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1969-06-10 第61回国会 衆議院 運輸委員会 第30号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十四年六月十日(火曜日)     午前十時十四分開議  出席委員    委員長代理 理事 徳安 實藏君    理事 阿部 喜元君 理事 大竹 太郎君    理事 古川 丈吉君 理事 細田 吉藏君    理事 小川 三男君 理事 野間千代三君    理事 山下 榮二君       加藤 六月君    金子 岩三君       川野 芳滿君    木部 佳昭君       四宮 久吉君    中川 一郎君       西村 英一君    箕輪  登君       井上  泉君    板川 正吾君       久保 三郎君    渡辺 芳男君       沖本 泰幸君    松本 忠助君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 原田  憲君  出席政府委員         内閣総理大臣官         房陸上交通安全         調査室長    宮崎 清文君         運輸省自動車局         長       黒住 忠行君  委員外出席者         警察庁交通局交         通指導課長   竹岡 勝美君         通商産業省重工         業局自動車課長 田中 芳秋君         運輸省自動車局         整備部長    堀山  健君         専  門  員 小西 眞一君     ————————————— 六月十日  委員井村重雄辞任につき、その補欠として箕  輪登君が議長指名委員に選任された。 同日  委員箕輪登辞任につき、その補欠として井村  重雄君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  道路運送車両法の一部を改正する法律案内閣  提出第八七号)      ————◇—————
  2. 徳安實藏

    徳安委員長代理 これより会議を開きます。  本日は、砂原委員長所用のため出席ができませんので、その指名により、私が委員長の職務を代行いたします。  道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がございますので、順次これを許します。山下榮二君。
  3. 山下榮二

    山下(榮)委員 道路運送車両法の一部を改正する法律案について過般質問はいたしたのでございますが、御承知ごとく、どうもうしろががやがやとやかましくて、実は大臣答弁もすっかり聞き取ることができぬような実情でございまして、きょうあらためて実はお伺いをいたしたい、かように考えておる次第でございます。  道路運送法と多少関係があるかと思うのでありますが、それを先にお伺いをさせていただきたい、こう思っておるのであります。  けさ新聞を見ましても、また、過般の委員会の当日の新聞を見ましても、日産とトヨタのコロナ、あるいはブルーバード製造工程というたらいいのですか、あるいは安全装置というたらいいのですか、こういうことに大きなミスがある、こういうことで非常な社会的な大きな問題を提起していることは、皆さん御承知だと思うのであります。これに対しまして、過般私は伺おうかと思っておったのですが、これは法律案とは多少縁が遠いんじゃなかろうかというようなことも考えて、遠慮をいたしておったのであります。しかし、自動車運送法というものとはきわめて深い関係もあるようでございますから、この点について、一応大臣にお伺いをいたしておきたいと思うのであります。  けさ新聞を拝見いたしますと、日本経済新聞によりますと、これの原因、これの究明あるいはこれの責任というもの等については、私は通産大臣所管ではなかろうかということを考えておったところが、通産大臣は、これは運輸大臣所管に属することで、自分関係ではない、こういうような談話もされておるようであります。自動車製造というものについて、あるいは販売に至るまで一貫したものについては、一体どこが一番責任の重い立場にあり、行政的指導をする立場にあるものであるか、この点について、ひとつ原田運輸大臣の見解を伺っておきたいと思うのであります。
  4. 原田憲

    原田国務大臣 輸出車国内車関係がございますので、いまあなたがおっしゃっておる輸出車の問題につきましては、通産省がその製品について責任を持っておる。国内におきましては、運輸省責任を持って対処しておるということでありまして、このことに対しまして、法律的、事務的な問題がございますから、政府委員から答弁をいたさせます。
  5. 山下榮二

    山下(榮)委員 要領を得ない答弁だと思うのですが、それではもう一つ伺いますけれども、この両自動車のいわゆる安全装置上のミスというものは、一体どこにそのポイントがあるのですか、何か運輸省ではお調べになっているでしょうか。
  6. 黒住忠行

