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1969-07-02 第61回国会 衆議院 運輸委員会 第36号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十四年七月二日(水曜日)     午前十時十二分開議  出席委員    委員長 砂原  格君    理事 阿部 喜元君 理事 大竹 太郎君    理事 徳安 實藏君 理事 細田 吉藏君    理事 小川 三男君 理事 山下 榮二君       小川 半次君    加藤 六月君       木部 佳昭君    中川 一郎君       西村 英一君    福家 俊一君       福井  勇君    箕輪  登君       井上  泉君    久保 三郎君       神門至馬夫君    内藤 良平君       渡辺 芳男君    沖本 泰幸君       松本 忠助君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 原田  憲君         建 設 大 臣 坪川 信三君         国 務 大 臣         (内閣官房長         官)      保利  茂君         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      菅野和太郎君  出席政府委員         経済企画庁総合         開発局長    宮崎  仁君         運輸省鉄道監督         局長      町田  直君         運輸省自動車局         長       黒住 忠行君         海上保安庁長官 河毛 一郎君         建設省道路局長 蓑輪健二郎君  委員外出席者         自治省財政局指         導課長     亀谷 礼次君         日本国有鉄道総         裁       磯崎  叡君         参  考  人         (日本鉄道建設         公団総裁)  篠原 武司君         専  門  員 小西 眞一君     ――――――――――――― 七月二日  委員倉石忠雄君及び四宮久吉辞任につき、そ  の補欠として箕輪登君及び福井勇君が議長の指  名で委員に選任された。 同日  委員福井勇君及び箕輪登辞任につき、その補  欠として四宮久吉君及び倉石忠雄君が議長の指  名で委員に選任された。     ――――――――――――― 七月一日  総武線新小岩駅、常磐線金町駅間の貨物線に旅  客線併設に関する請願(竹入義勝君紹介)(第  九七一三号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  陸運に関する件(本州、四国間の輸送等に関す  る問題)      ――――◇―――――
  2. 砂原格

    砂原委員長 これより会議を開きます。  陸運に関する件について調査を進めます。      ――――◇―――――
  3. 砂原格

    砂原委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  本件調査のため、本日、日本鉄道建設公団総裁篠原武司君を参考人として御出席をお願いし、意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 砂原格

    砂原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決せられました。  参考人からの意見聴取質疑応答の形式で行ないたいと存じますので、御了承願います。     ―――――――――――――
  5. 砂原格

    砂原委員長 質疑の通告がありますので、順次これを許します。阿部喜元君。
  6. 阿部喜元

    阿部(喜)委員 きょうは、運輸大臣はじめ、お忙しいところ建設大臣企画庁長官、おそろいを願いまして、架橋問題についてしばらく質問をいたしたいと思います。  御案内のとおり、この架橋問題は長年の懸案でありまして、特に四国四百万の県民にとりましては長年の夢でございます。この夢をいま実現をする、架橋佳境に入ってきた、こういう時期でございますので、ひとつ簡明直截に御答弁を賜われば幸いと思います。  建設大臣には建設委員会があるようでございますから、まず建設大臣にお伺いいたしますが、大臣はたびたび、六月中に役所間の協議を終えて、七月には関係閣僚会議を開いて結論を出す、こういうふうに言明をしておられたわけであります。いろいろ多少おくれておるように聞いておるわけでありますが、大体体いつごろこのルート決定を御発表になりますか、まずそれをお尋ねいたします。
  7. 坪川信三

    坪川国務大臣 阿部委員指摘になりました本四架橋ルート決定のいわゆる時期等について御質問でございますが、私が予算委員会等を通じまして、大体の見通しを七月ごろということを目標決定いたしたい旨の政府立場を申し上げたことは事実でございます。私もそうした考えで、関係省庁連絡をとりながら、作業を進めさせることに指示もいたしてまいったのでございますが、いわゆる作業上においての狂いはあまり生じてはおりませんけれども、御案内のごとく、国会がかなりの幅をもって延長されましたことによって、この問題は国家的な大事業でもございますので、各省庁十分連絡調整協議をする作業、事務的な大きな仕事がございますので、これらを事実進める場合には、やはり国会との関係もございましたので、国会延長等からくる一つの実態から、七月の目標がそうした面でいささか支障を来たしましたので、八月をめどにいたしまして最終決定をお願いいたしたい、こういうような態度でいることを申し上げておきたいと思います。
  8. 阿部喜元

    阿部(喜)委員 御発表は大体八月中旬ごろでございますか。
  9. 坪川信三

    坪川国務大臣 八月の上旬、あるいは中旬、下旬というリミットの点については、まだ的確なお答えはできませんが、いずれにいたしましても、私は八月中には結論を出したい、こう考えております。
  10. 阿部喜元

    阿部(喜)委員 その八月中に発表になる場合に、決定内容についてでございますが、着工順位とか、あるいは事業主体等発表になりますか、どうですか。
  11. 坪川信三

    坪川国務大臣 ただいま技術効果あるいは経済効果その他の問題等について、各省庁間で十分慎重な協議を続けておる次第でございますので、それなどの結論が出ました上に立って、いま御質問になりました点等も含めまして結論を出したい、こう考えております。
  12. 阿部喜元

    阿部(喜)委員 この決定方法、いろいろ御苦労なさっておることはよくわかるのでありますが、それぞれ建設省運輸省、あるいは経済企画庁鉄建公団等において、もう何回ぐらい協議しておられますか。各省、簡単に聞きましょうか。
  13. 坪川信三

    坪川国務大臣 各省庁のまとまった立場から申し上げますならば、土木学会から結論を出されました以後、各省庁の間にはかなり連絡を密にいたしまして、十分調整協議を続けておるということで、的確な数字において、運輸省関係が、あるいは鉄建公団関係が、あるいは経済企画庁関係が、というような立場から、トータル的な回数はまだなにでございますが、累次にわたって続けておる、慎重に、しかも真剣に続けているということで御了解いただきたいと思います。
  14. 阿部喜元

    阿部(喜)委員 ちまたに、御苦労なさっておる中で、運輸省のこの作業中、併用橋に一ルートやるのか、二ルートやるのか、あるいは新幹線をどういうふうにするのか、そういう判断がなかなかつかないので、おくれておるというふうに聞いておるわけでありますが、運輸大臣、この点いかがですか。
  15. 原田憲

    原田国務大臣 本四連絡橋の問題については、しばしばお答えいたしておりますように、私ども鉄道併用橋としての調査を実施しておりまして、すでに工費工期の算定を終わりまして、現在、建設省と共同で経済効果調査を行なっておるところでございます。したがって、運輸省考え方がきまらないためにおくれておるということではございません。
  16. 阿部喜元

    阿部(喜)委員 併用橋は二本ですか、三本ですか、一本ですか。
  17. 原田憲

    原田国務大臣 これらの問題につきましては、これから検討をいたして決定をしていくということになるのでございまして、まだそこまできめておるわけではございません。
  18. 阿部喜元

    阿部(喜)委員 なかなか慎重ですね。閣僚協議会というのはできておるのですね。官房長官いまこられるだろうと思うのですが……。
  19. 坪川信三

    坪川国務大臣 閣僚協議会においてお願いいたして協議をいたしたいという方針でいるということで、まだ決定いたした段階ではございません。
  20. 阿部喜元

    阿部(喜)委員 いつごろおつくりになりますか。
  21. 坪川信三

    坪川国務大臣 いま申し上げましたように、正式に、いつ、どういう形、メンバーで行なうかということは決定いたしておりませんが、私ども考えといたしましては、一応八月中には、当然、閣僚協議会の開会をお願いいたして、そして政府としての最終的態度協議いたしたい、こういう心組みであるということで、まだ政府全体として決定いたしたわけではございませんが、そうした心組みであるということで御理解いただきたいと思います。
  22. 阿部喜元

    阿部(喜)委員 大体三本の橋をかけるということにつきましては、新全総計画本家本元企画庁長官のほうから発表がありましたとおり、三本同時着工といううわさが流れておるわけなんですが、資金の面からいきますと、御案内のとおり、今治-尾道が千二百四十億、児島-坂出が千八百三十三億、明石-鳴門が二千五百二十一億、こういう膨大な金でありまして、これの返済等考えますと、やはり鉄道併用橋にすると一兆円に近い金額になるのじゃないかと思います。そういう資金面から見て、同時着工ということは非常にむずかしいというようなことをときどき聞くのでありますが、もし同時に着工をやる場合に支障がないかどうか、そういう点をひとつ伺いたい。
  23. 坪川信三

    坪川国務大臣 阿部委員指摘になりましたごとく、全総計画において、六十年度をめどとする三本の架橋につきまして、全総計画に持たれていることは事実でございます。  それはそれとして、私どもといたしましては、いわゆる三本の架橋の問題について、どういう姿でどうするかというような着工順位とか、あるいは三本をどうするかというような問題など、すべてを含めましていま協議を続けておりますので、いまの時点におきまして、御指摘になりました点に対する政府の的確な態度の表明はいたしかねるようなことで、ひとつ御理解願いたいと思います。  また、資金等についても、工費あるいは工期、工区、あらゆる問題点を緻密に総合的にいま調査協議をいたしておりますので、資金工費関係等も含めまして、十分いま検討中であるということで御理解いただきたいと思います。
  24. 砂原格

    砂原委員長 阿部君に申し上げますが、坪川建設大臣は十時半から建設委員会のほうに御出席の御予定がございますので、御質疑はそのつもりでやっていただきたいと思います。
  25. 阿部喜元

    阿部(喜)委員 建設大臣に続いてお伺いしますが、田中幹事長は簡明直截で、一本は道路公団で、あとの二本は特殊公団をつくってやればいい、こういうようなことをしばしば言っておられますが、かりに、どこを道路公団でやるかというようなことは質問いたしませんが、道路公団でやらない場合の他の二本を、民間資金をどういうふうに入れて、どういう形でやるかというようなことをお考えになったのか。もっと具体的に言いますと、外貿埠頭公団のような方式、それ以上にまた財投なんかも使えるような形、そういうことを今日までの協議の間に検討をされたことがありますかどうか、ひとつお尋ねしたいと思います。
  26. 坪川信三

    坪川国務大臣 田中幹事長が、幹事長個人立場で御発言になったことは事実でございまして、その点につきましては、私も幹事長の御意向をただしたわけでございますが、単に自分の個人的な見解を述べたにすぎない、こうおっしゃっておられます。田中さんは、田中幹事長としてあの鋭敏な田中角榮勘ということで、勘でおそらくああした気持ちを表明されたのではないかと思うような次第でございますので、いま資金的な、予算的な背景に立っての事業主体の問題、あるいは資金計画等いろいろな重要な問題がございますが、これらの点も十分検討といいますか、十分これらの立場考えて、目下各省庁との間に協議あるいは調査をしているということで、まことに恐縮でございますけれども、そうした具体的なことに至るまでの御答弁を申し上げる段階といいますか、資料といいますか、そうした点に責任をもってお答えいたすことのでき得ない事情を御了察願いたい、こう思います。
  27. 阿部喜元

    阿部(喜)委員 大臣は偉大な吉田さんの直系で、吉田さんの骨を拾われて長く親しくしておられた関係で、政治の要諦は最も心得ておられる大臣と思いますが、ひとつそろそろ簡明直截に御発表願いたいと思いますが、時間がないようでありますから、最後に、瀬戸内海大橋をひとつ宣伝しておきたいのであります。  この同時着工という場合におきましても、御発表になっておるとおり、今治-尾道の場合は、調査が一年、準備が一年半、現場が五年半で、八年でできる。児島-坂出は、調査が二年半、準備が二年、現場が六年半で工期は十一年です。明石-鳴門は、調査が三年、準備が二年、現場が九年で十四年かかるというふうになっております。そこで、同時着工といっても、調査はわれわれの今治-尾道が一番早い、一年です。ですから、同時スタートで、この数字をひとつごらん願いたいと思いますが、今治-尾道は全く自然を利用して、橋梁をつくらなくても、島を通じた自然の橋がありますし、観光の面からいっても非常に価値が大きい。しかも、調査一年、準備一年半、八年間でやれる。これは今日の民間企業努力からやれば、五年くらいでぼくはやれるのではないかと思う。そういうことからいいますと、技術面からいいましても、早くかけるものは早くかける、その間において技術員も養成する、そういう立場からやれば、児島-坂出明石-鳴門のほうも十一年や十四年がむしろ縮まっていくのではないかというふうに思うのでございます。そういうことで、これはなかなか重要な段階でありますから、具体的に答弁できにくいと思いますけれども、そういう感触をどういうふうにお思いになりますか、ひとつ御答弁願います。
  28. 坪川信三

