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1969-07-01 第61回国会 衆議院 決算委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十四年七月一日(火曜日)    午前十時三十二分開議  出席委員   委員長 中川 俊思君    理事 大石 武一君 理事 白浜 仁吉君    理事 丹羽 久章君 理事 水野  清君    理事 華山 親義君       椎名悦三郎君    篠田 弘作君       菅波  茂君    水田三喜男君       石野 久男君    佐藤觀次郎君       平林  剛君    三木 喜夫君       浅井 美幸君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 有田 喜一君  出席政府委員         防衛政務次官  坂村 吉正君         防衛庁長官官房         長       島田  豊君         防衛庁防衛局長 宍戸 基男君         防衛庁人事教育         局長      麻生  茂君         防衛庁衛生局長 浜田  彪君         防衛庁経理局長 佐々木達夫君         防衛庁装備局長 蒲谷 友芳君         防衛庁参事官  江藤 淳雄君         防衛施設庁総務         部長      鐘江 士郎君         防衛施設庁総務         部会計課長   高橋 定夫君  委員外出席者         大蔵省主計局法         規課長     小幡 琢也君         自治省財政局財         政課長     首藤  堯君         会計検査院事務         総局第二局長  石川 達郎君         専  門  員 池田 孝道君     ————————————— 七月一日  委員赤路友藏君、石野久男君及び三宅正一君辞  任につき、その補欠として佐藤觀次郎君、平林  剛君及び三木喜夫君が議長指名委員選任  された。 同日  委員佐藤觀次郎君、平林剛君及び三木喜夫君辞  任につき、その補欠として石野久男君、三宅正  一君及び赤路友藏君が議長指名委員選任  された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和四十二年度一般会計歳入歳出決算  昭和四十二年度特別会計歳入歳出決算  昭和四十二年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和四十二年度政府関係機関決算書  昭和四十二年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和四十二年度国有財産無償貸付状況計算書  〔総理府所管防衛庁)〕      ————◇—————
  2. 中川俊思

    中川委員長 これより会議を開きます。  昭和四十二年度決算外二件を一括して議題とい一たします。  総理府所管防衛庁について審査を行ないます。  まず、防衛庁長官より概要説明を求めます。有田防衛庁長官
  3. 有田喜一

    有田国務大臣 昭和四十二年度における防衛庁関係歳出決算につきまして、その概要を御説明いたします。  まず、防衛本庁経費について御説明申し上げます。  当初の歳出予算額は、三千五百七十五億一千二百万円余でありまして、これに昭和四十二年八月以降政府職員給与改善するための予算補正追加額九十一億八千八百万円余、高空における放射能塵研究等のため、科学技術庁から移しかえを受けた額五百万円余、建築交換のため、大蔵省所管大蔵本省から移しかえを受けた額四千七百万円余、南極地域観測事業のため、文部省所管文部本省から移しかえを受けた額三億六千五百万円余及び前年度からの繰り越し額十九億四百万円余を加え、既定予算節約等による予算補正修正減少額三十二億二千七百万円余を差し引きますと、歳出予算現額は、三千六百五十七億九千七百万円余となります。  この歳出予算現額のうち、支出済み歳出額は三千六百六億五千四百万円余、翌年度へ繰り越した額は四十一億一千二百万円余でありまして、差し引き不用額は十億三千万円余であります。  昭和四十二年度予算執行にあたりましては、第三次防衛力整備計画の初年度として、この計画に沿って、第二次防衛力整備計画に引き続き実質的な防衛力整備を一段と推進することを主眼といたしました。  そのおもなものは次のとおりであります。  (一)陸上自衛隊につきましては、弘前及び木更津駐とん地を新設しましたほか、ホーフ装備品国産と、引き続き戦車、装甲車その他の部隊装備品計画的更新により装備近代化充実改善をはかりました。また、航空機につきましては、多用途ヘリコプター十機、輸送用ヘリコプター六機、及び連絡偵察機一機、合わせて十七機を取得し、新たに昭和四十三年度取得予定の多用途ヘリコプター十機及び輸送用ヘリコプター六機、合わせて十六機の購入契約をいたしました。  (二)海上自衛隊につきましては、昭和三十九年度に着工しました護衛艦「きくづき」、「あさぐも」及び潜水艦「はるしお」の竣工に伴い、それぞれ第一護衛隊群、第二護衛隊群及び第一潜水隊群に編入しましたほか、中型掃海艇等八隻を取得し、新たに昭和四十四年度以降に竣工予定の二千トン型護衛艦一隻、千四百五十トン型護衛艦一隻、潜水艦一隻、中型掃海艇二隻、潜水艦救難艦一隻、訓練支援艦一隻及び海洋観測艦一隻、合わせて八隻一万一千十トンの建造に着手しました。また、航空機につきましては、輸送機一機、練習機一機、対潜哨戒用ヘリコプター四機及び救難用ヘリコプター一機、合わせて七機を取得し、新たに昭和四十三年度以降に、取得予定の対潜哨戒機十三機、機上作業練習機一機、対潜哨戒用ヘリコプター六機及び救難用ヘリコプター二機、合わせて二十二機の購入契約をいたしました。  (三)航空自衛隊につきましては、第七航空団司令部入間基地から百里基地へ移動しましたほか、引き続き自動警戒管成組織建設整備を推進するとともに、新たにナイキ装備品国産を含む調達に着手しました。また、航空機につきましては、戦闘機二十三機、救難用捜索機二機及び救難用ヘリコプター四機、合わせて二十九機を取得し、新たに昭和四十三年度取得予定救難用捜索機二機及び救難用ヘリコプター四機、合わせて六機の購入契約をいたしました。  なお、昭和四十二年度防衛本庁職員定員は、自衛官二十五万三百七十二人、自衛官以外の職員二万七千八十二人、合わせて二十七万七千四百五十四人でありまして、これを昭和四十一年度定員に比べますと、自衛官において四千二百七十八人の増員自衛官以外の職員において五十三人の減員、合わせて四千三百三十一人の増員となっております。また、予備自衛官の員数は三万人でありまして、前年度に比べて六千人の増員となっております。  次に、繰り越し額四十一億一千二百万円余のおもなるものは、財政執行繰り延べ措置によって歳出予算執行を調整したことにより、施設整備費などで二十八億七千七百万円余、輸入または有償供与品の引き渡しが遅延したこと等により、防衛本庁などで十億六千百万円余、用地の関係及び工事計画その他の事情から施設取得が遅延したことにより、施設整備費などで一億七千百万円余、艦船搭載装備品調達が遅延したこと等により、継続費で二百万円余であります。  また、不用額十億三千万円余のおもなるものは、職員に欠員があったこと等による人件費及び概算契約に対する精算の結果による航空機購入費不用額であります。  続いて、防衛施設庁経費について御説明申し上げます。  当初の歳出予算額は、二百三十三億五千八百万円余でありまして、これに昭和四十二年八月以降政府職員等給与改善するための予算補正追加額二億五千三百万円余、施設運営等関連補償費予算に不足を生じ、予備費を使用した額三億八千三百万円余、及び前年度からの繰り越し額十億一千三百万円余を加え、既定予算節約等による予算補正修正減少額七千二百万円余、及び防衛施設周辺障害防止事業等に要する経費として移し替えをした額、農林省所管農林本省へ七億九千五百万円余、建設省所管建設本省へ一億三千万円余を差し引きますと、歳出予算現額は、二百四十億九百万円余となります。  この歳出予算現額のうち支出済み歳出額は、二百二十二億二千四百万円余、翌年度へ繰り越した額は十五億九千百万円余でありまして、差し引き不用額は、一億九千三百万円余であります。  支出済み歳出額のうちおもなものは、施設運営等関連諸費でありまして、防衛施設周辺整備等に関する法律等に基づく自衛隊施設維持運営並びにわが国に駐留するアメリカ合衆国軍隊等提供施設維持運営に関連し必要な騒音防止措置民生安定施設助成措置飛行場周辺安全措置、各種の補償、土地の購入及び賃借等のため百六十九億五千万円余を支出いたしました。  次に翌年度への繰り越し額十五億九千百万円余は施設運営等関連諸費でありまして、財政執行繰り延べ措置によって歳出予算執行を調整したこと、及びアメリカ合衆国軍事情、資材の入手難、気象の関係等のため工事等が遅延したことによるものであります。  また、不用額一億九千三百万円余のおもなものは、施設運営等関連諸費でありまして、補助金精算の結果等によるものであります。  以上をもちまして、昭和四十二年度における防衛庁関係歳出決算概要説明を終わります。  なお、予算執行につきましては、諸法規を順守することはもちろん、最も効果的に運用するよう戒め、また綱紀の粛正にも留意し、国民信頼にこたえるよう努力してまいったところでありますが、昭和四十二年度決算検査報告におきまして、防衛本庁不当事項一件の指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。これにつきましては、よく部内に徹底させ、将来このような過誤を繰り返すことのないよう適切な措置を講じますとともに、改善または検討を要するものにつきましては、すみやかにそのための諸施策を推進する所存であります。  また、繰り越し額五十七億円余につきましては、前に述べましたような特殊事情によるものでありますが、今後とも予算年度内支出につきまして一そうの努力をいたす所存でございます。  何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
  4. 中川俊思

  5. 石川達郎

    石川会計検査院説明員 昭和四十二年度防衛庁決算検査いたしました結果の概要を御説明申し上げます。  検査の結果、不当と認めまして検査報告に掲記いたしました事項は一件ございます。  その内容でございますが、調達実施本部におきまして、航空機搭載部品といたしましてリレータイマー百四十五個を調達いたしておりますが、その調達所要量の算定にあたりまして、一機当たりの装着個数計算を間違えたことと、在庫数の把握が適切でなかったために、在庫数を上回る所要量調達したという事案でございます。  簡単でございますが、以上で事案説明を終わります。
  6. 中川俊思

    中川委員長 これにて説明聴取を終わります。     —————————————
  7. 中川俊思

    中川委員長 これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。華山親義君。
  8. 華山親義

    華山委員 長官のおいでになっている間に、いろいろ事務的なことは事務のほうに伺いますけれども、私、受ける感じが、最近といいますか、特に私は内閣委員会にことしから入ったせいもあるかもしれませんけれども、やり方が非常に荒っぽいという気がするのですね。あとでお聞きいたしますけれども、今度の会計検査院不当事項にいたしましても、算術の誤りですね。何も理屈があるんじゃない。どうしてこんな誤りをおかすのか私にはわからない。算術的な誤りですよ。小学校の生徒だって、こんな誤りは優等生であるならばしないような誤りをしている。私はあとで聞きますけれども、こういう誤りは何か防衛庁には防衛庁理屈があるというのでなければ了解のできないよう不当事項なんですね。そういうふうな点からいいまして、また内閣委員会で申し上げましたことを私いまここで繰り返しませんけれども、御存じのとおり自衛官募集にいたしましても、トヨタあるいは日産等自動車会社と共同してポスターをつくってみたり、そしてまたいろいろな募集用のカードをつくってみたり、そしてその経費会社に持たせるというふうなこと、こんなことは役人の常識では考えられないことです。そういうことは、もうこれなんか隠しようがないのです。街頭に張るものであり、区役所で渡すものであり、そういうふうなことを平然として行なわれるということは、何か自衛隊職員の中には知識の欠除というのか、非常に荒々しい点があるのではないかと私は思う。ひとつ引き締めていただきたい、そんな気持ちがいたします。  それから最近シビリアンコントロールといいますけれども、よくできておらないのではないかという気持ちがいたします。内閣委員会でも申し上げましたけれども、東北方面総監ですか、これはほんとうに重要なポストであろうと思うのですが、その人が制服のまま多数の人の前で講演をして、そして言うことには、アメリカは五十五万の兵を南ベトナムに派遣しておるけれども、日本自衛隊であったならば二、三個師団でだいじょうぶだというふうなことをいってみたり、それが新聞に出てみたり、それから今度はあの当時非常に世間を騒がして、総理大臣も恐縮したところの機密漏洩について、あんなことを騒ぐほうがおかしいのだ。しろうとが軍事機密なんかちょっと見たってわかるもんかと、国会論議などというものはまるで頭からばかにしてかかっている。私はひどい風潮だと思っておる。それで最近は今度幕僚会議議長ですか、新聞の報ずるところによれば、東京の大新聞ですからうそはないと思いますけれども、国があって憲法があるのであって、憲法があって国があるのじゃない、国のことのために憲法というふうなものは無視されてもいいような、解釈をどんどん変えていってもいいような発言をしていらっしゃいますね。これは私はとんでもないことだと思うのですよ。私も年のせいもありますけれども、戦争中昔の軍人と一緒にいろいろな仕事をした。その際に文官としての私を悩ませた問題は何かといいますと、いつでも法律を無視したようなことをやるのですね。憲法無視はしなかったけれども、法律を無視したようなことをやる。それは法律違反ですよ、法律上そういうことはできません、こういうことを言いますと、そのときの軍人は何と言ったのか。国があっての法律じゃないか、国ということのためには法律などというものは超越しなければならないということを常に言われて私は悩まされた。同じような思想がいま出てきていますね。こういうふうなことを公に言ってはばからない風潮というものは、私は非常に心配すべきことだと思うのですよ。私の申し上げましたことについて大臣の御所見をひとつ言っていただきたい。  それから幕僚長のこの間のことばにつきましてはたいへんなことだと思いますので、ひとつ大臣所見を伺っておきたいと思う。
  9. 有田喜一

