体その意見書というのはどのように尊重されるのかという問題が一番大事な問題になってくると思うのです。この意見書がきわめて正当なものである場合には、都道府県知事はもう一度その再開発組合に対していろいろと修正を求めたりすることができるというふうにわれわれは認識をいたしておりますけれども、その判断をだれがどのように正確にやるのか。また、その意見が正しいといわれた場合に、当然手直しを命じなければならないと思うのです。その間に相当めんどうなトラブルが起こるであろうと思うのです。それぞれみずからの主張を十分に張り合っての論争になってくるだろうと思います。その辺の指導あるいは具体的な調整のしかた等につきまして、局長はどのようにお考えになっていますか。
  46. 竹内藤男

    竹内政府委員 組合を設立いたします際に、発起人が、事業計画、それから定款というものを定めて、知事の認可を受けるわけでございます。その際に知事は、認可申請がありますと、市町村長に二週間の縦覧期間で縦覧させ、その間に関係権利者からの意見書の提出を求めるわけでございます。その意見書の処理でございます。これにつきましては、主として、定款もございましょうし、また事業計画つきましてもいろいろな意見が出てまいるかと思います。したがいまして、法律におきまして行政不服審査法の異議申し立ての審理に関する規定を準用する、こういうことになると思います。手続といたしては、原則としては書面審理になると思いますけれども、権利者の申し立てによって、月頭弁論をお願いしたいということになれば、口頭で意見陳述の機会を与えなければならぬ、こういう形で手続的には処理されると思います。実際問題といたしましては、やはりその地区の権利者の意向を相当聞きまして、知事が具体的な判断で片をつけていくというほかないのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
  47. 吉田之久

    吉田(之)委員 その次に、これは七十七条に関連する質問になるかと思うのですが、いままで入ったおった人が、今度再開発されたビルの中で、さらに普通与えられる権利以上に余分の床を求めたい、またその増床に対して応じ得る余地はあるというふうな場合に、しかし相当多額の金を出さなければこれはその権利を得ることはできないと思うのです。床はほしいけれども金はないというふうな事例が今後しばしば出てくるだろうと思います。この人たちに対してどのような融資上の手だてをしていくかという問題につきまして、御説明をいただきたいと思います。
  48. 竹内藤男

    竹内政府委員 七十九条におきまして、床面積が過小となる施設建築物の処理ということですが、権利変換自体は、いわば照応の原則によりまして、従前と新しい建築物の床面積とがそれぞれ見合うような形、権利者の間に不均衡が生じないような形において処理するとともに、価値的に著しい差が生じないようにきめなさいといっておるものですから、たとえば、従前土地建物の権利価値が小さいというような場合には、小さい新しい権利が与えられるという形になろうかと思います。一方におきまして、権利変換の基準といたしまして、七十四条におきまして、災害を防止し、衛生を向上し、その他居住条件を改善するように定めなければならないという原則がございますので、あまり小さい区画をつくるということは、再開発の面からいきまして望ましくないということでございます。そこで、著しく従前の権利価値が少ない人で、照応的な価値的に同じという原則によりますと床面積が小さくなってしまうというものにつきましては、床面積をやはり適正な床面積になるようにするという原則が、同じく七十九条に書いてあります。再開発の場合には、保留床というか、処分床と申しますか、そういうものがございますので、それをさいて与えるということが可能なわけです。その場合は当然お金を出さなければならぬ。そこで、お金につきまして——もともと床面積が小さくなるのを助ける規定でございますので、床面積が小さくなりますものにつきましては、資金的な手当をどうするかということでございます。一つは、事業そのものをやってまいります施行者におきまして清算金の分割納付の制度をとってまいる。従前市街地改造事業等におきまして十年の分割を認めております。組合の場合におきましても、組合に対する融資は、たとえば住宅金融公庫でございますと、十年という融資が組合自体に与えられておるわけでございます。そういう方々に対しましては、組合が施行者の場合におきましては、清算金の最長十年くらいの分割は可能じゃないか、こういうふうに思います。さらに、それが住宅である場合におきましては、その増し床部分の住宅につきまして住宅金融公庫の資金の個人貸し付けのワクがございます。個人貸し付けを特別に考えて——特別と申しますか、一般の抽せんによらないで優先的に貸し付けるということをやってまいりたい、こういうふうに考えております。
  49. 吉田之久

    吉田(之)委員 次に九十七条でございますが、これは局長参議院のほうで高山委員にお答えになっておるわけなんです。床を与えられた場合には、建物が建つまでの間よそにいっていなければなりませんので、営業をやっておりますとすれば、仮営業所を設置するための費用の補償でございますとか、そういういろいろな移転料あるいは休業補償、仮店舗、住居等の補償、そういうものをしなければならないんだというふうにお答えになっております。これはなかなかこまやかな配慮がなされておって、いいと思う。しかし、これは自分たちが自分のものを建てるわけですね。その間そこで営業ができないわけですから補償する。結局、自分で自分の足を食っておるようなことにならないか。
  50. 竹内藤男

    竹内政府委員 補償費は当然事業費になってまいるわけでございます。組合の行ないます場合には、施行者である組合の負担になる、最終的には組合員の負担になるわけであります。ただ、その事業費を何でまかなうかといいますと、処分床でまかなう、こういう考え方であります。
  51. 吉田之久

    吉田(之)委員 次に百二条、家賃の問題ですけれども、家賃その他の協議の中で、当事者の一方または双方の申し立てによって、審査委員の過半数の同意を得て裁定することができるというようなことがここに書かれてあります。借家権者がどうしてもついていけないような家賃、これはいろいろと主観によっても違いますけれども、その入っている人たちのいままでの家賃と新しく改定される家賃、当然入りたいという意欲はあるけれども、一挙に十倍くらいにもなってしまった、その家計上からついていけないというふうな場合、裁定というのは、あくまでもそういう個々の生活の実態とはかかわりなく公正になされるだろうと思うのです。そういう場合に、まず裁定のしかたですね。そういう入っている人たちの事情というようなものは全く無視されるだろうかどうか、それからどういう形で何人くらいで正当な裁定がなされるのだろうか、それから、裁定されてなおかつついていけない人たちに対しては、当分の間何か家賃の暫定的な補助というようなものが考えられないかというふうなことをお尋ねいたしたいと思います。
  52. 竹内藤男