    黒住政府委員 この自動車はダットサンのブルーバード、それからトヨペットコロナでございまして、前者につきましては、四十二年の九月から四十三年の十一月までに生産されたものでございます。あとコロナにつきましては、三十九年九月から四十三年の八月までに生産されたものでございますが、その中でアメリカ向け輸出されておるものが相当ございます。で、アメリカ向け輸出のものにつきましては、直接運輸省責任は持っておりませんが、同じ車が国内におきましても販売をされておるわけでございまして、輸出のものと国内販売のものには、同じような個所におきまして不良個所があったわけでございます。国内向けのものにつきましては、車両検査制度がございますが、新しく車種が出ます場合には、型式指定ということでやっておりまして、これは運輸省が所掌しておるわけでございます。そういう意味におきまして、国内車に対する保安の面は運輸省責任を持っておるわけでございまして、ブルーバードにつきましては、気化器のネジのゆるみがあった。それからコロナにつきましては、ブレーキ管腐食があるということで、これを改善するということでございます。  生産に関しますところの指導監督生産行政は、自動車につきましては通産省指導しておりまして、保安上の問題につきましては、運輸省道路運送車両法という法律によりまして指導監督をしておるようなわけでございます。
  7. 山下榮二

    山下(榮)委員 それではさらに伺いますが、自動車製造、いわゆる完成品となって販売ルートに乗るまでの間に、車両検査というものは一体どこがおやりになっておるのでしょうか。これには運輸省あるいは通産省、こういうものは全然タッチしていないのですか、ただ業者にまかせきりのものでございましょうか、その辺……。
  8. 黒住忠行

    黒住政府委員 自動車を動かしますためには、車両検査を行なうのが原則でございますけれども、多量に生産をされます場合におきまして、たとえば普通自動車、大型特殊のうち乗車定員十一人以上のものにつきましては、五両以上一度に同じ型式製造される、その他のものは十両、小型の自動車につきましては、四輪以上のものにありましては十両、そのほかのものにつきましては二十両、そういう一つのタイプのものがまとまって製造されます場合におきましては、事前に型式といたしまして指定を受ければ、同型車は第一回の車両検査を受けなくても、車両検査証を受けられるという制度になっております。この制度は、自動車型式指定規則という省令に詳しく規定をされておりまして、その型式につきましては運輸省が図面を精査し、そしてまた、その中の試作車につきましては、内容も詳しく調べまして指定をしているわけでございます。その指定によりまして、会社のほうでは、新車工場を出ます場合には完成検査を厳格にやっております。  それから、それ以外の型式指定にならない車につきましては、一車ずつ車両検査を受ける。この車両検査運輸省が管轄いたしますところの、各地にあります陸運事務所検査するというふうな制度になっておりますので、いずれにいたしましても、自動車が世の中に出ます場合においては、いま申し上げますような方、法によって運輸省のチェックを受けて、安全が確保されて使用されるというかっこうになっておる次第でございます。
  9. 山下榮二

    山下(榮)委員 そうしますと、自動車が完成いたしまして販売ルートに乗る場合には、運輸省あるいは通産省検査済みの証紙か何か、証明というのですか、そういうものの処置があるのですか。ただ検査をしている、こういうことだけでしょうか。というのは、今度の車両法の一部改正等によりますと、御承知ごとく、普通乗用車は二カ年間、一般トラックその他の軽自動車等は一カ年間で車両検査を受けて、それにパスしなければ今度は車を動かすことはできない。しかも、その車両検査等については、従来、陸運事務所陸運事務局というものが全部タッチしていたのを、今度は整備工場にゆだねよう、こういうことになっておる。新しくつくるものにもつと重点を置くのが当然ではなかろうかと私は思うのですが、その辺については、一体どういうふうにお考えになっておるのでしょうか。
  10. 黒住忠行

    黒住政府委員 いま先生の御指摘のものは、民間整備工場の活用は継続検査でございまして、第一回の検査ではなくして、たとえば乗用車でございますと、二年間継続した後に受けます、それからそのほかのトラック等につきましては、一年後に受けるわけでございまして、その継続検査を国がやる場合もありますし、民間車検を活用いたしまして、能率的にやろうというわけでございます。  それからもう一つ新車が出ます場合におきましては、型式指定制度というものが、現在ではおおむね原則的に行なわれているわけでございまして、型式指定を受けましたメーカーは、先ほど申し上げましたように、完成検査をやりまして、完成検査終了証というものを交付いたします。それを持ちましてディラー陸運事務所に参りますと、その陸運事務所は、その型式であるということを完成検査が終了したということを見まして、検査証をその新車に対しまして渡す、その検査証は、乗用車ならば二カ年の有効期間を付したものを渡す、そういうやり方をやっておる次第でございます。
  11. 山下榮二