    有田国務大臣 いろいろとわが自衛隊のために御心配をいただきまして申しわけありませんが、第一の、今回の会計検査院による不当事項のことでありますが、これは御指摘のようにほんとうに数字の間違いからこういうような結果を来たした、また在庫品の調査も、基地とかその他に出ておるものをよく調べずに、ある一つ基地だけの調べによってああいう結果を招いたということは、まことに遺憾にたえません。先ほども申しましたように、防衛庁としましては、直ちに厳重に今後遺憾なきよう戒めまして、措置をしております。詳細なことはあるいは政府委員から答えさせます。  それから日産とかトヨタ自動車の募集に対するいろいろな問題これは内閣委員会におきましても申しましたように、まことにこれも遺憾、行き過ぎだ。そこで私としましては、二度と再びかようなことを繰り返さないようにということを厳重に注意もいたしましたし、今後さようなことのないようにやっていきたい。  それからいわゆるシビリアンコントロールの問題、これは及ばずながら私が防衛庁を預かっておる以上は、そういうようなことはさせない、あくまでシビリアンによってコントロールするという考えでございます。したがいまして国会におきましても正しい論議を繰り返してもらうなれば、それがやはりシビリアンコントロール一つになる、かように思っております。  ある現地責任者が不当のことばを使ったという御指摘でしょうが、これは別に弁解するわけではありませんけれども、日本自衛隊はこういうように士気が上がっておるんだということの一つの証左として言ったものじゃないかと思うのです。しかしその行き過ぎはあくまで慎まなければならぬ。  あるいはまた憲法に対する問題、これは日本法治国家でありますから、憲法という大法典にはあくまでも従う。ある幕僚長がそういうことを言ったというのは、一つの形容の意味で、国というものが非常に大事なものだということをあらわそうということから言ったものではなかろうかと思いますが、そういう誤解を与えることはまことに遺憾でありますから、直ちに私はその人に対してそういうことば誤解を招くから今後ことばを慎めという注意をしておいたような次第であります。要はシビリアンコントロールによりまして、私は責任を持ってそういう一部の制服の人の行き過ぎというようなことのないように措置したい、またそうしなければならぬ、こういう決意でおりますから、どうかひとつその点をお含み願って、有田喜一信頼をかけていただきたい。どうぞよろしくお願いいたします。
  10. 華山親義

    華山委員 現地の人の発言につきまして、これだけ日本自衛隊は強いんだということを言ったんだというような意味の御答弁ですけれども、そういうことが国を誤るのです。この前の戦争だってそうでしょう。日本軍隊世界に冠たるものだ、少しぐらい装備が足りなくたって負けないんだ、こういうふうなことが私は日本を誤らしたと思うのです。とにかく五十五万のアメリカ兵でもできないことが、日本自衛隊が二、三個師団行けばできるんだなどということは、ちょっと気が違っているんじゃないかと思うくらいの自信ですね。それがただ普通の軍人が言うんじゃないのです。東北方面総監制服でたくさんの聴衆を前に言っている。私は決してその人はうそを言っているんじゃないと思う。自信を持っているんだと思う。そういう自信が国を誤ると私は思うのです。日本自衛隊は強いんだという自信が、かつて歩いた道のように日本を誤るのじゃないか、そういう点を私は心配をしておりますし、統幕の議長があんなよけいなことを何で言うのか、私には考えられませんね。そんなことは個人の意見だということじゃ追っつかぬでしょう。国があって憲法があるので、憲法があって国があるんじゃないみたいなことは、昔の軍人が言ったことなんだ。だから私はいやだと申すのです。これは私はたいへんな問題だと思う。昔の軍人のことを言いますけれども、昔の軍人でも陸軍省の人はいろいろ政治のことを言いました、軍務局長がばかやろうと言っておかしなことになってみたり。しかし実戦部隊軍人あるいは参謀本部の人は政治上の論議はしませんでしたよ。いまは昔よりもっと悪いですね。自衛隊のことは内閣国会に対しても国民に対しても責任を持ってやっていらっしゃるのでしょう。憲法解釈はもっとどうかすべきだとか、必要ならば憲法を改正したってやむを得ないじゃないか、そんなことを昔の軍人だって言わなかったですよ。参謀本部あたり軍人はそんなことは言わぬですよ。私はひどいものだと思うのです。いまここではそういう問題じゃないのですけれども、決算委員会といたしましても、そういうふうなことになりますと、とにかくここに出てくる決算とか予算憲法範囲内なのか、そういうことを審議するということが根本でございますから、私は触れたわけでございまして、とにかく総理大臣の系統にある自衛隊なんですから、全責任を持って、あまりよけいなことを言ったり、よけいなことを、考えたりしないように気をつけていただきたい、ひとつ申し上げておきます。  それからもう一つ、私、内閣委員会で聞きましたことでちょっと聞き漏らしたことがありますので、お聞きいたしますが、長官は、日本経済力、また憲法、そういうことによって日本自衛力に足りない部分ができるので、安保条約によってアメリカの力で補っていかなければいけないということを根本的におっしゃいましたね。日本国力が足りないという点、これは別問題といたしまして、一応おきますが、日本憲法自衛力が足りない、どこの面にそれが出てくるのでございますか、ひとつ具体的におっしゃっていただきたい。
  11. 有田喜一

    有田国務大臣 御指摘のように、われわれとしましては、少なくとも現在におきましては、あくまで現在の憲法を守っていかなくてはならない。したがいまして、日本自衛力増強憲法を無視してやるというわけにはまいりません。あくまで憲法の許される範囲私の考えでは、いまの憲法では、日本自体を守る、いわゆる守ることは専念できますけれども、外に対して、外国に向かって侵略はできない。したがいまして、いわゆる専守防御といいますか、あくまで守る、専守防御というたてまえをとっております。そういう前提に立ってきておるのですが、また同時に、日本国民感情というものがあります。たとえば、核というような問題につきましては、これは憲法の問題を別といたしまして、どうも日本人は、御承知のとおり世界でただ一つの原爆の被害を受けた国民、その特殊な国民感情がある。したがいまして、日本自衛力もその国民感情を無視するというわけにもいかない。また普通兵器につきましても、先ほど言いましたように、外国侵略をしない。たとえばいたずらな脅威外国に与えてはいけない、そういうので、日本自衛力というものは必然に制約を受けておるわけですね。いろんな条件の制約を受けている。しかし制約を受けておりますけれども、その制約範囲内においては、日本もここまで国力も伸びてきているんだから、みずからの国はみずからの手によって守る体制をつくっていきたい。これが、通常兵器による局地侵略に対する防御は日本の手によってやる、せめてそこまでは伸ばさなくちゃならぬというのが私の考え方のいわゆる自主防衛。しかし実際の大戦争が始まったと仮定しましたときに、それで日本の国の安全ができるか。そうすると、日本国力は伸びたといいながら、やはりまだ世界の大勢を見ますと、一国だけで国を守るということにならずに、集団防衛で各国とも当たっておるわけですね。そういう関係から、日本も自力でやらなくちゃならぬという気がまえは持たなくちゃならぬけれども、やはり日本と思想的にも考え方も合致しているアメリカと手を握って、いわゆる安保条約によって日本自衛力の足らざる部分アメリカによって補完してもらって、そうしていわゆる両々相まって日本の国土の安全をはかりたい、こういう考え方のもとに、私は衆議院の内閣委員会においても御説明申したのでありますが、そういうような意味合いでございますから、ひとつよろしく御了承願いたいと思います。
  12. 華山親義

    華山委員 そのお考え方は、内閣委員会でも私よくお聞きいたしました。  それで私お聞きいたしたいことは、憲法によっても自衛力日本は持てるんだというのが政府考え方なわけです。それで、日本の国の憲法によって自衛力を持つのに、どういう点が足りないのかということです。具体的には何が足りないかということです。
  13. 有田喜一

    有田国務大臣 先ほども申しましたように、日本憲法では、少なくとも外国に向かって武力でもって攻撃することはできない。あくまで守るほうでございます。したがいまして、核の問題を抜いた普通兵器でも、外国脅威を与えるような攻撃用のもの、というといろいろ語弊があるかもしれませんが、外国脅威を与える、いわゆる攻撃用、俗に、たてとやりということばを使われますが、そのやりの面としては差し控えなければならぬ。あくまでたての、守るほうだ。憲法では、攻撃用外国に攻めていく、そういう兵器は持てない。私はこういう見解を持っております。
  14. 華山親義

    華山委員 そうすれば、アメリカによって日本が攻撃の力というものを持つ、憲法を補完するということになるならば、憲法の趣旨に反しはしませんか。攻撃の面において憲法が抑制しているのだから、それを補うためにアメリカの攻撃の力、やりの力を日本は持つのだということになるならば、これは日本憲法の趣旨に反するのじゃないのですか。持てないものなんじゃないですか、日本として、日本政府として。日本政府として持てないものを安保条約によってアメリカに持ってもらう。憲法に反するのじゃないですか。どうなんでございますか、そういう解釈は。
  15. 有田喜一

    有田国務大臣 憲法論はむしろ法制局長官から言うべきだと思いますけれども、私の考えでは、日本自衛隊はもちろん憲法制約を受けますが、アメリカ軍隊日本憲法制約は受けない。しかし御承知のとおり、安保条約も国連憲章というものを前提としているわけですね。したがいまして、みずから進んで敵を攻撃したりはしない。向こうからこちらにしかけてくると、日本の安全を守るために、余儀なく敵をやっつけなければならぬ場合が出てくるわけですね。しかし日本としては、自衛隊外国に行くこともできない。アメリカ軍隊ならばそういうことができる。しかし私は、この安保条約にしましても、あくまで戦争抑止力としての作用を期待しておる。あくまで平和で、戦争が起こらない。そのためにはアメリカの強力なる兵器力が抑止力となって働いておる。そういう考え方のもとに日米安保条約は結ばれておる、かように思っておるのです。ここで、どうしても敵が攻めてきたときに、その敵に報復するということはこれはあり得る。そこにアメリカの必要が出てくる。かように考えております。
  16. 華山親義

    華山委員 そういたしますと、私、考えますのに、自衛力というものはこれは攻撃力を持たなければだめなんだということなんですね。自衛力を完全にするためには、やっぱりたてとやりと両方を持たなければ自衛もできないのだ。こういうことであって、日本憲法は、いままでの政府解釈によれば、たてを持つことはできるけれども、やりを持つことはできないことになっているから、アメリカにやりを持ってもらうのだ、こういうことですね、結論は。そういうことでございますか。
  17. 有田喜一

    有田国務大臣 まあ、そう単純にこうだとは言えぬかもしれません。いろいろな条件があります。国民感情という点もございますし、いろいろな条件がある。国力という点からいいましても、いろいろな事情があります。日本自衛力で、憲法上の制約はもちろんありますし、国民感情からの制約もある。その他いろいろな点から制約されておりますね。その制約の内輪において、われわれはもっとしっかりやらなくちゃならぬ。これはいままでの過程からいいますと、普通の武器一つだって、アメリカから貸与を受けるとかもらうとかいう、私がよく言いますこじき根性であってはならない、これはやはりいかぬ。あくまでも戦争抑止力でございますが、相手がどんどん攻めてきたときに、やはり国を守るために相手の国の基地を襲わなくちゃならぬ場合も出てくるわけですね。だからこれは報復ということが必要なんですが、そういう場合に日本の力ではいかない場合があるから、安保条約はやはり平和を守るためにこれが必要だ、こういう見解でおるわけです。
  18. 華山親義

