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加藤(威)
政府委員 予算定数と実際の数の食い違いについては、間もなく担当の総務
課長が参って御
説明申し上げると思いますが、私
どもといたしましては、
保険料の収納ということについては
先生御
指摘のとおり、現在
健康保険は非常な赤字でございますので、一応全力をあげてやっておるという状況でございます。いま申し上げました
調査官というものは
事業所を回って専門的に歩くものでございますが、
保険料の収納の年度末とかあるいは年末には、職務のいかんを問わず、
社会保険事務所のほとんど全員をあげて
事業所を回わるという努力をいたしておるわけでございます。
確かに毎年
会計検査院から御
指摘を受けまして、その点まことに申しわけないと思いますが、
保険料の収納の点については二つの点がございます。
一つは、さっきも申し上げましたように、被保険者の賃金を正確に把握するということでございます。それに
収納率をかけて
保険料を取るわけでございますが、その被保険者の賃金の正確な把握というのが第一点でございます。それから第二点は
収納率の向上ということでございます。この二点でございますが、
会計検査院のほうから御
指摘を受けますのは、その賃金の把握が正確にできてない、こういう点で取るべき
保険料が取られていない、こういう御
指摘でございます。これは確かにそのとおりでございますが、要するに現在の
健康保険法におきましては、賃金の把握というものを、毎年
標準報酬ということで一年間通用する報酬をきめるわけでございますが、それを毎年十月に定時決定というのをやっておるわけでございます。十月に全部の被保険者の賃金を調べまして、そして新しい賃金で翌年の九月の末まで
標準報酬を定める。これは正確にやっておるわけでございますが、そのほかに随時改定という制度がございまして、その年の間に被保険者の賃金が非常に大幅に上がったという場合には
事業主にそれを届け出をしてもらいまして、そして年度の途中でも賃金を改定する。それが、私
どものほうの
指導も不十分でございますけれ
ども、なかなか
事業主のほうから正確に出てこない。私
どものほうといたしましてはたびたび御
指摘を受けておりますので、四十二年の十二月にも
全国に厳重な通知を出しまして、賃金の正確な把握に努力するようにということを
全国に
通達したのでございますけれ
ども、要するにそれで、六十一万ばかりの
事業所がございますが、おのおのの
事業所について、大体昇給をいつやるのかというようなことを全部的確に把握しろ、それで昇給をやる月にはその
事業所に出向いて行って全部調べろ、こういうことをやっておるわけでございます。ところがそれがいろいろな手不足その他もございまして、全部正確に把握できてないという点があるわけでございます。そういう点をたまたま
会計検査院のほうで御
調査になりまして、賃金が上がっておるのにそれが届け出がされてない、役所のほうでもそれを見のがしている、そういう点が
指摘をされておるわけでございます。その点は確かに今後も最大限の努力をして是正していきたいと考えておるわけでございます。
それからもう
一つ、
収納率のほうにつきましては、これは毎年
収納率が向上しておるわけでございます。数字で申し上げますと、たとえば四十年度は、現年度分でございますが、九七・八%の
収納率でございます。四十一年度は九八・八%、四十二年度には九九・一%という、まあ私
どもといたしましては
収納率としては国税、地方税に決してひけをとらない程度の
収納率をあげている。これは逐年
収納率は上昇しておるわけでございます。
そういう点で努力をいたしておりますけれ
ども、
先生御
指摘のように、もう一方のほうの賃金の正確な把握という点にまだ欠くる点があるために
会計検査院のほうの御
指摘を受けているわけでございまして、これにつきましては今後さらに格段の努力をいたしまして、何とかこういう取りこぼれの
保険料をできるだけ少なくするようにさらに努力を続けてまいりたいと考えておるわけでございます。