    坪川国務大臣 私から申し上げるまでもございませんが、この本四架橋という問題は、わが国の将来の国土開発国土建設、また、経済発展等、あらゆる問題の未来像につながる国家的な大事業でございます。しかし、御承知のとおりに、気象上、あるいは地形上、あるいは潮流、地震その他から関係いたしまして、全く世界に類のない過酷な、技術上いま申し上げましたような背景の悪条件を持っておるというような立場から克服いたしまして、この大事業に取り組まなければならぬということを考えますときに、政府といたしましては、技術上からも、あるいは経済効果の上からも、あらゆる角度から慎重に、かすに時日をとりまして、いままで慎重な計画あるいは執行問題等に取り組んでまいり、いままでに、もう二十数億の金を使い込んでおることも、御承知のとおりであります。これまでのそれぞれの立場において協議会議を持ちました回数だけでも、五百回以上というような慎重な場を求めていることでも御理解いただけるんじゃないか、こう思いますときに、いま阿部委員が御指摘になりましたこの今・尾、いわゆる御指摘になった線でございますが、これらにつきましては、阿部議員のお気持ち、また、各これに対し関連される皆さまのお気持ちは十分私は御理解も申し上げ、また、御理解もでき得ますので、こうした立場を私は慎重に考慮いたしまして、客観的な立場に立って十分各位の御期待に沿うよう、最善の煮詰めをいまいたしておるということを御理解いただきたい、こう思います。
  29. 阿部喜元

    阿部(喜)委員 最後にもう一問。先月二十六日でしたか、鉄道建設審議会新幹線構想発表がありましたが、田中幹事長も、この四国新幹線というものをぜひ一本通す、こういうふうに言っておられますが、この橋と新幹線は、口だけでなしに、ひとつ取り組むという御決意がありますかどうか、最後に……。
  30. 坪川信三

    坪川国務大臣 新幹線とこの本四架橋関連性の問題でございますが、これは鉄道建設審議会において、それぞれの立場で御結論を出されることを期待いたしております。それなどの構想期待の上に立って、私どもさきに申し上げましたいわゆる日本国土開発未来像につながる最も重要な問題でございますので、新幹線というような、鉄道併用橋というような、最も重要なこうした幹線、あるいは事業については、頭の中に十分踏まえまして、あらゆる計画を立てるべきが当然だ、こう考えております。
  31. 阿部喜元

    阿部(喜)委員 運輸大臣にお尋ねいたしますが、さき航行安全について、航行安全調査発表されたわけでありますが、そのときに今・尾ルートだけ航行安全調査がなかったのはどういうことですか。
  32. 原田憲

    原田国務大臣 建設省から調査委託要請を受けました個所は、明石-鳴門ルート及び児島-坂出ルートでございましたので、尾道-今治ルートについては、調査の対象といたしませんでした。簡単に言うと、委託がなかったということであります。
  33. 阿部喜元

    阿部(喜)委員 そうしますと、このルート航行安全には何ら支障はない、こういうことですね。  そこで、明石-鳴門あるいは坂出-児島のこの橋等調査が行なわれたわけでありますが、その調査結果についてひとつ率直簡明に、橋がかかった場合にも航行の安全に支障がないか、御答弁を願いたいと思います。
  34. 河毛一郎

    河毛政府委員 ただいま大臣からお話がございましたように、両ルートにつきまして安全調査の依頼を受け、先ほど建設省にそれをお出しいたした次第でございますが、その調査結果につきましては、専門的、技術的な点が多うございますので、専門家による本四連絡架橋航行安全技術検討会議というので、過去一年間検討した結果でございます。  その会議における結果の概要について申し上げますと、まずこの会議中心といたしまして、両海峡の海域における交通量あるいは実際特定海域における地点における船舶の実船調査、あるいはまた、現に橋のかかっておる他の地点を利用いたしまして、そのスパンその他が航行レーダーその他にどのような影響を与えるかというような点の調査をいたしました上、航行安全の問題点をまとめたわけでございます。  まず、その要点でございますが、水路に橋がかかりますと、当然、船舶交通上には影響を与えるわけでございます。そのような影響度がおのおのの海域においてどのようなものであるかという点を検討いたしました。  まず、ふくそう度でございますが、明石海峡につきましては、現在のふくそう度は比較的低うございます。架橋によりましたあと航路筋橋脚等が設置されますと、当然、このふくそう度は高くなりますが、しかし、その結果は、他の主要狭水道に比べて著しく高いものではないということでございます。  次に、備讃瀬戸でございますが、現在その中心でございます与島-ツ子島の主要航路筋では、比較的ふくそう度が高うございます。しかし、架橋をいたします場合、橋脚が可航幅にそれほど大きな影響を与えない位置に予定されておるようでございますので、現在の比較的高いふくそう度がさらに変化するということは、ほとんどないと考えられる次第でございますが、いずれにいたしましても、架橋によりまして、そこを航行する船舶の安全と円滑をはかるためには特別の航行規制、それに関連した航行援助施設、たとえば航路標識その他を特段整備をする必要がある、このように申しております。  それからその次に、潮流関係が橋によりまして変化するということが考えられます。したがいまして、橋脚の構造その他につきましては、できるだけそのような擾乱地域を生じないような設計上の配慮が必要であるということを申しております。  その次に、橋をかける場合、これに並行いたしまして架空送電線がつけられるわけでございますが、この送電線レーダーに映りました場合に、それが他の船舶の映像と非常にまぎらわしいという事実がございますので、この点については、特段配慮を必要とするというふうに考えられます。  それから、橋に直結いたしました安全対策を講ずる必要があることは、いま申し上げましたとおりでございますが、その付近の海域につきましても、水路のしゅんせつ、あるいは航路標識整備等水路環境整備改善をはかる必要があると考えられるわけでございます。  最後に、救難体制を万一の事故に対して確立する必要がある。  以上であります。
  35. 砂原格

    砂原委員長 阿部君に申し上げます。  保利官房長官は非常にお忙しい日程の中を御無理をお願いして御出席願ったのでございますが、十一時には、ほかに御出席にならなければならないお約束がありまするし、さらに菅野経済企画庁長官も、十一時には他にお約束がございます。さらに、質疑者もつかえておりますから、簡明、率直に要点を御質問願いたいと思います。また、答弁も同じく簡明に願いたいと思います。
  36. 阿部喜元

    阿部(喜)委員 それでは官房長官お忙しいところを、どうもありがとうございました。  この橋は、御案内のとおり長年の懸案であります。いよいよこれが佳境に達しましたので、お忙しいところお出まし願ったのでありますが、いままで建設大臣は、大体七月には発表しようということで陳情団その他に申されておるわけでありますが、国会の都合で一カ月おくれる、こういう答弁が先ほどあったわけであります。その前に閣僚協議会をつくる、いま聞きますと、まだ閣僚協議会をつくっておられない。こういうことなんですが、われわれの関係しておる今・尾ルートにおきましても、悪質な不動産業者が土地を買いあさっておるといううわさも聞くのでありますが、どうか一刻も早く閣僚協議会をおつくりになって、すかっと御発表ができますようにリーダーシップを発揮していただきたい。官房長官、ひとつお考えをお聞きしたい。
  37. 保利茂

    保利国務大臣 阿部さんの御趣意は、もうとにかく早くきめてしまえということだと思います。建設省運輸省のそれぞれの主管で、ただいま検討を進めていただいておるわけでありますが、両省に関連することでもございますし、また、国民経済上非常に大きな影響もあるわけでございますから、やはり内閣責任といいましょうか、閣僚協議会をつくっていただいて、そうして最終的には閣議で決定をいただくということ、この問題に関しては、そのくらいの丁寧な扱い方をしなければならぬのじゃないか、こういうふうに私は考えております。しかし、御趣意に沿うて御準備も進みましたならば、できるだけそういうふうに運びたいと思っております。
  38. 阿部喜元

    阿部(喜)委員 それからもう一問。先日二十六日に、鉄道建設審議会全国新幹線構想をいろいろ考えておられるわけであります。今日の政治で、明治の元勲に負けない勇気をもって取りかからなければならぬのは、教育問題と輸送問題だと私は思う。そういうことから、そういう立場に立って、いろいろ全国新幹線計画をやる上において、東北あるいは北回り北陸新幹線等もあろうかと思いますが、この橋と四国新幹線というものは離してお考えにならないように、一緒にお考えになるように、特に官房長官にお願いをいたしておきたい。
  39. 保利茂

    保利国務大臣 これは、私がかれこれ私見を差しはさんで申し上げることではないと思います。おそらく建設省においても、運輸省においても、阿部さんの御意見のような考え方準備を進めていただいているものだと思います。
  40. 井上泉

    井上(泉)委員 関連して……。  いよいよ本四架橋佳境に入ったということですが、この八月に閣議決定して発表するということを聞くわけですが、この場合には、着工順位とか工費とかいうものを同時に決定をするのか、それとも三ルートだけ建設をするというような政治的な発表をするのかという点。  それからもう一つ一緒官房長官質問しますが、最近は本四架橋の問題について、政府与党というか、むしろ自民党側田中幹事長がいろいろと発言をする、あるいは鈴木善幸氏が発表する、あるいは川島副総裁発表するというようなことで、また、聞くところによると、三ルートをやるんだというて発表しておいて、工法とか、工期とか、予算とか、着工順位とかいうようなものはそれからあと発表する、こういうような話をされるわけですが、そういうような発表のしかたをすると、またまたあとへ混乱を残すわけで、その点は保利官房長官は、だんだんの陳情者に対して、そんなに金を使うてやるな、やらぬでも政府のほうできちんとけじめをつける、陳情費を使ったところで、そこへ持っていくとは限らぬ。こういうきわめて良心的な、政治家としての良心のある発言をなされておるのですが、その発表のしかたについて、そのことをみとつ御説明をいただきたいと思います。
  41. 保利茂

    保利国務大臣 建設大臣運輸大臣はどういうふうなお考えでございますか、とにかく建設大臣なりあるいは運輸大臣の専管としておきめになるということでなしに、問題を内閣に持ち上げて、御納得のいくきめ方をしたいという趣旨だろうと思っております。私もそうだと思っております。  そこで、八月に閣議決定段階になるということは、私は少し早いのではないかと思います。まだ内閣へ全然問題が上がってきていないのでございます。内閣へ問題が上がってきましたならば、先ほど阿部さんのお話しのように、できるだけすみやかに、問題を遷延させないできめていくということが、この問題の扱い方としては至当じゃないか。したがって、建設大臣が八月には閣議決定にいくということをおっしゃるならば、それじゃ閣僚協議会ぐらいもう発足しておってしかるべきだろうと思うのですが、まだそこまで問題は来ていないのでございますから、その辺は、私はとにかく問題が上がってきましたならば、皆さん方に御相談して、総理のお考えも伺って、閣僚協議会を設けて検討をしてまいりたい。  もう一点は、先般閣議決定いたしました新全国総合開発計画におきましても、本土-四国連絡については三橋を予定いたしておることは、もう御案内のとおりでございます。ただ、同時に三橋着工ということは、技術的にも、また、経費の上からいっても、実際無理だろう、だれでもそう考えるわけです。したがって、この全国総合開発計画の見通しております段階においては、三橋とも当然かかるようにならなければならないと思っておるわけでございますけれども、しかし、どなたがどういうふうな御発言をされているか、よく承知しませんが、これは行政府責任として御納得のいく決定をしなければならぬ、政府責任事項だと考えておる次第でございます。
  42. 井上泉