    竹内政府委員 ここで書いてあります裁定の場合には、本来、権利者同士が、つまり、大家さんと借家人同士が協議によってきめるものを、協議できまらぬ場合に施行者が審査委員の同意を得てきめるということでありますので、あくまでも民事的な問題であります。したがいまして、裁定につきましては、具体的な事例に即してなされると思いますけれども、賃借り人と賃貸し人の両方の立場を考えて裁定がなされる、こういうように考えます。したがいまして、いままで非常に安い家賃で入っていた人が高い家賃になるという場合があるいは出てくるかと思います。ただ、私ども、裁定につきましてはあくまでもそういうような性格のものでございますが、一方におきまして、家主さんが出ていった場合に施行者が床を与える、借家権を与えるという規定に対応した家賃につきましては、政令でこれをきめるということになっております。標準家賃につきましては、政令できめます。その政令の中身といたしまして、家賃の算定の基礎になるいわば償却額の算定におきましては、従前借家権者が持っていた借家権の価額というのもを差し引いてきめるように政令で書きたい、従前借家権者が借家権を持っていたわけでございまして、そのまま当然借家権が与えられるわけでございますので、その借家権価額というものは差し引いて、その残りのものについて何年でどれぐらいの利回りで家賃をきめるかというふうにしてまいりたい、こう考えております。と申しますのは、逆に言いますと、家主さんに対する補償と申しますか、与え方というのは、借家権分を差し引いたもので与えるという形になるわけであります。そういうふうに考えておるわけでございます。したがいまして、従前に入っておりました家賃が極端に安いという場合は別でございますけれども、通常の家賃で入っているといたしますれば、構造物が変わったとか、あるいは環境がよくなったとかいう点は別にいたしまして、借家権分を差し引きますとかなり安くなる、こういうふうに考えておりまして、その標準家賃についての考え方を、裁定の際にもわれわれの指導といたしましてそういうような指導をしてまりたい、借家権分は差し引くという指導をしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  それから、先生申されました、借家人に対しまして特別に公共団体なり国なりが補助をするということは、現在考えておりません。借家人に対しまして別の立場の国なり公共団体が補助するということは、現在考えておりません。私どもといたしましては、あくまでも元本の価額が安くなるように税金等で措置をする、あるいは補助金を与える、低利融資を与える、それからまた、具体的な家賃の裁定にあたっては借家権分を差し引く、そういうことによりまして家賃の低減をはかってまいりたい、こういうことでございす。
  53. 吉田之久

    吉田(之)委員 何かイギリスのほうでは、都市開発をやる場合に、その新築住宅について家賃補助をやっておる、また、その他各施設については各関係法によって補助をしておるというふうなことをちらっと聞いているのですけれども、これはどういう実態なんでしょうか。
  54. 竹内藤男

    竹内政府委員 イギリスの制度はあまりよく勉強しておりませんけれども、おそらく、公共団体が施行する場合におきます公共団体の管理する住宅についての話ではないかというふうに考えるわけでございます。これは実際よく調べてないことをあまりくだくだ申し上げてもなにでございますが、そういう場合、体系がちょっと違いますので、公共団体が管理している住宅であればそういうことができるのじゃないか、あるいは何か公共団体に近いような主体がやっている場合にはできるのじゃないかと思います。純然たる民間で営利事業的にやっている住宅について家賃の補助があるかどうか、そこのところちょっと私も勉強しておりませんので……。
  55. 吉田之久

    吉田(之)委員 皆さんのほうから資料が出ているのですよ。「都市開発法案資料(第一集)」建設省から出ています。四三ページ。御説明願います。
  56. 竹内藤男

    竹内政府委員 これは、ここに書いてございますように、「スラムクリアランス又は再開発目的で地方庁が供給する住居について、完成後六十年間毎年一定の金額が地方庁に交付される。(いわゆる家賃補助)」ということでございまして、私もこれの根拠を詳しく調べておりませんが、これに関する限り、地方庁に対するものです。
  57. 吉田之久

    吉田(之)委員 最後に、大臣にこれの要望を申し上げておきたいと思います。  お聞きのとおり、この法案にはいろいろ問題があります。特に、じゃま者は三分の一程度は追い出しても推進しなければならないのだ、貧乏人はほうり出せばいいのだというふうな法律であってはならないと思うのです。決してそういう趣旨でつくられたものではないだろうと信じますけれども、しかし、運営のいかんによってはそういう問題が随所に出てくるだろうと思います。特に家賃の問題、間借り人の問題等が重要だとわれわれは判断いたします。  そこで、いま局長もお答えになりましたように、イギリスの場合、われわれももっと検討しなければよくわかりませんけれども、どうやら向こうのほうでは民間事業が行なうのは例外的といわれている——ということは、結局、公共事業がほとんど主体となって再開発をやってきているのだろうと思います。しかし、わが国の場合、いかに組合形式といえども、いかに民間事業といえども、これから行なわれる再開発というものは、多分に公共的な性格を帯びた再開発であろうとわれわれは判断しております。それが公共的な性格を帯びて全体の日本の都市計画のバランスある前進のためになされる再開発である以上は、その再開発の実施の過程の中で犠牲となるべき人たちが、そのまま泣き寝入りし、そのままほうり出されっぱなしになるようであってはならないと思います。したがって、私は、この再開発法が実際に運営されていく場合に、そういう弱い人たちに対し、これは民間事業でございますので、われわれ政府のいろいろな援助、補助のしかたには限界がございますというような冷ややかな態度で進んだのでは、将来非常に社会問題になるだろうと思います。その点十分配慮されるべきことを申し添えまして、私の質問を終わります。
  58. 坪川信三

    坪川国務大臣 吉田委員の御指摘になりました問題点は、非常に重要な問題でございますので、私も私なりに、この法案制定に際しましての、間借り人の問題、あるいは家賃の問題その他の犠牲的な立場になられるような予想をされるような点につきましては、十分ひとつそれぞれ配慮をいたさなければならぬと深く考えてこの問題に取り組んでおるようなわけでございますので、不幸な大衆各位の犠牲者の方々に対する行政配慮あるいは指導その他につきましては、先ほども申し上げましたように、十分こまかく配慮をいたしまして、これらの協力をしていただく各位に対しまして不幸な事態のなきよう最善の配慮をいたす決意であることを申し上げておきたい、こう思っております。
  59. 吉田之久

    吉田(之)委員 質問を終わります。
  60. 始関伊平

    始関委員長 北側義一君。
  61. 北側義一

    ○北側委員 都市開発法の審議を進めさせていただきます。  この法案を読ましていただいたわけですが、いろいろと問題点があるわけであります。それについては順次お聞きしてまいりますが、御存じのとおり、都市は、非常なる産業及び人口の集中によりまして、非常に交通もふくそうしておりますし、また公害も起こっておりますし、また住宅難も非常に激しくなっておるわけですね。そういう都市機能を、土地の合理的な利用をしてそして公共の福祉に寄与する、こういう目的でこの法案がつくられたわけでありますが、その都市機能を改善する都市開発事業の基本構想、またはマスタープランといいましょうか、そういうようなものをまずお聞きしたいものです。これは当然市街地を段階的に再開発してやっていこう、このように考えておられるのであろう、このように思うわけです。それについての地区の選定、また事業を実施していく順序、また将来の都市像、こういうものはどのようになるのか、大臣からひとつお伺いしたいものです。
  62. 坪川信三

    坪川国務大臣 非常に重要なこの問題に対しましての私の基本的な構想、考え方につきましては、それぞれ申し上げておるとおりでございますが、最近の不幸な都市の現象を見ますときに、住宅難あるいは交通難あるいは交通麻痺、また、雑然たるところの住宅、都市環境の現状を見ますときに、ここに新たなる考えをもちまして、住宅環境の整備をはかりながら、公園あるいは下水あるいは道路等の整備をいたしつつ、立体化いたしました都市開発土地利用の促進を行ないまして、そして秩序あるところの都市建設をいたしたいということが、本法案制定の最終目標である次第でございます。そうした意味において、私といたしましては、いま御心配をいただいておるような今後の都市現象ということを想像いたしますときに、非常に憂慮される点があり、また、都市化現象というものはその国の文化のバロメーターともいわれておることを考えるときに、われわれはそこに総合的な計画的なる都市計画の建設をいたしたい、そのねらいのもとにおいて本法案提案いたしましたので、御了承をいただきたいと思います。
  63. 北側義一

