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1969-06-26 第61回国会 衆議院 決算委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十四年六月二十六日(木曜日)    午前十一時六分開議  出席委員    委員長 中川 俊思君    理事 大石 武一君 理事 鍛冶 良作君    理事 白浜 仁吉君 理事 丹羽 久章君    理事 水野  清君 理事 田中 武夫君    理事 華山 親義君 理事 吉田 賢一君       椎名悦三郎君    篠田 弘作君       菅波  茂君    赤路 友藏君       浅井 美幸君  出席政府委員         内閣総理大臣官         房会計課長   朝日 邦夫君         内閣総理大臣官         房広報室長   松本 芳晴君  委員外出席者         会計検査院事務         総局第一局参事         官       高橋 保司君         参  考  人         株式会社今週の         日本代表取締役         主幹      新井 正義君         参  考  人         株式会社今週の         日本取締役・編         集局長     市川 正三君         専  門  員 池田 孝道君     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  歳入歳出実況に関する件      ————◇—————
  2. 中川俊思

    中川委員長 これより会議を開きます。  歳入歳出実況に関する件について調査を行ないます。  この際、おはかりいたします。本件調査のため、本日参考人として、株式会社今週の日本より、代表取締役主幹新井正義さん及び取締役編集局長市川正三さんの両名の方に御出席を願い、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 中川俊思

    中川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  4. 中川俊思

    中川委員長 この際、一言ごあいさつ申し上げます。本日、新井さん並びに市川さんには、御多忙中にもかかわらず当委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとう存じます。当委員会におきましては、去る十九日に、御社で発行されております「今週の日本」につきまして、論議がございましたので、本日はこの点について委員質疑にお答え願いたいと存じます。  なお、参考人からの意見聴取は、委員質疑により行ないたいと存じますので、さよう御了承願います。  これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。田中武夫君。
  5. 田中武夫

    田中(武)委員 総理府松本室長と、新井参考人にお伺いいたしますが、この「今週の日本」、これは大体創刊号を三十万部以上発行し、現在毎号二十二万部発行しておる。そのうち、政府が半数以上を買い上げておる。  そここで、まず設立当初、当初というより、設立にあたって、「今週の日本」を政府買い上げる、それも相当数定期的に買い上げる。こういう約束が先にあって設立をせられ、そして「今週の日本」を発行するようになられたのか。そういうこととは関係なく、まず株式会社今週の日本というのを商法上の手続によって設立せられて、そして発行した。その発行した内容を見て政府買い上げることにしたのか、その点、いずれなんですか。双方にお伺いいたします。
  6. 松本芳晴

    松本政府委員 お答えします。  初め、実は「今週の日本」は解説週報という形で、政府広報の全く実務委託という線だけで発行予定考えておりました。ところがその団体設立過程でこの会社株式会社として運営するほうが非常に適当である、あるいは株式会社としなければ運転資金確保等ができないというような経緯がございまして、途中から会社の形をとるということになりました。独立会社の形をとり、独立新聞発行するとなると、われわれの接触のしかたが、買い上げという形で現在行なわざるを得ないのでございます。
  7. 田中武夫

    田中(武)委員 参考人の方も同じことですね、事実は一つだから……。
  8. 新井正義

    新井参考人 そうです。
  9. 田中武夫

    田中(武)委員 当初はそれでは政府広報機関を担当する特殊法人といいますか、そういったものを考えたのだ、そういうことですか。
  10. 松本芳晴

    松本政府委員 つまり私ども他日本広報協会とかそういう団体を持っておりますが、それと同じような、つまりわれわれの広報資料専門家の手によって実務編集してもらう、そういう団体考えたわけです。
  11. 田中武夫

    田中(武)委員 実務編集をしてもらうということは、編集ということは当然配布を前提とするわけですね。
  12. 松本芳晴

    松本政府委員 そのとおりでございます。
  13. 田中武夫

    田中(武)委員 それを特殊法人でなしに民間法人とするということになったということですが、その理由はどうなんですか。おそらくや特殊法人をあまりつくったらいけないとかなんとかいうような世論なり国会等意向も四十二、三年ごろにはあったと思うのです。そういう線から考えたのか、それとも何か他の理由があったのか。
  14. 松本芳晴

    松本政府委員 そういう意味よりも、大体識者に対する依頼原稿等で行なっていくためには、初めから相当運転資金などが要るわけです。政府資金というのは、そういう形で出ませんものですから、これは民間法人として発足させたほうがいい、そういう参りに私ども考え、まずこれに参加する人々も考えたわけです。
  15. 田中武夫

    田中(武)委員 そういたしますと、今週の日本株式会社設立に当たっては、政府意向というものは相当反映しているわけですね。
  16. 松本芳晴

    松本政府委員 反映させたいと考えております。
  17. 田中武夫

    田中(武)委員 いや設立に当たって……。
  18. 松本芳晴

    松本政府委員 そう言えます。
  19. 田中武夫

    田中(武)委員 新例井参考人にお伺いしますが、株式会社設立発起人及びこの株の引き受け、ここに株主名簿の一部を持っておりますが、そういうのはどういう観点に立ってだれが選んだのか。ここには財界人もおります。あるいは出版会社銀行等もある、あるいは広告会社もある。そういうのを、たとえば銀行にしても住友ですか、いろいろ財界人というのもたくさんありますね。その中で特定の人を選ぶというのは、これを選んだのか、おれが発起人になろうというかっこうになったのか、どちらなんです。
  20. 新井正義

    新井参考人 この株式のおもなるものは日本広報センター——承知のとおり日本広報センターというのがございます。それがこの株の半分以上を持っております。あとはいま御指摘のございましたように、たとえば住友とか、電通とかそれから印刷関係を引き受ける毎日系のものとか、そういうふうなものが集まりまして小さな株式会社をつくったわけでございます。この株式会社発起人関係メンバーの中には御指摘の藤井さんもおりますけれども、それ以外に主として私ども新聞関係の先輩の顔が多いわけでございます。  それで、長くなるかもしれませんが、日本には週刊新聞がない、ぜひ週刊新聞をつくって自分たち考え意見を述べていこうじゃないか。といっても、御承知のとおり新聞を初めてつくるということはべらぼうな金がかかる。たまたま政府のほうで週報をやるというふうな予算がございました。そんな関係から週報の実際上の扱いと、その編集と、政府施策をはっきりしていくというふうな部面で、その問題に重点を置いてひとつ仕事をしようではないかということになりまして、そういう人間が集まって発起人となって小さな株式会社をつくったわけでございます。大体だれがどこで発起したかというふうな御趣旨の御質問でございますけれども、母体は日本広報センターが中心となって、その中の大部分がそのメンバーが多いのでございますけれども、そういう方々の集まりでひとつそういう新聞週刊紙でつくっていこうではないかという気持ちが固まりまして、ここに新しい新聞をつくる。そうしてその中では政府が計画した政策をもっとはっきり徹底していこうではないか、これに協力する。それから一部では、自分たち考えるものを紙面においてはっきりやっていこうではないか。大体この二本の柱に対して、同志と言っちゃ語弊がございますけれども、そういう気持ち方々が集まって若干の金を出し合い、新しい株式会社をつくったわけでございます。
  21. 田中武夫