    井上(泉)委員 自民党の幹部の発言というものが、陳情者に、あっちのほうへもこっちへもいいように話をしている。田中もうでというような話がかわされておるような状態なので、その点でいま官房長官の御意見を聞いたわけですが、行政府責任として処理をされるということですが、関係の府県に思わせぶりなことを、あまりいつまでもいつまでもしないようにしてもらいたい。あなたが言われるような姿勢で政府与党の幹部もおられたならば私は問題はないと思うのですが、いままで関係府県が使った金は八億に近い金で、まだまだ方々の地方議会では、最後の追い込みをかけなければならないということで、六月議会に運動の予算を計上しておる。そして幹事長に、あるいは政調会長に、あるいは何にというふうな、そういう形で、いわば地方の関係府県は陳情にわき立っておるような状態です。だから、それをひとつ政府のほうとしては――これはあなたは、はっきり言われておるけれども、それをなお徹底をさせて、本四架橋については、党内と政府との間に十分な連絡をとって、態度決定するようにしていただきたいということ、それについての官房長官の御意見と、さらにもう一点は、閣議決定が八月、それはいまの段階ではそうでしょう。八月にということには、時間的にはとても無理だと想像されるわけですけれども、しかし、そういう場合に本四架橋というものは、これは四十二年、あなたが建設大臣のときにわが党の森本議員が質問されたときに、本四架橋については併設橋ということ-建設大臣ですから、もちろん道路橋という考え方でおったかもしれませんけれども、併設橋はきわめてよい意見だと思うから、その方向で検討する、そういうことを答弁をなされておるわけであるし、そして、その併設橋ということが、在来線を通すのと新幹線を通すのと、二つの柱に問題がしぼられてくるわけなので、その点であくまでも本四架橋は在来線と新幹線というときに、二つの橋がともに併設橋として進められるべくやってもらいたい、こういうように思うわけですが、その点について官房長官の御意見を聞いて、官房長官に対する私の質問を終わります。
  43. 保利茂

    保利国務大臣 私はもう建設大臣在任当時に、この問題を非常に重重視いたしまして、私の考え方としては、とにかく四国は一体じゃないか、四国経済を開発していく上に、また、四国の民生を向上していくために、どの県がどう、あの県がどうということではなしに、四国と本土と一体化の機能を発揮するということで問題を考えていくべきであろう。しかしまた、鉄道と道路との併用橋が実際上、経済的に効率的に成り立つならば、それは非常に魅力を感ずることである。そういうことが実際可能であるか、より効率的であるかということを専門的に検討されて、そのために長い時間がかかっていると思うわけです。これは純専門的、技術的の問題として考えていくべきじゃないだろうか。  それから、お話しのように、私どもはできるだけ、とにかく国民経済という上から、また、地域開発という上から、純粋にそういう考えで取り組んでいくべきであろうと考えております。総理大臣はその点については、もっときびしい考えを持っておられますから、誤解を受けるような取りきめ方はいたさない、かように考えておりますから、どうぞ……。(井上(泉)委員「与党幹部の発言については、もっとこう……」と呼ぶ)いろいろの御意見があることは当然のことでございます。それで、そういう御意見をよく伺って、そして間違いのない結論を出すということが行政府責任であろうかと考えております。
  44. 阿部喜元

    阿部(喜)委員 いま井上さんも言いましたとおり、至急ひとつ与党の幹部ともじっくり相談をされて、さっそく閣僚協議会をつくっていただいて、一日も早く発表をしていただきたい。このことを御要望いたしまして、私の質問は終わります。
  45. 砂原格

    砂原委員長 加藤六月君。
  46. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 官房長官と経企庁長官、十一時までだそうでございますので、まず官房長官と経企庁長官に質問いたしまして、あと、それぞれ長官が後事を託された局長さん方に大臣答弁同等の待遇で質問いたしますから、あしからずお願いいたします。  官房長官おいででございますが、先般閣議のあとで、建設大臣運輸大臣が、七月二十日前後に瀬戸内海架橋の問題で、飛行機あるいはヘリコプターでこれを視察するという内容を記者会見で発表されたように聞いておりますが、これについて官房長官は了承されておるか、あるいは相談にあずかっておるかどうか、この点について、まずお伺いいたします。
  47. 保利茂

    保利国務大臣 私は全然相談にあずかっておりません。存じません。
  48. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 運輸大臣、そうしますと、それは運輸大臣建設大臣のプライベートな相談であったかどうかということについて……。
  49. 原田憲

    原田国務大臣 私どもが視察をいたすということは、具体的に何月何日ということがきまりましたら、これは当然、官房長官あるいはその上まで御報告をいたそうと考えておりますが、まだこのことは具体的に何日である、並びにどういうルートで行くというようなことは決定をいたしておりません。
  50. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 そうしますと、官房長官、閣議のあとで各大臣が記者会見その他で発表される内容は、もちろん当然だろうと思うのですが、特に本四架橋の問題について、夢の大橋がいよいよ実現しそうになるということで、四国並びに中国、近畿地方の皆さん方は、この成り行きに非常に注目されておる。そういうときに、少なくとも両大臣がそろって架橋地帯を視察するということになると、もう相当作業は進み、先ほど来、建設大臣中心答弁されましたが、作業的な問題については狂いがない。しかし、ほかの諸般の情勢等これあり、七月一ぱいに発表しようとしたのが少しずれておる、官房長官のただいまの御答弁では、相当ずれるというような印象等があったわけでございますが、そのずれというのは、一体どこに具体的な理由があるのか、もう一度確認いたしたい、こう思います。
  51. 保利茂

    保利国務大臣 誤解を持たれたんじゃないかという気がいたしますけれども、何もずらそうとかいうような考えは毛頭ないのでございます。ただ、内閣のほうとしましては、まだ建設大臣からも運輸大臣からも、公式、非公式いずれの場合も、何らのお話も承っておりませんのでございます。したがいまして、承りましたならば、これはそういうふうに――これは私個人の考え方でございますから、総理の御意見を伺わなければなりませんけれども閣僚協議会を持って、そして内閣自体、政府全体の責任において決定していくような方向をとるのが正しいんじゃないか、こういうふうに考えております。決して故意に、それを時間的に――したがって、まだ何も材料が出ておらぬわけですから、七月とか八月とかいうことを、私はここで口にし得るだけの材料がないということを申し上げておるわけであります。その点は御了承いただきたいと思います。
  52. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 官房長官には、きょうは政府の代表としておいで願ったわけですが、建設省は昭和三十四年から、運輸省は昭和三十年からこの調査にかかり、しかも十数年の期間を費やし、数十億の調査費を投入し、また、わが国における土木学会あるいは経済界、あらゆる人の英知を集めて今日ここまできておるわけです。しかも、九州と本州とを結ぶものはトンネルあり、また、橋あり、本州と北海道とを結ぶものとして、トンネルというものにすでに着手いたしておる。こういう段階から見て、本土と四国とのすみやかなる一体化というものは、これは単に先ほど申し上げました近畿、中国、四国の方々ばかりでなくして、全国民が期待いたしておるものでございますので、逆に官房長官のほうから、建設、運輸両省に命じて、早く資料を提出するように督励、督促されるのがいいんではないか、私、このように考えますが、官房長官の御所見をひとつ伺っておきたい、こう思います。
  53. 保利茂

    保利国務大臣 私も数カ月前まで建設省におりましたから、よく理解をいたしておるつもりでございます。かなり検討は急いで進めておるという実情にあるようでございますから、この上さあ持ってこい、さあ持ってこいというのはいかがであろうか。これは何さま非常に大きな問題でございますから、十分御検討いただいた上で、内閣段階に上がって、あまりもんちゃくの起こらないように、検討を慎重にして持ってきていただきたい、こういうふうに私は思っております。
  54. 福家俊一

    ○福家委員 関連して。きょうはまたお忙しいところを各大臣出席いただましてありがとうございました。一問だけ関連してお尋ねいたします。  ここに、かつて官房長官建設大臣に御在任中のころであったと思いますが、政府発表された記録がございます。それによりますと、明石-鳴門の道路単独橋の場合はその総額が二千五百二十一億、それから下津井-坂出の瀬戸の大橋の場合は鉄道併用橋であって、その総額が二千五百五十一億、こういう発表政府がされておるわけでございます。これは政府の記録でございます。間違いないと思いますが、運輸大臣も御承認の上と思いますが、四十三年二月かの発表でございます。
  55. 保利茂

    保利国務大臣 数字がそのとおりであるかどうか、私の悪い頭じゃ記憶ありませんが、しかし、昨年のたしか二月ごろ、建設省調査段階におきまして、工費工期発表をいたしたことがございますから、おそらくそのことであろうと存じます。そのことにつきましては、責任を持って今日も確認できることじゃないかと思っております。
  56. 原田憲

    原田国務大臣 この両架橋に対するところの鉄道併用橋、あるいは道路単独橋の工費発表は、一番新しくやりましたのは、運輸省が四十三年の二月二十七日発表いたしておりますのが須磨-鳴門、これは鉄道、それから道路一緒で三千七百二十八億、それから宇野-高松、これが二千五百五十一億という発表をいたしております。それから道路橋のほうは、神戸-鳴門で二千五百二十一億、児島-坂出というのが千八百三十二億、日比-高松というのが二千六百六十三億、宇野-高松というのが五千八百七十億、尾道-今治が二千二百三十二億、こういう発表をいたしておりますのが一番新しい数字でございます。
  57. 福家俊一

    ○福家委員 いま官房長官、当時の在任された建設大臣であるが、運輸大臣から御答弁があったことを確認されたと思います。  そこでお尋ねいたしたいのですが、この本土と四国架橋ということは、画期的な世界的大事業でございます。と同時に、国土総合開発の上から、これは重大な問題だと思います。企画庁長官もよくお聞き願いたい。そこで、日本の財政的な今日の立場から考えましても、明石-鳴門の場合は、道路橋だけで二千五百二十一億かかる。児島-坂出の場合は、鉄道と道路橋を併用いたしまして二千五百五十一億。小学生の算術をこの委員会でして、まことに恐縮でございますが、二千五百五十一億から二千五百二十億を引きますと、三十億残るということでございます。そうしますと、三十億の金で本土と四国に鉄道がつくという計算になるわけであります。私は、かかる大事業について、政治配慮があってはならぬ。今日、月の世界に人類が到達するというときに、何者も曲げ得ないものは科学技術であり、その調査の結果によって決定すべきである。そうしますと、本土と四国の世界的、画期的な――青函トンネルとこれは国土総合開発の最大の事業というべきもので、三十億で本土と四国に汽車が通れるということであるならば、党内切っての鋭敏な閣僚諸公でございますから、どちらにおきめになるかということは、これは国民的常識だと思うのでございますが、いかがですか。
  58. 保利茂

    保利国務大臣 福家さんの御意見はよく承りました。先ほど阿部さんや加藤さんに申し上げましたように、とにかく政府責任を負わなければ、また、持たなければならない、御納得のいく決定をいたすために慎重な扱いをしていきたい。したがって、閣僚協議会、閣議を経てきめていきたい。これは私の個人的な希望でございますが、そういう考えでおります。
  59. 原田憲

    原田国務大臣 いま官房長官のおっしゃったことに私は尽きておると思います。全国総合開発計画、これは菅野大臣からお答えがありますが、将来の日本というものは、どうあるべきかということから出発しておるので、百五十兆あるいは百六十兆というような国民生産があがるということを考え、それの基礎条件として、瀬戸内海には三つの橋があることによって、それが達成されてくるというのが構想のもとになっていると思いますので、私は、いまここで官房長官が言われましたように、三つの橋をかける構想があるということは、政府の出しておる構想の中にあるということを踏んまえながら慎重に考慮していきたい、このように考えております。
  60. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 いま両大臣が言われたとおりでありまして、私も同じ意見であります。ただ一つ福家委員のおことば、工費だけでこれは決定するわけにはいかない。経済的効果ということや、いろいろ各方面から観察して決定したいと思います。
  61. 福家俊一

