○
石川委員 この問題はそのくらいにしておきますが、あと
一つ問題になりますのは、
日本の
大陸だなの中で、中国からずうっと連絡をしてくる
大陸だなというものは相当あるわけです。これを試掘するあるいは
海底の
調査をするということになりますと、あるいはまた採掘をするということになると、中国との現在の国際
関係では、たいへんな問題になる危険性をはらんでいる。これは非常にむずかしい問題ですから、ここで議論をしようとは思いませんけれども、そういう場合に、前提として考えられるのは、
海洋開発をする場合には、
日本の場合には、あくまでも平和の目的に限るのだということのはっきりした基本法なりその他の宣言なりが明確にならないと、この点で国際紛争を起こす危険があるのではないか。これは長官がいないので、きょうは質問して
答弁をしてもらう大将がいないので、ちょっと私もだれにどういう質問をして、だれに
答弁してもらっていいかわからないのですが、こういうきわめて重大な問題があるということが、そういう前提
条件が解決されないで、この
海洋開発の
科学技術に関する
答申が出ても、にっちもさっちもいかなくなって、かえって非常な紛争の種を巻き起こす危険すらあるのではなかろうか、こういう点を
——これは、外務省の
関係も当然
関係が出てまいりましょう。十分ひとつ省内で議論をしてもらわなければならぬ大問題だと思うのです。
それから、たいへんにわかにこまかい話に入るようで恐縮なんでありますけれども、この
答申の中には
五つの
プロジェクトが出ておって、大体十年をめどにして、そのうちの五年間の
重点目標、こういうことであります。その中で特に第四番目の「大深度遠隔操作掘
さく装置等に関する
技術開発」、この問題は、
日本が相当意欲を示した
プロジェクトになっているのではないかという点で敬意を払うわけなんでありますけれども、問題は、どの
程度やるのかという問題がまずあると思うのです。これもこの
答申には出ております。どの
程度というのは、ことしは三十一億です。去年よりはだいぶふえましたけれども三十一億。もうアメリカの千八百億なんというのとは比較になりませんけれども、しかしアメリカはアポロ
計画が終われば、この二百四十億ドルの費用というものは、今度は
海洋開発に振りかえてくることは必至です。さしあたっては二百億ということがいわれております。たいへんな立ちおくれ、どうにもならぬ。まるで向こうがおとなになっておるのに、こっちは二つか三つの赤ん坊がはいずり回っているような、こういう現在の
宇宙よりも、さらに海国
日本といわれる名に恥じるようなみすぼらしい
状態だというのが現状だろうと思うのです。したがって、これから飛躍的にやっていかなければならぬ。したがって、これは主計局や大蔵大臣にいつか来てもらってよく話をしなければならぬ問題で、亘理さんにこのことを要求することは非常に酷だと思いますから、
答弁は要求いたしませんが、しかし、
科学技術関係の問題は、この
海洋開発だけではないのです。
宇宙開発にしてもそのとおり、
原子力にしてもそのとおり、まるで
お話にならない劣勢です。しかし、
科学技術庁という
関係の予算で見ると、三割ふえた、四割ふえた、五割ふえたと、たいへんふえたようなかっこうで、これはおまえのほうは優遇しているんだというふうにお考えになりやすいのでありますけれども、海外との比較において考えると、もう現在の
科学技術関係の予算など、これは問題にならない、たいへんな立ちおくれ、どんどん格差が開いてくる、こういう実態にあるということをよく御記憶をいただいて、
日本が資本の自由化に備えて、外国に肩を並べ、追い抜いていこうなんということを言う場合には、もちろんほかの要素もいろいろありますけれども、何といっても、
科学技術が追いつかない限りは、絶対にこの目的を達成することは不可能であります。したがって、大蔵省の従来の感覚で、この
海洋開発は去年より八割ふやしたんですよと言ったところで、三十一億ですよ。ほかの国はどこも百億台です。しかも、それが海国
日本です。こういうふうなていたらくでありますので、よほどこの
科学技術関係の予算については、
海洋開発に限らず、抜本的な視野の切りかえをひとつやってもらわなければどうにもならぬ問題だと思う。これは、超党的におそらく同じ
意見であります。この点をよく記憶をしていただいて、来年はわれわれも超党的に、
科学技術関係についてはいろいろ予算についてお願いに行かなければならぬと思うのであります。ひとつ、よく御配慮を願いたいということだけを申し上げておきます。
それで、この中で、この
五つの
プロジェクトに入っておらないで、あとから追加して書いてある問題としては、
淡水化の問題があるわけです。この
淡水化の問題も、申し上げると、これだけでもって
委員会を一回やらなければならぬくらい、きわめて重要な問題をはらんでいる。どうしても
淡水化をやらなければ、いまの水では、将来は必ず工業が行き詰まることは必至です。したがって、
海水をいかに
淡水化するかということが、
日本の将来の発展を卜するきわめて重要なかぎになる。ところが、これは
五つの
プロジェクトの中に入っていないんですね。これからはずれて、付録みたいなかっこうで淡水という問題が出ている。まあ、善意に解釈すると、十年
目標で大体五年間の
重点目標というと、なかなか五年間では
淡水化は無理であろうというようなお考えかとは思うのでありますけれども、しかし、何としても、
淡水化というものをもっと重点として取り上げなかったということに対して不審の念を禁ずることができない。この点、速水さんどうお考えになりますか。