    田中(武)委員 松本室長にお伺いしますけれども日本広報センターというのは、これは特殊法人ですか、それとも民法上の法人ですか。
  22. 松本芳晴

    松本政府委員 社団法人でございます。
  23. 田中武夫

    田中(武)委員 民法上ですね。
  24. 松本芳晴

    松本政府委員 はい。
  25. 田中武夫

    田中(武)委員 ここにその資料を持たぬのですが、その社団法人日本広報センター目的は何ですか。
  26. 松本芳晴

    松本政府委員 放送並びに映画製作を引き受けて、そうして上映する、そういう団体でございます。
  27. 田中武夫

    田中(武)委員 それは政府のですか、政府放送及び映画ですか。
  28. 松本芳晴

    松本政府委員 政府ばかりではございません。政府及び公共団体です。
  29. 田中武夫

    田中(武)委員 日本広報センター総理府広報室ですか、との関係はどういうことになっていますか。
  30. 松本芳晴

    松本政府委員 私ども放送条件として、あるいは上映を条件として製作費を出して、放送製作並びに映画製作に当たらせておるわけです。
  31. 田中武夫

    田中(武)委員 その日本広報センターが半分以上の株を持って設立した、こういうことですね。  そうしますと、民法上の法人営利目的としないわけですね。ところが、営利目的とする民間法人に対して出資することについてはどうですか。
  32. 松本芳晴

    松本政府委員 広報センターではなくて、広報センターに参加している個人でございます。広報センターそのものではございません。
  33. 田中武夫

    田中(武)委員 そうすると、先ほどの新井参考人答弁はちょっと違っているのですね。
  34. 新井正義

    新井参考人 広報センターの参加ではございません。広報センターを構成しておるメンバー個人でやったわけでございます。その点誤解のないようにお願いいたします。私のことばが間違っておりました。そういうことでございます。
  35. 田中武夫

    田中(武)委員 政府広報室を置いていろいろな政府施策、これを宣伝する、国民に浸透さす、私は一がいに悪いとは申しません。必要でしょう。しかし、往々にしてそういうことが政府を構成する自民党宣伝になり、あるいはまたこれに対決というか、対する野党の攻撃になる場合が多いわけですね。この新聞というか「今週の日本」というのも見ましたが、二、三見たところではそう露骨でないにしても、あちこちに政府というより自民党宣伝与党宣伝、それに対しては、やはり相手方である野党に対する中傷、そういう問題が出てくるわけですね。しかもそういうのを四十三年度におきましては一億九千八百八十五万円、四十四年度予算にいたしまして二億七千三百万円という国民税金を出して買い上げておるわけですね。そういう点についてどのように判断せられますか、広報室長
  36. 松本芳晴

    松本政府委員 私ども考えでは、党の機関紙では絶対ございませんので、そういう点は非常にに気をつけているわけです。私どもから出す資料は、次官会議等できまりました行政広報資料をそのままなるべく載せていただくように連絡はいたしますが、会社は独自の判断によってそれを選択して載せるわけです。したがって、「今週の日本」の紙面は、私どもから出した行政広報資料と、それから会社が独自に取材した報道、あるいは論説等記事になっておるわけで、いま先生が言われたような、党の色の濃いものを出すのは、実はたいへん私どもは警戒しているわけでございます。
  37. 田中武夫

    田中(武)委員 先日の当委員会同僚浅井委員指摘した六月第三週号あたりの「国会運営のあり方と与党立場」、こういう座談会等は、やはり与党宣伝で、与党園田国対委員長を登場させておる。政府宣伝、たとえば「時の法令」あるいはまた「政府の窓」等もあるわけですが、「政府の窓」というのは私あまり見たことがないのですが、「時の法令」は毎号とって目を通しております。ああいう編集であるなら、これはこういう法律ができた、その法律に対する政令がこういうようにきまった、あるいはそれに対していわゆる行政解釈を各省庁の役人あたりが書いておる、あるいは一橋の植松教授等が刑法についていろいろな判例等解説をやっておる、これは別に政治的意図があるとも思われません。しかし「今週の日本」についてはやはり政治的意図があった、こう考えられるわけなんです。そういうのを国民の血税でまかなうということ、そのことは何といっても私は割り切れないわけです。  そこで市川参考人にお伺いいたしますが、編集方針並びにその決定はどのようにして行なわれておりますか。
  38. 市川正三

    市川参考人 お答え申し上げます。  編集方針と申しますものは、この会社成立傍現在まで、はっきりした文章をもってつくられてはおりません。それから編集内容決定については、私が責任を持ちまして、編集委員企画委員会議を経ましてそれを決定いたすことにしております。
  39. 田中武夫