    ○福家委員 私は、財政的見地だけをとらえてもと申し上げているのです。  ただ、一つ最後に、本土と四国の橋という問題は、二十一世紀の世代から考えて、政府は自信を持って三本ともつけるということをここで言明をしていただきたい。決して私ども関係のあるまん中の橋だけとは考えておりません。三本の橋に三本のトンネルもけっこうでありますから、そういう二十一世紀の前向きの感覚でひとつ御判断を願いたいということを特に強調いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
  62. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 経企庁長官、ちょっと一、二問。  今回、新国総を発表されましたね。その新国総を発表された関係におきまして、瀬戸内海に三本橋をかけるという計画発表されております。その中で、私はまず第一点としてお伺いいたしたいのは、この計画決定の中において、建設省運輸省とどの程度話し合いをされておるかということと、これが一点です。  それから第二点としましては、この新国総の中に、昭和六十年の段階におけるわが国のブロック別の数字が入っておりますね。その場合に、いわゆる延長型パターンと新しい開発型のパターンというものが、昭和六十年現在においてずいぶん数字が変わってきております。それは所得の面においても、人口の面においても、変わっておるように私は見るわけです。その場合に、三本の橋がかかって、どのように生産所得並びに人口移動について差異をいたしているという計算をしてあるか、この二点について承りたい、こう思うわけです。
  63. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 この新全総計画を確定するにつきましては、もちろん建設省運輸省とよく相談した上でつくったものであります。各省と相談の上で決定したというように御了承願いたいと思います。これは閣議決定になりましたからして、政府としてこれを決定したというように御了承願いたいと思います。  それから、いまのことにつきましては、第二の問題としては、ちょっと数字的な問題になりますから、政府委員から答弁いたさせます。
  64. 宮崎仁

    ○宮崎(仁)政府委員 ただいま御指摘の点でございますが、この計画第二部に、ブロック別の所得、人口の推定を出しておりますが、これは地域計量モデルというのを使いまして計数を出しておりますが、この外生変数として、つまり与件としてネットワークの整備によります時間距離の短縮を外生変数として見ております。その際に、ただいま御指摘のように、中国、四国におけるネットワークの整備、具体的には新幹線でございますが、そういうものとしていま織り込んである、こういうことでございます。
  65. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 大臣、私が尋ねたいほんとうの内容は、この新国総の決定されておる六三ページにいま局長の言われた数字があるわけです。その中でいわゆる予測(1)と予測(2)というのがある。その予測(1)の場合は趨勢延長型のパターンである、それから予測(2)は新開発方式型のパターンである、こういうことなんです。その趨勢延長型のパターンであるか、あるいは新開発方式のパターンであるか、ということによって非常に数字の開きがある。これはいままでわれわれが心配した過密、過疎の問題がそのまま進行するか、それとも新しい新国総計画というものが成功して、こういう形態になるかということになっておるわけです。  そこで、私はもう一歩突っ込んで承りますと、この中には瀬戸内海に三本の橋をかけるという前提があります。あるが、その中には鉄道併用というものが入っておるわけですが、あるいは併用橋の場合は在来線か、新幹線という数字までをこの中に入れておるのかどうか、この問題だけでけっこうです。御答弁願いたい、こう思うわけです。
  66. 宮崎仁

    ○宮崎(仁)政府委員 ただいまもお答え申しましたように、外生変数として時間距離の短縮を入れておりますが、この場合は新幹線できめるわけでございます。
  67. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 新幹線ですか、わかりました。
  68. 山下榮二

    ○山下(榮)委員 関連して企画庁長官にちょっと伺いたいと思うのです。  先ほど福家議員の質問に対する答弁の中に、この重大な四国本土架橋については、ただ単に架橋工費の大小を考慮するだけではない、やはり経済的効果も考慮しなければならぬ、こういう御答弁であったと思うのですが、先ほどからお話がございますように、これは世界的な大きな偉業である、こう考えるのであります。日本国土開発は、もとより経済開発あるいは産業開発、各面にわたる重大な問題であると私は思います。こういう重大な問題に対しましては、もちろん日本の将来の経済、日本の将来の産業等について、よほどお考え願っておかなければならぬ、こう考えておるのでありますが、企画庁長官のお考えをぜひ伺ってみたいと思うのです。   〔委員長退席、阿部(喜)委員長代理着席〕
  69. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 いまの御質問ですが、昭和六十年の日本の経済その他の問題がどうあるかということを前提として、この新全国総合開発計画というものをつくっております。これはあらゆる観点から、現時点のわれわれの英知で六十年にはどうあるかということを考えて、それで国際化の問題、あるいは科学技術の発展、あるいは情報の社会化というような問題、これによっていろいろ六十年までには世の中は変わってくると思いますが、それはわれわれの現時点の知恵で考えておるのであります。したがいまして、科学技術がわれわれの現在考えておる以上に発展すれば、それによってこの計画というものは、おのずから変わらざるを得ないという場合があり得ると思うのであります。だからして、現時点においてのわれわれの英知を集めて計画を立てて、昭和六十年の日本の経済はこうあるべきだ、各国土開発はこうあるべきだということでこの計画を立てた次第であります。
  70. 山下榮二

    ○山下(榮)委員 昭和六十年というような短期な考え方じゃなく、もっとやはり長期な展望の上に立って、ものごとを考えなければならぬのではないかと思うのであります。  と申し上げますのは、御承知のごとく最近は、農業にいたしましても何にいたしましても、非常な発展を遂げて、言いかえて申し上げますると、農業生産は大きな革命期を迎えておると思うのであります。こういうものの生産というものが、たとえば大阪、神戸というような大都市を控えております、いわゆる一千万以上二千万に近い大消費地というのを控えておる、これらとどう結びつけるか、こういうこともやはりこの架橋の問題と切り離して考えるわけにはいかぬのじゃないか、こう考えられるのであります。そういう問題等について、一体――これは農林大臣はおいででないようでありますが、企画庁長官として、それらの結びつきというものを、ただ単に昭和六十年だとか、あるいは五十年だとかということではなくして、日本国家将来の上に立って、一体われわれはこれにどう対処しなければならぬか、こういうことがきわめて重要ではなかろうか、こう思うのであります。いわゆる生産と消費との結びつきというものを、われわれは深く考慮の中に入れて行なわなければならぬ、かように考えますが、その点については、一体いかようにお考えになっていますか。
  71. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 いま山下委員の言われておるようにわれわれは考えておる次第でございます。  で、昭和六十年というと、これは短過ぎるというお話でありますが、私は、あるいは長過ぎはせぬかという考えを持っております。もういまは十年一昔ではなく、一年一昔であります。一年ごとに変わっております。昭和六十年にはどのように世の中が変わるかということを、あらゆる産業、われわれのその他の生活についてこれは検討いたしたのでございまして、その上で国土開発をどうすべきかということを検討した次第でございます。  で、それには三つの橋がぜひ必要だということを考えたわけであります。でありますからして、いまお話しのとおり、農業ということをとらえてお話がありましたが、農業ばかりじゃない、その他の産業においても非常な変化があるとわれわれ考えておりますから、したがって、それらのことをすべて勘案してこの計画を立てた次第であります。でありますからして、私は昭和六十年でも長過ぎるという、私自身はそういう感じがしておるのでありますが、しかし、できるだけ昭和六十年にどうあるかということをいろいろの観点から予想して、この案をきめておる次第であります。
  72. 山下榮二