    ○北側委員 いまここでどのような地区を選定するかということについてはすぐにはお答えいただけないかもわかりませんが、聞くところによりますと、本年度で四カ所、このように聞いておるわけです。やはり本年度の分四カ所、それから今後の見通しですね、そのようなものについてお伺いしたいものです。
  64. 竹内藤男

    竹内政府委員 再開発事業をどういうところで行なうかという地区選定の問題でございますが、考え方といたしましては、もうすでに機能が低下しております中小商店街及びその周辺というものが一つ考えられると思います。さらに、都市の中心部または周辺部の付近にあります低層木造の住宅地で、将来これを中高層住宅地区として整備すべき地区というようなものが、二番目に考えられます。三番目といたしましては、不良住宅と工場が混在しておりますとか、家屋が密集しておりますために災害の危険性が高い、あるいは公害によって環境が劣悪で、都市防災上、公害防止上かなり緊急に大規模な計画を立てなければならないというようなところが考えられます。それから四番目といたしましては、幹線街路なり駅前広場の整備を行ないますために当然再開発をやっていかなければならないというようなところが考えられると思います。そういうようなところにつきまして再開発事業を進めてまいるわけでございますが、今年度は、先ほど質問がございましたように、四地区で考えておりまして、これはいわば公共団体が施行する再開発事業でございます。場所といたしましては、小樽、桑名、大阪阿倍野、宝塚というようなところを考えておるわけでございます。組合のほうは、まだこの法律制定されておりませんので、組合のほうからどういうところをやっていくというような問題は出ておりませんので、四十四年度の予算としては、組合につきましてはこれを計上しておりませんが、この法律ができ次第、四十五年度を目ざしまして、われわれのやりたい地区につきまして組合を結成していくような指導を公共団体にお願いをしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  65. 北側義一

    ○北側委員 本年度の分はそのように四カ所は地方公共団体が施行する、このようになっておりますが、かなりにこの再開発事業を行なうことについて、公団住宅とか、または公営住宅、これを上乗せする場合に、その地方公共団体なり、また日本住宅公団、これと、このたびできますところの再開発組合意見——たとえば、地方公共団体としては、スラムの住宅街であるので、公営住宅を上乗せしたい、このような意見がある、ところが、その再開発組合のはうでそういう意見を取り入れない、そのように意見を異にする場合も出てくるのではないかと思うのです。そういう場合はどうするのか、また、そういう手続は具体的にどのようにやっていくのか、これをお伺いしたいのです。
  66. 竹内藤男

    竹内政府委員 組合事業設立認可、つまり事業認可をとります際には、公的な住宅の供給主体と十分協議する機会を持になければならないというふうに法律に書いてございます。したがいまして、設立認可の申請を出します前に、組合の発起人は、公的住宅供給主体に対しまして、いわゆる処分床につきまして、これを引き受けて参加組合員にならないかどうかということを相談させるわけでございます。その際に、先生おっしゃいましたように意見が合わないという場合も出てくると思います。公共団体としては乗せたいけれども、組合のほうは自分のほうで何か住宅を持っていきたいというようなことが出てくると思います。そういう場合には、結局は最後には知事が認可の際にチェックするもあでありますので、やはり県が間に入りまして調整するというような形になってまいろうかというふうに思っているわけでございます。
  67. 北側義一

    ○北側委員 このたびできます再開発組合都市開発事業を行う目的、これはどの辺にあるのか。また、その再開発すべき地域二つの市または三つの市にまたがっておる場合に、かりに高度利用地区としての網をかぶせても、これは再開発目的が違う場合には非常にやりにくいのではないか、このような心配もするわけですが、その点どうでしょうか。
  68. 竹内藤男

    竹内政府委員 再開発目的といいますか、動機というのはいろいろあろうと思います。たとえば、その地域におきまして公共施設が十分でないから、公共施設整備するために再開発をしよう、あるいは中小商店街を改造するために再開発をしよう、あるいは防災拠点をつくるために再開発をしよう、あるいは住宅地域の高層不燃化ということを目的として再開発をしようというように、いろいろ動機、目的の違う場合はあろうかと思います。そういうものが目的の違うもの同士を一つ事業として行なう場合に、いろいろ意見の食い違い等が出てくるのじゃないかということでございますが、私どもといたしましては、できる限りそういうような再開発事業を行なわれる地区がつながっていくということが望ましいわけでございまして、そういうような目的が異なりましても、一定の形でやることができるのじゃないかというふうに思っているわけです。たとえば、よく私ども申しております、江東地区防災拠点をつくるために再開発をやるということは、形といたしましては、人工広場をつくり、高層住宅をつくるということでございますので、住宅の高層化あるいは不燃化ということと同じような関係にもなるわけでございます。また、別の見方をいたしますと、居住境環を向上させるという形になるわけでございます。したがいまして、そういうような地区におきましては、いろいろねらいは違いましても、形といたしましては、その形の中で再開発事業は統一的に行なわれるというふうに考えておるわけでございます。  それから、市町村が二つ、三つにわたる場合におきましても、これは市町村自体が事業をそれぞれやるというふうな場合は別でございますが、組合なり公団なりでやります場合には、地区がわたっているから再開発事業が困難になるということはないというふうに考えております。
  69. 北側義一

    ○北側委員 私が心配しますのは、いままでのような市街地の改造事業ですか、こういう場合ですと、これは公共団体がいままでやっておるわけです。ところが、今回の場合は、やはり再開発組合ができて、これは当然企業として採算が合なければやらないのじゃないかと思うのです。だから、いままでの市街地改造事業と、今回行なわれる再開発組合目的というものは、おのずからそこに相違点が出てくるのじゃないか。ここがやはり市街地改造事業と非常に違うところじゃないかと思うのです。昭和三十六年にこの市街地改造事業法律及び防災建築街造成法制定されたわけですが、今回の都市開発法案との相違ですね。大臣趣旨説明によりますと、この二法は不備な点があった、このように言われておるわけですが、そのおもな違った点はどのようなところですか。
  70. 竹内藤男

    竹内政府委員 市街地改造法におきましては、大臣先ほど申されましたように、まず施行者が違うわけでございます。その前に、目的が違うわけでございまして、市街地改造法は、先生御承知のように、特定の公共施設整備を行なうために市街地の再開発をするということでございまして、たとえば道路について申しますと、ある道路の裏宅地について一定の限度があるわけでございますが、その裏宅地につきまして再開発が行なわれるということで目的が限定されておりますが、今度の法案では、正面から市街地の経済的な再開発目的とするということにいたしておりますので、目的的な限定がなくて——限定がないと言うとちょっと表現が悪うございますけれども、正面から再開発自体に取り組めるわけです。前のは、道路整備するために再開発をする、そういう付随的な立場で再開発が行なわれたわけでございますが、今度は正面からできるわけでございます。その点が第一点でございます。  したがいまして、区域の取り方も、先ほど申し上げましたように、改造事業でございますと限定がありましたが、今度は広くなります。  第三番目は、施行者が違います。改造法におきましては、そういう道路整備のためとか、公共施設整備のためのとかいうことでございまして、いわゆる公共施設管理者でなければ施行者になれないが、このたびは、組合なり住宅公団なりあるいは一般的な公共団体というものが施行者になれるという点が違う点であります。  それから四番目は、権利の調整のやり方が、前は、一ぺん公共団体が収用してお金で与えるのが原則だけれども、本人の申し出があれば現物で与える形になっております。今度は、原則的に、従前の権利を消滅させて新たなる権利を発生させるという、権利変換の方式をとられたわけでありますが、これは具体的な内容に入りますと、収用の場合と権利変換の場合では権利調整のやり方が変わってくるわけでありまして、それ以外には、たとえば優遇措置あるいは管理等について変わっている点があるわけであります。
  71. 北側義一