    華山委員 見解の相違でございますから、その程度にいたしておきますけれども、私は考えるのでございますけれども、憲法というものは政府、統治権を拘束し、日本国民を拘束するわけです。しかし、日本国土というものを拘束するかどうかということは別問題です。土地というものは人格がないのですから。ですけれども、とにかく日本の国土の中に、そこを出発点として敵に攻撃を与える場所になるということは、私は非常に重要な問題だと思うのです。それはもう国民はいつまでもいまのままで生き延びるわけじゃありません。政府といえどもいつかかわるでしょう。国土というものは永久なものです。この土地がそういうふうな攻撃的場所に使われるということは、私は憲法の趣旨からいいまして非常に重要な考えなくちゃいけない問題だと思うのです。私はそれだからB52のこともお聞きしたのですけれども、法制局長官等にもいろいろ聞いてみますというと、B52は日本は持てないけれども、沖繩はいまアメリカの統治がありますから別としても、日本の内地だって、本土だって、憲法上置けるのだ、こういうふうなことになりますね。私は、憲法外国は拘束はしない、そういうふうなことで、日本人や日本政府外国脅威を与えないにしても、日本の国土が外国脅威を与えるような場所になるということは、私は憲法上重大な問題だと思うのです。その点は政府のものの考え方は筒抜けなんですね。こういう点につきまして、長官どうお考えになりますか。たとえば逆の場合について、日本人の場合を考えてみてもいいと思うのです。私は固有名詞をあげることをいつも慎みますけれども、日本の近くにその政府、その国民というものは置いているんじゃないのですけれども、うしろにいるほかの国がその国に日本を攻撃するに足るようないろいろな装備をした、その際に日本人はその装備させられた国に対してどういう感じを持ちますか。そのことを考えなきゃいけないと私は思うのです。あれはあの国の政府がやっているのじゃない、あの国の国民がやっているのじゃない。うしろにいる別の国民がやっているのだからといって、その国を私は感情的にもまた理屈の上からも許す気になれないと思うのです。ですから、外国に対して脅威を与えないということは、日本の国土自体が外国に対して脅威を与えないということでなければならない、私はこう思います。  きょう長官にお聞きしますことは、少し不適当かもしれませんけれども、どうお考えになりますか。その点についてもしもお考えでもあったら伺いたいと思います。
  19. 有田喜一

    有田国務大臣 憲法上の解釈先ほど言いましたように、私は法制局長官が言っておることが正しいと考えております。見解の相違になるかもしれませんが、私はそう考えております。  そこでやはりわれわれ日本人としては、この大事な国土というものは私はどうしても守っていかなくちゃならない。したがいまして、日本人自身としてはいたずらに脅威を与えちゃいかぬけれども、一方においては、いわゆる戦争抑止力という力によって戦争を未然に防止するということが大事じゃないか、かように考えるわけなんです。  したがいまして、それから先はこまかくなりますが、日本基地からかりにアメリカが発進するときには、事前協議という制度がありまして、日本の国益ということを考えながらケース・バイ・ケースによって判断するということでありまして、いたずらに日本に攻撃をかけられないように、これは善処していかなくちゃならぬ、こういう考えでおります。
  20. 華山親義

    華山委員 いつまで続けましても、私たちといまの政府とでは根本的なものの考えから違いますから、お互いに論じ合っていても時間を費やすだけでございますし、決算委員会も一応その場所でもないように思いますので、ここでとめておきます。  最後に申し上げますが、自衛隊はいい気になってはいけませんよ。ほんとうに私はそう思う。とにかくいい気になり過ぎているという感じがして私はしかたがない。事務のとり方にしましても、それから内局でない実戦的なものに当たる人がとんでもないことをしゃべったり、こういうふうなことは非常にあぶない道を将来歩むのじゃないか。そういう点につきまして、お願いいたしますが、厳重にそういうシビリアンコントロールをはずされないように、この際、ほんとうに引き締めていただきたい、こういうことを最後にお願いいたしておきます。  会計検査院不当事項として指摘したことについて、いま大臣にも申し上げましたが、私はなぜあんな子供みたいな間違いを起こすのかわからない。こんな間違いを起こすのは、事務がよほどルーズだとか、何か考えられないような誤りであって、何か防衛庁には防衛庁理屈があるのじゃないかと思う。金が余った、ためておこうとか、何か理屈かあるのじゃないかと思うのですが、一体どうなんでしょうかね。この契約というものは何月何日に出して、納品は何月何日だったのですか。
  21. 佐々木達夫

    ○佐々木(達)政府委員 本件につきましては、決算検査報告に詳細に述べられておりますが、F104J航空機搭載のM61機関砲に装着する部品、いわゆるリレータイマーと称するものでございますが、この調達にあたりまして、誤って一機当たりの着装個数、本来ならば一個であるのを三個でございますかの所要量を算出いたしまして計算したのであります。  また在庫管理につきましても、当時補給処等からの権限の委譲等が行なわれたということがありましたので、把握が適切でなかったというようなことから、このあやまちが起こった問題でございまして、着装個数、すなわち三個か一個かという問題につきましては、F104の航空機技術指令書というものがございます。これは非常に膨大なものでございまして、約一万ページぐらいになるのでありますけれども、詳細なる技術指令書があるわけでございます。その中に誤って三個と書いてあったのをそのままにやったということでございまして、その後気づきまして一個に直したのでございますが、その間に契約が行なわれたということでございます。  なおこの点につきましては、今後部内におきましてもそういう在庫管理及び技術指令書の重要なる調達なりは、決して間違いないようにという指示、内部の監査等、徹底的に行なってこの訂正に当たりたいと考えております。  契約につきましては四十二年の三月三十日と四十二年の六月十五日、二回にわたって契約を行なっております。(華山委員「納品は」と呼ぶ)納入は四十二年の九月三十日と四十二年十二月二十六日、二回にわたって納入いたしております。
  22. 華山親義

    華山委員 誤って書いたといわれますが、それは何か印刷上の誤りですか、頭の誤りですか。
  23. 佐々木達夫

    ○佐々木(達)政府委員 技術指令書は英文できているものでございますが、それを翻訳して各補給処等に全部配るわけでございます。そのときにその技術指令書がたまたま間違っていたのでございますので、それをそのまま写して流した。その後詳細に検討しましたところ、その誤りが一個であったということであらためて指示したのですが、その間に契約が行なわれたというようなことでございます。
  24. 華山親義

    華山委員 何か印刷の非常な間違いでもしたのでなければ、こんな間違いが起きるはずはないと思うのですが、非常に事務的な全く幼稚な誤りのような気がいたします。不当事項として総理府関係会計検査院指摘したのはこれ一つなんですね、ほかにないのですよ、総理府にはいろいろな所属機関がありますけれども、これ一件だけなんです。こういうふうなことにつきましてはまことに珍しい誤りだと私は思うのです。考えようによっては事務的なミスなんであって、悪意がなかったのだから善意だともいえるかもしれません。しかしこれによりまして一人の役人ですか、数人の役人の誤りが、国庫に対しまして一千万円以上の損害を与えているわけですから、気をつけていただきたい、こういうふうに思うわけであります。  それから毎年毎年論ぜられるのでございますけれども、決算の未確認ということが、これはまたことしもあるわけでありますが、そのことについて会計検査院に伺いたいのでありますけれども、決算の未確認というのは一体どういうことなんでしょう。どういうものをとらえて——まあ私、概念的にばく然とはわかりますけれども、決算の未確認ということになりますと、継続費とか、それからいろいろなものにも出てくるような気もいたしますし、どういうときに決算の未確認というふうになるのですか、これをちょっと御説明願いたい。
  25. 石川達郎

    石川会計検査院説明員 未確認とはどういうものであるかというお尋ねでございますが、その前に順序として確認という行為がどういうものであるか、その内容から御説明申し上げたいと存じます。  会計検査院法第二十一条に「会計検査院は、検査の結果により、国の収入支出の決算を確認する。」かような条項かあるわけでございまして、この条項に従いまして確認の業務を行なっているわけでございます。そこで確認ということの内容でございますが、国の収入支出の決算の計数がまず正確でなければならないわけでございますが、それがはたして正確であるかどうか。さらにその内容をなします個々の会計経理が法令あるいは予算に適合し、かつ妥当であるかどうか、こういう観点から検査を実施いたしまして、その検査を了したということを公に表明することである、かような解釈をしているわけでございます。そういう意味合いにおきまして、年間における会計検査院検査の最終段階であるということができようかと思います。  しからば未確認とはどういうものであるか、従来から未確認額が防衛庁決算につきまして年々掲記されているわけでございますが、この未確認ということばでございますが、これは用語としてあるいはいろいろ御批判があろうかと思いますけれども、確認と並列する概念ではございませんで、確認いたしました決算の中には、検査報告作成日までにその当否に関する認定が十分につかないと決定したものがございましたので、これを未確認として表現しているわけでございます。未確認額を掲記いたしますのは、この部分につきまして当否に関する認定がつかないと決定したためでございまして、後年度におきまして積極的に検査を継続していこうという趣旨を表明したものでございます。いわば当否に関する認定を留保したというような意味に御理解願えばよろしかろうと存じます。  具体的に申し上げますと、防衛庁につきまして、あるいは前金払いあるいは概算払いをいたしましたその面におきましては、これは計数的には確認はできるわけでございますけれども、その内容につきましては、支払いの対象となりました個個の物品が納入されませんと、具体的な会計経理の内容の当否というものの判定はできないわけでございます。そこでそういったものにつきましては、後年度においてさらに検査を継続していこう、こういう趣旨でやっているわけでございます。
  26. 華山親義

    華山委員 伺いますけれども、いろいろな継続費とかそれから予算外の契約とか、そういうふうなこともございますが、そういうふうなことについては、金は払ってあるけれどもまだ納入がないわけですね。そういうものとこのアメリカのものとどこが違うのですか。
  27. 石川達郎

    石川会計検査院説明員 国内において購入いたします物品とFMSの物資とにつきまして特に差別はいたしていないわけでございまして、先ほど申し上げましたとおり、前金払いあるいは概算払いしたものにつきまして、物品が未納入であるというような事態に着目いたしまして、未確認としている次第でございます。
  28. 華山親義

    華山委員 しかし、日本でも艦艇の製造費等につきましてはとにかく金を払っているわけでしょう。それだけでも未確認ということを言えませんね。ですから、どこが違うのですか。
  29. 石川達郎

    石川会計検査院説明員 御指摘がありましたので艦艇について申し上げますと、艦艇につきましては、御承知のとおり継続費で建造を行なっているわけでございます。しかしながら、これは購入は通例四年程度かかるだろうと思いますが、その最終引き渡しを受けますまでは、これは未確認として残っているわけでございます。
  30. 華山親義

    華山委員 未確認事項に載ってないじゃないですか。
  31. 石川達郎

    石川会計検査院説明員 具体的に申し上げますと、検査報告のページで申しまして一七五ページ、これは四十二年度決算未確認額表でございますが、……
  32. 華山親義

    華山委員 なぜこの決算報告の未確認事項にはそういうような艦艇の製造等については載せてないのかということを聞いているのです。アメリカのほうについては載っている。日本の艦艇の製造の継続支出については載っておらない。どういうわけで載ったり載らなかったりするのかということ、どこにけじめがあってやっているのかということを聞いているのであって、実際を聞いているのではございません。
  33. 石川達郎

    石川会計検査院説明員 艦艇の製造請負代金につきましてもこれは載せております。
  34. 華山親義

    華山委員 全部載っておりますか。
  35. 石川達郎

  36. 華山親義

    華山委員 それからいろいろな予算外の負担のものがありますね。これはどうなっておりますか。
  37. 石川達郎

    石川会計検査院説明員 これも先ほど申し上げましたように、前金払いあるいは概算払いにいたしましたものにつきまして未納入の分につきましては、これは掲記してございます。
  38. 華山親義

    華山委員 これはどこに載っておりますか。
  39. 石川達郎

    石川会計検査院説明員 ちょっとお待ちください。——ちょっと具体的な事例、適切な事例がいま見当たりませんけれども、原則としてこれは未確認の表の中に掲記してございます。
  40. 華山親義

    華山委員 この検査報告のどこに載っているかということを言っておるのです。アメリカ関係する分だけこの検査報告に載って、日本のそういうものは検査報告には載ってないように思うので、なぜそこに区別があるのかということを聞いている。
  41. 石川達郎