    山下(榮)委員 その検査証はどこが出すのですか、その検査証というものはどこでつくっておるのですか。
  12. 黒住忠行

    黒住政府委員 メーカー完成検査をいたします。それで完成検査を終了したという証拠書類陸運事務所に持ってまいりますと、陸運事務所車両検査証を渡すわけです。車両検査証を携行しなければ自動車を動かせないわけでございまして、その車両検査証には、二年間の有効期間を付してこれを自動車使用者に渡す、自動車使用者は、それを持ちまして自動車を運転することができる、そういうことになるわけでございまして、前のものは完成検査終了証でございます。あとで渡すものは車両検査証でございます。
  13. 山下榮二

    山下(榮)委員 完成いたしました完成検査終了証というのですか、それは陸運事務所メーカーに一まとめにして渡すのですか。一つ一つ自動車を試験をして、そうして渡す、こういうことになっておるのですか。
  14. 黒住忠行

    黒住政府委員 この完成検査終了証メーカーが出すわけです。そのメーカーは、自分でつくります新しい車につきましては、すでに運輸省から型式指定を受けております。全体としては一応合格であるけれども、個々の、一車一軍の車について完成検査というものをメーカーがやるわけでございます。それでメーカーがその完成検査終了証を発行いたします。メーカーが発行いたしますが、それをもらったものを陸運事務所に持ってくれば、陸運事務所はそれを見まして、車両検査証自動車使用者——大体この場合はディラーがかわってやっておりますけれども、自動車使用者車両検査証を渡す。したがいまして、完成検査証メーカーが発行するのでございます。
  15. 山下榮二

    山下(榮)委員 それでは、そこで大臣伺いたいのですが、いま明確になりましたように、車両完成検査証メーカーが渡す、メーカーが車に張る、こういうことになりまして、行政的指導監督の任にある運輸省あるいは通産省はタッチしていないということがわかってきたのでありますが、そういうような結果であるから、今回のような事態が起きたのではなかろうかと思います。企業というものは、やはり利益をあげなければならぬ、こういうことになってまいりますから、たいして故障がない程度で事を済ましておるという結果におちいったのではないかということをおそれるのであります。  それと、もう一つ申し上げてみたいと思うのは、日本自動車工業は、西ドイツを抜いて世界の第二位、アメリカの次に自動車生産高が上がっておることは、御承知のとおりだと思うのであります。どういうことでこういう結果になったかと申し上げますると、これは池田内閣以来、自民党内閣高度成長経済政策に乗ってまいったことが大きな原因であろう、こう思うのであります。ひとつ言いかえて申しますと、高度成長経済政策のひずみというのですか、その悪いところがあらわれてきた、こういうことにほかならぬのじゃなかろうか、こう思うのでありますが、こういうことに対して運輸大臣は今後どう是正したらいいか、一体どういうふうに行政指導を行なっていくべきであるかということに対して、いかようにお考えになっておりましょうか。
  16. 原田憲

    原田国務大臣 金曜日の委員会におきまして、板川沖本委員に対しまして、私はいま山下さんのお尋ねの点につきましてはお答えをいたしたところでございますが、重要な問題でございますから、重ねてお答えをいたします。  この自動車制度というものは、アメリカにおいては日本のような制度をやってない。すなわち、業者自体が欠点があればそれを公表する、こういうことをやっておる。日本では、検査制度の中できめて、それで何年に一ぺんというように検査をして、そして安全な車が走っておるということで安全を保とう、こういうことをやっておるのが現状であります。したがって、私は日本業者それ自体が悪い車をつくって、売れたらよいというような、そんな企業であるとは思っておりません。そんな企業であったならば、世界の、あなたが言われたようなドイツを抜いてアメリカに次ぐというようなことにはなり得ない。やはりよいものを一生懸命つくっておるということは間違いがないけれども、人間のいたすところでありますから、少々それになれて、そして今度の事件でも、向こうで塩をまいておるということから、さびたやつを調べたというようなことを聞いていますけれども——こちらでみずから発見したのだということを言っておりますけれども、アメリカでやることを何で日本国内でやれないのだ、そこに私は問題があると思って、局長を通じて業者の方方に通達して、今後はアメリカをすら凌駕しようという産業であるなら、より一そう安全に力を入れ、これから自動車に要求されることは、スピードもさることながら、まず安全、それから公害を出さない、こういうことが今後自動車に課された世界的な使命ではなかろうか、私はこのように考えますから、このことに対して、私の依命通達によって業界方々に来てもらって、局長から通達を出し、業者行政指導をいたしておるのでございまして、日本企業方々は、おそらくこの行政指導に従ってやってもらえる、これは通産大臣にも連絡しておきましたから、通産省もそのように指導されるでありましょうから、私はそのようになっていくものと固く信じておりますし、より一そう厳重に指導監督をいたしていきたい、このように考えております。
  17. 山下榮二