    田中(武)委員 いわゆるアカ新聞というか、ゴロ新聞というか、そういうのに比べてはそう露骨ではないと思います。しかしながら、編集のどこかには、やはり政府政策宣伝でなくして、与党政策宣伝、ないしこれに対する野党態度等で、野党をどこかで批判する、そういう面はやはり出ておるわけですね。これは何も総理府関係でもないわけなんですが、よくあることですが、与党の人に多いと申しましたら失礼ですけれども、ここにおられる与党の人にはそういう人はないでしょうが、いわゆる地方の、新聞と名のつくのかどうか知りません、週に一回も出さずに、月に二、三回ぐらいタブロイド判程度のものを発行しておるゴロ新聞といいますか、アカ新聞というか、そういうのに自分ちょうちん記事をどんどん書かすと同時に、その相手、すなわち同じ選挙区の野党議員中傷誹謗記事を書かす、そういうことで問題になったときもあろうと思います。露骨なのがあります。現に私のところにもありました。しかしそういうのとまともにけんかするのもばからしい。言うなら名誉棄損に値するようなことまで書かすのもおるのです。これはまたの機会に問題にしてもいいと思うのですが、よく調べると、与党の、名前を言ってもよろしい、議員が、年間に二十万円やっている。そうして毎号自分ちょうちん記事を書かしてわれわれを誹謗中傷する記事を書かす。そうひどくはないです。が、しかし、政府買い上げるとするならば、政府宣伝、これに対する野党態度となれば、やはりそこに論評もある、これは中立的な立場に立っての論評、これがなくてはならぬと思います。だが、意図的にやられる場合もあり得ると思います。そういうことで、こういう政府と密着した関係にある「今週の日本」等については、特にわれわれは関心を持ちます。したがって、そういうことの絶対ないように編集をしてもらわなくちゃ困る。と同時に、総括的に、定期的に何部を買い上げるというような契約をする。おそらく契約があると思うのです。そういう、政府に半分以上寄りかかったような株式会社なんというのはどうなんでしょう。株式会社経営本質からいって、おそらく発行部数の半分以上ですからね。もちろん収入はそれだけでなくて広告等もあるが、政府が出す、昨年は一億九千万円ですか、本年度は二億七千三百万円の予定ですね、こういうのにたよるといいますか、それが会社予算運営にあたって大きな収入源となる、そういうのを株式会社でやるということについてどうですか。株式会社本質からいって矛盾を感じませんか。広報室長、どうですか。
  40. 松本芳晴

    松本政府委員 広告収入あるいは有料販売収入が非常にふえていけば、おいおいとわれわれの買い上げ部数も減らしていくことができるのではないかと思っております。
  41. 田中武夫

    田中(武)委員 それがおかしいんだよ。それでは、一民間株式会社、いうならば民間出版会社ですよ。あるいは新聞ともいえるかしりませんが出版会社ですね。それが自主経営ができるまでは政府が援助するということなんですね。そうじゃないですか。おいおい有料部数がふえる、広告収入がふえる。そうすれば減らすということならば、最初十八万三千五百部というのは絶対必要として政府考えたところの部数なのか。それとも会社経営が成り立つための支出をしてやるための部数なのか、ということなのです。ほんとうに必要であるならば、会社収入が将来ふえようがふえまいが必要な部数は必要なんです。そうでしょう。それが、有料部数がふえるあるいは広告収入がふえる、そういうことで実質的に会社経営ができるようになるならば、いまできておるのかどうか知りませんが、決算報告を見ればわかると思うのですが、そうしたら、買い上げ部数を減らすということは何です。これは明らかに一民間企業に対して政府予算をつぎ込んでいることになりませんか。そういうことでは絶対にわれわれは決算委員立場から認めることはできません。
  42. 松本芳晴

    松本政府委員 広報のためには実は十八万でも足りなかったわけです。もっと多く買い上げたかったわけです。しかしながら、政府財政当局のほうが、このように販売可能な新聞は減らしていくのが当然である、そういう意向を私のほうに示しておるので、なるべくその線に沿っていきたい、そういうことなのでございます。なるべく政府広報立場からある部数を確保していきたいわけですが、財政資金を使うほうからはなるべく将来減らしていきたい、そういうあれが示されておるわけで、私どもはそれに従って、そういう考えでいま言ったわけです。
  43. 田中武夫

    田中(武)委員 政府としてやらねばならぬ広報であるならば、必要な経費は大蔵省と折衝して出すべきですよ。あなたの言っておるいまの答弁、その前の答弁から見れば、一民間企業である今週の日本株式会社経営援助じゃありませんか。そうじゃないですか、いまの答弁を聞く限りにおいては。
  44. 松本芳晴

    松本政府委員 そういう見方もできますけれども、しかし私どものあれとしてはいま言ったように、ある期間広報の効果、つまり新聞が自動的に私ども資料を全部載せていく、しかも一方で政府支出が少なくなればそれは非常にいいことだと思っているわけであります。
  45. 田中武夫

    田中(武)委員 そういう見方もできますということは肯定したことになるのです。いずれにいたしましても、後ほどもう一度議事録を確認してもけっこうです。あなたの答弁政府政策国民に知らす、このことに重点があるのか。そのこと自体についてもわれわれ批判があります。そうでなくて一民間のしかも営利会社商法上の株式会社、これに対して、経営が十分にやれるようになるならば逐次政府買い上げは減らすということは、これはどういうことなんです。われわれは決算委員立場から絶対に承服できない。これだけははっきりと申し上げておきます。  そこでこの買い上げについては契約書があるはずですね。それはどういうことになっておりますか。継続的に定期的に一部四十円なら四十円で買い上げるということ、そういうことについては契約がなくてはならぬと思うのですが、契約内容はどうなっておりますか。そうしてその契約期間買い上げ部数単価、その他契約に付随するところのいわゆる契約条項ですね。どういうことになっておりますか。
  46. 松本芳晴

    松本政府委員 ただいまこまかい契約書は持っておりませんが、契約は昨年ならば半年、ことしならば一年の契約です。それから単価四十円で現在買っておりますが、それは現在の発行原価がつまり四十円以下に下がらないということですから四十円で買っているので、私のさっきの答弁に多少関係するのですが、もしこの発行原価が四十円以下に、つまり広告収入等が増加しましてふえれば、当然買い上げ単価も低くなり、かつことしも十三万部以上買えるわけでございます。したがって私も広報立場からは、これは当然数多く出版されるのが一番いいわけですから、そういう点の考えはいまも変わりません。
  47. 田中武夫