    ○山下(榮)委員 関連質問でありますから、これで終わります。
  73. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 企画庁長官、それではどうぞ行ってください。  これから落ちついて質問さしていただこうと思いますが、私はちょうどいままでに、世界の長径間つり橋としてはベラザノ・ナラス、それからゴールデンゲート、それからジョージワシントン、これは全部アメリカでございますが、ポルトガルのサラザール、こういうものを調査視察さしていただく機会にめぐりあったわけでございます。  そのときの私の主として調査研究、あるいは勉強さしてもらいました内容というのは、いかにしてこの計画決定したか、その段階におけるところの工期工費というものはどういう調査でやったか、あるいは経済効果あるいは投資効果というものは、どういう考え方で臨んできたか、また、計画建設前に立った計画建設後に完成した計画とはどう違いがあったか、こういう問題等について勉強いたしたわけでございますが、率直に申し上げまして、ある国のごときは、ほとんど外国の技術におんぶして橋をつくっておる。また、ある橋は道路の単独橋である、ある橋は併用橋であって、今日ただいまなお鉄道分野の工事を続行しておった。また、ある国は世界一がたいへんに好きな国民であって――そういう問題もあるけれども、国民的なメンツという立場でこれをやり遂げておるとか、いろいろなそれぞれの事情等も底辺にあるのを勉強してきたわけでございますが、先ほど官房長官にも御質問申し上げましたように、工費工期、あるいは技術の難易度、あるいはまだ発表されておりませんが、経済調査、あるいはこれに経済効果をお含みになっておると思うわけでございますが、こういった問題、あるいは航行の安全という問題、いろいろな問題、多岐多方面にわたり、なお各省にわたって慎重なる調査と研究をされておるというのは、わが国における瀬戸内海架橋ではないか。しかも、それは政治的な問題、あるいは経済的な問題、あるいは過密、過疎の問題、総合開発の問題、わが国の北は北海道から南は九州までの均衡ある発展を期すという立場、いろいろの立場から非常に慎重に、しかも万々遺漏ないようにおやりになっている点については、諸外国に見た橋の調査研究と比較しまして、各関係者に対し非常に敬意を表するものでございます。りっぱだという一語に尽きるわけでございますが、それにいたしましても、先ほど官房長官に申し上げましたように、調査に数十億の金を投じ、十数年の歳月を要して今日ここまで来ておる、非常にりっぱだと、あらためてわが国の民主政治の制度の高さというものについて、そして、それをバックアップしていただきますところのお役人皆さま方の真摯なる態度、こういうものに敬意を表しておる次第でございます。  そこで私は、そういった諸外国の例等を見た立場から、ひとつ質問をさしていただきたい、こう思うわけでございまして、いま申し上げましたように、いままでいろいろ調査された内容というのは、先般、海上保安庁の調査経過の報告があった。あと残っておるのは、たびたび各委員会で言われております経済調査あるいは経済効果、こういうものが未発表である、このように私は思うわけでございますが、これをどこまで、いつ発表するかということにつきましては、いろいろ議論があるようでございますし、また、参議院の内閣委員会において、すでに相当議論もいたされておるようでございます。   〔阿部(喜)委員長代理退席、細田委員長代理着席〕 また、阿部委員が先ほどちょっとその問題についても触れられたわけでございますが、この経済調査というものをいつ発表するかという点につきまして、これは所管は道路局長さんですか、まず承りたいと思います。
  74. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 ただいま本州-四国の橋の問題についてのいろいろの調査を行なっておりまして、その中で経済調査を現在行なっております。これにつきましては、やはり経済調査から経済効果というものをあわせて、最終的な橋の問題をきめたいというふうに考えておりますので、橋をきめる時期に、そういうきめた一つのデータとして発表するのが妥当ではないかというように考えております。
  75. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 局長さん、そのとおり橋をきめるという御答弁がありました。先ほど建設大臣官房長官がお話しになったわけでございますが、橋のきめ方は、あとからひとつルート決定のしかたということで承りたいと思いますが、経済調査というものと経済効果というものを、あわせて発表されるわけでしょうか、それとも別々に発表されるわけでしょうか。
  76. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 経済調査といいますと、三ルート四国、中国、その周辺に及ぼす影響はどれだけあるということだと思います。また、経済効果といいますと、そういうものと建設費との関係はどうなっているかということだと思いますので、やはりそういうものは切り離せるものでございませんので、発表のときは同時ということになろうと思います。
  77. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 経済調査の内容につきまして、あるいは経済効果の内容につきましては、時間もだいぶ経過いたしておりますので、この問題についてそう深くお尋ねするのもどうかと思うわけですが、この経済調査の内容は、道路審議会あるいは鉄道審議会におはかりになるわけでしょうか、ならぬわけでしょうか。
  78. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 これは、いろいろこれから検討したいと思いますが、いろいろ橋の建設の方針をきめますときに、経済調査というのはこういう形でやります、これにはこういう前提が入っております、また、これが変われば、こういう点が動きますというような経済調査の実態は話すべきだというふうに考えております。
  79. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 そこで局長さん、これを発表しないということで、国会議員の間ではいろいろ議論されておるわけです。したほうがいいのか、しないほうがいいのか、ということ等もありますが、ほかの委員会における局長さんの御答弁で、発表していろいろなものがこの中に入ってきてはどうも困るというお答えが開陳されておりますので、私はこの問題については、発表しろとか、しないとか、そうやかましく申し上げませんが、経済調査段階において、過密と過疎の問題、これをどのように取り上げておられるかということだけを承って、この問題については質問をやめたい、こう思います。
  80. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 特に過密の政策としてこうする、過疎の政策としてこうするということではなくて、いままでの傾向を引き延ばしてくるというような前提で、いろいろ計算しておる次第でございます。
  81. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 そこで、私たちが代議士になって初めての国会以来、本衆議院において各委員会における質疑者、あるいは質疑事項、これを調べたわけでありますが、第五十五国会以来、本院において瀬戸内海架橋に対する質問は、予算委員会予算委員会の分科会、建設委員会、運輸委員会、これにおきまして、それぞれ延べ十六回にわたり、議員の数は延べ二十九人、政府の方針をただしているのであります。内容も項目別にあげてみますと、大体百十七項目にわたって政府にその方針をただしております。もちろん内容については、ずいぶんダブっておるところ等もあるわけでありますが、先ほどから出ておるように、ほんとうにこの瀬戸内海架橋に対しては、全国民あるいは中国、四国、近畿、あるいは九州の方々まで、非常に着目されておるわけでございます。  そこで、その質疑内容の項目をいろいろあげてみますと、第五十五国会以来、あとになるに従っていろいろ質問の内容は変化いたしております。最初は、ルート決定の基準とか、ルート決定の方式とか、方法はどうだとかいう問題から土木学会の答申に対する質問に移り、最近は、発表の時期はいつ、どういう方法でやるのか、あるいは併用橋か、単独橋か、あるいは事業主体はどうなるのか、あるいは、これに投入する資金はどういう方法で調達するのだというように、本年度になっての質問と昨年、一昨年とが、傾向がそれぞれ変わってきておる。それだけ作業が進捗してきておるのではないか、このように考えるわけでございます。  そこで先般来、阿部委員質問されました問題については私は触れないことにいたしたい、こう思うわけでございますが、ルート決定は、具体的に建設大臣は、八月一ぱいにやりたい、それは上旬であるとか、中旬であるか、下旬であるか、わからぬ、こういうお話でございましたが、このルート決定とは、具体的に一体どのようなものを考えられておるのであろうか。たとえばルートをこうするとか、あるいはタイプといいますか、スタイルといいますか、単独橋であるか、併用橋であるかという発表をするのか、あるいは着工順位事業主体というものを含めたところまでの発表をおやりになるのか、あるいは区分して、別々の時点でこれを発表されるのか、また、架橋方針と架橋方法というものを変えて発表されるのか。ルート決定といわれましても、こういう問題があると思うのでございますが、それについて具体的にどのようにお考えになっておられるでしょうか。
  82. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 実はこの本州と四国の橋につきましては、先ほどから御質問ございましたように、もう建設省でも三十四年から調査しております。技術的には、今後相当開発しなければならぬ技術も含んではおりますが、土木学会の答申にもあるように、可能だというようにこれを見ております。また、四国及び中国のためには、早く橋をかけることが必要だという考えで、私たちのいまやっております作業は、財源の問題も考え、いかにして早く着工できるか、早く橋をかけたいというような一つ建設の方針を打ち出すべきだというように考えております。その中でいろいろ鉄道の問題、航路の問題、そういうものをあわせて解決してまいりたいというように考えておりますので、大臣先ほど八月と言われましたので、私たちのいまの非常に急いだスケジュールかと思いますが、これに基づきましてその建設の基本的な方針、こういうものをきめていただければ着工も早くなる、早く橋がかかるということになるわけでございます。私たち事務当局としては、そういうものがきまることは非常に望ましいことだというふうに考えております。
  83. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 こういうことをきめてもらえば早く着工できる、早く橋がかかるとおっしゃったわけですが、そうしますと、非常に抽象的なルートとスタイルだけでなくて、もう少し突っ込んだ方法まで決定してもらいたい、こういうお気持ちでしょうか。
  84. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 これにつきましては、すでに土木学会の答申にもありますように、また、昨年出しました工費の問題にありますように、工費工期にいたしましても、一応の橋の設計は、概算でございますが、つくって、工費を出してあるわけであります。その中でいろいろ鉄道等の問題もございますが、その大綱さえきまれば、これはほんとうに工事にかかるのに二、三年という調査は必要でございますから、細部の設計はその間にできます。大綱がきまるということになれば、すぐわれわれとしては工事の本格的な調査にかれるというように考えております。
  85. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 そうしますと、大綱というのは、単独橋か併用橋かという大綱をきめてもらえばという意味でしょうか。
  86. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 そういうことでございます。
  87. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 わかりました。もちろん工費あるいは工期技術の難易度等、こういうものは、はっきり出ておるわけでございますし、先ほど経済調査あるいは経済効果の点については、ちょっと触れたわけでございますが、そこで道路局長にもう少しお伺いしますが、われわれは、いま局長答弁されました内容で、先ほど大臣から、なるべく事務段階において十分によくしぼって、閣僚協議会あるいは閣議で簡単にきめられるようにしてもらいたいんだというような意向が、阿部委員質問のときに出てきたわけでございますね。そうすると、建設省運輸省あるいは鉄建公団、国鉄というものと相当協議がされておる、こう判断してよろしいわけですか。
  88. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 現在いろいろ経済調査の問題その他の問題を含めまして、鉄建公団と打ち合わせをしておる次第でございます。
  89. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 私は、先ほど局長さんから答弁していただきました中で、早くかけて差しあげたいという気持ち、全く同感なんです。そうしますと、今度は、いよいよルート決定その他をおやりになった場合に、財源をどうするかという問題、そして事業主体をどうするかという問題、これは非常に急がなくてはならないんじゃないだろうか、大体、政府予算をつくる過程から見まして、おそくとも、概算要求を出す場合には、八月の中旬ころまでにはそういうものをきめてやらなくちゃいかぬのではないかと思います。  そうしますと、今度はもうルート決定の問題には触れずに、事業主体とか、こういうものにちょっと触れてみたいと思うわけですが、概算要求をしなくては、急いで本土と四国の間に橋がかからないということになると、概算要求に対するおおよその心がまえ、あるいは事業主体に対するおおよその心がまえというものは、もうされておるのでしょうか、どうでしょうか。
  90. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 概算要求に対する心がまえといいますと、これは概算要求までに建設の方針がきまれば、もちろんそれに基づいて概算要求するわけでございます。現在問題になっておりますどのルートにつきましても、やはり最初の一年は実施調査、ほんとうの設計を含む調査ということでごいざまして、そういう点を考えますと、やはりその調査費、どのルートになっても必要な調査費を計上しておけば、四十五年からの実施の調査には支障はないというふうに考えております。  また、施行主体につきましては、これは建設省だけできまる問題でございませんので、この辺も概算要求までに関係の各省とよく協議いたしまして、どういう形で概算要求のとき要求を出すかをきめたいというふうに考えております。
  91. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 そうしますと、施行主体、われわれがこの施行主体を常識で考えられますのは、建設省直轄の工事、日本道路公団がやる方法、鉄建公団がやる方法、あるいは国鉄当局自体がやる方法、大ざっぱにいって四つ考えられるわけです。しかし、それだけではいろいろな問題等があるのではないか。いまの局長さんの御答弁で、各省庁間で相談しておるということを承ったわけでございますが、その中に新しい法人というものを検討されておるかどうか。新しい事業主体、いま私が申し上げました四つの事業主体とは別の事業主体というものを検討されておるかどうか、その点はどうでしょうか。
  92. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 現在ある事業主体のほかに新しい事業主体、こういうことも一応検討の中に入れて、これからの各省との話し合いをきめてまいりたいと思います。
  93. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 新しい事業主体の場合には、建設省運輸省――もちろんこれは大蔵省とも相談されなければならないと思いますが、この問題につきましては、もう少しは話が進んでおるのでしょうか、どうでしょうか。
  94. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 現在、まだ各省間の事業主体についての話は、実際のところそう進んでおりません。これは早急に、八月の概算要求のときまでに、ある程度の考え方をまとめてまいりたいというふうに考えております。
  95. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 これは局長さん、先ほど御答弁になったように、本土-四国の間に橋をかけるというのは、国民的熱望であるということでございますので、この作業も急いでいただいたほうがいいのではないか、こう思うわけです。来年度、いま承りますと、設計調査ということで予算を組みたいということもございましたが、もし新しい法人をおつくりになるとするならば、次の国会において御提出を願って、やはり国民注視の的でこの問題は議論したほうがいい。そうすると、出す前の段階において相当練らなくちゃならないと思うので、なるべく早く作業をお進め願ってやったほうが、本土と四国の皆さん方が喜ぶのではないか、こう思いますので、特に要望いたしておきます。  その次に、これはどなたにお尋ねすればいいのか、よくわからぬのですが、鉄建公団あるいは国鉄当局かと思いますが、先ほど経済企画庁の皆さん方に御質問したときに、新国総の六三ページにあるところの数字というのは、瀬戸内海に架橋した場合、併用橋の場合、新幹線数字に入れて出した人口並びに生産、所得の数字であるということになっておるわけでございますが、先般の鉄道建設審議会において、こういうような決議がされておるようであります。山陽新幹線の博多までの間は、いわゆる線増工事として早期に建設することは妥当と認める。「山陽新幹線以外の新幹線網の整備は、国土の均衡ある発展と利用のための交通体系の整備という観点から判断すべきであり、次期通常国会に提出することを目途」とするというような鉄道建設審議会の決議があるやに聞いておるわけでございますが、この中に本州と四国とを結ぶ新幹線というものは、先ほど経済企画庁にお伺いいたしましたら、建設、運輸と十分相談の上、この新国総は決定したものである、しかもこの数字は、新幹線を基準にして出した数字である。こういう御答弁があったわけでありますが、本州と四国、あるいは九州における新幹線に対する構想というものはどのようにお持ちになっているか、承りたいと思います。
  96. 町田直

    ○町田政府委員 ただいま先生御指摘のように、去る五月三十日に閣議決定を見ましたいわゆる新全総におきましては、新幹線鉄道網につきまして第二部の「地方別総合開発の基本構想」の中に「中国四国地方開発の基本構想」として「本州、四国および九州を連絡する新幹線鉄道の建設を図る」、こういうことが書かれておるわけであります。運輸省といたしましては、新幹線綱の整備につきまして、これもただいま先生から御指摘のありました鉄道建設審議会の決議がございますので、この鉄道建設審議会をはじめといたしまして、関係方面の御意見を承って、今後の具体的な新幹線網の検討をいたしていきたいというふうに考えている次第でございます。  本四連絡橋との関連でございますが、現段階におきましては、いずれにいたしましても、鉄道、道路の併用橋計画するということが決定いたしました場合には、将来新幹線を通すことができるという構想併用橋考えていきたい、こういうふうに考えております。
  97. 細田吉藏

