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加藤説明員 アポロにつきまして
概要を御
説明申し上げます。なお、
アメリカの
予算その他、わりにこまかい点もございますので、この席では
概要を御報告いたしまして、後日必要がございましたら、
資料として提出さしていただきたいと思います。
アポロ計画は、元来、
人間を月に
着陸させたいということで始めたものでございまして、この前
段階としましての
マーキュリー計画、
ジェミニ計画というものと並行して始められた、いわゆる
有人ロケットでございます。
出発は一九六一年五月となっております。一九六七年に
アポロ四号というものが
アポロとして
最初に打ち上げられたものでございます。御
承知のように、現在十号が飛びまして、十一号でいよいよ
着陸ということになっているわけでございますが、四号から六号までは
装置関係の
テストを
中心といたしまして、無人の
衛星でございます。七号以降につきましては
有人でございまして、各種の
実験を行なっております。いずれもこれらの
飛行実験は成功して今日に至っておるわけでございますが、これの打ち上げに使っております
ロケットは
サターンといわれているものでございまして、
サターン1Bというのが一、二度使われましたが、大半は
サターン5型といわれるものでございます。後ほど
概要を申し上げます。
去る五月に打ち上げられました
アポロ十号が、
皆さん御存じのように、月のわずか一万五千メートルまで近づきまして
地球に戻ってまいりました。これでいわばリハーサルがまず成功裏に終わったと考えていいようでございます。
アポロ十一号の打ち上げは七月十六日と聞いております。約二百時間かかりまして、また
地球に戻るという
計画でございます。なお、その
あと十三号まで一応現在
計画があるように聞いております。
大体
アポロの
概要は以上でございますが、どんなタイミングで上がったかということを簡単に御紹介いたしますと、先ほど申し上げましたように、
アポロ四号の前に、一号から三号までは、ちょっとはっきりいたしませんけれ
ども、たぶんこれは
地上テストに使われたのではないかと思われます。二〇四号というものがございますが、これがいわゆる三
飛行士が焼け死にましたあの機体でございます。四号から打ち上げられまして、四号が六七年の十一月九日でございます。これは
サターン5で、このおもなねらいは
サターン5自身の
テスト、及び
宇宙船の各
部分及び
エンジン等の
試験でございます。もう
一つは、
地球に帰ってきます場合の
大気圏への
突入テストでございます。次の五号は六八年の一月に上がっておりますが、これは
月着陸船の
部分に関する
テストでございまして、
小型でございますので
サターン1でございます。
〔
委員長退席、
木野委員長代理着席〕
次の六号はまた
サターン5で打ち上げましたが、これは四月でございます。これは三段目の
ロケットの二次噴射の
テスト、それから、
司令船の
大気圏突入並びに回収の
研究でございます。七号はその十月に上がりまして、初めてここで三名
人間を乗せたわけでございます。四号が上がりましてから約一年弱で
人間が乗ったわけでございますが、ここでいわゆる
ランデブーなどの
実験をいたしました。それから、八号は二カ月後の十二月に飛ばしております。一応月まで行って往復をやっております。それから九号が次いで翌年、ことしの三月三日でございますが、
地球衛星の
軌道での
月着陸船テストなどをいたしまして、十号が先ほど申し上げました五月ということでございます。
ちょっと順序が逆になりましたが、これの前
段階になります
マーキュリー計画と
ジェミニ計画を簡単に申し上げますと、
マーキュリーのほうが先でございまして、これは一九五八年十月に
計画が確定いたしました。それから、これはむしろ
宇宙飛行士の
宇宙環境における
居住環境を整備すると申しますか、いろいろな
宇宙線や何かが参りますので、そういうことからの遮蔽など、要するに、
宇宙において
人間が住みいいような
環境をつくるという観点からの
研究並びに再
突入に関する基礎的な
研究でございます。高温に対する保護でございます。これは六一年から六三年の五月までの間に
合計四回やっております。これは一名
人間が乗りまして、先ほど申し上げた
実験をやったわけであります。
その第二番目の基礎的な、いわば前
段階の
研究として
ジェミニ計画がございますが、これは二週間の
軌道飛行をする、それから
ランデブー、ドッキングなんかの
研究をやるという目的でございますが、これは六五年から六六年の間に
合計十回、二名の
人間を乗せてやっておる
状況でございます。大体の全体の
タイムスケジュールと申しますか、そういうことは、いま申し上げたようなことでございます。
それで、飛行船のほうはちょっといろいろ仕様を申し上げにくいわけでございますが、
アポロ打ち上げに使いました
サターン5という
ロケット、これはいわば世界で一番大きい
ロケットになるかと存じますが、これの
概要を申し上げますと、
直径が十メートルでございまして、長さが百十三メートルという非常に大きいものでございます。発射時の重量が全部で二千七百トン、段数は三段、
液体ロケットを使いまして三段でございます。
最初の
推力が三千四百トンという非常に大きいものでございます。最後に上がりますのも百二十何トンというものが打ち上げられております。先ほど申し上げました
サターン1Bというのをときどき、
小型で済む場合にはこれを使っておりますが、これは簡単に申しますと、
サターン5の、重さで申しますと、約四分の一から五分の一くらいのものでございます。
直径で約六メートル、長さが六十八メートル、二段
ロケットでございまして、
推力も大体
サターン5の五分の一くらいでございます。
あと若干、それに
関連しまして、どのくらいの費用がかかっているかという点を簡単に申し上げますと、この表は後日
資料として提出いたしますが、
アメリカの
NASAの場合には、
研究開発という項目と、それから、いわゆる
設備費、それから
行政費というぐあいに、大きく申しますと、三つに分かれております。それで、新聞などを拝見いたしますと、
アポロ計画全体で約八兆円という
数字と十四兆円という
数字と両方見受けますが、この違いは、たぶんいま申し上げました狭い
意味での
研究開発費だけをとりますと、われわれの試算でも大体八兆円になります。先ほど申し上げました
施設費、それから
行政費などを入れますと、十四兆円になるかどうか、それがはっきりいたしませんけれ
ども、
あとから申し上げますが、かなり大きい
数字が残っておりますので、こういうのを入れますと約十五、六兆円の
計画、そう見ていいかと存じます。大体の
感じをおつかみいただく
意味で、ある
年度を申し上げますが、一九六五年から六七年、八年、九年あたりが安定した
状況でございますが、
日本の円で申し上げますと、三十九年が八千二百億でございます。四十
年度が九千四百億、四十一
年度が一兆五百億ぐらい、四十二年が同じく一兆五百億ぐらい、四十三年以降逐次減ってまいりまして、四十三年が九千二百億、四十四年が七千二百億という
感じでございます。以上でございます。
なお、
NASA全体の中でどのぐらいの
ウエートを占めるかということを申し上げますと、これは
年度によってかなり違いますけれ
ども、大体半分以上と申し上げていいかと思います。それぐらいの
ウエートを持っております。
また、
あと御
質問によりまして、こまかい点を補足さしていただきます。
以上でございます。