○水野
委員 御承知のように、会計検査院というところは
政府の行政官庁と別なわけですね。その会計検査院が文部省を通じて状況を聞いたのだ、行こうと思ったのだけれ
ども一、これは東大だけじゃないのだけれ
ども、東大の状況はなかなか複雑なようだ、だからいままで傍観して——傍観もしておられなかったかもしれぬけれ
ども見ておったのだ、五月上旬にやるつもりだ、私はこれは手ぬるいと思うのです。会計検査院という役所は、これは性格上独立しておられるわけであります。会計検査院の方が東大その他の大学の構内に行って、どのくらい国有財産が損壊されたかということを調べられる際に、必要ならこれはまた
警察官の護衛を必要としてもいい。どうもその辺はきわめて手ぬるい。私はいまのお活を聞いて、文部省も夫蔵省も会計検査院もこれはいずれも干ぬるいと思うのです。何もいまの学生運動を破壊しろとか学生運動に対して弾圧しろとか、そういうことを私は申し上げているのじゃなくて、それぞれのお役所の性格上国有財産を守ってもらわなければならない。それであれでしょう、今度は
災害復旧費というものを
予算として見積もって、来
年度予算か何かに織り込んで見られるのでしょうが、私はかなり問題があると思う。大体文部省の資料を回して見ているというお
考え方が、私は会計検査院に大いに反省していただく必要があると思う。
私の質問はこれで終わりますけれ
ども、この学生運動の発生の問題については、これはいろいろ遠因もあるし最近のいろいろな原因もある。広くいえば、
日本人のわれわれの社会全体の一つの問題として考えなければならないかもしれない、青年問題として考えなければならないことだと思うのですが、これはおとなの世界の
人たちが考えなければならないことなんで、いまいろいろな問題が起こって、大体のところが拱手傍観をしている。東大の問題でいえば、
加藤学長に責任を背負わせている。あるいは
警察官には責任をとらせて、大いに機動隊を導入していろいろなことをやらしている。しかしその他の
関係では、これは政治家の世界も含めてそうだと思うのですが、非常にいま拱手傍観してお手並み拝見というような、情勢待ちというような態度が極端に出ておるわけなんです。これが逆に言うと、あの学生たちの破壊活動を増長させてますますその運動が熾烈になっていくと思うのです。私はそういうような
立場から、社会概念として、もっとわれわれ自身が、これは決してお役所の方だけに申し上げておるわけじゃないんで、私
ども国
会議員も同時に含めてと思うのですが、やはり社会の規則というもの、
法律とかいろいろな規則というものをいいかげんにしておくという概念だけは、ひとつ是正していかなければいけないと思うのであります。どうかひとつ
大蔵省、文部省、会計検査院それぞれのお
立場から、早急にこの問題に手を打っていただきたい。国有財産の管理という
立場からだけで、これは私はむしろあまり政治的な判断をしないでやってもらいたい。皆さんに国有財産を守ってもらっているわけですから、国民全体がお預けをしておるわけです。こわされたらどこがこわれたというくらいのことはすぐ調べておいてもらわなければいけない。文部省の資料を見ましたが、五月上旬には参る予定であるというような
お話では、私はこれはもの足りない、こう思うのであります。どうかひとつよろしくお願いを申し上げます。