    石川会計検査院説明員 たとえば検査報告一七八ページにおきます四十一年度の研究開発費……。
  42. 華山親義

    華山委員 艦艇のことを言ってくださいよ。
  43. 石川達郎

    石川会計検査院説明員 艦艇につきましては国庫債務負担行為というようなことはございません。
  44. 華山親義

    華山委員 継続費でしょう。
  45. 石川達郎

  46. 華山親義

    華山委員 これ、なぜ載ってないのですか。
  47. 石川達郎

    石川会計検査院説明員 先ほども申し上げましたように、艦船の製造につきましては掲記してございます。この表の中に含まれております。
  48. 華山親義

    華山委員 検査報告の中に入っているんですね。
  49. 石川達郎

  50. 華山親義

    華山委員 あなたを追及する意味はありませんので、時間がかかりますからあとでまた伺います。  それで、私考えるのでございますけれども、未確認ということは、一応の納期が来たにもかかわらず納まっておらないから未確認事項としてここにあげているのではございませんか。これまでに到着していてそして確認さるべき事項であるけれども、納期までには納まっておらないから未確認、こういうことになったんじゃありませんか。このアメリカのものはいろいろな継続費とは違うんじゃないですか。
  51. 石川達郎

    石川会計検査院説明員 アメリカのFMS物資につきましてはさような事例がございます。全部がそうではないわけでございます。
  52. 華山親義

    華山委員 それでアメリカに対しましていろいろな軍事物資について発注をなさいますけれども、発注をするときの納期はどういうふうになっているんですか。書いてあるんですか、書いてないんですか。書いてあるからこそ会計検査院は納期が来たけれども納まっておらないといってここに載せるわけでしょう。どういう契約をなさっていらしたのですか。
  53. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 いまの未確認の問題と直接に関係の問題でございませんけれども、いまのFMSで買う場合は、納期というきまった概念はございませんけれども、私のほうでも協定がございますし、大体この程度で入れたい、向こうも入れましょうということの予定期日は契約書に書いてございます。しかしそれがいまの納期という概念で一日も切れないという概念では縛れないという慣行のものでございます。
  54. 華山親義

    華山委員 大蔵省に伺います。  契約する場合、物品の納入についてのいろいろの規定がございますね。その場合にいまのような契約をしてもいいという何か例外的な法律上の規定がございますか。
  55. 小幡琢也

    ○小幡説明員 お答えいたします。  支出の原則は履行期が参りまして債務の金額が確定いたしましてから支払うわけでございますが、その特例といたしまして本件の場合のように、前金をもって支払わなければ事務に支障を及ぼすような経費につきましては、特に前金払いの制度が認められているわけでございます。  それから会計法上の契約の問題でございますが、会計法で規定しておりますのは、一般の国が私人と対等の立場に立って行ないますところの私法上の契約を、直接の規制の対象といたしておりますので、本件のような日米相互防衛援助協定に基づきますケースにつきましては直接は適用がございませんで、もちろん会計法の原則、契約の規定にございますいろいろな準則に準拠すべきであるということは当然でございますが、いろいろ公法上の問題につきましては特例を認めなければいかぬという関係がございますので、直接の適用はございません。
  56. 華山親義

    華山委員 そういうふうな原則、これは民法上の契約じゃないというふうなことで例外だとおっしゃいますけれども、何かそういう規定があるのですか、財政法なり何かにそういうものがあるのですか。
  57. 小幡琢也

    ○小幡説明員 これは会計法の契約の規定の解釈でございますが、大蔵省といたしましてはこれはあくまでも私法上の契約、私人間の対等の契約について適用がある、こういう解釈でまいっております。
  58. 華山親義

    華山委員 私法上の契約と申しますけれども、私、一々詳しく見ておりませんが、日米間の契約につきましては全部政府政府との間の契約ですか。日本政府アメリカの私企業の間の契約はございませんか。
  59. 小幡琢也

    ○小幡説明員 これは外国政府との間の取引でございます。
  60. 華山親義

    華山委員 それは何か日米間の協定か何かでもあるのですか。そういうふうな契約につきまして原則があるのですか。
  61. 小幡琢也

    ○小幡説明員 本件の場合の根拠は、いわゆる日米相互防衛援助協定に基づきまして細目取りきめに従って行なう、これがこの協定の第一条にございますので、それに従って行なっているわけでございます。
  62. 華山親義

    華山委員 細目処理規定に納期の時期についてどういう規定がしてありますか。
  63. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 細目取りきめにつきましては、大体われわれが一般の契約をしますような問題、たとえば支払い方法とか受け渡し方法とか、所有権の移転の規定とか、あるいは検査の規定とか、瑕疵があった場合の補償の規定とか、そういう規定がありますけれども、納期の問題については特に規定はございません。それは、向こうのいまの仕事の関係からいって、納期を制限されていく場合には契約できない場合がある、向こうの国内法が優先する場合があるということで、特に納期について厳格な取りきめを設けられないという姿で、その分についてはこまかい規定はございません。それは普通の契約の段階できめるということでございます。
  64. 華山親義

    華山委員 会計検査院にお聞きしますけれども、おかしいじゃないですか。納期が来ているからここに載せたんだ、片っ方は納期がないんだ。この点何か矛盾しませんか。納期があるけれども納入がないからこういう未確認になるのでしょう。どうなんです。
  65. 石川達郎

    石川会計検査院説明員 前金払いをします際も、これはやはり会計年度独立の原則に従うものでございまして、当該年度に完結しなければならない。これがおそらく会計法の趣旨でございます。納期の定めがないというようなことを、どういうことからおっしゃったのか存じませんか、われわれ承知している範囲におきましては、一応その年度末に完結するような発注、そういうようなものを出しているようにわれわれ了解しているわけでございます。
  66. 華山親義

    華山委員 それじゃ、先ほどの協定ですか、それによってやっているというのですけれども、前金払いをした年度内には入るというふうな、とにかく私法上の契約は別にしまして、アメリカと約束しているのですか。どうなんです。装備局長から聞いておく。
  67. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 たとえば、FMSは大体二年程度の期間が必要だということを向こうは申しております。例をあげますと、いまの確認で残っております三十九年の例でも、ジーベル装置につきましては契約が三十九年の十一月十八日でございます。それで向こうでは四十年の二月二十七日までには日本に納める努力をしましょうというので、約二年間の期間を置いてわれわれは契約しておりますが、納入の早いものとおそいものがありまして、この場合も納期がおくれたのであります。  いまのは会計検査院への御質問でございますので、私、答えるのはちょっとおかしいかもしれませんけれども、一応毎年歳出したものについて、当然こういうように二年もかかるもの、あるいは国内のものでも継続費、あるいは国債でも、過年度のものにつきましては、その年度に支出してその年度に完結してないというものについて、未確認ということで会計検査院のほうではあげてくるということで、当然先ほどの先生の御質問のように、継続費でも国債でも、航空機は検定は未確認であがっております。このFMSもいま言ったように大体二年の予定を持っておりますので、必ず一回は未確認にあがってくるという性格を持っているものでございます。
  68. 華山親義

    華山委員 納期というものが二年とおっしゃいますけれども、しかしこれを見てごらんなさい。四年も五年も納まってないじゃないですか。これは一体どういうことなんです。二年程度はやむを得ないでしょう。あるいは二年三カ月だったというふうなこともあるかもしらぬけれども、四年も前のものがまだ納まっていない、いまはもう納まったかもしれませんけれども、これはどういうことなんですか。
  69. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 会計検査院指摘を受けました未確認の問題、特にFMSにつきましては三年、四年という長いものもございますが、われわれも非常に残念に思っております。二年間という予定でわれわれも予定しました。向こうでも努力しましょうということでやりましたけれども、結果的にいまのアメリカの補給体系から考えまして、あるいはいまのアメリカのいろいろな事情がございまして、間に合わないという問題が出ております。われわれとしましては、その点の過去の努力についても多少の批判がございましたけれども、現在はアメリカにも駐在員を置きまして、またこちらからも派遣員を出しまして、またいまの軍事顧問団を通じます督促もいたしますし、あるいは大使館を通ずる督促もしまして、いまの過去のような例から見ますと、はるかにその問題の改善をはかっております。今後とも国産化問題も出てまいりますので、その点でのいままでのアメリカへの依存も減りますので、御指摘のような点につきましての残念な点はありますけれども、十分な努力をしてまいりたいということで、先生も資料を見られればわかりますが、相当数の整理を行なっております。
  70. 華山親義

    華山委員 それでは伺いますが、一七七ページに昭和三十九年度に概算払いをしたものにつきまして、現在は納まったかもしれないけれども、この検査をした去年の六月でしたかにはまだ納まってない、したがって、昭和三十九年のものが出ておりませんね。これは何ですか。「通信機器の購入代金」と、抽象的に書いてありますけれども、一部未納入のために未確認だ、こうなっておるけれども、一体、この通信機の何が入ってないのですか、具体的には。
  71. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 三十九年につきましては、形式上は二年余りございますけれども、ジーベル装置というものを二セット契約しまして、未確認にのぼっておりますが、現実は四十三年の十月三十日に取得しております。現在は全部終わっておりますけれども、一応会計検査院の段階では未確認で残っております。  その品物につきまして申しますと、これは対潜飛行機、いまP2V7といっておりますけれども、そのP2Vに積みまして、潜水艦があるであろうというところにソノブイという音波探知機を落としまして、それが発信して航空機でそれを受けまして、その受けたものを解析して潜水艦のあり個所をさがすというものでございますが、これは現在は国産に入っておりますけれども、当時国産がなくて、それでいまのP2V7に三カ年計画で入れていこうということで、三十をこえる数のものを入れたのであります。そのうちの二つだけがおくれてきたということで、現実は終わっております。
  72. 華山親義

    華山委員 三カ年というのは、四十一年までに幾ら入ったのですか。
  73. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 その前までに三十セット入っております。この二セットで一応の計画を終わっております。
  74. 華山親義

    華山委員 四十一年までに……。
  75. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 はい。四十一年から四十三年までの三カ年計画を立てまして、その中で三十二セットを予定しまして、三十セットはすでに入っておる、二セットだけがおくれておったということでございます。
  76. 華山親義

    華山委員 それはその間だけは載せないでやっていたわけですね。それでよかったのですか。
  77. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 この問題は全体の運用問題でございますけれども、たとえばいまP2V7が五十機ほどございます。その中に全部積むわけではございませんで、いろいろな器材を積んでいろいろな対潜行動をやっておりますけれども、その中で三カ年計画で三十二セット予定したということでございます。
  78. 華山親義

    華山委員 日本のもので間に合うものを何も外国に注文しなくたっていいじゃないですか。
  79. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 これは兵器の国産化全般の問題に関連しますけれども、いまの日本の技術と、それから相手方が技術を公開する秘密の問題もからみますし、あるいは初めの間はその数の点が問題でございます。今後われわれとしましてはいま言ったような問題が起きますし、外国に依存しておったのでは計画もそごを来たすという場合も起きますので、ぜひやりたい。特にこれからの補修の問題もありますし、改善の問題もございますので、われわれも希望しまして、四十二年度から国産に入っております。それまではやむを得ず買わざるを得なかったという事情でございます。
  80. 華山親義

    華山委員 その次に聞きますが、一々聞くとおかしなことばかり多いのですけれども、四十年度の一番初めのやつはこれは何ですか。一番初めに防衛本庁につきまして「一部未納入などのため」と書いてあるのですが、これは何が入らないのですか。百七十七ページの防衛本庁の項ですね。何が入ってこないのですか。
  81. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 四十年度の分につきましては、この会計検査の報告の段階では四十件九億一千万円というのがございます。いま先生のお話のいろいろなものが四十件ございますので、それがある程度ワクでくくられております。その一番最初の  一例をあげますと、あるいはアスロックミサイルの調整機具でございましょうか、お手元の資料がわかりませんが、たとえばアスロックミサイルの調整機具というものも四十年度分として約千七百万円のものが四十年八月四日に契約しまして、四十一年三月に納まる予定が未確認になりまして、現実は四十三年十一月五日に納まっております。この品物について申しますと、いまアスロックという魚雷を撃ちまして、それが途中で魚雷が海に入って潜水鑑を追いかけるという関係の魚雷を撃つミサイルを、アスロックミサイルと申しますが、その魚雷を調整し、ミサイルと魚雷の関係を調整する調整機具があります。これは現在ございませんので、四十年度に米側から一組を買いたいということで契約しました。そんなにおくれてどうしているのかという問題があると思いますが、現実は米軍の調整機を使って、現実の訓練なり運用には支障がなかった。いま初めて一組を得たということでございます。
  82. 華山親義

    華山委員 それから下のほうをずっと見てみますと、いろいろな艦艇の建造の一部をなすものがございますね。
  83. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 はい。
  84. 華山親義

