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三木(喜)
委員 九月十日、
科学技術庁の
宇宙開発推進本部によって
ロケットの
実験が種子島でやられましたが、この打ち上げの結果も
失敗だといわれておるわけなんです。しかしながら、その詳細をまだ承っておりません。また九月二十二日だったと思いますが、
東大宇宙航空研究所ラムダ4S四号機も、
人工衛星になるという望みを託しておきながら、ついにこれも
失敗しておるわけであります。そういう事態を踏まえて
宇宙開発委員会は非常に手回しよく、
宇宙開発事業団が十月一日に発足したのをきっかけにいたしまして、「
宇宙開発計画きまる」という大見出しで
新聞発表しておりますが、これは非常に酷な
言い方かもしれませんが、何のことはない、次の
計画が一年おくれたというだけのことしか書いてないわけであります。
電離層観測が四十七年、
実用静止衛星が四十九年、そうして
Mロケットによって
全段姿勢制御装置をつけるというようなことがやや明るい
見通しがあるだけの
発表になっておるだけで、
新聞あたりはやっぱりこれについては酷評をしております。これはいままでの
計画ののりで継ぎはぎした
計画であって、今度こういう
失敗もしておりますし、さらにおくれてまいりましたこの
宇宙開発に対する
ところの総
反省の上に立って立てられた
総合計画ではないので、私
たちはそういう
計画であってほしいという、こういう願いを込めてきょうは御
質問申し上げたいと思うのです。
この
総合計画の中に、
東大の
ラムダ機の
失敗に
一言も触れてない。これはどうしたことか。また
東大の
重力ターン方式といわれておりますが、この
方式と、四十八年に
全段姿勢制御装置をつけるというこの
やり方の間に、
技術的な
相関性をどうするのか、
技術的にどういう
ぐあいに関連をつけるのか。したがって、いま申しましたように、この
計画書なるものは、
のりとはさみ式の
計画に見えてしかたがないのであります。なお、
予算編成期も控えておるのですから、この
計画書というものに対しまして、
予算計画書もつけるべきではないか。長期の
見通しに立ってもよろしいし、本年度の
見通しに立ってもいいですから、そういう
計画書を持ってもらいたい、このように思うわけであります。
私は、この
二つの
実験結果、その
失敗は責める気はないわけでありますけれ
ども、
日の丸衛星という、こういう
言い方で、多少
日本の国の
宇宙開発が足が地についてないのじゃないかと思うのです。私はこれは
国産衛星と言いたいと思うのですけれ
ども、
日の丸衛星、
日の丸衛星という宣伝をよくして、そういう
思い上がりの
考えだけが先行して、
技術的反省を国民に知らせて
予算的裏づけを持った熱意のある
計画書をなぜ出さないのか、まずその点につきまして
宇宙開発委員のほうから
お答えをいただきたいと思います。
二番目に、これは
東大なり、
宇宙開発委員の方、それから
事業団から見えておりましたら
事業団からも
お答えいただきたいと思うのですが、まず、
東大宇宙航空研究所の今回の
失敗についてお伺いしたいと思うのです。
私は、四十一年の九月、
ラムダ4S一号機から二号機、三号機の
失敗があったときにずい
ぶん意見を申し上げ、
姿勢制御誘導装置等を研究されたいと申し述べておきました。しかし、今回
新聞の
発表によりますと、四号機も無
誘導方式をとっておられるというような
発表をしておられます。はたしてそのとおりであるかどうかということをひとつ聞いておきたいと思うのです。そしてこの無
誘導方式で次に
ミューに取りかかるということをいっておるようでありますが、はたして
人工衛星になる
自信があるのかどうか、これをまずお聞きしたいと思います。二番目に、今回の
失敗は三段目が四段目に
追突し
姿勢を狂わして
失敗した、こういっておるわけでありますが、
ラムダ4T型のときに、その危険が予想されているのに、
軌道計算をやり直し、切り離しを十五秒おくらせただけで、こういうような
実験が科学的に
調査された、研究されたということができるのかどうか、私はしろうとでわかりませんけれ
ども、その点がずい
ぶん当てずっぽうのような
感じがするわけであります。
新聞によりますと、
野村民也主任は第三段目の
噴射ガスがまだ残っていたらしいと、こういうことを言っておられるようでありますが、十五秒ということと、その
噴射ガスがまだ残っていたという、この