    ○細田委員長代理 関連して阿部喜元君の発言を許します。阿部喜元君。
  98. 阿部喜元

    阿部(喜)委員 いまこの橋の問題と、四国新幹線考えるか、考えないかということは、重大な問題だと思います。ここでいろいろ総合的に考えなくてはならないと思いますが、特にこの橋が浮かび上がっているだけに、四国新幹線というものをもう少し具体的にお考え願いたい。それで国鉄総裁、就任後初めて答弁をいただきますが、国鉄総裁の御所見をまずお伺いしたい。
  99. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 この問題は、確かに阿部先生のおっしゃいましたように、橋を併用橋にするかどうかという問題が一つと、その次に、四国新幹線をどうするかという問題、この二つに分かれると思います。  第一点の、併用橋にすべきかいなかについては、すでにこの委員会におきましても、私、また前総裁、いずれも併用橋にぜひしてほしいということを正式に申し上げた点がございます。  それからその後の四国新幹線につきましては、私どもこれはまだ――この間の鉄道建設審議会の決議にもございましたが、これからいろいろ全国新幹線網をお練りになるようでございますけれども、私ども交通系路的に考えました場合に、四国でおしまいというのは、ちょっとおかしいと思うのです。やはり、せっかく瀬戸内海を橋で渡りました場合には、それを東へ振るなり西へ振るなりということで、ことに九州の中南部との関連は考えなければいけない。と申しますことは、東海道新幹線ができてわずか五年でございますが、すでに第二東海道新幹線をつくらなければならないような話がぼつぼつ出てきております。また、数字もそういう数字になっております。したがって、山陽新幹線がことしから予算をお認め願ったわけでございますが、山陽新幹線ができても、それは大体北九州と京阪神、あるいは東京というふうなつながりに重点が置かれることになりますれば、結局、九州の中南部とのつながりというものは、距離から申しましても、むしろ四国を経由したほうが近いんじゃないかというふうなことも考えられる。これは、専門的にまだ経済効果検討したわけではございませんけれども、交通系絡から申しまして、ただ瀬戸内海の橋に鉄道を敷いて四国でどんということでは、これはいかにも交通系絡として成り立たないのじゃないかというふうに私は思いますので、将来、ことに西へ振るような案というものは、すでに公団篠原総裁土木学会長として、個人の意見でございますが、発表されたこともございますけれども、私も東海道新幹線の例にならいまして、第二山陽新幹線と申しますか、そういう形でもって考える必要が出てくる時期が来るであろうということで、今度の全国新幹線網の設定にあたりましては、私どもは、そういうふうな角度から議論をさせていただきたいというふうに思っております。
  100. 阿部喜元

    阿部(喜)委員 総裁のお考え、よくわかりましたが、要はこれを実行に移してもらいたい、こういうことなんです。  そこで、いま総裁答弁の中に出ましたが、専門家篠原総裁、青函トンネルは軌道に乗っておるということなんですが、九州-四国は青函の三分の一です。これは技術的にどういうふうにお考えになりますか、ひとつ簡単に御答弁願います。
  101. 篠原武司

    篠原参考人 九州と四国を結びますルートにつきましては、これはもちろんトンネルによらなければならないのでございますが、青函は海上が二十二キロございます。それから九州-四国の豊予海峡のところは十三キロばかりございまして、距離は短いということになっておりますが、海の深さが青函よりもちょっと深い。たいしたことはございません。それから地質からいいましても、青函よりは掘りやすいというような形になっておりますので、大体いけるんじゃないかという自信は持っております。
  102. 阿部喜元

    阿部(喜)委員 それでお二人の意見が出ましたが、要はこれをひとつ実行に移してもらいたい。  運輸大臣、いまお二人のお話を聞かれましてどう思われますか。
  103. 原田憲

    原田国務大臣 私は、以前にも新幹線の問題であなたにお答えしたことがある、それに尽きております。けっこうなことだと思っております。ただ新幹線について、四国だけでは経済効果がないということは、石田さんがあなたにお答えをされておる。いま総裁が同じことを答えておられる。私もそうじゃないか、このように思っております。
  104. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 あと質問者もつかえておるようでございますので、私はもうそろそろこれで結論を出したい、こう思うわけでございます。  それは一番最初に申し上げましたように、諸外国の長大橋を視察したときに感じたのですが、いろいろな要素が入ってその橋をつけておる。したがって、橋の名前等についても、いろいろその由来等について検討してみたことがあるわけです。ところが先般来、政府委員の各当局者は、国家的な大事業であるから、慎重に、公平に、科学的に、あらゆる方面から考慮をしてきめたい、こうおっしゃっておられます。私は、その中にはすべての問題が入ると思います。工費工期技術性の難易度、経済調査、あるいは経済効果、あるいはまたこれに対する航行安全、あらゆるものを含めて、しかも経企庁が発表されました新国総の一つ目標というものがあります。こういうところに向かって、端的に申し上げますと、変な政治的な配慮政治的な力や、国民から疑惑を招くような決定のしかたをしてもらいたくない。繰り返して申し上げますが、科学的に、また、慎重に、公平に(「厳正に」と呼ぶ者あり)、あらゆるものを考慮して決定していただきたい。しかもそれは、早く決定していただきたい。番外から厳正にということばがございましたが、この問題に厳正ということばをつけ加えてもいいと思います。厳正にやっていただきたい。これがこれからの日本を、いままで以上にますます発展さす重要なるポイントになると思うのです。いやしくも、いま申し上げました要素以外の要素によって、ルートあるいは決定順位、あるいはスタイル、いろいろなものを曲げるべきではないということを強くお願いする次第でございます。これに対して原田運輸大臣並びに道路局長さん、企画庁の宮崎局長さん、それぞれ御所見を承りたい、こう思います。
  105. 原田憲

    原田国務大臣 この答えは、先ほど官房長官がお答えになりましたことで尽きておると思うのであります。政府責任を持ってきめるという形でやりたいということを官房長官が申しておられます。これがきまるときには、世紀の大事業である。もちろん、いま建設大臣あるいは私どもがこの調査のほうの担当をいたして進めておりますけれども最後にきめるときには、政府責任を持つという形をとりたいということを発言されたわけであります。私ども政府は、いま加藤さんがおっしゃったことを体して行なう政府である、こういうふうに理解をしていただきたいのであります。  私はこの問題について、まだいままで一度も、大体いつごろ発表するということをこの委員会で申したことはないのでございまして、誤解のないように申し上げたいのは、官房長官がまだ聞いたことがないということでございましたが、視察の問題に関しましても、できるだけの案をまとめて、そして連絡すべきことは連絡する、こういうことで進まなければならぬと考えております。私は、非常に慎重なたちでございます。慎重なたちというものは、間違いのないようにする、こういうことでございますので、政府責任で間違いなく決定をしていきたい、このように考えます。
  106. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 ただいま先生の御指摘になりましたように、私、そういう点を考えまして、誠心誠意やっていきたいと思います。
  107. 宮崎仁

    ○宮崎(仁)政府委員 ただいま運輸大臣から御答弁のありましたように、そういう方向でやっていきたいと思います。
  108. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 それでは、あとがつかえておりますので、私の質問はこれで終わります。
  109. 細田吉藏

    ○細田委員長代理 井上泉君。
  110. 井上泉

    井上(泉)委員 本四架橋の問題については、これはいわゆる国家的な大事業として非常に重要なわけですが、昨年、建設省あるいは運輸省、それぞれ発表した四国連絡道路計画、このときに各大臣の談話で、船舶航行など、あらゆる観点から慎重に検討する、こういうことで、国土の総合開発の経済効果の面についてはまだ発表がない。国土の総合開発計画については、この間、企画庁が発表された中で推測される面があるわけですが、それから船舶航行については、海上保安庁の調査の結果が発表されて、安全調査報告書が出されておるわけですが、この保安庁の調査の結果に基づいて、鉄建、そしてまた建設省のほうでは、橋の架橋船舶航行に何ら支障がない、いわゆる明石ルート、児島ルート、いずれも船舶航行には支障がない、こういうふうな結論が出されたかどうか、そういうふうに支障がないと思われておるのかどうか、それぞれ建設、鉄建公団から御答弁願いたいと思います。
  111. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 ただいまの船舶航行の問題につきましては、いろいろ報告にもありますように、この橋が航路にどういう影響を及ぼすか、また、それを少なくするために、今後どうすべきかということが将来の問題になろうかと思います。橋をかけるにつきましては、やはり海上保安庁とも十分打ち合わせをいたしまして、潮流がなるべく変化のないような問題、また、航路の環境がよくなるような方法、こういうことを講じまして橋を架橋すれば、船舶航行には直接重大な支障はないというように私は考えております。
  112. 篠原武司

    篠原参考人 ただいまの件につきましては、蓑輪道路局長のお話がありましたとおりでございまして、そういうことで考えております。
  113. 井上泉

    井上(泉)委員 これは建設省のほうでも発表された。そうすると、設計とかいうようなものは、この船舶調査報告に基づいて支障のないような設計のしかたにやる、こういうふうに理解しておっていいですか。
  114. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 その海上保安庁の報告の中にありますように、橋脚潮流に及ぼす影響、こういうものについては、できるだけ少なくするために、今後海上保安庁とも協議いたしまして、その形及び施工の途中の問題、こういうものを解決してまいりたいというふうに考えます。
  115. 篠原武司

    篠原参考人 同様でございます。
  116. 井上泉

    井上(泉)委員 それでは保安庁のほうにお伺いしますが、いま予想されておるような本四架橋計画に基づく橋ができ上がった場合には、この調査の結果によっても、心配はないと想像されるのかどうか、その点について……。
  117. 河毛一郎

    河毛政府委員 この点につきましては、先ほどやや詳しくお答えしたわけでございますが、いずれにいたしましても、可航水域に橋がかかる場合には、調査報告にもございますが、船舶航行影響を与えることになることは間違いございません。したがいまして、そのようなことにつきましては、ただいま道路局長からもお話がございましたが、航行援助施設整備すること、また、その付近の特別の航行規制というものを制定し、これを実施すること等、報告書にございますような航行安全対策について、十分遺漏のないような措置をすることが必要である、こういうふうに考えます。
  118. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 関連して。海上保安庁長官、その個別調査の概要で、答申には架橋中のことはあまり書いてないですね。  まず第一は、架橋中の問題についての――これは少なくとも架橋というのは、先ほど来道路局長からも答弁され、また、阿部議員からもしたように、それぞれ実施期間が早いもので六年、おそいものは十数年かかるわけですね。その間の工事中の航行安全の問題、これはそう強く触れてないんじゃないか。これも非常に重大な問題で、しかも一カ月や三カ月で済むものではない、数年あるいは十数年かかる。この問題が一つありますが、この問題については、建設省から諮問があったのか、なかったのか、これが一つ。  それから架橋後の航行安全上の問題ということで、ただいま井上議員が相当突っ込まれましたが、ふくそう度が相当高くなる、こういう表現をされております。明石海峡においては「その輻輳度が高くなる。」、備讃瀬戸においては「輻輳度の変化はほとんどない。」こういう報告をされております。また、それ以外の橋脚周辺の潮流の変化とか「レーダ映像に与える影響」とか、いろいろな問題をあげ、それに対して、こういう点を注意してもらいたい。「航行安全対策上の問題点」こうありますが、その「輻輳度が高くなる。」、「輻輳度の変化はほとんどない。」という表現は二番目ですよ。これはどういうふうに解釈したらいいのか。工事中の問題と架橋が完成した場合の問題、この二点についてちょっと御質問いたします。
  119. 河毛一郎

    河毛政府委員 まず第一点の工事中の問題でございますが、これは御指摘のように、今回の安全上の調査、この件につきましては触れておりません。しかし、非常に重要な問題である。また、工事がどのような方向で行なわれるかということにも非常に関連のある問題でございますので、今後建設省とも緊密な連絡を保ちまして、この問題点の摘出及び対策については検討する必要があろうか、このように存じております。  それから第二の、ふくそう度の問題でございますが、これは調査報告の概要に詳しく書いておりますように、まず交通の実態調査を前提といたしまして、交通工学的な手法でこれを一つの試みとして行なったものでございます。そこで、これには交通工学というものは、たとえば自動車、船舶等の交通を流れとして把握する――海上ももちろんでございますが、それで交通の安全性と経済性を検討するということが目的でございまして、最近発達した学問の分野というふうに聞いております。その手法は、統計的な処理が中心になっております。したがいまして、統計的な基礎数字をどのようにつかむかということに、いろいろ作業を実施するにつきまして実は問題がございました。それからまた、資料にも制限がございました。特に橋がかかります場合には、先ほどからお話もございますように、遠い将来を見通すということはたいへん必要でございますが、この作業が現状においては非常にむずかしいということが一つございまして、現在の交通量というものを前提として、ふくそう度というものを算出したということでございます。  そこで、ふくそう度の程度でございますが、これは交通容量というものを、つまり、通り得る量というものに対して、現実に通る量が幾らであるかという比率の問題でございますが、その比率というものが、先ほど先生がお話しのございましたような程度であるということが調査報告されておる次第でございます。
  120. 井上泉

