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曽祢委員 基本問題としては、
外務大臣と意見が異なると思うのです。私は、やはり
わが国の意図にかかわらず、極東の平和と安全のためといって、強国
アメリカに駐留権限と
基地権を与えておる限りは、かりに戦闘作戦
行動そのものは
事前協議によって押えられても、その他のことからくる、私の言う過剰防衛的な
行動からくる危険というものは常にあるわけですから、これはやはり
安保条約の根本的欠陥だと私は
考え、その点を安保改定の問題としてとらえるべきだと思うのですが、まず、それはそれとしまして、運用上について、いま
外務大臣が言われたように、やはり私はずばり言って、この過剰防衛的な姿勢は困る。
アメリカの戦闘作戦
行為そのものでなくても、その軍隊が引き起こす問題については、常にそういったような過剰防衛にならぬように、これは、極東の緊張激化のために
わが国に
基地があり、
アメリカ軍があるということは、まことに迷惑だ、こういう点ではっきり
アメリカとの間に話をつけてもらいたい、その点を強く要望しておきます。
私は、観点は全然変わりますが、きょうたまたま
アメリカの原子力潜水艦が横須賀港にまた来るわけであります。この点につきまして
外務大臣及び技術的な点は原子
力局長に伺います。きょうは科学技術庁の長官がおられないので、原子
力局長に伺いますが、二月十七日の本
委員会におきまして、私は
外務大臣に対しまして——当時、
アメリカの原子力潜水艦が横須賀に入っておりました。その入港中に、御
承知のように、
日本側がつくった放射能測定ポスト、そこが異常数値を示した。よく調べてみると、それは一つは船舶修理用のアイソトープ、イリジウムの放射能の数値を記録したものであるということがわかった。この点については、その後
アメリカのほうにも注意して、そういう場合には事前に知らせてくれということで、一応その方向で処理がされたようであります。しかし、もう一つは、レーダーを使う、そのレーダーを使うことによって、やはりこの探知装置といいますか、観測装置がレーダーの電波に感応して、異常数値を記録する、そのどっちかわからないというような、非常に不完全な観測体制だということが明らかになった。そこで、私は、この点を指摘しながら、
外務大臣に、こういうことでは困る、ぜひ至急にもっと
日本の観測体制を信憑性の置けるものにする。つまり、完全に
空中及び海中の放射能だけを検知するようなものにする。放射能にもいろいろあるだろうけれども、少なくとも船舶の損傷を発見するために使っているような放射能だったら、それは事前に通告してもらえばわかることだ。少なくとも放射能を観測すべき体制のものが、他の電波障害に感応しているというようなことでは、国民、市民に安心感を与えるわけにいかない。のみならず、かえって不要に不安感を与えているわけです。これは異常放射能が出たのではない。異常放射能が出たのではなくて、他の原因で、まことに科学的には恥ずかしい話だけれども、他の電波障害によってこの観測機構が本来でない働きをして、それでこれは異常放射能じゃなかろうかという不安をまき散らしておった。こんな無責任な体制で、かつて佐世保において異常放射能
事件が起きて、結局その原因が何だかわからないままに、日米間に非常にあと味の悪い
関係を起こした。そういうような
政府の体制では全然科学的ではない。その科学的な観測体制もなしに原子力潜水艦を受け入れることは、これはことに市民に対する不安のみならず、日米
関係に大きなマイナスになる。したがって、これはすみやかに
措置して科学的体制を整えろ、こういう要請をいたしました。これに対して
外務大臣は、「レーダーの
関係かアイソトープの
関係か、そのほかの原因でまた疑惑を起こすようになってきたということは、私どもとしても本意にたがうところでございまして、
アメリカ側との接触ももちろん、それから
日本側のもっと信頼のできる観測体制を早急に整備するということにつきまして、必ずしも私の所管でございませんけれども、十分ひとつ御心配をいただかないような
措置につきまして善処いたしたいと思います。」私が重ねて、「二つのことをやっていただきたい。直ちに閣議において、確かにいままでの体制では不備だ、そういったような、たとえばレーダーの障害あるいはその他の電波障害と、その他の放射能による障害と、区別ができるような完ぺきな科学体制をとる。それから第二は、
アメリカに対して、具体的に原潜の停泊中にこの種のまぎらわしい
事件を起こさないように、
日本側と密接に協力して、ほんとうに協力体制の実をあげるように、ぎりぎりのひとつ約束をさせること、この二つをぜひやっていただきたい。もう一ぺん
お答えを願いたいと思います。」これに対して
大臣は「御意見のところを十分尊重して
措置いたしたいと思います。」ところが、一向に、
措置がおくれておって、今日まで完ぺきな体制どころではない。やっと少しはましな観測体制をやって、これから、きょうあたりからそいつをひとつ試験的に使ってみようというときに、
アメリカの原子力潜水艦が皮肉にも来た。そういう場合には、私は、原潜については、完全に放射能の危険なしということが
確認されるまではお断わりすべきだという
立場ですけれども、少なくともいま
政府はおくれておる、
外務大臣の
答弁にかかわらず。ここに二カ月ちょうど日にちがたっておる。その間の観測体制の整備の状況というものは、まことに遅々として進まない。これに対して政治責任をひとつ明らかにしてもらいたい。
第二には、そういう場合には、
アメリカの原子力潜水艦があした来なくてもいい、もう一週間待てば観測体制がある
程度できるというときには、それをおくらせるぐらいのことがあってもいいのじゃないか。右二点について
外務大臣の御意見を伺います。