    華山委員 それと艦艇のでき上がったものがある。そうするとまだ一部の納入されないものがある、これはどうなったのですか。艦艇を整備するのに足りなくなかったですか。
  85. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 先生のおっしゃる中で四十年度の問題につきましては、一つ護衛艦の電波探知機の問題と、もう一つ潜水艦のロラン受信機、この二つがございますが、たとえば電波探知機にしましても、当然これは必要でございます。この艦はたしか「きくづき」だったと思いますが、「きくづき」について建造をいたしまして、それにある性能の電波探知機を載せるという予定でございましたけれども、それがおくれてまいりました。これは四十年度でございますけれども、その前に「たかつき」が同じ問題を起こしまして、「たかつき」のほうに実は現在あるものを載せまして、新しく入ったらすぐ換装する予定で、現在国産のものがございますが、国産のものよりはるかにいいものがあるので買ったわけでございますけれども、国産のものを載せまして訓練しました。いまの「きくづき」につきましては「たかつき」の分がございますので、載せて支障がございません。今度これがおくれて入りましたけれども、入ったものは当然「たかつき」のほうを換装するということで、現在の運用上あるいは訓練上支障はない。  同じことがいまの潜水艦のロラン受信機にもございます。これはある艦の予定でつくりましたけれども、おくれたわけです。同じことが前の艦にございまして、やはり現在の国産品でまかないまして、より精度のいい、日本でいまできないものが手に入り次第換装していくということで現在の各艦艇ができ、それが就航をして、訓練、運用には差しつかえないという姿で進んでおります。よりよいものを手に入れて換装したいということでございます。
  86. 華山親義

    華山委員 結論として言えることは、ちゃんと希望どおりに入ってくればよかったものを、入らなかったために、日本のものを買ってそれでつくらなければいけなかったというわけで、日本のものを買うだけ政府は損をしているわけですね。
  87. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 私のほうで予定しましたとおり入らないことについての不便はございます。しかしいまのすべての艦艇は当然予備品は持っているわけでございます。だからいまの予定のものが予定の時期に入らないからということの不便はございますけれども、そのための特別のものを買ってつけるということはございません。当然相当な艦艇がございまして、その艦艇はすべて、機械でございますから当然予備品を持っていなければならぬ。その予備品を一時、半年なり一年借りているということで、特別な支出をしているというわけではございません。
  88. 華山親義

    華山委員 支出はないけれども、けちなことを言うならば、耐用年数を縮めたということだ。そうですね。決して財政的にも実害がないというわけにはいかぬわけですよ。  私だけ時間をとるのもどうかと思いますので、次に人事教育局長に伺いますが、先ほどしばしば申しましたように、いろいろな自衛官募集の広告なりあるいはカードなりそういうことにつきまして、産軍複合体の標本みたいなことをやっているわけです。非常にいけないことだと私言いまして、これからはやめさせると言いますけれども、個々のものにいって、おまえのところはこういうものを出したがだめだよとか、これはやめなさいとかいうふうなことでは、私は続々出てくると思う。とにかく現在、都会におきましては誘うに利益をもって自衛隊員を集めているのですからね。とにかく日産自動車ではカードみたいにして、マイホームをつくるためにはまず自衛隊に入って私のほうに来なさいというふうなことでしょう。一体そういうふうなことをして、——具体的な問題を出して一一やっていたのじゃ私は切りがないと思う。すべてのものに対しまして、こういうことはやめろという通達を出されませんか。そうしなければあとを断たないと思う。
  89. 麻生茂

    ○麻生政府委員 ただいま先生のお尋ねがございました特定の会社自衛隊募集とが同じポスターなりあるいははがきの中で行なわれるということは、自衛官国民全体の奉仕者である、その自衛官募集という本質にかんがみまして適切でないと考えております。去る二月の予算分科会で受田新吉委員のお尋ねがございましたけれども、トヨタだけでなく、同じような例のものをさがしましてそういうようなことがないように連絡をいたして注意させたわけでございますが、たまたま先生の御指摘日産のものにつきましては、東京地連と日産の間の話し合いで、東京でだけいたしましたようなことで、ついこの分が漏れておったということはまことに遺憾に存じております。したがいまして、今後再びこういうようなことのないように、特定の企業の人員採用と自衛官募集が同じポスターなりはがきなりあるいはリーフレットなりで行なわれ、そしてその負担が企業の経費で行なわれるということは二度とないように、われわれのほうといたしましても関係のところに指示をいたしましてその趣旨の周知徹底をはかりたい、こう思っております。
  90. 華山親義

    華山委員 全国の関係の役所に全部出されますか。できたら通達する、できたら通達するというのじゃなくて、全部に出してやっていただきたいということなんです。
  91. 麻生茂

    ○麻生政府委員 先ほどお答えいたしましたように、一つの紙面におきまして特定企業の人員募集自衛官募集とが一緒に書かれておる、しかもその経費が特定の企業の経費で行なわれるというようなものは今後一切やめなさいという通達を、関係の機関に周知していきたい、こういうことでございます。
  92. 華山親義

    華山委員 全部についてですね。
  93. 麻生茂

    ○麻生政府委員 そのとおりでございます。
  94. 華山親義

    華山委員 それからその経費会社に持たすということにつきましては、これはたいへん会計法上の間違いだと私思うのです。やはり広い意味の公文書ですから、公文書をつくるのに会社から金を出させたということは間違いだと思うのです。これは是正さるべきですよ。いままでのところのものについて是正されますか。
  95. 麻生茂

    ○麻生政府委員 過去のポスターなりあるいは先ほど先生の御指摘日産のはがきにつきましては、その自動車会社が印刷をし現物を自衛隊に持ってきた、そして使ってくれということであったと思います。しかし先ほど申しましたように、特定の企業の経費負担でこういうものを印刷して、自衛官募集の用に充てるということは適切でありませんので、今後こういうことが一切ないように処置してまいりたい、こう思っているわけでございます。
  96. 華山親義

    華山委員 先ほど申しましたとおり、都会におきましてはそういうふうな利益と結びつくような方法で就職あっせんするなどという職業安定法違反のようなことをやって人を集めている。農村僻地においては、重要地点といって指定をし、重要地点に指定をしたところについては県庁を通じてノルマを与える、期待数というのですか、何人を集めなさいというふうなことをやっているわけです。そういうふうにしてようやく自衛官を集めているわけですけれども、そのことについては内閣常任委員会で私申しましたからここで言いませんが、ひとつ私自治省に伺いたいのでございますけれども、いまここに条文を持っておりますが読むのは何ですけれども、とにかく自治法によりましては、国の事務につきまして、国の仕事については地方公共団体に負担をかけるような措置をしてはならない、こう書いてそして次のようなものであるといって防衛庁の仕事を書いてありますね。自治省おいでになりますか。
  97. 中川俊思

    中川委員長 首藤財政課長が来ております。
  98. 華山親義

    華山委員 それから自衛隊法には自衛官募集するための経費は国庫の負担とすると書いてありますね。それですから、これは全額すべて国庫負担であるべきであって、自治体が持つべき性格のものではないわけです。持ってはいけないと私は思うのです。それで私は個々いろいろな村等につきまして、特に重要地点と指定されたような村についてその状態を見ておりますと、これは市町村は往々にして自分の金を出しているところがありますね。この実態はどうなっているのか、ひとつ自治省のほうから伺いたい。
  99. 首藤堯

    ○首藤説明員 もっぱら国のためにします事務につきまして、地方団体に事務を委託をいたしますときには、その経費を全額国が持つ、こういう原則でございます。御指摘のとおりでございまして、地方財政法の十二条にそのような趣旨のことがございます。それから御指摘のように自衛隊法の九十七条にも国の負担とする、こういうように明記してございます。したがいまして、私どもといたしましても、このような募集のための経費は当然全額国が負担をして、市町村あるいは県が負担をするような措置をとってはならぬ、このように考えております。     〔委員長退席、白浜委員長代理着席〕
  100. 華山親義

    華山委員 考えておるのはけっこうだと思いますが、実際はどうなっておるかということをお聞きしておる。
  101. 首藤堯

    ○首藤説明員 実態を個々につきまして全部つまびらかにしておるわけではございませんが、一部の市町村におきまして若干の経費の継ぎ足しといったようなことが行なわれておる事例も若干はあるように私ども感じております。
  102. 華山親義

    華山委員 私はこの点自治省として怠慢だと思うのですよ。これは自衛隊にだけ関係するわけではありません。その点につきまして一体地方公共団体がそういうものを負担しているか負担していないかということについては、やはり常に見ていかなければいけない問題だと私は思うのです。何にもしていないんですね。あなたのほうでお定めになっておるところのこの予算なりあるいは決算の様式、この中からもこの点はつかめないのです。私はこれをつかもうと思ったけれども、つかめないのです。あなたのほうできめられたあの様式は、こういうふうに法律できめられていることなんですから、予算それから決算の様式の中からその実態がつかめるような様式でもきめておくとかなんとかしなければ、これはもう空文化するおそれがある。一体重要地点なんということを指定されているところは、そしてそこにノルマを課しておるようなところは、最も財政の貧弱な市町村なんです。その財政の貧弱な市町村が自分で負担しているところを私は往々にして見受けるわけです。こういう点につきまして、金額は大きくないかもしれませんけれども、こういうことは原則としてやはり自治省は目を光らしてこれを追及するだけの指導というものがあってしかるべきではないか、こう思うのですけれども、自治省どうでございますか。
  103. 首藤堯

    ○首藤説明員 国の行ないます事務について地方団体に負担をさせるということをしてはならぬという点につきましては、全く御指摘のとおりでございます。そのとおりでございます。現実に地方団体が委託費を受けました場合に、若干の地方費を支出するというようなケースがあろうかと思いますが、地方団体独自の立場でそのような行動をするという点につきましては、地方団体の自主的なと申しますか、いろいろケースがあり得るかと考えておるわけでございます。ただこういう仕事について地方団体に負担を強制をするとか、そういうことが行なわれてはならぬということは強く感じておるわけでございまして、その点自衛隊ともよく連絡をいたしておるところであります。
  104. 華山親義

    華山委員 聞き捨てならないですね。そういうことを求めても、強要しなければいいんですか。法律からいったって、強要しなくったって出してはいけないんじゃないですか。市町村はその限度で仕事をすべきものじゃないですか。強要さえしなければ出してもいいということになりますか。そんなことになったらたいへんですよ、これは一般の民間の寄付とは違うんだから。よく強要さえしなければいいということばを逃げことばにしますけれども、そんなことでいいのですか。強要しなければいいですか。出しちゃ法律からいっていけないんじゃないですか。
  105. 首藤堯

    ○首藤説明員 法律の趣旨といたしまして、国の事務は国が負担をする、これは原則で、御指摘のとおりでございます。ただ、実態的な面におきまして、往々にして地方団体が各種の経費について補助金とかそういっためいたものを支出するケースがあり得るわけでございますが、これはその地方団体の独自の事業と申しますか、そういった意味で支出がされるケースがあり得れば、違法と申しますか、こういうとがめだてをするまでにはいかないのではないかと思います。ただ、法律の趣旨からして、このような経費は国が全額持つべきで、地方に負担さすべきではない、これは御指摘のとおりでございます。
  106. 華山親義

    華山委員 あなたは若干とか何か言いますけれども、とにかく私の見たところでは、国からの経費と大体同額のものを出していますよ。若干どころじゃないですね。それは重要市町村に対しまして、そうしていろいろな仕事をやらせるわけですよ。自衛隊の見学に行けとか、そんなことをいろいろやらせておいて、そして今度は県庁のほうからは、おまえのところは何人出せといって無理をかけているわけだ。そういうふうなことはいけない。特に自衛隊というものは防衛庁といってちゃんと掲げてあるのですね。次のようなものである。その第二項か何かに防衛庁と書いてあるでしょう。抽象論に書いてあるのじゃない。防衛庁についてはいけないと書いてあるのですよ。それを私は問題にしたいので、そういうあなたの言われるようなことがあったとしても、それはどういうわけなものであるかということを追及しなけばいけない。これは強制的なものか、どういう性格のもので出したのか追及しなければいけない。追及するところの資料というものは何にもないでしょう。どこからも出てこない。あなたが、財政上の法律を守ろうとする熱意がないのです。法律は生みっぱなしなんです。そういう点につきまして、私はひとつ自治省で前向きに検討していただきたい。特に私言うのは一時的なものじゃないのです。とにかく旧地主の補償とかそういうものにつきましても、国の経費が間に合わないので、ずいぶん市町村で負担した。これは一時的なものですけれども、防衛庁経費なんというのは毎年毎年のものでしょう。その点について自治省からこれからそういう点はひとつ明白にしていってもらいたい。
  107. 首藤堯