    井上(泉)委員 本四で併設橋というところで、新幹線構想、在来線の構想、それぞれあるわけですが、当然これは新幹線だけの併設橋というようなこともあり得ないだろうし、そしてまた、在来線の併設橋をかけないというようなこともあり得ないだろうし、そしてまた、一つの橋に新幹線と在来線と二つを走らすというようなことも、これまたできないことだと思うわけですが、その場合、やはり新幹線と在来線とで併設橋ということになりますならば、やはり明石-鳴門ルートあるいは児島-坂出ルートは、当然それぞれが併設橋として考えざるを得ないようになると思うが、それについて運輸大臣の見解を承っておきたいと思います。
  121. 原田憲

    原田国務大臣 新幹線の問題に関しましては、いわゆる審議会で今後どうするかということを諮問、あるいはまた建議の形でこれから具体化していく問題でございますから、この問題については、まだ今後の問題になろうかと思います。  在来線の問題につきましては、いまわれわれが、なぜ調査をしておるかということにかかってくるわけでございまして、四国と本土との間に鉄道が必要であるということから、この法律に従って調査を進めておるのでございまして、したがって、私が先ほど言いましたように、この橋ができましたときに、在来線、それから新幹線、二つがかかっておるということも、仮定でございましたら、これはそのようなことはあり得る、こういうふうに私は考えます。
  122. 井上泉

    井上(泉)委員 新全国総合開発計画による新幹線網というので、大阪から高松-高知への線、あるいは大阪から高松-松山-九州へ渡る線というふうなことがこの図で示されておるわけですが、こういう新幹線網というものは、新全国総合開発計画としては、当然あるべき姿だろうと思うわけでありますので、この橋をかけるということは、当然、何年間かかかるわけだし、全国総合開発計画を進めていく、あるいは新幹線網について新たに立法措置を講ずる、というようなことも出ておるわけですが、四国新幹線を入れるという前提というものがはっきりしていないと、併設橋をやる場合に、どの線に新幹線を入れ、どの線に在来線を入れるかという問題がしぼられてこないと思うわけです。これは経済企画庁の方にお尋ねしたいと思いますが、国土の総合開発の面で、当然、四国には新幹線を入れるべきであるという前提に立っての開発計画考えておられるのか、あるいは四国は必要なかろうというようなものがあるのかどうか、その点をひとつ承っておきたいと思います。
  123. 宮崎仁

    ○宮崎(仁)政府委員 ただいま御指摘の点は、新全総計画第二部の問題でございますが、この第二部の内容といたしましては、主要開発事業計画と主要開発事業構想の二つになっております。そこで、ただいま御指摘新幹線の問題は、構想というものに書いてありまして、この構想につきましては、この計画が昭和六十年度という、かなり将来を見越しての計画でございますので、この段階で具体的にこれを必ずやるということは、なかなかきめにくいものであっても、もしも今後の調査検討によって、そういう問題がきまったならば逐次実施していく、そういうものを具体的に書いていくことによって、計画の具体性をなるべく出したいという趣旨で、構想というものを設けてあるわけでございます。したがいまして、ただいまの御指摘新幹線については、いま現に議論になっておりますような、こういう調査検討を経て、そうして具体的に方針が決定されて、実施されるということでございまして、この構想に書かれておることが、この計画決定したということで、全部ができ上がるという趣旨では書いてないわけでございます。  そういうことでございますが、私どもは、もともと今度の計画の基本的な考え方といたしまして、国土全体を有効に利用するために、新しい高速通信のネットワークをつくるということに非常に力点を置いていることは、御承知のとおりであります。そういう観点から、新しい形での高速交通体系というものが、四国にとっても必要であるというふうに考えております。
  124. 井上泉

    井上(泉)委員 それでは結論的に言いますと、国土総合開発の面からでも、新幹線網を四国に入れるべきであるという結論には間違いないでしょう。簡単でけっこうであります。
  125. 宮崎仁

    ○宮崎(仁)政府委員 高速交通体系としては、ここに具体的に、航空網、高速道路、新幹線といろいろ書いてございますが、当然これは全部を併設する場合もあるでしょうし、部分的にやっていく場合もあると思います。いま申しましたように、新幹線について、その計画において、具体的に四国にこれを入れるべきであるということまで、はっきりしているわけではないということを申し上げておきます。
  126. 井上泉

    井上(泉)委員 国土の総合開発をする中で、四国という国土の重要な部面を考えて、これには新幹線を入れるべきだということが、国土総合開発計画の中で考えられぬということは、ちょっと頭がどうかしていやせぬかと思うが、もう一ぺん答えてください。
  127. 宮崎仁

    ○宮崎(仁)政府委員 いまの御答弁が舌足らずでございましたので、つけ加えて申し上げますが、構想として書いたものでございますから、こういう構想に従ってこの事業が行なわれていくということを、もちろんこの計画としては考えておるわけでございますけれども、具体的決定は、ただいま申しましたように、これからの調査検討等を経てきまっていく、こういう趣旨でございます。
  128. 細田吉藏

    ○細田委員長代理 関連して加藤君の発言を許します。加藤六月君。
  129. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 いまの答弁は、四国新幹線を乗り入れるか乗り入れないかという問題、だから私は、国総計画の六三ページをわざわざ広げて質問したわけでしょう。その場合に、昭和六十年を時点とするところの予測(1)と予測(2)とあるでしょう。その場合に、予測(1)の場合は趨勢延長型のパターンである、この場合においては、中国、四国圏というものの延長型のパターンでは人口が九百八十万、生産所得は八兆三千億、こういうようになっておるでしょう。それが新開発方式のパターンでは人口千百万、生産所得は十兆八千億であるという、非常に数字の開きができる、この数字はどういう形でやったのか。特にパターン(2)についてということを言うたら、新幹線計画を踏んまえた上の数字である、こういう答弁があったのじゃないか。そうしたら、本州から新幹線を乗り入れずに、四国だけで新幹線を走らせた数字ですか、これは。それをはっきりしてください。
  130. 宮崎仁

    ○宮崎(仁)政府委員 先ほど御説明いたしましたとおり、この第二部のブロック別フレームというところでは、新幹線を想定して、この数字がはじかれておるということでございます。しかし、このフレームというものの考え方は、それにも書いてございますように、いわゆるいろいろの外生変数を入れての一つの計算でございまして、こういうことが一応、いわば第二部の内容として考えられておるものの想定条件という形になるわけでありまして、こういう内容のもの、その内容にあるようなものを実施していくことによってこういう形になってくるという計算が出ておる、こういうふうに御理解願いたいと思います。
  131. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 いや、違いますよ、局長。簡単にいえば、私が最後に聞いたでしょう、四国だけに新幹線を走らせた数字か、本州から新幹線を入れて通して出した数字か、それを聞いているのですよ。
  132. 宮崎仁

    ○宮崎(仁)政府委員 ブロック別のフレームは、四国新幹線が入っていったということを前提にいたしまして、数字をはじき出しておるということでございます。
  133. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 それならいいです。
  134. 井上泉

    井上(泉)委員 国土開発の点で、当然、四国新幹線を入れるということを考えないような役人だったら、これは日本の役人じゃないです。それはひとつあなた……(発言する者あり)
  135. 細田吉藏

    ○細田委員長代理 御静粛に願います。
  136. 井上泉

    井上(泉)委員 そこで、鉄建公団の副総裁にお尋ねしたいと思いますが、確かにあなたは、工期工費発表のあったときに、併設橋にした場合には工費は一割五分程度の増になるくらいだ、こういうふうな話をされたように記憶するのですが、それについては間違いないのかどうか。また、間違いがありとするなれば、併設橋にした場合には、どれだけの工費増になるのか、その点ひとつ御説明願いたいと思います。
  137. 篠原武司

    篠原参考人 この前に発表いたしましたところによりますと、Aルートで橋梁部分だけでいいますと、併設橋にした場合と単独橋にした場合とでは一・三、つまり三割、それからBルートにつきましては、一割八分の増ということになっております。これは橋梁の部分だけでございます。
  138. 井上泉

    井上(泉)委員 そういうことになりますと、将来新幹線を入れるということは、これは当然予想されなくてはならないわけですが、そうなると、これは運輸大臣結論的に本四架橋の一本は道路橋ということできまっておるわけですが、そのあと児島-坂出明石-鳴門、この二つの橋が二割、三割の違いであるならば、これはやはり当然、併用橋として運輸当局としては促進をすべきだと思うが、その点について、再度運輸大臣の決意のほどを承りたいと思います。
  139. 原田憲

    原田国務大臣 私は、以前にもそういうように申し上げておりますが、新幹線ということになりますと、これは先ほども申しましたように、もう具体的に立法措置まで講ずるのだというふうに、鉄道建設審議会のほうでおっしゃっております。私はその中には、もう当然、新全総というもので構想というものが持たれておるのでありますから、具体的にどうしていくかという議論になってくると考えておりますから、当然のことであろうと考えておりますが、あまり私から出しゃばって発言することもどうかと思いますので、そのことは、先ほど言いましたように、そのようになるであろう、こう考えておる次第でございます。
  140. 井上泉

    井上(泉)委員 そのことは、決して出しゃばりにならずに、それはあなたの責任、そうしてまた、あなたが後世に残る政治家として、大いに勇気をふるってやっていただきたいと思うのです。  そこで経済企画庁に承りたいのですが、同じような国家資本を投資をする場合に、来年度からかりに橋をやるということになった場合に、この際、将来のことを見通すならば、この二つの路線については、二割、三割の違いでも、これはやはり併用橋で橋の構造は考えて進むべきである、こういうようにお考えになるのが私は当然だと思うわけですけれども、あらためて経済企画庁としての御見解を承っておきたいと思います。
  141. 宮崎仁

    ○宮崎(仁)政府委員 私どもの今度の計画のたてまえも、大体そういうような形で、特に公共投資のネットワークにつきましては、先行的に、計画的にやっていこうという趣旨で考えております。  ただ、いま御指摘の点で少し申し上げておきますと、要するに全国的にネッワークをつくるわけでございますから、かりに四国の、問題になっております架橋を同時にやっていくというような形になりました場合には、それによって資金的には、むしろどこかの計画が若干延期になる、いわば機会費用の喪失ということになりますが、そういうような比較検討の上で、この問題を判断する必要があるだろうと思います。
  142. 井上泉

    井上(泉)委員 それで建設省の道路局長にお尋ねしますが、あなたは建設省だから、道路橋をかけたらよいというお考えではないと思います、やはり日本の役人だから。そういう点で、国費を最大限に活用するという面において、これは、あなたらの意見というものが決定にたいへんな影響をするわけですが、やはりこれは、この二つの橋は併用橋でやるべきではないかというふうに考えておるのかどうか、その点ひとつ日本の役人としてお伺いします。
  143. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 こういう長いつり橋に道路をかけた場合に、併用橋にしたらいいじゃないか、その根拠の中には、つり橋というのは、やはり太いロープを渡しまして、トラスをつくるわけです。トラスをつくりますと、上が道路が通れば下のトラスがあいているのじゃないかということもありまして、鉄道を乗せるべきじゃないかという考えが最初出たわけでございます。これは、いろいろこれからの私たちの経済調査にも関係してくるのでございますが、いまの発表いたしました工期工費といいますのは、道路については六車線上に通す、それから併用橋につきましては、その下に鉄道を通すという形で、工期工費を出したわけであります。これからの問題といいますのは、道路が六車線でだいじょうぶなのか、国家百年の大きな橋でありますので、六車線で十分間に合うのか、それに伴って今度は道路を広げる、併用橋にするということになった場合に、どういう構造にするかということは、これからの技術的な問題としてあろうかと思いますが、われわれのいままでの経済調査について見ますと、やはり道路についての投資もふやし、鉄道についても投資をふやしていく、そのほうが四国の国民所得は伸びるというような結果になっております。
  144. 井上泉