    ○北側委員 ただいまのお話、また、私の知るところでは、今回の都市開発法案のほうが、市街地改造法よりも、どうしても私権を制限するあれが強くなっているように私は感ずるわけです。そこで、この再開発組合は当然民間が中心となってくるわけでありますが、その場合、先ほども言いましたとおり、採算が合わなければどうしてもやらない、したがって、建物の高層化、不燃化というものができても、公園及び緑地という生活環境の施設が十分整備されないのではないかということを心配する向きもあるわけです。また、このでき上がったビルにおいては、どうしても企業性の強いそういうオフィスとか商店というものが主体となって、もうけの薄い住宅のようなものはあと回しになるという不安が出てくるわけです。そういう場合には、結局、そこに住んでおりますところの住民が、都心に住みたいという希望が裏切られて、どうしてもそういう高層ビルには入居できないようになってくるのではないか、そうしますと、この都市開発事業目的が果たせない、このように私は思うわけなんですが、その点はどうなんでしょうか。
  72. 竹内藤男

    竹内政府委員 建物の高層不燃化はできても、公園、緑地その他の余地が十分とれないではないか、それから、でき上った建物の中に商店や事務所等が多く入ってくるのではないかという心配、さらに、そういうことで採算をとろうとすると、処分床が高くなって、なかなか一般の人が入れないということになるではないかという御質問かと思います。  私どもは、まず第一点につきましては、ある程度広く地区をとることによりまして、いままでこま切れだった区域をまとまった区域にする。たとえば道路につきましても、木造の非常に小さなうちが並んでおるところでございますと私道が多いので、私道を統合すれば広い道になるではないかという考えでございますが、それがなぜできなかったかというと、やはり広くまとめるためには、権利者の数が多いものですから、なかなか全体がまとまり切れなかったというところに一つ大きな原因があります。したがいまして、再開発をやってまいりますれば、まとまった空地が得られる、そのまとまった空地を公園なり駐車場なりあるいは共同の荷さばき施設なりに使っていくということによって、再開発は、一方において土地利用を高めながら、片方において有効な、まとまった空地をとることができるというふうに考えているわけであります。  それから、でき上がった建物が商業的な建築物で占められるおそれがあるということでございますので、先生方の御意見も取り入れまして、住宅の建設目標というものを都市計画できめ、この都市計画できめられた住宅建設の目標に事業者は縛られるということにいたしたわけであります。そういたしますと、確かに採算上の負担というものがかかるわけでございます。本来こういう採算上の負担がかかります一番大きな原因は、従前建物を取りこわす、あるいは共同施設整備をするとかいうところに費用がかかってくるために、一般のさら地に建物を建てます場合よりも費用がかかってくる場合もありますが、その点は、従前防災でやっておりました補助によりまして地方公共団体が補助していくという考え方を取り入れているわけでございます。たとえば、設計の費用、あるいは除却の費用、あるいは共同施設の費用というものにつきまして、一部ではございますが補助をしていくということを進めていく、少なくとも従前防災でやっておりましたような補助は確保する、さらにそれを内容的に拡充していきたい、こういうふうに考えているわけでございます。大体そういうような考え方で再開発をやってまいりたい、こういうふうに考えます。
  73. 北側義一

    ○北側委員 ただいまお話しありましたとおり、住宅建設の目標を今回取り入れられて、それを都市計画の中にはめ込んでおる。しかし、たとえば都市開発事業が行なえる地域といいますのは、当然もう都心の非常に地価の高いところではないかと思うのです。そうしますと、地方公共団体としてそういう地価の高いところにかりに公営住宅を建設する場合に、非常に家賃が高くなると思うのですね。そういうことで地方公共団体がこれを拒否するような場合が考えられるか、その点どうですか。
  74. 竹内藤男

    竹内政府委員 私どもの試算によりますと、たとえば公営住宅の家賃を——二種の場合、一種の場合で違いますけれども、それぞれ六千七百円、九千三百円くらいに押えたといたしまして、現在の公営住宅の制度のもとにおいてどれぐらいの土地のところでこれが収容可能かというのを計算したものがございます。容積率、つまり一つの敷地、一団の土地に対します建物の延べ面積の割合を二〇〇%というふうに考えますと、坪大体二十九万円ぐらいのところでも現在の公営住宅法でつき合っていける。それから三〇〇%ということにいたしますと——三〇〇%の場合は当然下に店舗が入ってまいります。そういたしますと、四十二万円ぐらいの土地のところで現在の公営住宅のやり方でももっていける、制度的にはそういうふうに考えるわけでございます。
  75. 北側義一

    ○北側委員 そうしますと、今日まで実施されてきました市街地改造法による地域、これは十六カ所ある、このように聞いているわけです。これで公営住宅が改造された地区があったら、いつごろ建設されて、その家賃は一体幾らぐらいになっておるのか。
  76. 森田松仁

    ○森田説明員 市街地改造法におきまして公営住宅が建設されましたケースは一件ございます。昭和三十八年度におきまして、神戸の大橋地区において記録されております。この整備後の家賃は五千円でございます。
  77. 北側義一

    ○北側委員 そうしますと、かりに、いま具体的な計画としてこの都市開発事業を行なう場合に、めどとして、いつころまでにどれだけの公営住宅なり公団住宅を上乗せしていきたい、そういう基本的な計画といいましょうか、そういうものはあるのでしょうか。
  78. 竹内藤男

    竹内政府委員 まだ法律施行になっておりませんので、組合がどれくらい今後どういう年次割りでやっていくのかというのが明らかになっておりませんので、その事業につき合っていく公営住宅なり公団住宅がどれだけかというのはまだきめてないと思いますが、ただ、現在の予算におきましても、高層公営住宅はどれくらい、あるいは高層公団住宅はどれくらい、あるいは住宅金融公庫の融資いたします高層住宅の建物はどれくらいということに予算でなっておりますから、それらを運用することによって十分つき合っていける、こういうように考えております。
  79. 北側義一

    ○北側委員 たとえば、先般参議院で先議されました都市開発法案、これと今回の違いは、住宅建設のここにあろうと思うのです。ところが、このように法案が変わりましても、実際具体的な建設上の計画というものがなければ、私は何にもならないと思うのです。実際の問題として、たとえば今回行なわれます四地区のうちの、私は全部は知りませんが、宝塚の南口にしましても、阿倍野にしましても、おそらくは無理ではなかろうか。これから再開発をやっていきますと、そういう住宅建設を主体に置くよりも、むしろ——一般の住宅は建つでしょうが、当然、商店が一階で、二階、三階がオフィス、その上が住宅、こういう姿になっていくと思うのです。そのように、一般住宅は建ちましても、公営住宅が上乗せするような、そういう再開発というのはごくまれではないか、このような考えを持っておるわけなんです。そうしますと、こういう法案ができましても、かりにそこに住んでいる人たちが、そういう再開発組合がその事業を行なう場合に、もしそういう高い一般の住宅ですと当然入居できない、こうなりますと、職住近接という再開発事業目的からもはずれていくのじゃないか、そういう意味におきまして、当然公的住宅、これをやはりはっきりとその目標なり計画なりを示していただきたいと思うのです。それがなければ、これは審議をやっても、こういう法案があるんだということだけで、なかなか納得いきかねるわけですが、この点、住宅局長どうでしょうかね。
  80. 大津留温