    ○首藤説明員 御質問の御趣旨は全くそのとおりだと考えます。適正な負担区分に基づいて負担をするように今後とも指導はいたしてまいりたいと思います。  それから先ほど指摘ございましたように、この種の経費でございますから、もちろん委託をされましたその経費範囲内で仕事をすればよろしいわけでございまして、この点も先ほど指摘のとおりでございます。
  108. 華山親義

    華山委員 よく言ってやってくださいよ。各市町村に県庁でも通じて、あなたのほうは内簡とか通達とかしょっちゅう出すんだから、自衛隊の仕事についても与えられた経費範囲内でやりなさいということを、ひとつ内簡でも出してやってください。よろしゅうございますね。
  109. 首藤堯

    ○首藤説明員 財政運営の行き方については、十分指導いたしてまいりたいと思います。
  110. 華山親義

    華山委員 どういう指導をしたかあとで聞きます。あなたは課長ですから局長とも相談しなければいけないでしょうから……。
  111. 白浜仁吉

    ○白浜委員長代理 浅井美幸君。
  112. 浅井美幸

    ○浅井委員 先ほど華山委員から若干触れられておりましたけれども、私も、今回の昭和四十二年度決算検査報告の中の防衛庁決算の中で、未確認事項について伺いたいのですけれども、防衛庁が三十九年九月以来、ジーベル装置が三十九年で一件であります。これらはアメリカの海軍省及び陸軍省に前金払いで購入契約になっておるのですが、それが入ってこない。したがってそれが未確認事項になってこのように記載されておる。この未確認事項になったその理由ですね、これを明確にお答え願いたいのです。
  113. 佐々木達夫

    ○佐々木(達)政府委員 お答え申し上げます。  未確認事項につきましては、先ほど検査院からもお話のあったとおりでございまして、国庫債務負担行為、継続費及びFMSによって米国から購入するものにつきまして、概算払いまたは前金払いをしているわけでございますが、その物品が納入にならない、あるいは一部納入になっていない場合に未確認になるわけでございます。したがいまして、FMSすなわちアメリカから有償で購入しています武器等につきまして、一部未納、全部未納というような場合にはこれが未確認額として決算報告に載っているという次第でございます。
  114. 浅井美幸

    ○浅井委員 どのような理由でこのような大量の金額になるわけですか。たとえば総額は五十六億一千七百五十八万九千八百六十四円、これがいま未確認の残額としてここにしるされてありますけれども、どういうわけでこういう未確認という事項が出てきたのか、会計検査院にお伺いしたいのです。このほかの諸官庁においてこういう未確認事項というものがあるのですか。防衛庁だけにこういう未確認事項がある、私はこのように思うのですけれどもどうでしょうか。
  115. 石川達郎

    石川会計検査院説明員 ごもっともなお尋ねであろうと存じます。各省庁にわたりましても、前金払い、概算払いしたものにつきまして一部未納入というような事態はあり得ることでございます。ただ他の省庁のことは私十分存じませんが、未確認にあげるあげないということにつきましては、これは検査を担当する検査官の心証によっているというような面もございますので、防衛庁につきましては、経費の性質上特にこれを掲出しているというような実情でございます。
  116. 浅井美幸

    ○浅井委員 ほかの各諸官庁においては、未確認事項というのは決算検査報告の中にもない。ところが防衛庁だけこれがある。会計検査院のなさった方によってそういうふうな差異が出るということは私は考えられない。未確認というのは、いわゆる契約の期限が切れておるのにもかかわらずいまだ納入されていない、あるいはまた調査未了のもの、あるいは納期が到来していないけれども、前金払い、概算払いをして、いまだ確認に至らないもの、こういうふうに三つに分かれると思う。国庫債務負担行為において各諾官庁においてもいろいろな工事をやっております。それらについては未確認事項はないのに、これについては未確認事項が出てきておる。その違いはどういうところにあるのか、具体的に教えていただきたい。
  117. 石川達郎

    石川会計検査院説明員 未確認という用語でございますが、これは別に法律上あらわれてくる文言ではございません。先ほども申し上げましたように、確認というものの中でその当否の判定を留保するというような意味でこれを未確認というようなことばで表現いたしまして、後年度において検査を継続していこう、こういう趣旨で掲げているわけでございます。御指摘の点はまことにごもっともでございまして、国庫債務負担行為等によって工事あるいは物品の購入等もしているわけでございますが、それはそれぞれの課におきましてある程度当該年度において支出の心証を得たというような点で、特にこれを未確認として残す必要はない、かように考えて、未確認額表に特に掲記していないのではないか、これは他の省庁に属することでございますので、検査担当者の心証によってあげるあげないをきめているというような事情もございますので、その点は御了承願いたいと思います。
  118. 浅井美幸

    ○浅井委員 他の省庁ではその検査官の心証によって未確認事項があっても未確認と載せない、防衛庁に限ってその検査官の心証が何らかの意図があるからこうやって未確認として載せた、そういう御答弁ですか。——そうしたならば、これは防衛庁のみならず、ほかの各省庁においてもこういう膨大な金額にのぼるそういう未確認事項は必ずある、そういうふうにあなたは仰せなんですか。
  119. 石川達郎

    石川会計検査院説明員 未確認の事由といたしまして、前金払い、概算払いをいたしたものにつきまして、一部未納入あるいは全部未納入というような事態は各省一庁につきましても十分考えられることでございます。したがいまして、そういう形式的な基準に基づきまして未確認をあげるということになりますと、これはやはり未確認にあがってこざるを得ないと思います。事実、従来はさような経理方法をとっていたこともございます。しかしながら未確認というものが、先ほども再三申し上げますように、検査担当者の心証によってあげるあげないをきめているというような事情もございますので、それぞれの省庁において具体的にどういった事情であげていないかまでは、私も直接責任のある立場でございませんので申し上げられませんが、それぞれある程度の心証に基づいてあげていない面があろうかと思います。  ただ、防衛庁につきまして特にあげているということでございますが、これは国内におきまして物品を購入する場合あるいは艦船の建造の場合もあげているわけでございますけれども、われわれがここにあげている趣旨は、先ほど華山先生からも御指摘のありましたように、FMS物資、これにつきましては相当期間未納入になっているというような事態があったわけでございます。いずれは入ってくるものではございましょうけれども、長期間経過のうちには、せっかく入ってまいりましてもそれらの物資が物理的に陳腐化していたりあるいは経済的な陳腐化というようなことも考えられまして、これは会計経理上妥当でないというようなこともありますので、特に防衛庁につきましてこれを掲記している、かような事情があるわけでございます。
  120. 浅井美幸

    ○浅井委員 私もこだわるつもりはないのですけれども、検査官が検査執行するにあたって、その検査官の心証によってその検査の方法にいろいろのやり方がある。同じ不正の事実があってもそれは心証によって不正と認めないあるいはそれを未確認と載せない。法律執行官の立場にある検査官がそういうふうな便宜的な処置をするのですか。それが一点わからない。  それから会計法第二十九条の八と予決令の第百条の中には納期を契約書に記載しなければならない——会計法の第二十九条の八には契約担当官は落札者を決定したときには履行期限をきめなければならないことになっております。あるいは予決令の第百条では「履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金」、このことを書くべきである、こういうふうになっておりますけれども、この場合の防衛庁における不履行の事態、そしていまあなたのおっしゃった心証の問題、その二点についてちょっと見解を伺いたい。
  121. 石川達郎

    石川会計検査院説明員 会計法規に規定していることは御指摘のとおりでございます。相なるべくは、さような条件につきましてはFMSの場合にもこれを定めるのが望ましいわけでございますが、ただFMS物資というものは当初無償援助というような形をたどりまして有償に変わった、これは援助物資であるというような観点もございまして、納期あるいはその損害賠償、さようなものにつきまして特に規定はいたしていない、かように理解しているわけでございます。
  122. 浅井美幸

    ○浅井委員 当初は無償であったけれども、いまは有償ですよ。いまは有償でしかもわざわざ日本の国費が前金払いで払われておる、あるいは概算払いで払われておる。その品物が契約期限が切れても入ってこない。だから未確認事項に載っているのじゃないですか。そうでなければ未確認事項なんてないはずです。この会計検査院決算報告はその意味において重要な意味があるからここにお載せになっているんじゃないですか。その場合の未確認になっておる問題について、昭和三十九年に一件、昭和四十年に六件、昭和四十一年度が五十二件、昭和四十二年度が百五十三件、項目に分けてそれだけございます。これらについて未確認になっている、または国内法における会計法第二十九条の八あるいは予決令の第百条の違反事項がある、これについてはどうなんですか、見解は。
  123. 石川達郎

    石川会計検査院説明員 未確認ということばが適当であるかどうか、これは今後われわれ検討いたさなければならない点でございますが、未確認という観念の中に、それが不当であるとか不正であるというような考えをわれわれ実は含ませてはいないわけでございまして、先ほど説明申し上げているとおり、ただ前金払い、概算払いいたしたものにつきまして、その対象になります物品が未納入である、したがいましてその会計経理上の実態が把握できないというような理由でこれを後年度において検査を継続しようというような趣旨であげているわけでございますので、ただいま御指摘のように不正あるいは不当というような観念は、それは中には未確認にあげましたものの中をしさいに検討すれば出てくるかも存じませんが、それ自体につきましてはさような考えを含ませて掲記しているわけではございません。この点ひとつ御了承願います。
  124. 浅井美幸

    ○浅井委員 国内法の適用を受けないとおっしゃるのですか。このFMSに限っては、あなたの答弁では、国内法のこの会計法やあるいは予決令については関係がないとおっしゃるのですか。
  125. 石川達郎

    石川会計検査院説明員 先ほど申し上げましたとおり、前金払いいたしたものにつきましても、これは当該年度に完結すべきが会計法のたてまえであろうと思いますが、ただこれは全額前金払いいたす、これを予算に計上した趣旨の中には、これが後年度において納入されるのもやむを得ないというようなことも含まれているのではなかろうかと存じます。  納期の未確認額表の中にありますものの一々につきまして、いま私も資料を見ませんと承知できないわけでございますが、必ずしも納期を経過したものについてあげているわけではございません。
  126. 浅井美幸

    ○浅井委員 さっぱりわからぬ。法律の適用というものは、会計法の第二十九条の八と予決令の第百条があるわけです。支出については国内法で定められてあるわけでしょう。FMSの場合は、法律の適用を受けないのですか。受けないならばどういう適用除外あるいは何らかの根拠があるのか、その点私はお聞きしているのです。そんな、何らかの事情があるというのではなくて、どのような適用除外の根拠によってやっているのか、それを聞いているのです。
  127. 佐々木達夫

    ○佐々木(達)政府委員 お答え申し上げます。  FMS調達につきましては、先生御存じのように、有償援助調達でございまして、その根拠は、日米間の条約でございます。すなわち、日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定、昭和二十九年の条約第六号でございますが、それに基づいてやっているわけでございます。したがいまして、法的な根拠といたしましては、予決令百条の二の一項の第四号がございます。その条約に基づいて、正式の契約書を省略することができるという条文がございまして、大蔵大臣との協議という場合になるわけでございますが、大蔵大臣との協議につきましては、先ほど規課長から説明がありましたように、条約上の問題として協議が成り立ったという解釈に基づいてやっているわけでございます。
  128. 浅井美幸

    ○浅井委員 その予決令の契約の第百条の二は、前項に定めるもののほかは、契約書の記載その他作成に関する細目は大蔵大臣の定めるところによるのであって、それがいま言ったように、未確認事項とあらわれてきた場合に、購入契約におけるところの履行期限、これについての関係はどうなんですか。履行期限はないのですか。
  129. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 現在のFMSで購入します場合の契約につきましては、納入の予定期限がございますが、いまの米側の援助、供給のたてまえからいって、国内法の一般の契約と同じように、遅延した場合、あるいは納期を過ぎた場合の補償規定といいますか、そういうような罰則をつけたような納期はございません。  もう少し説明いたしますと、現在われわれがFMSで買っている問題につきましては、第一点は、機密に属するもので、どうしてもそれがなくては防衛庁が困るというものについて買う問題と、あとはこれは全くわれわれが物資を調達する場合と同じく、米側から買ったほうが安くて質がいいというものでございます。民間にあるもので買えるものの場合には、それを勘案しまして、われわれがどうしても売ってほしいという関係のもので、それでは向こうでは売ってあげましょうという関係の援助協定に基づく契約でございまして、特にその納期の問題につきましては、契約の段階で確定納期をつけない。しかしわれわれも当然予定がございますので、向こうのほうでもその関係の努力はしましょう、日本の防衛に協力しましょうという関係の予定納期は考えますが、そういうような会計法上の罰則のつくような納期はつけておりません。
  130. 浅井美幸