二つの
関係は一体どうなのか。科学的に
地上実験はこういうときにやる必要があるのではないか。そういう点がわかりませんから、ひとつお教えをいただきたいと思うわけであります。
それから基本的な
設計上に
ミスがあるのではないか。こんなことで本年
ミュー4S型一号機が上げられるのかどうか。非常に強気でありますけれ
ども、だいじょうぶかどうかということにつきまして、私、非常に危惧の念を持つわけであります。その点につきましても
お答えをいただきたいと思います。
それから、もうかなりの日がたっておるのでありますが、今回の
実験に対する
ところの
報告書というようなもの、これは
国会にまたお出しいただけるのかどうか。あるいはそれは
ミューまでやってみて、それから出すのだということになっておるのか、その辺も知らしていただきたいと思います。すでに
ラムダ4S一二、三、号機の
報告書は、
前回こうしていただいておるわけであります。四十一年からいいますと、もはや三年たっておりまして、今日これの
反省点もあるだろうと思いますし、さらに今回やってみた上での
反省点、
技術的欠陥というものも私は当然あるだろうと思います。そういうものを、
国会というもの、あるいは学会というものをやっかい視せずに、オープンリーにひとつこういう
報告書を出して、みんなが寄ってそういう問題につきまして
心配をしていくのがよいのじゃないかと思いますが、これにつきましても、御
意見なり、
計画があるようだったら
計画を知らしていただきたいと思います。
それから四番目に、これは苦言になるかと思います。私は本年内之浦を見せてもらって驚いたわけであります。
実験用ロケットということになりますと、ぴかぴかと光って、そして大事に
保管されているのかと思っていたのですが、倉庫の中にむぞうさにほうり込まれておる。そして放置されているのを見て驚いた。これでは、ちょっとした誤差でも
実験が
失敗するといわれておりますが、こんな雑然とした中でこういう
保管をされてよいのかどうか。それも実際見た者として
心配いたしましたので、そういう点につきましても、これは小さな問題かもしれませんけれ
ども、
実験までの整備、
保管、
管理の
状況、こういう問題につきましても、ひとつお聞かせいただきたいと思います。一機一億円であります。今度
ミューになりますと、一機五億円するといわれております。もう、はや
前回から三年もたってしまって、しかも
やり方が依然として初歩的な
失敗をしておる。一機目はかなり成功したが、二機目は頭の
部分がぽろりと落ちてしまった、こんなことがあったり、だんだんしまいになるほどその
失敗が初歩的な
失敗というような
感じがするのであります。こういう点につきましても本日はひとつ明らかにしていただきたいと思います。
それから、
宇宙開発委員のほうに、次の三点ほどお伺いしたいと思います。
アメリカからの
技術導入の
見通しがつかなかったのでこの
計画書がおくれたのだというようなことが
新聞に書いております。そうすると、どういう
技術導入の
見通しがついたのか、その
状況を知らせてほしいのです。
それから、
前々から非常にわれわれはやかましく言っておりますし、
国会の
科学技術対策特別委員会においても小
委員会を持ってこれを推進してまいりたいと
考えておりますが、ちょうどいまの
宇宙開発というものは、
計画をやる頭脳にあたる
宇宙開発委員会はできました。それを推進する
ところの
宇宙開発事業団もできました。しかしながら、肝心の
宇宙開発の
基本法というものがないわけであります。これはちょうど羅針盤のない船が大きな海を漂うておるような
感じが私はしまして、
基本法についてどうお
考えになっておるのか。
前々からも承りました。しかし、
委員会の
考え方の中に、軍事と結合するということをおもんぱかっておられのかどうか、そういう私
たちも
心配をするわけでございますので、この点についてもついでに聞かしておいていただきたいと思います。
三番目に
インテルサットの
計画とわが国の
宇宙開発、特に
静止衛星を打ち上げる
段階におきまして、この
地域衛星と
インテルサットの
衛星とがどのように競合し、あるいはダブっていくか、あるいはその間でうまく
地域衛星を
利用できるのかどうか、こういう問題も当然今回の
計画書の中に指摘をしておいていただかなければならなかったのじゃないか、こういうぐあいに思うわけであります。
以上、お伺いいたしまして、御答弁によりましては次に
質問を続けさしていただきます。