    ○大津留政府委員 新しい法案になりまして、住宅をできるだけ計画的に乗せるという方針がはっきりとられました。住宅局といたしましても、御指摘のように、職住近接という大目標に沿いまして、再開発事業に伴って、公的住宅、あるいは民間住宅でもけっこうと思いますが、住宅ができるだけこれに織り込まれることを歓迎するわけでございます。先ほど御指摘のように、四十四年度からは、公営住宅におきましても高層住宅を三千戸予算化いたしました。また、公団住宅におきましても一万戸以上の高層の予定を持っておりますので、これを極力こういう再開発事業に乗せる、あるいは単独で建てるということにいたしたいと思っております。また、再開発事業に伴いまして、借家人等の方が、その再開発によってできたところに住めないような御事情が出てまいります場合におきましては、他の公営住宅にそういう借家人の方が優先的に入居できるような措置もとってまいりたいということで、住宅行政といたしましても、この再開発事業のために住宅も大いに伸ばし、また、この再開発事業を側面から住宅行政面で応援できる面は積極的に応援していくというつもりでおるわけでございます。
  81. 坪川信三

    坪川国務大臣 北側委員のいま御指摘になっております問題は、非常に重要な問題でございますので、住宅局長がその基本方針を申し上げたので尽きていると思いますけれども、責任者である私といたしましても付言申し上あげておきたいと思います。  本法案立法の最終の目標は、都市政策の基本線に触れる重要な問題であり、都市政策の重要な基本問題は、土地問題であり、地価問題であり、住宅問題である。しかもその住宅問題の基本線は、私は、職住近接という基本線を打ち立ててその遂行に鋭意努力いたしておるような次第でありますので、いま局長が申しましたように、本年度、いわゆる中高層住宅政策を具現化するために、それぞれ三千戸を目標にしての予算措置を講じてまいった私の気持ちもここにございますので、都市開発法制定こそ、私は、いわゆる鉛筆ビルといいますか、敷地を十分利用いたしまして、そうして横でなくして縦への人口の流れを形成して、そして住宅政策の大きな一環にいたしてまいりたいというのが私の願いでありますので、この点ひとつ御了承おき願いたい、こう思います。
  82. 北側義一

    ○北側委員 念のためにお聞きしたいのですが、たとえば、再開発される地域において狭小床を持っておられる人がやはり相当おるんじゃないかと思うのです。たとえばアパート居住者、今度再開発されることしの四つの分ですね、そのうちの阿倍野地区なんかずいぶんアパートがあるわけですね、そうしますと、そういう人たちにも借家権者として公営住宅をあっせんしていただけるのでしょうか。その点どうでしょう。
  83. 大津留温

    ○大津留政府委員 再開発事業でそこに住宅を持ってお入りいただければ一番けっこうですが、家賃の関係その他でそこに入ることを希望されない、あるいはいろいろ事情で他に移りたいというような人も出てこようかと思います。そういう場合には、公営住宅におきましては、この再開発事業は公共事業の一種とみなしておりまして、その公共事業の施行に伴って家を必要とする方には、優先的に入居するという道がございますので、状況によりましてその道を相当活用いたしまして公営住宅に優先的にお入りいただくという考えでございます。
  84. 北側義一

    ○北側委員 それは法的にはどのように明記されているのですか。
  85. 大津留温

    ○大津留政府委員 公営住宅法第十六条の第一項に、特別の事由がある場合には、一般の公募によらないことができるという規定がございます。それを受けまして施行令の第四条の三に、特別の事由というのは、先ほど申しました公共事業に伴う住宅の除却、住宅を失うというので、その中に都市計画事業というものもあがっております。
  86. 北側義一

    ○北側委員 念のためにもう一度お聞きしておきますが、そういうアパートのような狭小床を持った人でも、そういう再開発事業の行なわれたような場合には、この法律によって公営住宅を供給する、こういうことですね。
  87. 大津留温

    ○大津留政府委員 この事業の中に入りまして公営住宅が一緒に建てられるという場合は、そこに入っていただくということもできます。また、先ほども申しましたように、いろいろの事情でその再開発事業によってできる住宅にお入りにならない、あるいは入れないという事情が生じられた方につきましては、他につくりました公営住宅のあき家なり新設、そういうところに優先的に入ってもらうということでございます。
  88. 北側義一

    ○北側委員 では次に移りまして、この法案の第五条に「住宅建設の目標の設定義務」、このようになっておるわけですが、これは第四条の二項の規定に抵触しない限り、住宅不足の著しい地域において市街地再開発による住宅建設を行なう、このようにあるわけですが、この住宅不足の著しい地域とは、具体的にどのような地域なんですか。
  89. 竹内藤男

    竹内政府委員 住宅不足の著しい地域と申しますのは、その市街地の区域なり、あるいはその市街地の区域を含みます都市の圏域におきまして人口増が自然増を上回る、あるいは非住宅居住、老朽住宅居住、老朽過密居住の世帯が多いというようなところを、住宅不足の著しい地域と考えておりますので、大都市圏等の場合には、いわゆる通勤圏と申しますか、そういうところは全部住宅不足の著しい地域に該当すると思います。また、地方におきまして、その都市自体は自然増加よりも以下の人口の伸びでありましても、当該地域におきましては非常に人口が集まっておる、人口が自然増を上回る集まり方をしているというような場合でも、それは住宅不足の著しい地域、こういうふうに考えておるわけでございます。
  90. 北側義一

    ○北側委員 では次に、日本住宅公団がこういう再開発事業を行なう場所に上乗せする場合に、本年度の家賃を見ましても非常に高いわけなんです。たとえば、ことしで一番高いのは、面開発が三万円になっておりますね。これと同じような家賃になってくるんじゃないかと思うんです。これは前にも私お聞きしたのですが、やはりここらで——この公営住宅の場合は家賃補助がありますが、この公団住宅の場合はそういうあれがないわけですね。これは原価主義になっておりますので、そうしますと、どうしても相当な家賃が見込まれるわけなんです。これについて家賃補助をやるような考え方をとったらどうかということを私は前に申し上げたのですが、こういう再開発事業が始まりますと特にそのような傾向が強くなるのじゃないか、こういう心配があるわけなんです。それはどうでしょうか。
  91. 大津留温

    ○大津留政府委員 この再開発事業もそうでございますが、御指摘のように、公団の面開発といって、都市の内部に高層のアパートをつくります場合の家賃が非常に高くなる、私どもとしても、これをいかにするか、非常に大きな問題でございます。そこで、実はこれは私どもだけのいろんな構想でありますけれども、一つは、やはり建設資金のコストをもう少し安いものにする必要があるじゃないか。現在は政府資金等によりまして五分の資金でやっておりますが、できれば四分程度の資金にいたしたいということで、これは財政当局との折衝の問題で、今後の問題でございますが、私どもとしてはそういうこともひとつぜひ検討していきたいと思います。  なおもう一つは、当面の問題といたしましては、これはいつか建設大臣からこの席でもお話があったかと思いますが、いわゆる傾斜家賃という、勤労者の所得も年々向上しておることでございますから、当面家賃負担が非常に苦しいということはございますが、行く行くは負担力もついてくるというところに目をつけまして、最初の数年間は家賃を割り引くような制度を研究したいということで、これも検討しておるようなわけでございます。
  92. 北側義一

