○河毛
政府委員 まず、内航海運における海難はどこで発生しておるかということでございますが、御承知のとおり、内航海運は小型の鋼船がただいま主力を占めております。これは大体、百トンから五百トンまでというところが典型的なものでございます。したがって、このグループのものにつきまして、四十三
年度の
状態を申し上げますと、三百二十隻海難を起こしております。全海難が二千五百隻でございますので、一三%ということでございます。
そこで、その海難がどこで起こっておるかということでございますが、ほとんど大部分が不定期船でございます。したがいまして、国内各港間を自由に動いておるわけでございますので、その場所も、港及びこれを含む沿岸三海里未満、きわめて岸に近いところで全体の八四%が起こっております。
それから、このような海難の原因が何であるかということでございますが、まず原因を種類別で見ますと、乗り上げという
事故が一番多くて百五十八、これは沿岸を回っておる点から当然だと思います。次に、機関が故障するというのが四十隻、一三%、これはやはり船の
整備の問題に関連があると思います。それから衝突が二十九隻、九%ということでございます。そのほか転覆というのがございますが、これが二十隻、六%、そういう
状況でございます。
それからもう
一つ、このようないろんな形態の海難がどうして起こるかということにつきましては、概括的に申し上げることには多少問題があると思いますが、あえて申し上げますと、やはり見張り不十分、操船不適切というような、そこに乗っておる人の運航上の過失あるいは錯覚というものが二百九で、六五%でございます。したがいまして、海難
防止対策というものを考えます場合に、やはり乗り組み員の運航技術の向上の指導を十分はからなければならないということ、及び
一般的に海難
防止に関する操船者の心がまえというものをやはり繰り返し繰り返し講習会その他により徹底していく。それからもう
一つは、海上の交通環境を
整備いたしまして、航路標識あるいは海図を
整備いたしまして、そのような過誤が起こりやすい
状態をなくしていくということが大切であろうと存じ、その努力をいたしておる次第でございます。
それからその次に、海難によりまして、人命及び積み荷に関して損害が起こるわけでございますが、まず第一に積み荷
関係でございます。積み荷
関係の不良によりまして、どれくらいの海難が起こっておるかという点でございますが、これは案外少のうございまして、全体で十六隻、五%
程度でございます。
それからその次の人命の損失ということは、当然これに伴うわけでございますが、
先ほどお話のございましたのはごく特殊な船でございますので、
あとから申し上げることといたしまして、人命救助につきましては、
海上保安庁としては全組織をあげてこれに対処していく、また、そのために特に小型船艇の
整備が
心要でございますので、特に本
年度以降、小型船艇の
整備に努力いたしておる、こういうことでございます。
それから先ほどちょっとお話のございました潮干狩りの船でございますが、あの
関係は、実は先ほどの久保
先生の御
質問のときのモーターボートと非常によく似たようなケースでございまして、私がいま承知しております限りにおきましては、これを取り締まるはっきりした根拠というものがないということでございますので、あの種の
事故が今後非常に起こる可能性があるということであるならば、それ相当の
対策というものを今後研究していく必要があるのではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。