    田中(武)委員 この今週の日本定価を見ますと、月ぎめで二百円ですね。一部四十円。一部四十円で買い上げるというのは、一部ずつ買う場合でも四十円ですね。そうでしょう。月ぎめ二百円というのは一部四十円より高くなるのか安くなるのか。平均するとむしろ月ぎめのほうが高いくらいになるわけですね。一部四十円というのは一部買いの上に立っての契約なんですか。私はあまり新聞等のことはよくわかりませんが、大体一部売りよりか月ぎめのほうが安いんじゃないかと思うのですね。ところがこれは定価を見ると定価四十円、月ぎめ二百円になっているんですね。契約は定期的、継続的な買い上げ契約でしょう。それをそのほうが安いのかどうか知りませんが、一部ということでいまおっしゃったように、単価何ぼという契約になっているのか。それからあなたの言っているようにもし発行原価というか出版原価といいますか、これが下がれば自動的に買い上げ価格が下がるような条項契約書に入っているのかどうか。さらにまた、あなたが答弁したように、本年度契約が一カ年でしょう。逐次広告収入あるいは有料読者がふえた場合には減らすというような契約条項契約に入っているのかどうか。直ちに契約書提出を願います。あなたの答弁しているようなことがはたして契約書に入っているのかどうか。これは後ほどということなら訂正する機会があります。あるならば直ちに、当委員会が散会になるまでに御提出を願います。あなたがこの室から出ていかない間に御提出願います。  それからここで参考人と押し問答したり、あるいは参考人のお二人の方と論争は避けたいと思います。しかし少なくともあなた方は現に発行部数の大半を国の経費国民税金買い上げてもらっておるのです。したがって、その運営なり編集方針、精神は国民のためのものでなくてはならぬと思います。国民のために、そういう方向でやってもらう、こういうことを強く要望します。  さらに広報室長には、別にこれといって取り上げてのところがないというなら、他の一般出版物と変わりないです。何がゆえに特定新聞を長期かつ継続的に買い上げる、というよりか、まずそうするためにつくらしたといったほうがいいのですね、会社を。しかも特定の人が発起人となり株主となってやっておるということ、どうであろうと、国民あるいはわれわれを含めて割り切れないものがあります。根本的に検討願います。日を改めて、あなただけの権限ではいくまいと思うから、総理府長官なり官房長官あるいはまた総理大臣出頭を求めまして、そういうことについて根本的な再検討の必要あり、そういうことをこの質問を通じて委員長を含めて皆さんに宣言します。  あと浅井委員質問もあるようでございますから、私はまだまだ聞きたい点もあります、しかしこの問題はいまここで私が質問を終わるといいますか、本日は終わりましても、終わったのではないということ。契約書を見た上で、まだまだ質問したい点も出てこようかと思います。そういう点を含めまして、自後の質問は留保いたしまして、一応浅井委員とかわります。したがって、参考人のお二方にも、御迷惑かもわかりませんが、あらためて再度、再々度委員会に来ていただく必要があるかもわかりませんから、その点御承知を願いたいと思います。  以上をもって私の質問を一応保留いたします。
  48. 中川俊思

  49. 浅井美幸

    浅井委員 いまの田中委員質問にもいろいろとございますが、私もその点からさらに、きょうは参考人もおいでいただきましたので、前回質問いたしましたけれども、重ねてお伺いするのでございますけれども、この「今週の日本」について、どういう編集方針でおやりになっておるのか、まず市川参考人のほうから明確にお伺いしておきたいと思う。ひとつ編集方針を聞かしていただけませんでしょうか。
  50. 市川正三

    市川参考人 先ほどお答えいたしましたとおり、明文化した編集方針というものはございません。しかし田中委員の言われましたとおり、政府広報を扱い、しかも相当の部数政府買い上げにしていただいておる立場から、先ほど多少の、政党に対する色合いが出るというような御発言もありましたけれども、それは私といたしましては極力避けております。現在の一般日刊紙はほとんどの会社編集方針あるいは編集綱領というようなものを持っておりまして、たいていの場合、左右に偏しないということが入っておるわけでございます。そういう点につきましては、私は編集方針の明文化したものを持ちませんけれども、やはり左右に偏しない方針、これをとっていくつもりでやっております。
  51. 浅井美幸

    浅井委員 いま編集局長市川さんのほうから、左右に偏しないという方向をおとりになっておるそうでありますけれども、これは何部か私も見ました。与党の国対委員長がしばしばここに出てきておる紙面がございます。与党の国対は、これは立法府でありまして、行政府ではないように思うのですけれども政府のPR紙であるならば、与党の国対関係記事が載るということについては、編集方針にのっとっておるのでしょうか。
  52. 市川正三

    市川参考人 御指摘記事は六月十五日付の「国会運営のあり方と与党立場」という放送から収録したものと思います。なるほど出席者は、園田直氏、自民党国会対策委員長、それから評論家の高橋武彦、宮崎吉政両氏でございます。実はこれまで、先ほどから言われましたとおり、また私が申し上げましたとおり、なるべく政党の方には政治問題については御登場願わないような方針できたわけでございます。これは三月までの紙面をごらんになるとわかります。自民党議員の方でも、評論等で御登場願った方もございます。しかし、これはたとえば外交官の長い経歴をお持ちの方、そういう方でございます。しかし、逐次、各政党の方にも御登場願いたいという気持ちは持っておりました。したがって、たとえば十六面の「放送」の欄等においては、民社党の方、社会党の方にも御執筆願ったことがございます。あるいは野党の方の御婦人の方にもお願いしたこともございます。これは結局お断わりを受けましたけれども、そういう方針できました。  ところで、この御指摘記事でございますけれども、実はいま申し上げましたとおり、三月までの段階においてはそういうことはなかったのでございますが、ラジオ放送にもいいものがある、取り上げたらどうかという企画が出まして、私どもとしましては、公共の放送でございますから、当然左右に偏しない、あるいは与党野党どちらかに偏するということがない配慮がすでに払われているもの、そういうふうに企画の段階では私は判断いたしました。また、出られる方が園田国対委員長ということでございましたけれども、ほかに二人の評論家の方が出席になる、二人の評論家の方が十分に野党立場も代弁していただけた記事であろう、そういうふうに理解しておったわけでございます。  今後の問題でございますけれども一般的なこういう記事でございますが、これはタイトルは与党立場となっておりますが、報道についてはいろいろな視点、角度から取材し、報道されなければならない、そういうことは十分に感じております。野党のほうの立場というものがこの記事について多少配慮が少なかったかと思いますが、その点は残念に思っております。
  53. 浅井美幸

    浅井委員 残念に思って済まされたのでは私たちはちょっと困るのであります。いま六月十五日のことで市川さんは御答弁になりましたが、四月の二十一日は田中幹事長と園田国対委員長だけがお出になって、国会の会期大幅延長問題について重要法案の見解をまたお述べになっております。これはどうでしょうか。「社党に”いわくつき”」というような見出しも、小さい小見出しですけれども、出ております。この点はどうですか。
  54. 市川正三

    市川参考人 御指摘記事は「国会会期大幅延長へ」という観測記事でございます。署名した記事ではございません。この中において与党幹部の方がどういうお考えであるというようなことが書いてありまして、なるほど写真は田中幹事長と園田国対委員長が載っております。通常新聞紙面製作する場合、写真を使うというテクニックもあるのでございまして、特に与党のほうの宣伝をしたというふうなこちらの意図はないのであります。
  55. 浅井美幸