    ○浅井委員 では、予定期限でけっこうです。契約の予定期限が切れてもいまだに納入されていない。すなわち、決済のついていないものについて、まず第一点、納期が過ぎているもの。この予定納期が過ぎているものは、いま私の手元にあるこの資料の、どれとどれですか。それから納期が到来していないけれども、前金払い、概算払いとしていまだ確認に至らないもの、これはどれですか。明確に言ってください。
  131. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 大体納期は二年前後を、われわれの要請もいれ、向こうの実情も考えております、その関係で、きょう現在が四十四年の六月でございますので、四十四年の六月以前のものでございますと、大体予定納期を越えているのではないかと思います。という意味で、個々の問題につきましては、いま先生のおっしゃいましたように非常に件数が多うございますので申し上げませんが、ものによっては短いもの、ものによっては長いものもありますけれども、大体二年前後でわれわれは予定しております。  結論的に申しますと、大体納期の中で納まるものが九〇%ございます。約一〇%が納期をオーバーするような事態になっております。そういう意味で、今度会計検査院であげましたものの中で四十二年度以前のもの、特に四十一年度以前のものにつきましては納期が経過している。この点につきましては、われわれも予定の問題がございますので、米側とも強い折衝をし、米側のほうでも日本の防衛の見地から何とかしたいということで、それぞれの担当者の間で、早くわれわれの希望に合うような努力はお互いにいたしております。
  132. 浅井美幸

    ○浅井委員 この三十九年のジーベル装置あるいは四十年の自走りゅう弾砲あるいはアスロック装置あるいは護衛艦外一件、これらがおくれておるおもな理由は何ですか。
  133. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 ジーベル装置は、現実は入っております。もうすべて入っておりますけれども、会計検査の段階では入っていなかったということで、あがっております。おくれました一番大きな理由は、米側が現在自由諸国圏に大きな援助関係を持っておりますので、そういう大きな国際的な補給体制、援助関係を持つという中で、各国の需要と米側の供給とが直接マッチしなかったというところが一番大きな問題でございます。現実は、私のほうは、先ほど華山先生に申し上げましたけれども、三十二セット予定しまして、三カ年計画で入れまして、三カ年計画で納まっております。納まっておりますけれども、その中の二セットでございます。やはりわれわれ日本と同じような、ほかの国からもこういうような問題で強い要請があって、結果的に、各国の需要と供給との関係でこういう事態が起きたというぐあいに考えております。
  134. 浅井美幸

    ○浅井委員 引き続いて、四十年の各項目を、あまり多くないのだから、全部やってください。いつ納まったか、はっきりしてください。ジーベルはいつ納まったか。
  135. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 四十二年の十月三十日に納まっております。
  136. 浅井美幸

    ○浅井委員 四十三年十一月二十七日現在の未確認事項じゃないのですか。この会計検査報告の未確認総額の表の一番最初に、「四十三年十一月二十七日現在」とある。あなたは、いま何とおっしゃた。四十三年十月……
  137. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 会計検査院関係と私のほうの現物の関係は多少問題がございます。というのは、私のほうは現物は四十三年の十月三十日に受け取っております。しかしその関係の最後の書類の何と申しますか、締めくくりでございますね、その関係は、やはり現物が来ましてから書類が発送され、その証拠書類がそろいませんと会計検査院のほうでは確認しませんので、表面上は会計検査院のほうでは未確認、私のほうの現物は四十三年十月三十日に受け取っているという関係でございます。  それから次にまいりまして、四十年度、これも数がわりあいございますので、先生のおっしゃったような問題を申し上げますと、一つはアスロックミサイルの調整装置、試験器具がございます。これは現在アスロックという魚雷用ミサイルで撃ちまして、その魚雷が潜水艦のおるであろう付近へ落ちて、自分で潜水艦をさがして攻撃するという装置でございますけれども、その魚雷を調整する装置、それから魚雷とミサイルとの関係を調整する装置、これがこういう器具には必要でございますけれども、持っておりませんでしたので、四十年の八月四日に契約しまして、現物は四十三年の十一月五日に入手しております。その間の事情につきましては米側の持っているものを運用上使っております。初めてこの一式を入れたものでございます。  それから自走りゅう弾砲の問題でございますけれども、実はこれにつきましてはまだ初度部品が一部入っておりません。現物は全部予定のものは入っておりまして、全部運用しておりますが、その初度部品が一部まだ未納入になっている事実はございます。これは先生の御質問だとは思いませんが、その初度部品につきましては、現在ほかのたとえばM41戦車というような関係と共通部品を持っておりますので、運用上差しつかえないということで進んでおります。そういう事態でござます。あと先生がおっしゃいましたのは……。
  138. 浅井美幸

    ○浅井委員 各項目言ってごらん。警備艦の装備潜水艦装備についてはいろいろ出ているでしょう。ダッシュドローンも出ているでしょう。
  139. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 大きなものをあげて申しますと、艦艇関係で音響掃海兵がございます。これは二件、現物は一式でございますけれども二件ございますが、これは掃海艇に便って音響機雷を掃海する、爆破する装置でございますけれども、これは四十四年、今年度の二月二十五日に全部入っております。  それからダッシュドローン三件、これも三件というかっこうになっておりますけれども、一式でございます。四十一年の十二月二十一日にほとんど入っておりますけれども、一部補用部品がこの六月末に着くということになっておりまして、この点まだ確認しておりませんけれども、六月末で入ってくるだろうということであります。  それからアスロック装置、三十九年度の間に備えるものでございますけれども、これについては四十一年の十一月二十五日に入っております。  それから護衛艦用の電波探知装置でございますけれども、これは現在まだ未納入でございます。  あと潜水艦用のロラン受信機でございますけれども、これも現在未入手でございます。  それからもう一つの、やはり四十年度間用のアスロックの発射装置でございますけれども、これは四十三年の七月二十日に入っております。  大体大きなものは以上でございます。
  140. 浅井美幸

    ○浅井委員 引き続いて四十一年度……。
  141. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 実を申しますと、四十年度までは華山先生からそういうこまかい資料を要求されましたので、持ってきましたけれども、四十一年度につきましては、未納入がいつ入ったかという確認の資料をいま持っておりませんので、あとで調べましてお届けすると……。
  142. 浅井美幸

    ○浅井委員 じゃあ、三十九年度は全部入った。四十年度の件数の中で一体何件が入っていないのか、あるいは四十一年度はまだどのくらいの未納入なんですか、概算の件数で言ってください。
  143. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 四十一年度は、現在契約額に対しまして未確認額が、パーセンテージで申しますと、一三・八%、未納入額が一三・九%、それは額で言っております。
  144. 浅井美幸

    ○浅井委員 金額について言ってください。
  145. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 金額では契約額が四十億五千万、未確認額が九億六千万。
  146. 浅井美幸

    ○浅井委員 引き続いて四十二年度……。
  147. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 未納入額が五億六千万ということでいまの数字になります。  四十二年度が契約額が四十六億五千万、未確認額が九億五千万、未納入額が八億五千万、一八・四%というパーセントになっております。
  148. 浅井美幸

    ○浅井委員 FMSのうち、この三十九年度からの未確認のFMSの分だけ、アメリカに対する注文、これに対する未確認、それから未納入、これについて言ってください。国内を抜いて……。
  149. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 いま申し上げた数字がFMSでございます。
  150. 浅井美幸

    ○浅井委員 これが全部FMS……。
  151. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 はい。
  152. 浅井美幸

    ○浅井委員 四十一年度が四十億五千万の契約で五億六千万の未納入、それから四十二年度が四十六億五千万で、未納入が八億五千万、こういうわけですね。
  153. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 さようでございます。
  154. 浅井美幸

    ○浅井委員 そうすると、あとは全部国内ということですか。
  155. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 全体の数字を申しますと、いまの未確認事項としてあげられておりますものの中には、いまのFMSと国産のものと、それから一般輸入のものとございます。それで、やはり一番大きな額は国産のものでございます。全体を申しますと、未確認額の総計では二百十八億でございます。これは三十九年から四十二年までの合計でございます。その合計が二百十八億の中で、国産のものが百八十六億、FMSのものが二十八億六千万ということになっております。輸入は、一応四十二年度分としまして二億八千万であがっております。
  156. 浅井美幸

    ○浅井委員 これは先ほどもお答えになっていましたけれども、アメリカが受注に応じ切れなかったといういろいろな理由でございますが、受注に応じ切れないということで、このように契約が非常に延びてきておる。ですから日本においてのあなた方の防衛計画、それによって自衛隊の訓練、あるいはいろいろな装備の点検等やらなければならないのですけれども、一部の部品や武器等の納入遅延によりまして、戦車や艦船等の使用はどのようなものを代用しているのか。また数年間もおくれて納入された武器や、あるいはこの近代科学の発達しておる時期に、そのようにおくれてきて、三十九年あるいは四十年ごろ注文したものがいまごろ納められて、はたして役に立つのか、その点はどうなんです。
  157. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 たとえば三十九年のものにつきましてのジーベルでございますけれども、これは現在の一級品でありますし、支障ございません。あるいはアスロックにつきましても現在それが最高品でございます。先ほど華山先生のときにも御質問ございましたのですが、確かに私たちが予定しましたよりもおくれておりますので、支障ないとは申せません。しかし、たとえばレーダーにしましても、あるいは通信器材にしましても、精度は多少の問題はございますけれども、国内品を代替して、入りましたら換装するというかっこうで進んでおりますし、部品につきましても大体初度部品というものが入りまして、それに対しまして、補給部品はある程度のもちろん余裕を持って組んでおります。そういう関係で現在訓練に支障を来たす、計画に支障を来たすという事態は起きておりません。ただわれわれとしましては、予定よりもおくれることは非常に困りますし、米側でもその点についても十分な反省はしております。両者でいま毎年それぞれの各項目について検討し、努力はいたしております。
  158. 浅井美幸

    ○浅井委員 会計検査院に伺いたいのですけれども、さっきの答弁では、アスロックの中では四十  一年の十月二十五日に納入になったものがある、それがどうして四十三年の十一月二十七日現在で未確認として出てくるのですか。
  159. 石川達郎

    石川会計検査院説明員 未確認の事由といたしまして、先ほど物品の未納入、全部の未納入あるいは一部の未納乳などの場合を申し上げましたが、そのほかに事務上の処理といたしまして、清算書がまだ参ってきていない、かようなものも、これは精算書と物品とぶつけて検査するというような作業がまだ後年度に持ち越される関係上、これを未確認としているわけでございます。
  160. 浅井美幸

    ○浅井委員 四十一年の十月から四十三年の十一月というと二年間経過していますね。二年間もそういういわゆる請求書やあるいは納品伝票だとかで、現物が確認できないのですか。
  161. 石川達郎

    石川会計検査院説明員 精算書にはいろいろな物品の明細を記載しておるわけでございますが、その精算書が参りまして、その精算書と納入されましたと現物と対照するというようなことは、精算書が未到着の場合は、これはまだできないわけでございます。したがって、精算書が到着するまでは、でき上がるまでは検査を後年度に持ち越す、こういう考えであります。
  162. 浅井美幸

    ○浅井委員 防衛庁の経理局に聞きたいのですが、アメリカとの有償FMSというのは、そんな二年間もそういう精算書が届かないというような事実があるのですか。そんなずさんなんですか。
  163. 佐々木達夫

    ○佐々木(達)政府委員 有償援助調達につきましては、アメリカにおきましてFMS法が一九六一年に改正されたのでございますが、それに基づいてアメリカではやっておるはずでございます。アメリカ事情を私もよく知りませんが、先ほど装備局長からお答え申しましたように、世界各国に対しまして非常にいろいろ供給を行なっておるということで、複雑な状態のようでございます。先ほど装備局長からもお答えいたしたのでございますが、われわれといたしましても、これが早急に解決するように、アメリカ大使館の職員及び陸海空それぞれのところに係官を長期滞在さしております。また本省からも係官を毎年出しまして、この早期解決について努力しておりまして、二、三年前この問題が非常に議論になりました当時に比べまして、現在は相当解決の方向に進んでいるというふうに理解しております。今後とも、御指摘がございますので、その点につきまして十分善処してまいりまして、一応の納期と申しますか、予定した期日までに必ず入るように努力したいというように考えております。
  164. 浅井美幸

