○麻生委員
あと十分でやめます。いま了解がつきましたから……。
大臣、そこが非常にポイントなんです。もっぱら政治論で
本土並み返還を要求するということですが、政治論というのは
日本の国内事情ですよ。結局、それをさらに発展させれば、
日米の友好
関係のために
本土並みが必要だという
議論になる。それだけでは私は
アメリカの説得としては少し足らないと思う。つまり、いま初めに私が御
質問申し上げた
韓国の防衛ということについて、
アメリカが要求している点に
日本がどういう
考え方を持つかを明らかにしていかなければ、
本土並の主張というものは、ある意味の理論的根拠が生まれてこない。そこできょう、私は私の意見を先に申し上げておく。
私はこういう意見を持っておるのです。確かに
日本と
アメリカの
関係からいけば、
アメリカの
プエブロや米
偵察機が北
朝鮮の挑発を受けたということについて、黙って見ているというわけにはいかないだろう。しかし、万が一そのことについて
日本が
アメリカに協力をして
基地を提供したり、その
軍事行動を是認をすれば、
プエブロ号事件として起こった
朝鮮半島の
一つの発火、その火種がさらに
日本の介入によって拡大される結果になるではないか。そうでしょう。
日本の介入によって拡大される。
日本が
戦争の意思がなくても、
基地の発進を認めれば、その結果
日本が介入することになる。したがって、その紛争は、米国と北
朝鮮間の部分的な紛争からさらにエスカレートしていく。そうすれば、当然、北
朝鮮は中国ともソ連とも軍事同盟を結んでおるのですから、さらに北
朝鮮へ中国やソ連がある意味において介入してくるという結果になる。つまり、
日本が軍事
基地をその場合に発進
基地として認めれば、結果的には
朝鮮半島についた火がエスカレートしていくのだ。本来、
日本は平和に徹する
国民としてそれを消しとめなければならない
立場にあるのだ。かりに友好国である
アメリカがその火種の中に入ったとしても、それを消す
立場に
日本は立たなければならぬのだ。だから、その発進は認めることはできないのだ。この基本的な姿勢を踏まえた上で
本土並みの主張をなさらないと、ただ
基地を自由に使わしたら
沖繩の県民感情が許さない、
日本の
国民感情が許さない、核を置かれたのでは非核三原則にもとる、それだけではやはり説得力にはならない。この基本姿勢が、この間から私が御
質問申し上げている
プエブロ号事件のようなときに、
イエスと言うか、ノーと言うかという、その
政府の基本姿勢にかかってくるわけです。そして、あなたもお認めになっておられるように、それをいずれは煮詰めなければ
アメリカは納得しないというところに来ておるわけですね。
だから、私がいま申し上げたように、ただ政治的主張だけで
本土並みを
アメリカに要請するだけでは足らない。もっと大局的見地に立って、アジアの平和について
日本が果たし得る
役割りは、むしろ
アメリカに軍事的に協力するのではなくて、突発的に部分的に起こるかもしれない
朝鮮を中心とした火種を
日本が消しとめることについて、どう
アメリカに協力するかという基本姿勢を堅持することが、私は一番大事な姿勢ではないかというふうに
考えておりますので、先日来その具体的な事例をあげて
大臣に御
質問を申し上げておるわけです。その点、ひとつ
大臣ももう一度心の中で踏まえられて、
本土並みの説得力というものを、ただ政治的主張だけではなくて、平和を維持するという基本姿勢の上に立って、
本土並みが必要なのである、つまり、自由に
沖繩の
基地の発進を許さないのであるということをはっきりさした上で、対米交渉をしていただきたいということを希望として申し上げまして、
理事会の御承認がとられてなかった由いま
理事からお伺いをいたしましたが、私は
委員長の発言がありましたので御
質問申し上げたのでありまして、この点については、自後また
理事会でも御了解をいただきたいことを付言いたしまして、本日における私の
質問はこれで終了させていただきます。