    浅井委員 意識がないものがそういうふうに与党の幹事長と国対委員長の写真をお載せになって、野党にも書記長や国対委員長はおりますが、それはお載せにならなかった。意図はないのに事実の上においては写真が出ておる。その現実と、あなたは編集局長として、このような事実は、先ほどから指摘されておって御存じないということはないでしょう。明らかにまだ一ぱいありますよ。私は時間の関係であまり申し上げませんけれども、これが政府広報紙の果たす役割りでしょうか。編集方針ですか。
  56. 市川正三

    市川参考人 実は政治に関する同じ面でございますが、この面はいままでいろいろと編集してまいりましたところ、私どものところの新聞記者は一般紙の新聞記者の出身が多い。そのために一般紙の新聞記者的な見方あるいは執筆をする傾向が非常に多いのでございます。したがってそういうことは避けたいという立場から、現在はいま御指摘になった面は廃止いたしております。それから中立を守ろうという一般紙にも、この御指摘政府あるいは与党が大幅延長の方針であるという記事は載っております。したがって私たちも一般紙のあとを追ってばかりもおられませんので、そういう記事は避けたいということもありましたのですが、ただいま申し上げたような一般紙的見方をし、書く記者もおるわけでございます。同じ記事が毎日なり朝日なりに載った場合は、田中幹事長あるいは園田委員長、二人の写真が当然載っておるということでもあまり意図があったというふうにおとりにならないのではないかと思います。重ねて申しますが、私どもといたしましてはそういう意図は毛頭ございません。
  57. 浅井美幸

    浅井委員 民間会社である株式会社今週の日本設立して、これに編集発刊を行なわせているわけです。ですから設立の趣旨のところで心配されていたような基本的人権、公共性、正確な適正な情報がそこなわれる事態は絶対にない、このように私たちは理解しておった。ところがそこなわれる事態がしばしば出てきておる。いまあなたはそのように自分自身で陳弁つとめられておりますけれども、われわれ冷静な第三者から見まして、これはあくまでも自民党のPR紙だというように言っておる人が数多くおります。おかしいではないか。ですからそのような意味から発刊の趣旨、目的の徹底のためにはこれらの民間会社への依存はやめたらどうだという話も出てきておる。この点について広報室長はこの前お見えにならなかったのですけれども、どうでしょう。
  58. 松本芳晴

    松本政府委員 私ども立場からは、私どもが出す行政広報資料が非常にたくさん載るわけです。その点で非常に評価しているわけです。もちろん一般紙も使っております。しかしながら一般紙に比べて非常にたくさん載る。そういうことで私どもはこの週刊新聞を非常に評価しておる、そういうことでございます。
  59. 浅井美幸

    浅井委員 さっきの私が指摘しておる件についてはどうなんでしょうか。それもあなたのほうの行政指導でやられておるのですか。
  60. 松本芳晴

    松本政府委員 全然そういうことはございません。私どもは私どもの出す資料が載ることに関心がある。あとは独自の、つまり向こうの取材論説でございますが、しかし一般的に言いまして、そういう党の色彩の強いものが載ることについては私どもは注意したいと思います。
  61. 浅井美幸

    浅井委員 「今週の日本」に対する編集権の意味、これは新井さんにお伺いしたいのですけれども民間会社でありますから、民間紙として独自の編集方針のもとに与党色の濃い紙面を作成していっても、これは言論の自由からして問題ないと思うのです。これはあまりあやまる必要はないと私は思うのです。ところが数多い民間紙の中で  「今週の日本」の発行部数毎号約二十二万部のうちの半数以上、十三万部を買い上げて無償配布しておるのはどうなのか、このように私は思うのです。ですからその辺から編集方針というものは、いわゆる株式会社今週の日本で独自の編集をなさるのでしょう。それとも政府の指示によって全部編集方針というのはきまっているのでしょうか。新井さん、どうでしょう。
  62. 新井正義

    新井参考人 いまの御質問でございますけれども、別に政府の直接の下請広報ではございません。したがって政府のほうから資料もいただきますし、きまった打ち合わせ会もございます。しかし、それをいかに取捨選択するかということは、私ども独自の気持ちでやっております。さっき編集局長は、特定編集方針というものは書いてないと申しておりましたが、それはそのとおりでございます。ただ、みんなの気持ちといたしましては、民主主義というものはぜひ確立せなければいかぬ。世界には当然平和がなくちゃならぬ。おそらくこんな二本の問題がみんなの間の気持ちとしては非常に強い柱となっておる。私はそう思いますし、またそう理解しております。編集方針は何かとおっしゃられますれば大体そういうこと、それを持していこうと思っております。  ただ、先ほどから中立性の問題というふうなお話がたくさん出ておりますけれども、それはそのとおりでございます。しかし、ここ半年ばかりやってまいりまして、ただいまの御意見は、おまえはちょっとひん曲がっておるという御意見が多かったのですけれども、また私どもの聞くところによりますと、片一方のほうでは、一向にたよりにならぬじゃないか、もう少し思い切ったことをやらねばだめじゃないかという意見もございます。また硬軟両方の意見があるということは、同時に私どもが一応中立の線を守っているのじゃないかというふうに私自身は考えております。委員方々の御発言は、公正を欠いておる、右曲がりじゃないかというふうなお含みの発言というふうに聞き取れますけれども、全部そういう発言でなしに、何だかんだ政府の金を食っていやがって、ろくなことをやらぬじゃないかという御意見が、主として与党のほうかと思いますけれども、私どもの耳に入っております。私は両方から責められることが、ちょうどまん中のところをいっているのじゃないかというふうに考えております。駄弁になりましたけれども、関連しまして御答弁申し上げます。
  63. 浅井美幸

    浅井委員 そうすると、「今週の日本」の発刊の趣旨は、今日の日本は言論の自由の名のもとに、基本的人権や公共性をそこない、それを侵すほどの行き過ぎがあるといわれております。それらに対して国民が正確な情報を見失い、正しい情勢の判断に迷い、民主主義の危機を招くことのないよう適正な情報の提供にあるようであるが、しかしながら、配布の対象は国会議員、官公庁、全国知事、地方自治体幹部、あるいは大学教授、PTAの役員、医師、弁護士、会計士、中小企業の経営者、マスコミ関係者、これらのいわゆるオピニオンリーダーといわれるような人たちは、このような趣旨の心配は無用じゃないか、このように思うのです。ですから、このうちのいわゆる発刊の趣旨はあまり意味がないように思うのですけれども、この点は新井さんどうですか。
  64. 新井正義