    ○北側委員 ただいまの住宅局長さんの御答弁で五分を四分、また傾斜家賃、こういうことを言われたわけですが、大臣どうでしょうか。
  93. 坪川信三

    坪川国務大臣 いま住宅局長がこの問題に対する二点を取り上げて答弁いたしておるのでございますが、私もその二点の問題点を十分考慮いたしまして、その方向に、創意をこらしながら、ぜひともやってまいりたい、こういうな気持ちを十分私は持っておるようなわけでございます。何とかして、これを検討の段階でなくして実施の段階の方向に最善の努力をいたしてまいりたい、こう考えておるので、御了承願いたいと思います。
  94. 北側義一

    ○北側委員 聞くところによりますと、大蔵省のほうがこの傾斜家賃なんかには非常に反対していると聞いておるわけなんですが、ひとつがんばっていただきたいものです。  そこで、最後に、さっき忘れたのですが、今回、四十四年度に計画されておりますところの四地区、これでは公営住宅のほうへそういう借家権を持っておる人を入居させるようなあれはとっていないのですか。これは四カ所とも含んでおるのですか。
  95. 竹内藤男

    竹内政府委員 まだ法律が通っておりませんので、事業が進んでおりませんので、どれくらいの方が中にお入りになるか、あるいは外へ出たいのかということがわかりませんので、具体的にはどれくらいの数の人を公営住宅に入れるかということはまだきめておりませんけれども、この事業は本年度は大体すべり出しの費用でございますので、本格的には来年度以降になろうかと思いますが、調査いたしまして、そういう計画を立ててまいりたいと思います。
  96. 北側義一

    ○北側委員 次に、市街地の再開発組合を法人とした理由、また、組合設立を郡道府県知事の認可にした理由、これはどうでしょうか。
  97. 竹内藤男

    竹内政府委員 これは施行者でございますので、法人格を持っていろいろな法律的なことをやってまいるわけでございます。法人格を持たせたいということで、この法律に基づく規定によりまして特別の法人にしているわけでございます。  それから、知事の認可によりますのは、やはりいろいろな再開発をやってまいります場合に、この事業計画なり、その事業を進めます際の基本的な問題であります定款なりというものは、合理的な適正なものでなければならぬわけでございますし、さらに、この事業は権利者の利害に非常に密接な関係がございますので、組合だけにまかせるというのでは適当ではないということで、将来の監督規定あるいは事業代行規定と並びまして、設立の際にも十分知事が審査できるようにということで知事に認可権を与えたというわけでございます。
  98. 北側義一

    ○北側委員 先ほど話もあったわけですが、市街地再開発組合が、施行区域内における宅地について所有権を有するすべての者、及びその区域内の宅地について借地権を有するすべての者、それぞれの三分の二以上の同意を得なければならない、このようになっておるわけです。ここで、借家権者、これの同意を求める必要はない、このようになっておるのですが、その理由はどこにあるのでしょうか。
  99. 竹内藤男

    竹内政府委員 再開発事業と申しますのは、従前建物を除却いたしまして、土地高度利用をはかりますために新しい建物を建てる事業でございます。したがいまして、建物を除却する権限を持っている者と、その土地の上に新しい建物を建築する権限を持っている者が寄り集まって組合をつくって事業を行なおうということでございますので、組合の構成員になります者の同意を要するという意味で、第十四条に同意の規定を置いたわけであります。借家人はそういうような権限を持たない、つまり、一つの与えられた建物について、それを使っていく、利用していくという権限を持っているだけでございますので、いわゆるこの市街地再開発組合の構成員にならないということで、同意の対象にしていないわけでございますが、しかし、借家人といえども建物の権利を持っているものでございますので、事業計画の縦覧、意見書の提出、それについての処理という形で借家人の意向を十分反映させることができるようにしたいということでこの法律はできておるわけでございます。
  100. 北側義一

    ○北側委員 私思うのですが、いままでの市街地改造事業その他見まして、借家権者というものが非常に権利が弱いように思うのです。今回の法律によりますと、どうしても宅地の所有者、また宅地の借地権者、こういう人が非常に有利になるのではないかと思うのです。たとえば、その事業を施行していこうとする場合に、その地域内のそのような所有者の三分の二が同意したら事業が執行できるわけです。そうしますと、事業を執行するために、そのような宅地なり借地権、こういう所有権を持っている人が、権利変換計画、このようなものを立てた場合に、非常に有利になるのではないか、また有利に進めていくのではないか、このように心配するのです。いままでのいろいろな紛争の原因は全部ここにあったわけなんですね。そして事業が執行できなかった。これがいままでの原因なんです。この法案市街地改造事業法と違うところは、ここらが違うのではないかと思うのですね。今度は三分の二の同意があったらびしっとできるわけですから、かりに意見を具申しても、その意見はおそらく私は通らないのではないかと思うのです。そういう点が非常に心配なわけなんですね。その点どうなんでしょうか。
  101. 竹内藤男

    竹内政府委員 そういう点は実は私どもも非常に心配したわけでございまして、したがいまして、借家権者、これの権利がそこなわれるとか、あるいは不利に扱われるということがあってはならないわけです。したがって、借家権者には必ず新しい借家権を与えるのだという体制をとると同時に、それが具体的に出てまいりますのは、権利変換計画、そこにおきまして、だういう借家権が与えられるかということが規定されるわけでございますので、権利変換計画を立てます場合には、公平な第三者と申しますか、いわゆる審査委員というものに必ずかけなければならない。さらに、知事が認可する際に十分チェックするということにしていると同時に、権利変換計画の際におきましても、権利者といたしまして借家人に意見書を提出させる機会を与えているわけであります。それの処理につきましても、先ほどの審査委員にかけ、認可される。そういうようにいたしまして、審査委員という制度と、それから知事の認可という作用によりまして——もちろん、この基本は法律に書いてあるわけであります。法律の、借家権者に対する取り扱いが十分公平に、また不利にならないように行なわれることを担保しなければならないということで、意見書の提出、あるいは認可、あるいはまた審査委員の関与というような規定を置いて、そういうことがないようにこの法律ではしているつもりであるわけでございます。
  102. 北側義一

