○松本(忠)
委員 じゃ最後に――いろいろと厚生省
関係、法務省
関係のことについてお伺いする予定でしたが、それを除きましたので、御
答弁においでになった方にたいへん申しわけないと思います。
以上のように、現行の自賠責にはいろいろな制度上の改善を要する面があると思います。そこで現行法にプラスしたところの新しい保険制度を
考えるべきではなかろうか。そこで、われわれが
昭和四十二年から具体的の案をもって提唱しているところの自動車運転者の賠償
責任保険の制度、この実施を
考えられないか、こういうことであります。
この制度につきましては、
昭和四十三年四月四日にも交通安全対策特別
委員会において、また本年二月二十五日にも当
委員会におきまして発言もいたし、さらに五月十五日ごろには具体的に保険金、料金、あるいはその他内容を詳細に発表いたしました。自動車局にも
大蔵省の保
険部長にもわが党の案を参考に
検討を進めていただくように提案してございます。この前の
委員会のとき
大臣には本
委員会で初めて申し上げたわけでございますので、即答することはできないが
検討する、特に自賠責のやり方については英知を集めたほうがいい、こういうふうにも御
答弁がございました。黒住
局長からも、現行法に上積み的な観念を導入すれば可能かと思うという旨の
答弁もありました。その後いままでただいま申し上げたとおりの一そうきめこまかい具体案も試案として差し上げてございますが、
当局としては運転者に保険をかける制度についてどのようにお
考えであるか、御
意見を承りたいと思う。私は、メーカーの代表ともいえる方――欠陥車の問題でしばしば大手業者にも会いましたので、この方々の
意見も聞きました。また保険料金を支払う側の運転者、特にタクシーの運転者の御
意見も聞きました。また
日本自動車工業会等の
意見も聞いてみましたが、いずれも賛成であります。
そこで、いま三百万円を五百万円にすることは賛成でございますが、先ほど申し上げましたような各種の欠陥を是正もしないで、推定赤字の千七百十三億の赤字を解消するために三倍以上の料率の引き上げをするという愚をやめて、ひとまずこの自動車運転者
責任賠償保険を採用して、とりあえず現行の三百万円の自賠責プラスわが党提案の運転者に保険をかける三百万円、合計六百万円となります。そういたしますと、
政府が
考えている五百万円より百万円補償が上回ることになると思います。そこで千七百十三億の赤字が出るといっても、これはあくまで
お話しのように推定の赤字であります。それは
昭和四十八年ごろのことであって、それまでに別に保険の支払いができないというわけではございません。金繰りはつくわけでございます。でございますから、ひとまず三倍の値上げというような線はやめにしていただきたい。現在、交通事故の裁判などでは一千万円あるいはそれ以上の判決も出ております。
政府だって五百万円でいいというふうには思っていないと思います。また二、三年たって必ず上げなければならなくなるだろうと思います。そうでありましたならば、ひとまず、先ほど申し上げましたわが党案を採用して六百万円の線を制定し、しかる後に現行自賠責三百万円を五百万円にすれば、結果的には八百万円になりまして、現在の裁判の判決にあるような一千万円に一歩でも近づくことになります。そこで、わが党提案のこまかい点の
説明は省略いたしますが、すでに試案は差し上げてございますので、十分
検討し、採用するようにしてもらいたい。それが現在の自賠責を解決する最もいい方法ではなかろうかと私は思っております。
そこで最後に、
運輸大臣のお
考え並びに
大蔵省の担当者の保
険部長のお
考えを聞いて終わりにいたしたいと思います。