    新井参考人 それが意味がないとおっしゃられても意味がないとは申し上げかねると思います。大体発刊の辞、その他先ほども申し上げましたような私ども気持ちと、これを中心に運転してまいりたいと思います。とにかくまだ始めまして六カ月余り、きょうたぶん四十号が出るという程度の、私ども立場から申し上げますれば、きわめて弱体な新聞でございます。政府との関係でここでもいろいろ御質問があるわけでございますが、御高見を承りまして、将来の私どもの参考とし、指針の一つとしていきたいというふうに考えております。  いまの御質問は、私そうじゃないというふうには申し上げかねます。確かにそういう問題と編集方針というものとからみ合わせながら運営していくということでございます。
  65. 浅井美幸

    浅井委員 広報室長にお伺いしたいのですけれども、独自の編集方針をお持ちになっておるのならば、何ら民間紙と変わりはない。朝日や毎日や讀賣や産経だとか、いろいろな新聞があります。それらはやはり一つ一つの会社編集方針というものがふるわけです。「今週の日本」がどのような編集をやろうと、これはいままでの答弁から明らかになっているように、「今週の日本」の企画については口をはさめない。その口をはさめない独自で発行しているものについて、いわゆる税金であるところの政府資金をもって買い上げるということについては妥当ですか。
  66. 松本芳晴

    松本政府委員 「今週の日本」が他の一般紙に比べて非常にたくさんわれわれの資料を掲載してくれる、そういう意味があるわけです。一般紙ももちろん私どもは広告という形で紙面を買いまして、それで私ども資料を載せたりしておりますが、やはり非常に値段が高いこと、あるいはなかなか紙面をとることができない、そういう難点がございます。これに比べて「今週の日本」はずっと多く私どもの、たとえばごらんになるとわかるように、税制の解説から恩給法の解説、そういうことも非常にたくさん載せていただいておるわけであります。そういう意味では非常に私どもはこの意義を高く評価しております。
  67. 浅井美幸

    浅井委員 政府関係記事を多量に載せていただいているからお買いになるのですか。ではそういう新聞がほかにも出てきたならばそれをお買いになることになるわけですか。
  68. 松本芳晴

    松本政府委員 そういうことができると思います。
  69. 浅井美幸

    浅井委員 政府関係記事が大量に載ったならばどうして買わなければならないのか。では、ほかの記事自民党宣伝が出ていようとどんな記事が出ようと何ら関係がないとおっしゃるわけですか。
  70. 松本芳晴

    松本政府委員 つまり広報のための資料がたくさん載っている、そういうことであります。
  71. 浅井美幸

    浅井委員 だから広報のための記事がたくさん載れば、ほかには自民党宣伝が載っておってもかまわないのか、こう聞いているわけです。
  72. 松本芳晴

    松本政府委員 それは先ほどから申し上げますけれども、もちろん私ども税金を使って買い上げているわけでございますから、政府与党でもそういうものがあまり色彩強く載っているものはやはり多くの非難を浴びるところでございますし、なるべく警戒していかなければならぬことだ、そう思っております。
  73. 浅井美幸

    浅井委員 いまあなたは政府与党とおっしゃった。政府与党とは別でしょう。どっちなんです。
  74. 松本芳晴

    松本政府委員 そうでございます。違います、政府与党は。
  75. 浅井美幸

    浅井委員 だから最もふさわしい政府広報であるならば、ほかの「時の動き」あるいは「フォト」、これらの点についての編集方針はちゃんと政府がタッチしていらっしゃる。これらは全面的に政府広報室資料を提供し、編集方針に対してタッチしているのではないですか。
  76. 松本芳晴

    松本政府委員 ただいま名前があげられた雑誌は政府が直接編集しておる雑誌でございます。
  77. 浅井美幸

    浅井委員 今回の場合はどうして直接編集しようとなさらないのですか。
  78. 松本芳晴

    松本政府委員 今回の「今週の日本」は、要するに役人の書いた文章ではとてもかたいとか、そういったようなことを避けるために、実際に民間で熟練した人たちに私ども資料をリライトしていただいて、そしてわかりやすく、つまり広報の効果をあげるような形で出されているわけです。
  79. 浅井美幸

    浅井委員 私たちのねらいが効果があるようにというのは、いわゆる政府広報ですね。自民党広報ではないわけです。
  80. 松本芳晴

    松本政府委員 そうでございます。
  81. 浅井美幸

    浅井委員 この自民党の、広報ではないものが載せられた場合には、あなたとしてこれは不適当だと思うのか思わないのか。
  82. 松本芳晴

    松本政府委員 不適当とは思いません。
  83. 浅井美幸

    浅井委員 どういうわけで不適当と思わないのですか。その理由、私たちは不適当だと思うといっているのです。
  84. 松本芳晴

    松本政府委員 私ども広報資料が載りまして、つまり広報というのは多くのメディアを使いまして繰り返し数多く出ていくことが広報の効果をあげることだ、そういうふうに思っているわけでございます。
  85. 浅井美幸

    浅井委員 あなたがそういうふうにおっしゃるならば、この「今週の日本」の編集方針も、あなた自身自民党記事が出ておっても文句はない、そういうふうにおっしゃるならば、これは私たちももう一ぺん考え直さなければならぬ。この間のあなたがお留守のときの考え方は——あなたのお考えを聞くことはできなかったけれども総理府の長官はこのことについてははなはだ遺憾であるというようなお話があった。ところがあなたは全然反省の色がない。開き直ったような感じで御答弁をなさっていらっしゃる。
  86. 松本芳晴

    松本政府委員 いや、そういう意味でございませんので、やはりいまの自民党政府与党でございますが、そのあれが出るのは先ほど私が申し上げましたように注意しなければならぬ、そう思っているわけでございます。
  87. 浅井美幸

    浅井委員 どういうふうに注意なさるのですか。
  88. 松本芳晴

    松本政府委員 もちろんそういうことが出ないようにあるべきだと思います。
  89. 浅井美幸

    浅井委員 あるべきだというのですけれども、これは主幹にお伺いしたいのですけれども、いま広報室長はそういうことが出ないようにあるべきだとおっしゃった場合に、今週の日本としてはどのようにお考えになるのですか。
  90. 新井正義