    ○北側委員 借家権者といってもいろいろあると思うのです。たとえば、戦前からその土地に住んでおって、家を借りてずっといままで生活をやっておった、そういう人の場合。たとえば戦前、昔よく貸し家なんという札がかかっておったわけです。その当時のいわゆる借家権というもの、その当時から持っておった人の権利と今日ではだいぶ違うと思うのですね。そこらで、借家権というのは、一体財産権か、それとも借権か、こういうことが問題になってくると思うのです。たとえば、やはり昔から三十年も四十年もずっと入っておるような人たちは、一つの財産だと思うのです。それが今度再開発事業を行なわれて、三分の二のいわゆる所有権者が組合をつくる。借家権者は組合に入れない。そういう意見を述べる道は講じてあっても、実際の問題としてはなかなか通るものではない、そういう心配がどうしても出てくるわけなんです。たとえば私の知っている例では、谷町の市街地改造事業、これを例にとってみますと、新しくできたビル、これに入居する場合に、当然これは階数、その入居する場所、これによって家賃の値段は違うわけです。たとえば、事業前に家賃が坪当たり百円ないし三百円、このようなものが、店舗の場合で平均坪二千八百円、また三階以上の住居の場合で平均坪千五百円程度、このようになっておる、こういう実態なんです。そうしますと、坪当たり大体百円ないし三百円くらいで入っておった人たちが入っていくには、坪千五百円もするようなところでは、これはもう相当高い家賃になるわけです。十坪ありますと、もう一万五、六千円から二万円、このようになってくるわけですね。いままで相当広いところに住んでおった人が、今度その同じ広さを保とうとすると、これはもうたいへんなことになるわけです。そこで、しかたがないから出ていく。これがいままでの私の知った実態なんです。そういう点が非常にこの法案で一番問題のあるところではないか、このように、私ずっと法案を読んで考えたわけなんですが、これに対する考え方というものを何かこれは講じなければならないんじゃないか、こう思うのです。大臣、どうでしょうか、これは非常に大事な問題だと思うのですが。
  103. 坪川信三

    坪川国務大臣 非常に大事な問題で事例をあげての何でございますが、大幅に家賃が値上がりするというような地域に対する借家人の保護については、今後も十分配慮をいたしながら行政措置を講じてまいりたい、こう考えております。
  104. 北側義一

    ○北側委員 たとえばいままでの市街地改造事業、これにおけるいろいろな紛争があるわけです。たとえば大阪駅前においても行なわれておりますし、谷町においてもいたしましたし、三宮においても一いたしましたし、どこもやったところは必ず出てきておるわけなんです。これがやはりいままでの市街地改造事業の進行を非常におくらせた。また、非常に平和に暮らしておった人たちが、この事業が行なわれたために、市役所へどっと押し寄せる、こういうような例はずいぶん随所で見ておるわけなんです。こういう紛争が行なわれた内容、これは大体三点あるのじゃないかと思うのですよ。まず第一点は、借家権をどう取り扱うのか。これはやはり非常に大きな問題になっておるわけです。二番目としては、再開発の負担金を一体どのような状況でこれを出すのか。また三番目は、たとえば雑貨屋さんとか古着商、そういう小さな店がある場合の再開発をやった場合に、そういう再開発をやって新しいビルなんかに入っても似合わぬ商売があるのです。そういうビルに入る場合は他から入ってくる場合が非常に多い。もしかりに入ったとしても、その営業が成り立つまでの状況をどのように施行者はやっていくのか、ここらが非常に問題になっておるのですが、どうでしょうか。
  105. 竹内藤男

    竹内政府委員 第一点の、借家権をどう取り扱うか、これが改造法ですと非常に不明確だ——というのは、改造法は収用方式でございます。建物について直接補償する。公共事業は、建物はすべて移転ということを原則に考えております。したがいまして、その建物について借家権を持っている人に対するものは、大体大家さんとたな子さんの話し合いによって解決するというのが、考え方の基本になっております。そこで公共団体もなかなか乗り出せないということでございましたが、今回の再開発法におきましては、権利変換計画で、底地権者と借地権の関係はもちろんのこと、借家権の価額自体もこれは明記するようなっておりまして、借家権というものを、いわば民事的な取り扱いにまかせないで、施行者がきちっときめる、こういう形にしたわけであります。この点は改造法よりも私どもは取り扱いとしては前進しているのではないか、こういうふうに考えるわけです。  それからその次は、再開発負担金をどうして出すのかという問題でございます。負担金というのは、個々の組合員なりあるいは借家人の方々なりがどういうような金で出すのかということだろうと思いますが、これは床でもらいます場合は、借家の場合を除きまして、現物で与えられるわけでございます。たとえば増し床をするというような場合にその金をどうするかということでございまして、実際問題といたしましては、施行者に対する長期融資というものが行なわれれば、施行者はその資金をもって個々の権利者に対しまして清算金の徴収猶予的な措置を講ずることができるのではないか、また、金利等につきましてもある程度施行者が考慮していくというようなことで、市街地改造の場合には実際問題としてやっているわけでございます。今後再開発を行ないます場合におきましても、公共団体がやる場合はもちろん、組合に対しましても長期の資金を導入してまいりたいと思いますので、組合がそこの組合員なり権利者に対してそういう措置がとれるのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。  それから一番むずかしいのは、最後の、新しいビルに入って商売するのに似合わないというような業態のものでございますが、これも実際はいろいろ苦心してやっております。  一つは、いままでたとえばパチンコ屋さんをやっていたというような方、パチンコ屋さんが新しい建物に入ると、近隣に対するいろいろな迷惑というようなこともありまして——必ず悪いというわけではございませんが、その方が営業の転換をされて、神戸ではボーリング場を経営しているというようなことで、ある場合には、似たような商売であまり迷惑のかからないものに転換をしているやり方もあると思います。もう一つは、従前の営業をやります際に、たとえば新橋あたりでもそうでございますが、小さな小料理屋さんという方々が集まって地下のある階に入れば、そこがそういう営業業態の方々ばかりというような形で営業をすることによって、ほかの人たちに対する迷惑を回避するという形で処理していくというようなこともございまして、これは実際問題としてはいろいろなやり方があろうかと思いますけれども、そういうようなやり方をして収容している場合もございます。どうしても入れないという方につきましては、やはり他に土地を求めて営業せざるを得ないということになろうと思います。その場合に、金銭補償になるわけでございまして、その金銭補償につきましては、今回の法律でも租税特別措置法を改正いたしまして、譲渡所得税におきましてはこれは所得があったと見なさない、そういうような形において解決をしているわけでございます。
  106. 北側義一

    ○北側委員 そうしますと、たとえば、ただいま借家権を持っている人はその価額を明記されている、このように言われているわけです。大体借家権者等が立ちのく場合、この補償金の算出方法は具体的にはどうなんでしょうか。
  107. 竹内藤男

    竹内政府委員 再開発事業におきまして新しいビルについて借家権の取得を希望しない人につきましては、施行者が直接その借家権を評価して補償するということになっておりますから、その借家権の評価にあたりまして考えられる問題といたしましては、近傍同種の借家権の取引に権利金授受の慣行があるかどうか、そういう形によって借家権価額の存在が認められる場合には、その同種の取引価格というものをまず考えなければいかぬ。それから、現在の家賃とその家賃の値上げの見込みあるいは権利金等の契約条件、あるいは、借家権が期間がございますが、借家権の残存期間というようなものを考慮して評価していくということになりますので、その具体の場合にそういうような考慮要件を考えながらきめていく、こういうことになるわけでございます。
  108. 北側義一

    ○北側委員 先ほど申しましたとおり、この施行者というのはどうしても再開発組合になるわけですね。そうしますと、これに宅地の所有者であり、権利を持っておるのですね。家主なんかもこれに入るわけです。家主とたな子、これは全然相反するものなんです。いつもここで問題が起きるのですよ。この法案の大きな問題点は私はここにあると思うのです。これをやはり合理的にやっていくような方法を講じなければ、この都市開発事業というのは非常にやっかいな紛争を起こす原因になってくるのじゃないか、このように私は思うわけです。そこはやはり合理的にやるように方法を改めなければいけないのじゃないか、こういう考えを持っておるのですが……。
  109. 竹内藤男