    井上(泉)委員 私は局長の見解というものを、たいへんけっこうな見解だと思っております。  そこで、あなたは前に衆議院の建設委員会で、本四二本の並行工事も可能だというようなことを言われておるわけですが、このあなたの言う二本の並行工事というのは、三つのルートがある中で、どれとどれとが可能だというように言われたのか、その辺のことを承りたいと思います。
  145. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 これは、いまの技術の問題及び資金の問題があろうかと思いますが、やはり三本いま同時にやるには、資金的にも非常に困難でございましょうし、また、技術的に見て、いまの特殊な技術日本で初めての技術でございますので、そういう面でも困難性があろうかと思います。ただ、やはり資金的な問題、技術的な問題というのは、今後時間を経るにつれてポテンシャルが高くなってくると思いますので、そういう時期に二つが施工されるということは、可能じゃないかということで申し上げた次第でございます。
  146. 井上泉

    井上(泉)委員 どこのルートというのをさしたものじゃないですか。
  147. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 これは、三本のルートのどこをとりましても、相当長い橋、小さな橋、たくさんございます。そういう橋の量からいいますと、やはり相当な工事量になりますので、どのルートということで申し上げたわけではございません。
  148. 井上泉

    井上(泉)委員 そこでこの際、二つは併用橋ということが国家的な見地から見て当然だということは、みな大体の意見が一致をしておるわけです。その一本の今治-尾道のこのルートについて、これを国道に昇格をして、一般国道として改良を進めるというような意味で、国道の路線認定ということがこのときの建設委員会でやはり取り上げられておるのですが、もうずいぶん時期もたってきておる。このときのあなたの答弁から見ると、もうとうに路線の指定がなっていなくてはならないと思うのですが、一体いつごろ路線認定をされるおつもりであるか。
  149. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 国道昇格につきましては、全国的に百八十数本要望がございます。現在それを鋭意検討しておるわけでございます。(井上(泉)委員「わきのところは言わぬでいい。これ一本で」と呼ぶ)これにつきましては、その中の一本として、いま検討をしておりまして、国道昇格をするときには、全体の中で同時にやってまいりたい。こただけを一本取り上げるということじゃなくて、全体の国道昇格の中でこういうものの検討をして、取り上げるものなら取り上げるというように考えております。
  150. 井上泉

    井上(泉)委員 その取り上げるものなら取り上げるではなしに、取り上げておるのだから、百八十六線の中で約六十線を昇格させたいとあなたは考えておる、尾道-今治のルートの指定には、全国的な視野から慎重に検討したい、こういうなにですが、約六十路線を昇格させる中でも、この尾道-今治のルートというものは、順位をきめれば一番か二番になる、こういうように思うわけですが、有力な国道昇格の候補地であるのかどうか、その点。
  151. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 いろいろたくさんいま要望がございますけれども、その中の一本として、かなり有力なものだと思います。
  152. 井上泉

    井上(泉)委員 それで、これはまた、あなたにも関係するわけですが、香川県や岡山の国会議員さんが集まった瀬戸大橋架橋促進議員連盟、そのときに、鉄道併用橋建設の場合は、新たに特殊法人というのを設けることが必要だと考えておる、こういうことを言われたわけですが、私はそれは当然だと思うわけです。これは別に悪いと言っておるのではない。新聞に載っておったから、別にどうこうと言うわけじゃないのです。もう本四架橋といいますと、あなたの一挙一動、それから建設公団運輸大臣の一挙一動というものが非常に大きく影響しておるので、もうそろそろこれについての煮詰まった構想というものもありはしないかと思うのですが、単にこれはこういうものでやらにゃいかぬ、こういう見解で出されたものであるのか、あるいはもう鉄建公団と話し合って、本四架橋併用橋の問題については、ひとつ運輸省建設省両方で特殊法人をつくってやろうというような話を事務段階でされておるのかどうか、その点。
  153. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 いまの瀬戸大橋の会合という問題ですが、どうもああいう会合は、懇談会でございますので、私もつい気が楽になりまして、いろいろ思っておることを……。これはほんとうに私見でございます。もちろん、そういう構想は、私自身できめられる問題ではございませんので、そういう構想も含めまして、これから関係各省と折衝したいというふうに考えております。
  154. 井上泉

    井上(泉)委員 それでは、もう少しで終わりますが、運輸大臣の諮問機関である鉄道建設審議会が、新しい幹線網に立法ということで建議なされておるわけですが、これは鉄道建設審議会の建議を受けて、次の通常国会にはこれに要する立法措置をなされて、国会に提案をされる用意があるのかどうか、その点ひとつ運輸大臣に……。
  155. 原田憲

    原田国務大臣 これは立法措置をやるということには、もう井上さん専門家でありますから、おわかりのように、政府が提案をして御審議を願うか、議員が立法するか、この二つの方法があるわけでございます。この間の鉄道建設審議会では決議が行なわれておるのでございまして、これは国鉄のほうから、博多までの新幹線について従来のような線増計画拡張工事でやりたいということを、私のほうに申請を持ってこられたわけでございます。このことについて、私は就任をいたしまして過去のことを少し聞いてみますと、大阪と東京との間の新幹線ということについては、これは拡張ということでやったが、あとのことについては、鉄道審議会にはかるべきではなかったのかというような議論もあったということを聞きましたので、念を入れるために、ひとつ御意見をいただいたらということを会長にお願いをしましたところ、会長が招集をされまして、これは諮問でもなければ建議でもない、こういう話があるがどうだということをお尋ねになり、委員の皆さん方から、それは異論がないところだという決議をなさるとともに、今後の鉄道新幹線については、鉄道建設審議会で十分意見も戦わし、財源の問題についても、ということは、この前の審議会の際に田中幹事長が私見として述べられた、そういうような問題まで、小委員会新幹線については十分議論をしようじゃないか、こういうことを決議をされた。その中に立法措置まで含んでこういうことを言われたものと私は解釈をいたしておりまして、建議となってあらわれるのかどうかということまでは、まだそこまで具体的な決議をされたわけではあるまい、このように考えております。
  156. 井上泉

    井上(泉)委員 それは決議とか、建議とか――まあ決議をされて運輸大臣に建議をした、こういうことですが、このときのなにが全国新幹線鉄道網建設促進法案、仮称、こういうふうなものを政府で、あなたのほうで立法措置を検討しないといかないわけです。これは議員立法という手もあるのですけれども、やはりこういうばく大な国家資本を要する広大な国家の開発計画のことですから、政府としては、当然、立法措置を考えるべきだと思うわけです。そこで私は、こういう鉄道建設審議会から意見を出されたことを受けとめて、次の国会――といいましても、田中幹事長構想で、すぐ臨時国会でもやりますと、息つくひまがない。立法措置というものを運輸省としては受けとめてやる用意を進めておるのかどうかということをお尋ねしたわけですが、その点についてもう一度運輸大臣の御答弁を承って、私の本四架橋に対する質問を終わりたいと思います。
  157. 原田憲

    原田国務大臣 ただいまのお答えは十分でなかったようでございますが、要するに、この間の鉄道建設審議会では、審議会みずからの御決議があったということでございます。私どもは、鉄道建設審議会の御決議は十分承っておりますので、政府としても、それに対応して今後の国鉄の――この間審議していただいた再建策というものとの関連もございます基本計画というものをつくって、国鉄の再建計画をつくらせなければならないという問題とも関連をいたしておりますので、運輸省の最重点施策といたしまして、この問題はどうしてやっていくかということについて、いま鋭意検討を進めておる最中でございます。
  158. 井上泉

    井上(泉)委員 終わります。
  159. 細田吉藏

    ○細田委員長代理 神門至馬夫君
  160. 神門至馬夫

    ○神門委員 きょうは時間がえらいずれましたから、ひとつ要望程度にして、簡単に質問をして終わります。  実は過疎地域における交通政策、交通確保の問題についてでありますが、これは基本的な問題になりますので、相当時間を要しますから、次期の国政調査日にあらためて質問をいたします。  ただ一つ調査方について要望しておきたいと思いますのは、三月五日の運輸委員会におきまして、主として黒住局長からいろいろと過疎地域の交通政策、道交法の改正等についての答弁ももらっておりますが、これらに関連することとして、いま島根県の西部に独占的バス経営をやっております石見交通という会社があります。資本金は一億五百万円、従業員は七百二十人、もっぱらバス運送、バス事業であります。そこの路線を見ますと、全体で五十三路線、営業キロが一千三百七十八・七キロありますが、その五十三のうちで赤字が三十四路線あるわけです。いまここで交通争議が深刻化しております。特に長期の争議が続いておりましたが、六月の七日に島根県地労委の職権あっせんに入りまして、あっせん案を提示した。それに対して、労組のほうは受諾しましたが、会社のほうがこれを拒否しました。こういう情勢によって新たに紛争が拡大をする、拡大した場合には、会社のほうは会社を放棄するというようなことが、非常に深刻な問題として具体化しております。非常に緊急性がありますので、私たち社会党で調査団を編成して、現地に乗り込まなければならぬじゃないかというところまできておるわけなんです。  それで、きょうは一つ一つ質問はやめまして、運輸省、自治省、この両省の共同またはそれぞれ別々でもよろしゅうございますから、深刻な争議――争議というよりか、経営問題ですね、過疎化による経営困難、その経営困難を背景とする争議の深刻化、こういうような問題について、ひとつ十分調査をしておいてもらって、一週間後の調査日に質問をいたしますので、それに御回答願いたい、こういうふうに思うのです。きょうはそれをひとつ要望して、それぞれ各省から御答弁願って終わりたいと思います。
  161. 黒住忠行

    ○黒住政府委員 石見交通は三月から組合の要求書提出がございましたが、四月から本日に至るまで数回のストが行なわれまして、現在、労使の関係は未解決でございます。  石見交通の経営の状態につきましては、いま先生御指摘のように、相当悪い状況でございます。しかし、われわれといたしましては、地方交通といたしまして、バス路線は最後の公共交通機関でもありますし、利用者の足を確保するという重大な使命もあるわけでございます。したがいまして、実態等を十分調査いたしまして、御報告申し上げたいと思います。
  162. 亀谷礼次

    ○亀谷説明員 石見交通の経営困難の内容につきましては、運輸省として十分御調査いただけると思いますが、先生の御要求もございますので、関係の県ないし市町村のこれによるいろいろな影響等もあろうと思いますから、十分運輸省と相談をいたしまして、調査いたしたいと思います。
  163. 神門至馬夫

    ○神門委員 それでは、ことしの新たな予算上の措置がなされまして、その裏づけとしての自治体に対する助成、当該路線に対し県なり市町村が補助を出したものに対して、自治省のほうでまた財政的にこれを見るとか、あるいは予算案に出ました約七千万程度の積算あるいは試算の基礎になったようなところまでいかない、まだそこまで悪くないけれども、非常な危機状態、ボーダーラインにある、こういうような点について、たとえば自治省が行政上何らかの措置をしていく、こういうこと等も、この次までにひとついろいろ調べておいていただきたい。非常に広範にわたっておりますし、非常に深刻な問題で悩んでおります。そういう地域に限って財政力が弱いわけです。弱いところにそういう負担をまたかけるという悪循環が行なわれておりますので、そういう点等もあわせて、次の質問の時期に考え方を明確にしていただきたいと思います。  以上で終わります。      ――――◇―――――
  164. 細田吉藏

    ○細田委員長代理 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  すなわち、久保三郎君外十四名提出の自動車損害賠償保障法の一部を改正する法律案について参考人から意見を聴取することとし、参考人の人選、日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  165. 細田吉藏

    ○細田委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  次回は、委員長の指定により、来たる四日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十分散会