    新井参考人 先ほど市川からも、政治問題に直接つながる問題では各党の意見はできるだけ出すまいという気持ちのようでした。私もそれに賛同しています。いま松本さんの御答弁の中でどういう接触があるかというふうな御指摘ですけれども、これは一週間に一回くらいずつはたとえば広報資料提出その他のときに話しまして、先週はどうだとかこの前の新聞はどうだとかいう話は雑談として出てまいります。したがいまして、私どもはお互い同士そういう関係でございますから、そうかな、あれはあまり希望するものじゃなかったのかなということを当然私どもも看取しまして、その次の問題に対してはこれは参考となるのはあたりまえでございます。ただ、こうしてほしい、ああしてほしいなんということは、政府施策の問題はございますけれども、たとえば与党とかあるいは政府全体の問題、政局の動向とかいう問題については何もございません。またそういうことはおそらく将来もないのではないかと思うのです。その点私どもは気軽く連絡をしているわけでございます。特に現在まで内閣関係からそういう問題でしつこく言われたこともございませんし、またあってもやらないだろうなというふうなおそらくごそんたくも先方にあると思っております。そこにわずかながらの今週の日本としての編集の余地と申しますか、そういう含みが残るわけでございますし、また、あそこに仕事をやっている人間の大部分は新聞記者の生まれでございますから、記者の根本的な気持ちと申しますが、そういう問題は全部心得ておるはずでございますから、そこはあうんの呼吸というか、特にむずかしい問題を出される例もございませんし、このままなら将来もそういうことはあるまいというふうに考えております。
  91. 浅井美幸

    浅井委員 このままでは将来も何にもないということは、それじゃいま松本さんが広報室長としてそういうことについては注意したいとおっしゃったけれども株式会社今週の日本のほうでは政府からは何の御注意もないというふうに受け取っていいのですか。
  92. 新井正義

    新井参考人 いや、それは先ほども申し上げましたように、いろいろの意見が出てまいります過程において、私どもが意識としてそれを参考意見にするだろうということは申しました。こうしてくれ、ああしてくれということはおそらく出てこないのじゃないかと思うのです。これは、少なくとも毎週のつき合いをやっておりますれば、自然気持ちの上では反映するわけです。しかし、その点は市川も御答弁しましたように、特に政局とか各党のあり方とかそういう問題に対してはなるべくタッチすまいという気持ちはございます。したがって、そういう問題は、先ほども指摘がございましたけれども、私ども特に将来多くその問題を取り上げる気持ちはございません。したがってそういうふうな伝統がある期間続いていきますれば、特に松本さんが気になさるようなことはあるまいというふうに考えております。
  93. 浅井美幸

    浅井委員 契約の方法はどういう契約になっておるのでしょうか。
  94. 松本芳晴

    松本政府委員 契約書は先ほどコピーをとったものを差し上げましたが。
  95. 浅井美幸

    浅井委員 これは随契ですか。
  96. 松本芳晴

    松本政府委員 随契でございます。
  97. 浅井美幸

    浅井委員 随契であれば、予算決算会計令の第九十九条の第何項を適用なさったのですか。
  98. 松本芳晴

    松本政府委員 会計課長よりお答えさせます。
  99. 朝日邦夫

    ○朝日政府委員 契約の形式にわたりますことでございますので私からお答えさせていただきたいと思います。  ただいまお尋ねの「今週の日本」の買い上げ契約は、会計法の二十九条の三の四項に基づきます随意契約でございまして、予決令で申しますと百二条の四の三号に当たると考えております。
  100. 浅井美幸

    浅井委員 支払いの方法は先ほども言われましたけれども、これは年間契約ですか、月別にお払いになっているのですか。
  101. 朝日邦夫

    ○朝日政府委員 契約は年間の買い上げ契約でございまして、支払いは毎月請求に基づきまして支払うという契約内容になっております。
  102. 浅井美幸

    浅井委員 毎月支払っているわけですね。
  103. 朝日邦夫

    ○朝日政府委員 毎月請求に基づきまして支払いをいたしております。
  104. 浅井美幸

    浅井委員 大量購読の場合の割引というのは全然これはないわけですか。月ぎめ二百円であるならば、四週の場合もあれば五週の場合もある。そうすると四週の場合は確かに二百円というのは高くなりませんか。大量購読の割引は普通あるわけですけれども、その辺についてはどうなんですか。折衝なさったことがあるのですか。
  105. 朝日邦夫

    ○朝日政府委員 御承知のとおりこれは昨年の半ばから買い上げをいたしておるわけでございますが、買い上げ契約の締結にあたりましていろいろ関係者とただいまお話しの点を協議いたしまして、結局一部単価をきめましてそれを年間を通じて何部買い上げる、こういう契約内容になっております。
  106. 浅井美幸

    浅井委員 今週の日本新井さんにお伺いしたいのですけれども、普通新聞等でも大量購読の場合は割引等があるというように伺っておりますけれども、この場合割引は全然なさる意思はなかったのですか。それとも割引ができない状態ですか。
  107. 新井正義

    新井参考人 まことにおかしな話ですが、実は私編集関係者なものでございまして、きょう社の直接経理担当の者は出ておりません。ただ、現状では割引はないというふうに考えております。
  108. 浅井美幸

    浅井委員 広報室長、これは全然割引の話はしなかったのですか。
  109. 松本芳晴

    松本政府委員 配布手数料その他全部含めての四十円でございまして、かなり安くなっているという報告を会計の当事者から受けております。だからそういうものを含めた上の実際の単価は相当高くなるのじゃないかと思っております。
  110. 浅井美幸

    浅井委員 あなた先ほど、広報関係資料費がだんだん少なくなってきて、そういう関係はなるべく民間売りに回してもらいたいというふうなお話がございましたけれども、四十三年度予算額と四十四年度予算額を見ますと、広報関係資料費というものははね上がっておりますね。一億三千万円ほど。
  111. 松本芳晴

    松本政府委員 それは「今週の日本」の半年分がふえたわけです。一年分にはそのままなっておりませんけれども、それがふえただけが資料購入費がふえた、そういうことになっています。
  112. 浅井美幸

    浅井委員 そうではないですよ。「フォト」の買い上げの配布が四十三年度は七千七百二十九万円、四十四年度が一億二千七百二十九万円になっていますね。
  113. 松本芳晴