    山下(榮)委員 いま大臣のおっしゃったように、諸外国では、一年ごとに、あるいは二年ごと車体検査をしているところは少ないようでございます。それも私は存じ上げております。しかし、最近の日本自動車事故等から考えまして、諸外国がやっていないからやらぬでもいい、こういう姿のものじゃない、こう考えておるのであります。ことに、数多くつくる自動車の中で二台か三台、何かの間違いがあった、こういうことなら、私は、いま大臣のおっしゃるとおり考えたらいいと思うのですけれども、今度のこの二つ自動車——新聞伺いますと、相当数の、何千台かの車を回収するとかなんとか書いてあるようでございますが、当局でお調べになったこの二つ自動車ミスだといわれるものは、一体何万台と推定されているのですか、それを一体どう回収するような方法指導されるのですか、その辺のことを伺いたいと思います。
  18. 黒住忠行

    黒住政府委員 日産ブルーバードの、先ほど申し上げました製造時期にかかわるものは約十万台でございます。これにつきましては、不良個所気化器のねじのゆるみでございます。それの対策といたしましては、ゆるみの点検及びゆるみのあったものについては、点検締め直しをするということが対策でございます。  それからトヨペットコロナの先ほど申し上げました生産時期にかかわるものの車両数は、合計約五十六万四千台でございまして、これの不良個所ブレーキ管腐食でございまして、対策といたしましては、ブレーキパイプ交換をするということでございます。
  19. 山下榮二

    山下(榮)委員 いまお聞きしただけでも、なかなかたいへんな自動車の台数だと思うのであります。先ほどの大臣ことばじりを私はつかまえるわけじゃございませんけれども、六月六日の新聞を見ますと、運輸省は、法令上あるいは規則その他に対して一つの盲点がある、これをチェックして改善しなければならぬ、こういう記事が出ておるのであります。それにしてもなかなか人手不足で、万全を期することはとうてい困難だ、こう書かれて、運輸省検査機能を強化しなければならぬ、こう書いてあるのですが、この検査機能を強化するということは、新車に対しましては、先ほどおっしゃったとおり、いわゆる定期的に、一年、二年ごと検査する、その機能を強化しようというのでありますか、一体どこを強化しようとおっしゃっておるのであるか、ちょっと伺いたい。
  20. 黒住忠行

    黒住政府委員 車検等の強化は、車両検査を厳格にやりますために、かつ能率的にやりますために、車両検査施設機械等を充実する、そしてまた、優秀なる検査官を養成していくということであったと思います。また、ふだんの整備指導ということで、自動車使用者がふだんから十分整備をしていくという指導の面もあるかと思います。  それから車両検査につきましては、国としても一生懸命やりますけれども、膨大なる自動車に対応いたしまして、能率的に便利にやりますためには、車両民間車検を活用いたしまして、国と相まって十分なサービスをしていく、そうしてまた、車検登録につきまして膨大なる事務員を能率的、機械的に処理いたすために、今回法律で御提案申し上げておりますようなコンピューターシステムを導入いたしまして、それを実施していくというふうに、施設と要員の面を充実するということが役所側体制であろうかと思います。  それから整備関係で、自動車使用者が常に整備をしていくように指導監督する。それでまた、役所のあれをさらにカバーいたしますために、整備工場監督を厳にすると同時に、その能力を活用していくというふうな面に、総合的に充実していくということであると考えております。
  21. 山下榮二