    竹内政府委員 そのために、組合につきましても、審査委員というものを置きまして、審査委員の同意がなければ権利変換計画がきまらないというしかけをしているわけでございます。審査委員は、土地及び建物の権利関係または評価について特別の知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができる者を審査委員にする、こういう規定になっているわけでございます。
  110. 北側義一

    ○北側委員 厳正公平な審査委員をやはり選ばなければならない、このようになってくると思うのです。また、この場合、先ほど言われたとおり、借家権者がたとえば公団住宅、公営住宅に入居した、この場合もその補償金は課税の対象にならないのですか。
  111. 竹内藤男

    竹内政府委員 借家権につきましても同様に、やむを得ないという事情が認められます場合には、譲渡所得の特例措置を講ずる、こういうことでございます。詳しく申し上げますと、借家権の価額は、通常譲渡所得の対象にならないわけでございます。したがって、法律上、当然譲渡所得税の軽減措置に当たらないわけでございます。具体的には現在大蔵省と建設省で詰めておりますけれども、通達等によりまして、借家権につきましても同様の措置を講じたい、こういうふうに考えております。
  112. 北側義一

    ○北側委員 時間があまりありませんので、できるだけ詰めてお伺いしたいと思うのですが、この法案で、たとえば再開発組合をつくる場合に、それは全員でなくて、区域内の権利者の三分の二以上の同意があれば、土地高度利用のための組合を設立して、各人の所有する権利をその組合にまかせる法的措置と、このようになっているわけですね。これを三分の二としたことが適当なのか、四分の三ではいけないのか、こういうことなんですね。どうでしょうか。
  113. 竹内藤男

    竹内政府委員 三分の二の同意といいますのは、総会の議決も、特別の場合には三分の二にいたします。単純多数決じゃなくて、特別多数決、こういう趣旨で、実はこの法律で廃止いたします防災建築街造成法におきましても、権利者の三分の二以上の申し出があれば、公共団体が防災街区の仕事を進めることができるという規定がございまます。それから区画整理におきましても、三分の二の同意があれば区画整理組合の設立ができる。類似の立法例がございますので、大体特別多数決というのは三分の二にしているのが通例でございますので、それをとっているわけでございます。そういうようなことから、特別多数決という意味で三分の三をとったわけであります。
  114. 北側義一

    ○北側委員 公共の福祉ということで、三分の一以下の権利者が、自分の住みなれた家屋や土地、そういう財産権の変更なり処分をすることは、非常に三分の一以下の反対者にとってはつらいことだと思うのです。憲法二十九条の三項で、「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」このように規定されておるわけです。この「正当な補償」がどのように決定されるかということが、非常に大きな問題であろうと思うのです。そういう点については抜かりなく権利変換計画を立ててやっておられると思うのですが、たとえば、これはこの都市開発事業とは関係ありませんが、こういうことが起こっておるのです。これは大臣も御存じだと思うのですが、青森において、戦後、戦災復興都市計画、土地区画整理換地計画というのがあったわけです。これは現在約二十億という大きな清算金で、いまその清算金が青森市のある一部の市民の負担になっておるわけなんです。これは昭和二十一年に、青森市に戦災復興特別都市計画法制定されて、その後、昭和二十二年に新憲法が制定されて、この新憲法によるとこれは私有財産権に抵触するということで、昭和二十四年にこれを改正して、従来の地積換地方式というのが、価格換地方式、すなわち、事業前の地価と事業後の価格の差によって清算するという方式に変わったらしいのです。そうして国道、県道、市道、この拡幅分の価格として、公共のために用いられた手数百名の人に支払うその二十億を支払わなきゃならない、このようになってきたらしいのです。それを計算しますと、市民一世帯で平均三十五万円、このような金額になっておるのだ、こういう問題が出てきたわけなんです。この間も実は青森の人からこの話を聞いたのですが、非常に驚いたわけです。この件は大臣御存じでしょうか。
  115. 竹内藤男

    竹内政府委員 私どもも青森の関係の方から先般陳情を受けたわけであります。青森の戦災復興区画整理につきましては、たしか三十七年だったと思いますが、最終の換地処分をしようということでやりました際に、先生のおっしゃいました十九億何がしの金を清算金として徴収しなければならぬということになったわけです。これは先生御承知のように区画整理でございますので、整理前の土地の「地積×価格」と整理後の土地の「地積×価格」が合うような形で減歩換地というものが行なわれるわけでございますが、清算をいたしました結果不均衡が出てまいるわけでございます。当初は不均衡にならないように立てるわけでございますが、実際に事業をやってまいりますと不均衡が出てまいりますので、本来ならばこれだけの土地が清算の結果もらえたのに、それより少ないものしかあらかじめ換地されないということになりますと、その方々に対しましてはお金を渡さなきゃならぬ。逆の場合にはお金を取らなきゃならぬ。二十億と申しますのは、片方で取って、片方で与える清算金でございます。  青森の場合には、かなり思い切った区画整理をやっておりますので、今後問題はございますが、現在私どものほうでは、三十七年の換地処分は、いま、やり直し、再検討ということになっておりますけれども、青森県、市と相談いたしまして、できる限り清算金が余分に取られないような方法はないかということで検討いたしておりますが、何ぶんにも口数が多いものでありますから、来年中ぐらいになるのではないかというように考えております。しかしながら、戦災復興事業には当然国の補助もあったわけでございます。したがいまして、二十億は、国道や県道をつくるための費用を減歩という形でとったものが二十億であるということにはならないわけでありまして、区画整理は区画整理なりの考え方で十分憲法の条項に合っているというふうに私どもは考えているわけであります。
  116. 北側義一

    ○北側委員 憲法の条文に合っているのはわかるのですが、一世帯当たりが三十五万円というのは正当なものであるというようには考えられない。これは何とか考えてやらなければいけないのではないかというように私は思うわけです。  問題がまだだいぶ残っておりますが、時間もありませんので、最後に、この法案を審議させていただきまして思いますことは、やはり具体的な都市開発のマスタープランというものを立てなければいけないのではないかというように私は思うわけです。それとあわせて、地方公共団体が住宅建設の目標を立てて、都市開発事業についてはこれだけの公営住宅を建てていくというような、そういう歯どめといいましょうか、そういうものがなければ、実際は、第五条にあのようにうたわれておっても、なかなか住宅建設ができないのではないか、こういうふうに心配されるわけなんです。この二点がこの法案で一番大きな問題ではないかというように思うわけでありますが、どうかひとつこの点につきましては留意していただきまして、法案が通りましたら実行していただきたい、このように思う次第であります。
  117. 坪川信三

    坪川国務大臣 先ほどからの適切な御質疑に対しまして十分傾聴をいたしておりますが、最後に御要望に相なりました二点、すなわち、本法案の最終の目標は、やはり住宅建設という大きな目標を持っていることも御理解いただいているようなわけでございますが、それとともに、それぞれの十分対応でき得るところのマスタープランを立案すべきである、また、対処すべきである、方途を講ずべきであるということも、ごもっともな御意見でございますので、御審議をいただきました上は、これらにつきます政令その他における行政あるいは予算配慮等も十分熟慮し、また、それに対応するだけの努力をいたし、その実績をあげてまいりたい、こう考えておるような次第でございます。
  118. 北側義一

    ○北側委員 これで質問を終わります。
  119. 始関伊平

    始関委員長 次回は、来たる十六日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時七分散会