    松本政府委員 失礼しました。  「フォト」の臨時買い上げがそうなっております。
  114. 浅井美幸

    浅井委員 こうやって見ていくと、やはりふえておるじゃないですか。ですから、あなたがおっしゃるように減ったというわけでもないと思うのですよ。先ほどあなたが予算全体が減ったようなお話をなさったのですけれども、だんだん減らす方向だ——減ったんじゃないんじゃないですか。
  115. 松本芳晴

    松本政府委員 予算が減ったという意味ではなくて、将来の方向として有料の部数をふやしたい、そういう意味でございます。つまり財政支出のほうは減らしていくけれども、有料の部数をふやして、いわゆる普及の数量はそのままに変わらないようにしたい、そういうことでございます。
  116. 浅井美幸

    浅井委員 それはどういうことですか。政府のお金を出さないで、そして有料がどんどんふえるようにという、そして政府広報宣伝ができるようにというねらいですか。
  117. 松本芳晴

    松本政府委員 財政当局は、定価のついているものは販売努力をしましてどんどん販売のシェアを広げていったらどうか、そういうようなことを言いますし、私どももそれに協力したい、そういうことでございます。
  118. 浅井美幸

    浅井委員 それはあなたのほうできめるのではなくて今週の日本のほうでの企画でしょうね。
  119. 松本芳晴

    松本政府委員 しかし、買い上げ部数を、買い上げ支出を大蔵省と折衝するときに、大蔵省のほうからは常にそういう意向があるわけです。
  120. 浅井美幸

    浅井委員 発行部数は当初より減っておりますね、「今週の日本」は……。当初は三十万部ですけれども、現在は二十二万部ですか、これはどうでしょうか。
  121. 市川正三

    市川参考人 当初はおそらく三十万を——私、編集でございますので、販売についてはよく存じませんが、当初はおそらく三十万をこしたと思います。ただし新しい新聞を発刊する場合、販売のほうではいろいろな技術があるようでございます。ある部門へ多く配布して、そうして見ていただいて有料読者を獲得する。それからその方面で無理、がわかった場合には、そこをまた少し減らす、それからまたほかの方面へ持っていく、そういう技術があるようでございますので、常に印刷部数というものは上下いたしております。二十二万部というのは私は実は知らないのでございますが、最近も二十七万くらい刷ったことがあるように記憶しております。
  122. 浅井美幸

    浅井委員 その点はあなたも詳しいことはおわかりにならないのでお聞きしませんが、会計検査院に伺いたいのですけれども、先ほどの随意契約によるこういう調達の方法についてどのように考えておりますか。
  123. 高橋保司

    ○高橋会計検査院説明員 お答えいたします。  ただいまのお話の内容では会計法二十九条の三ですか、これを用適して随意契約でやることはいいと思います。
  124. 浅井美幸

    浅井委員 一応あなたのいいというのは適法であるということですね。
  125. 高橋保司

    ○高橋会計検査院説明員 そういうことでございます。
  126. 浅井美幸

    浅井委員 この点については後ほどまた契約書等いろいろ会計上のことについてもう一度私もお伺いしたいと思います。  要するに編集民間団体に委託する形でつくられていない、いわゆる民間紙の買い上げの場合、これは問題になるのは当然であります。したがって、このいわゆる「今週の日本」を選択されたという経過、またそれらに対するいろいろな問題、背景等について、またさらに私も詳しくお聞きしたいと思います。そうして今後の「今週の日本」の記事も読ませていただきますけれども、あくまでも私どもはこれがいわゆる国民税金によってまかなわれておるところの広報であるという立場、これを私は見失わないでもらいたいと思うのです。あくまでも厳正公平であって、そうして正確な報道であり、そうして現在の日本の社会におけるところの大きな、何といいますか、世論操作といいますか、それができるような性質の新聞を私は望みたいと思うのです。ですから、この辺について先ほどの質問といい、私の質問といい、このような点についていままでとってこられた姿勢がはなはだあいまいであるし、また政府のほうは、広報室のほうは注意するといっても、片一方のほうはその意識の上において受けとめるという、こういうあいまいなものではなくて、その契約あるいは編集方針、私は明確な方針を打ち出してもらいたいと思うのです。あなたとしては、広報室長としての責任上、そういうふうな責任ある御答弁ができないかと思いますけれども、それらの点についての一般の配慮を私はこの席において強く望んでおきます。  私は委員長にお願いしておきたいのですが、この問題はまた私ももう少し深く取り上げたいと思いますので、その点についての質問機会を与えていただくことをお願いいたしまして、きょうの質問を終わります。
  127. 田中武夫

    田中(武)委員 私の質問後、契約書の写しをいただいたので、それに関連して一言だけ申し上げておきたいと思います。  この契約書は見たところいわゆる一般契約書と何ら変わりはございません。そうして第一条において「今週の日本」の昭和四十四年四月七日号から昭和四十五年三月三十日号まで毎号十三万一千二百五十部、この間に五十二回出るので、それを五十二倍したもの、一部四十円、それをかけたもの、すなわち四十円かける六百八十二万五千部、そうして金額が二億七千三百万円という契約です。したがって、この契約によって「今週の日本」に対して一カ年間政府は言うならば保証を与えた。政府側からいうならば、それだけのものを買う義務が発生しているわけなんですね。したがってこれは一民間会社に対して、政府が一カ年間この契約に関する限りにおいて、——またこれは来年度以降も続く、あるいは続かす予定でしょう。ともかく一カ年間保証を与えたことになるのです。それが一点。  もう一点は、松本室長が私の質問に対して、自立できるような広告料ないし有料読者がふえたときには減らしていく。そういうことは一言も書いてありません。ただ「契約内容の変更を余儀なくされた場合、」ということは、これは契約には普通あり得る例示文言です。もちろん契約全体に対して事情変更の原則が適用となるということによって、それは契約を更新することもできると思いますが、これはいかなる場合でも事情変更の原則が当てはまるような場合が起こればそれは別問題です。少なくともこの契約に関する限り、政府は今週の日本社に対して一カ年の保証を与えた、そういうことが結論であります。それに対して何か答弁があるなら伺いますが、このことの上に立って、今後もこの問題を追及すると同時に、決算委員立場からそういう契約、あるいは一民間企業に対して政府が一年間保証を与える、似たような契約に対してわれわれは指摘したい。そういう立場から今後なお追及することを申し上げておきます。何か答弁があれば伺います。
  128. 中川俊思

    中川委員長 答弁ありませんか——新井参考人並びに市川参考人には、本委員会調査に御協力いただきましてまことにありがとうございました。  次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時三十一分散会