    ○浅井委員 その答弁はいいのですけれども、いま言ったように四十一年の十月に品物が納まっているのに、請求書がこないからこういう未確認事項で——会計検査院は請求書がこなかった、こう言っているわけです。そういうような契約のしかたをしているのです。この契約は日本の商社を通じてやっているのですか、それとも防衛庁がいわゆるアメリカの海軍省やあるいは陸軍省あるいは米国政府と直接の取引の契約になっているのですか。
  165. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 この契約は日本政府アメリカ政府と直接やっております。途中の運搬などの事務は民間業者が担当する場合がございますけれども、契約は政府が、その履行確認も全部政府間でやっております。  それから先ほど先生の御質問で経理局長がお話しましたけれども、いまの未確認の中で、書類の不備のために確認ができないという事態がわりあいございます。それが起こりましたのは、実はここ二年ほど前でございますが、アメリカ側がいまの調達機構を全面的に改変しまして、部署が動く、担当が動くために、簡単な書類の整理が済まないということで、これはアメリカ側も非常にわれわれにも遺憾の意を表しておりますけれども、その関係で一部おくれている書類の関係があるということでございます。
  166. 浅井美幸

    ○浅井委員 だから、それは二年間もおくれるのですか。そういうずさんな契約であり、いままでのいわゆる会計処理なんですか、防衛庁は。
  167. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 その点につきましては、先ほど経理局長がお話しましたように、向こうに特に駐在官を置きあるいはこっちから専門担当官が行きまして、個々の事例に当たっております。実はきょうの御審議で——三十九年はもうほとんど終わりました、四十年以降というだけが残っておりましたけれども、アメリカ側の、先ほど申しました調達機構の変更に伴う未整理が非常に多くて、三十九年以前はどうしても早く片づけたいということで、それに重点を置きまして、品物が届いているのに会計検査上は未確認という事項がたいへんありまして、この委員会でも非常に強い御指摘を受けましたので、その関係の整理にいま重点を置きまして、それがもう終わりまして、今度の検査報告にありますような姿に持ってまいりました。まだこれでももちろん十分でございませんけれども、そういう意味で、いままでの未整理につきましては、さらに古い年度から、しかももう実物は届いておって整理ができないというものがございますので、至急そういうものにつきましてはアメリカ側の努力も要請しながらやってまいりたいというふうに考えております。
  168. 浅井美幸

    ○浅井委員 会計検査院にお伺いしたいのですけれども、いわゆる国内の諸官庁においては、こういう未確認事項が出てこない、ちゃんと整理ができておる。防衛庁において、いまの答弁のように現物は届いておるけれども、会計検査院の何か怠慢なような姿で未確認事項が多い、こういうような答弁なんです。この点どうですか。
  169. 石川達郎

    石川会計検査院説明員 未確認として掲記している事情につきましては先ほど来申し上げているとおりでございます。そこで、FMS物資につきまして従来相当未確認額が多かったという事情もございまして、一昨年でございますか、こういうものを整理するために具体的な措置を早急にとるべきであるというような趣旨の公文の照会を発しているわけでございます。その後防衛庁側におきましての御努力もありまして、逐次整理されまして現状に至っているわけでございますが、なお御指摘の点につきましてはいろいろ未確認そのものにつきまして、これを不正とか不当とかということであげているわけではございませんが、そういった事態を招来するおそれもございますので、今後この点につきましては十分な留意をしてまいりたい、かように考えております。
  170. 浅井美幸

    ○浅井委員 あまりくどく言いませんけれども、このように現実にわが国は損害を受けている、こういうふうに見てもいいと思うのです。支障はないけれども、非常に不便を感じておる、そういうふうな抽象的な答弁でありますけれども、事実上日本の国費が海外に支払われて、二年も三年も四年も五年もその品物は到着しない。こういう契約自体に問題があります。またその実態として、そのようにおくれておる事実がいま明確になってきたわけです。会計検査院のお話を聞くと、会計検査院の怠慢でもなさそうであります。防衛庁と日米の条約においてきめたところの有償の軍事援助の関係についての微妙な関係、これはすみやかに是正してもらいたいと思うのです。あるいはまた、このように注文した品物がおそいことによってせっかく多額の資金を支払いながら、防衛の訓練あるいは装備等についての支障を来たすということについては、これはゆゆしい一大事です。この点についての政務次官の御見解はどうですか。
  171. 坂村吉正

    ○坂村政府委員 先ほど来いろいろ御審議をいただいておりまして、事務的な問題ではございますけれども、これは非常に大事な問題だと思います。大事な税金を使って国の防衛の装備をやろう、こういうようなときにこれが計画どおり運ばない。しかもまたその扱いについて国会で、決算委員会で御迷惑をかける。いろいろ御審議をいただかなければならぬというような状況になっておりますことは、まことに遺憾でございまして、これは私のほうでも注文します場合にも、またその後についてもアメリカの当局ともひとつ十分折衝をしまして、こういう事態をできるだけ早く解決するように、ひとつ最善の努力をいたしたいと思っております。
  172. 浅井美幸

    ○浅井委員 ここで資料要求をしておきます。四十二年度まではありますけれども、四十三年度あるいは四十四年度の発注総額、品目、それについて私は資料を要求しておきます。次回にもう一度この四十三年度、四十四年度についてのいろいろな問題についても関連して私はお伺いしたいと思います。資料要求を委員長していただきたいと思います。
  173. 白浜仁吉

    ○白浜委員長代理 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕
  174. 白浜仁吉

    ○白浜委員長代理 速記を初めて。浅井君。
  175. 浅井美幸

    ○浅井委員 四十三年度がわからなければ、この決算というものは、いまみたいにおさめているんだったら、われわれの質問というものはできない。これについて審議をしておる。そしてまたシビリアンコントロールというのは、こうやってやはり機密に属する機密に属するといってそういうわれわれの要求を防がれるのでは、シビリアンコントロールじゃない。重要な国の会計の決算を審査するにあたってそういう資料要求を拒むという態度は、私は許せない。どうなんですか。
  176. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 国会で審査される際に必要な資料を出すということは当然考えなければいかぬことでございますけれども、実はこの委員会でも昨年も同じ問題で社会党の田中先生から御提起がございまして、その際に会計検査院のほうではすべてを見ておる、どんな機密の問題でも一応見ておって、会計検査報告を出しているということでごかんべん願った例がございます。それでいま大勢がどうなっているかということについての資料はわれわれとしてもお出しする必要があると思いますけれども、個々の契約、個々の価格、それがわかりますと、公開の席でございますし、当然それは新聞にも載ります。そういう関係でその点につきましては、大きな意味から御了解をいただいたということでございます。
  177. 浅井美幸

    ○浅井委員 会計検査院検査しておれば決算委員会のわれわれ委員がそういう検査をする必要はない、あるいは審査をする必要はない、そういうような意味ですか。
  178. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 そう申しているわけではございませんで、われわれの防衛庁部内でもそれぞれのチェック機関がございます。あるいは政府部内でもほかの法律に基づくチェック機関がございます。先生のおっしゃるようなそうした意味ではございませんけれども、防衛というものの本質から、ある程度の線で御納得いただきたいということでございます。
  179. 浅井美幸

    ○浅井委員 国の防衛のことについて秘密だとか、いろいろなことについて守らなければならないということは私も常識でわかります。しかし、会計検査あるいは決算の審査ということについてのたてまえからは、やはり個々の問題を私たちは審査しなければならない。またあなたがいまおっしゃった会計検査院あるいは防衛庁の中において、いろいろなチェック機関があってやっておる、そのやっておる防衛庁でありながら未確認事項がこのように多い。まして会計検査院は、先ほどの答弁では、その検査員の心証によっていろいろと配慮がある、そういうあいまいなものであっては、国民の血税を使われる使われ方において、あるいはいまの防衛計画において、この防衛の費用を使い過ぎる、こういう見解を私たちは持っておる。このイデオロギー的なものは置いておいても、第三者としても、この決算についてはしさいに検討しなければならない。それはわれわれ議員としてのつとめでなければならぬ。そのわれわれ委員としての発言や、あるいはわれわれ委員としての権限や、われわれ委員としての活動を阻止するような発言は、私は認められません。
  180. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 先生のおっしゃっている意味はごもっともでございます。われわれももちろんその線で御審議をお願いし、努力しておるつもりでございます。ただ申し上げましたのは、たとえば四十四年度にどういうものを発注するのかという個個のケースを——何件になるかしりませんが、百件近いと思います。それをすべてあげてこいというような御趣旨でございましたので、これからどういうものを米軍から買い、特に先ほど申しましたように、米軍から買うものにつきましては、米軍の機密に属するものを買う場合が多いわけでございます。そういう関係——米軍の機密に関係はございませんけれども、とにかく私どもとしても相当高度の国防上の機密の問題がございますので、御審議に必要な範囲にできるだけ御限定願いたい。四十三年、四十四年の契約内容をすべて持ってきなさいということにつきましては、大勢をお考えいただいて御了解をいただきたいという意味でございます。
  181. 浅井美幸

    ○浅井委員 私も資料にこだわるわけじゃございません。しかし何でもかんでも機密だからといって、そういうふうに秘密のことを多くつくられるということは、やはりシビリアンコントロールたてまえとは全然逆になる。シビリアンコントロールというのは、こうやって国会においていろいろな角度から防衛計画について、あるいは防衛予算の使い方について検討することがシビリアンコントロールです。四十二年度決算検査報告を受けて、そして使ってしまったものを、ああ、こういうふうに使いました、不当じゃないか、おかしいじゃないかといって、それが次の四十四年度あるいは四十五年度の国の費用の使い方に反映しなければ、何のためにわれわれが決算で審議をしておるかわかりません。いろいろな不当事項があり、あるいは不適事項があったことについて改善してもらうために、是正してもらうために、私たちは未来に向かってのためにいまこうやって締めくくりをやっておるわけです。そういう意味において、前向きの意味においての資料要求です。あなた方を困らせようというのではございません。出せる範囲であなた方も相談していただいて出していただきたいし、私どもも明確に答弁をいただきたいわけです。このような、いまのような未確認についても中途はんぱのような答弁をされるから、私もそういうことになってくるわけです。あくまでも未確認でこれだけ残っておることは国損である。日本の国にとっての利益ではないわけです。アメリカに対するそういう弱腰の姿勢がそういうところに出てきておるから、もっと強い姿勢で私は臨んでもらいたいのです。国内における発注であるならば違約金を取りあるいは罰金を取って、いわゆる契約についての不履行は強く責めるわけです。国内産業についてはそういうふうに責めるのに、アメリカ政府に対しての契約については何ら言えない。もっぱらあっせんに、あるいはいろんな調停役が現地に行って調整はしている、そういう姿勢ではありますけれども、私はもっと強い日本の姿勢をもって、いわゆる商業上の取引なんですから、明らかな契約の不履行については強い態度で責めてもらいたい、また今後とも契約のあり方について大きく改善してもらいたい、そういう意味で私はきょうの質問をしておるわけですから、誤解なさらないでいただきたいと思います。以上で私の質問を終わります。
  182. 華山親義

    華山委員 ちょっと資料の要求をしておきますけれども、未確認事項のうちの一番初めの昭和三十九年ですか、これにつきまして一件ですが、一番古いもの、それについてアメリカとの約定書といいますか、契約書といいますか、日本文のものを出していただきたい。よろしゅうございますね。
  183. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 私、いま詳細な契約書を持っておりませんけれども、たぶん政府のほうも私どものほうに要求として当然出ると思いますが、契約で金額なり数量なり、また先生のお話しのこまかい性能を規定している契約ですと、米側の了解も得なければいかぬ問題も出てくると思いますので、その点はいまの審査の御意向に沿うようなふうに契約書をつくりまして、御提出いたしたいと思います。
  184. 浅井美幸

    ○浅井委員 私もその契約書はいただきたいのですけれども、その契約書をつくり直していただくと、ちょっと困るわけです。その御意向に沿うような契約書というものにつくりかえたならば、何のために審議をしておるのかわからない。日本アメリカにおいてかわしたところの契約書を日本文にしてくれなければ困るわけです。その内容を変えてもらっては困るわけですよ。
  185. 坂村吉正

    ○坂村政府委員 浅井委員それから華山委員からいろいろ資料要求ございまして、私どもも審議を妨害するような意味で資料要求をこばんだり何かしておるわけじゃございません。ただ、いろいろ防衛上の問題もありますし、またアメリカとの関係もございますから、いろいろ扱い方については十分やはり慎重にしなければいかぬと思いますので、委員長にお願いをいたしまして、いろいろお話をいただきまして、そうして私のほうで出せるものについては極力協力いたしまして提出するようにしたいと思います。よろしくお願いをいたします。
  186. 白浜仁吉

    ○白浜委員長代理 浅井君、華山君要求の資料については理事会で協議願うことにいたしたいと思いますので、御了承をお願いいたします。  次回は公報をもってお知らせすることといたし、本日はこれにて散会いたします。     午後一時二十分散会