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渡部委員 これは
長官にわかっていただきたいと私は思うのでありまするが、
北方領土関係の問題というのは、要するに知られていなかったということだけではなくて、いままでのシステムの中では、これは全くもうほとんどと言っていいほど手がつけられていなかったのじゃないか、こう思うわけです。
沖繩と比較するわけではありませんけれども、
沖繩のほうの対
マスコミ宣伝なんかに比べれば、ほとんどネグリジブルなものであります。したがって、たとえば
国民大会が行なわれておる。
東京で一回行なわれた。私も二度ばかり行ったことがあるのですけれども、せいぜい集まるのは、
最後まですわっている人は五十人である。しかも
アトラクションつきでそのような状態であります。こういう
大会があって
北方領土問題に関する多大の成果があがったとはいえないと私は思うのです。また、
北方領土に関する
資料展にいたしましても、年間、ちょっとやったというそれだけで、もう話にも何にもなっていない。
要するに、私が
北海道に参りまして痛感することは、みんなが絶望しておる。
政府はあまり本気じゃないんだ。ほんとうの腹の中をいえば、
北方領土を取り返す気も、私
たちを守ってくれる気もないんじゃないかというような気持ちが、
根室あたりでは非常に濃厚に私は感じられる。ですから、もしも現在のような
規模のものがたとえ倍になったとしても、「必要な
啓もう宣伝」にはならない。これは要するにスタイルだけの、見かけだけの
啓蒙宣伝、
調査に終わってしまう。実際の
仕事というものをおやりになる節には、これは抜本的というか、いままでと断絶した画期的な
啓蒙宣伝あるいは
調査研究というものが行なわれなければならない。そうでなかったらこれは単なる
ことばだけで終わる、私はこう思うのですけれども、
長官のお
考えを聞かしていただきたい。