○安宅委員 具体的に言うならば、一四−四は何もこれ以上いじる必要はない。それよりももっと、
就職の自由というか、職業選択の自由というか、そういう憲法に触れるようなことをあなたは私に言って、そうして、百三条を撤廃するくらいの度胸がおまえさんあるかというように私には聞えるのだけれ
どもね。それならば、そのような見解だと思っていいですよ。あなたの見解がそうだというならばいいですよ。ただ、問題は残りますからね。それはこっちで検討することにします。
ただ、
人事院総裁にここで少し同情して言うのはどういうことかといいますと、この一四−四を見ますと、何級職以上の人とか、何級職以下の職員とか、みんな書いてありますね。ここで荒木さんに聞きたいのです。それから
官房副
長官に聞いておきたいのですが、大体ずっと見てみますと、
事務次官などというものは、この百何人の中にはあまりいないのです。どこに逃げているかというと、全部
公社、
公団、
事業団です。ほとんどそうです。五人遊んでいるというのは、何か意図があって遊んでいるのだ。そんなに高級官僚のことばかり
考える必要はないのです。あなた方は高級官僚だから、仲間意識でそう言うのかもしれませんが、郵便局の配達夫など首を切られたらどこへも行けない。林野庁の木を切っている人々だってそうです。
あとは失業保険をもらって終わりです。高級官僚だけなぜこんなに一生懸命
就職の世話をしなければならないのですか。これは不公平ですよ。これこそ憲法違反ですよ、そんなことを言うならば。ところが、いいところは大部分
公社、
公団、
事業団へ行って、その余りものが
人事院へ行っているような気がするのです。どうも最近はそんなような気がするのです。三十五台ぐらいしか車のないような小さなタクシー
会社へ飛ばされてはつまらない。だから、
事務次官や
局長のいいところはどこへ
就職して行っているかというと、
公社、
公団、
事業団へ行っている。今度、宇宙開発
事業団しかつくりませんなんて言っておりますけれ
ども、一年に
一つずつつくってごらんなさい。いま百何ぼあるんですよ。一年に
一つずつふえていっても、十年に十ふえるのですよ。その後四つも五つもふえているところが一ぱいありますよ。建設省の場合など、日本道路
公団があるでしょう。日本道路
公団一つでいいでしょう。道路のことをやるならば、
ほんとうは建設省がやるべきことですよ。それがどういうことで
公団ができたかというと、
役人の
仕事ではなかなか進まない、非
能率的だとすぐ言う。あなたもそう言う。だから、
民間から有能な優秀な人を入れて、民主的に運営したならば非常にうまくいくだろうということで、
公団をつくったのです。そうしたら、行った人は、
民間から来ないで、みんな
役人が行っちゃう。これじゃ非
能率そのものになってしまうじゃないですか。日本道路
公団一つを例にとりましても、
ほんとうはおかしいのです。それだけでなくて、首都高速道路
公団だとか、今度は阪神高速道路
公団だとか、今度は名古屋にも中京何とか道路
公団ができるような雰囲気で、一生懸命やっているようです。こんなに
三つも四つもつくったら、よし今度は山形あたりへひとつつくろうということで、東北高速道路
公団なんてものができるかもしれない。そんなばかなことをしておって、
民間からは一人も入れないで、どういう人が入っているかというと、全部
役人だ。
公団、
事業団なんというものは
一つしかふやさないなどと言わないで、荒木さん、これは
木村武雄さんがやったことだからあまり言いたくないが、一省一局削減、あれだって相当勇気の要る
仕事だったらしいですが、とにかく、
事業団の
仕事というものは
本省がやるべきものだ。たとえば鉄道建設
事業団とかなんとかあるでしょう。それこそ、鉄道を建設するのは国鉄の任務ではないですか。それを鉄道建設
事業団だか
公団だか知らないが、別に置かなければならぬという
理由は何もないと思う。そうして、そこに
役人が入り込んでいくにおいては、これはもう全然
意味がないと思うんです。これを減らすという気はありませんか。一省一局削減などといって、一生懸命になってこっちを削減していったら、しり抜けみたいにあっちがふえていく。まるで北海道のクマみたいに、一生懸命に魚を取っても、うしろからぼろぼろこぼしているようなことを行政管理庁がやっておったんじゃたまらないと思う。
具体的に言うならば、もっと手近な例を言えば、
議運の
理事会において、
大臣が答弁するのに困るから
政府委員が要る。
大臣が有能な人だったら、
ほんとうは
政府委員なんて要らないはずだ。そうして、今度
政府委員が何人か必要だ。たとえば厚生省に国立公園局なんてものがあった。それが行政管理庁でようやく一省一局削減をしたために部に格下げになった。そのために
局長ではなく部長になってしまった。部長では
政府委員にはなれないから、部長でも
政府委員になれるようにぜひ復活してもらいたいという要求があった。厚生省が一番先に来たのならばまだいいけれ
ども、一番先に行政管理庁が来た。
自分のほうで廃止した局の
政府委員ですね。どこかに統合になったのだから、その人が
政府委員になって来ればいいのを、行政管理庁の一省一局削減によって廃止されて、
局長でなくなった人を相変わらず
政府委員にしてくださいと言う。荒木さん、こんな不見識なことはないでしょう。これはあなたのほうの例ですよ。そんなことをやるのは何かといったら、彼ら高級官僚が不勉強だからですよ。最近の国会へ来てごらんなさい。
予算委員会へ行くと、まず
大臣を補佐する
政府委員がいる。そこで変な答弁をしてはいけないということで、その次に
課長がいる。またその次に
課長補佐がいる。そしてこんなに大きなふろしき包みを持ってくる。どこも腰かけるところがないから、
予算委員会室のすみのほうや前の廊下に、電線にとまったスズメみたいにずらっと並んでいる。あんなことは最近まではなかったことですよ。そんな答弁ができないような高級官僚ならば、
民間に払い下げるとか、天上りするとか、そんなことよりも、まさに首切ってしまいなさい。それが正しいことだとぼくは思うのです。だから、そういう者が勉強するような雰囲気、それをつくること、これもまた必要でしょうが、そういう
意味で言うならば、まずあなたが一番先にやることは、
公社、
公団、
事業団をある程度切るべきだと思う、減らすべきだと思うのです。あなたはそういうことをやる意思があるかどうかを答えてください。