    山下(榮)委員 わかったようでわからぬような話でありますけれども、いまの制度でいきますと、軽自動車に対しましては、いわゆる検査というものがないようでございますが、最近のオート二輸車、三輸車等については、相当性能の強い車が多いようでございます。しかもオートバイ等においては相当事故数も多い、こう思っておるのですが、それらに対して検査制度がないというのは、一体どういう理由によるのでしょうか、ちょっとお伺いいたします。
  22. 黒住忠行

    黒住政府委員 検査は、車両欠陥によりますところの事故を防ぐものでございまして、軽自動車によりますところの運転不良等事故は相当あるわけでございますが、車両欠陥の起きます事故につきましては一般の車より少ない、すなわち、一般の車におきましては、一万台当たり四十二年には二・四件の車両欠陥事故がございましたが、軽自動車の場合におきましては、一万台当たり四十二年には一・二件でございます。全体の数は三百八十件でございまして、事故はありますけれども、一般の車よりも少ないということでございます。したがいまして、現在は車両検査によらないで、構造装置についての安全規制、それから新車型式認定使用中の定期点検整備工場認証制度、あるいは軽自動車整備士技能検定等安全措置によって対処しているわけでございますが、今後この軽自動車も、車両欠陥事故の推移を見まして、将来といたしましては、検査制度を検討をしなければならぬではないか。現在におきましては、ただいま申し上げました処置によって安全を確保できるものと考えております。
  23. 山下榮二

    山下(榮)委員 将来は何か考えなければならぬ、こうおっしゃったのですが、そこで私は、時間がないと事務局からも言うてまいっておるようでございますが、大臣に伺ってみたいと思うのです。  自動車工業がこれだけ発達をしてまいり、あるいは自動車需要がこれほど拡大してまいる、こういう結果になってまいりますと、こういう今度の欠陥等から想像いたしまして、自動車に対する製造完成に対しての監査監督を厳重にする方法について、何かお考えはないものであろうかと思うのであります。役所でできないというのでありますならば、これは、きのう、おととい、会合もされておるようでありますが、日本自動車工業会というものがあるようでございます。日本自動車工業会というものは、御承知のとおり、各自動車メーカーが集まって会をつくっておるのであろう、こう想像するのであります。略称自工会、こう書いてあります。自動車工業会の中に、あるいは法人組織でもいい、任意ではなくて権威のある協会をつくらしめて、そこに技術陣を集めて、各会社のでき上がった自動車検査する。そして、この自動車工業会検査にパスしたものでなければ販売はできない、こういうふうに、何かもう少し規律を正すということが将来必要ではないか。役所でできないというのであれば、自動車工業会みずからがそういう体制を整えていく、また、政府あるいは運輸省はそういうふうに指導し、そういうふうに行なわしめられるのが、今後の日本自動車工業発達自動車需要等から考えて必要ではないか、私はこういうことも考えるのですが、一体そういうことに対して何らかのお考えがあるでしょうか、大臣伺いたいと思います。
  24. 原田憲

    原田国務大臣 先ほども申し上げましたが、行政指導監督を十分にやることによって目的を達成する、私はこういう方向で進みたいと思っております。したがいまして、今次のことに対しましても、おっしゃいました自動車工業会代表者も呼んで、このことを通達いたしておりますから、自動車工業会におかれても十分に業界の中で検討されて、再び事故を起こさないような体制というものをおとりになる。そしてその旨は、私どものほうに申し入れしてこられる、このように考えておりますので、もしそういうことにならないということでありますならば、また考えなければならぬと思っておりますが、先ほど言いましたように、自動車産業というものの重要性を認識されておる方々でありますから、おそらく十分そのような体制をおとりになる、このように私は考えております。
  25. 山下榮二

    山下(榮)委員 せっかくの大臣のおことばでございますけれども、将来を見通した場合、いま大臣のおっしゃるような、ただ単なる行政指導だけでは事が足り得ない、その結果が今日のような結果があらわれてきておる、こう思うのであります。  自動車構造等についても、私はいろいろ伺ってみたいことがあるのですけれども、時間がない時間がないばかり言われますから、多くを申し上げませんが、今度の自動車構造に関しましても、相当改良すべき余地があるのではないかと思います。たとえばバンパー一つ考えてみましても、このバンパーがどういう役割りを果たしておるか、どういう役割りを果たさなければならぬか、こういうことについても、行政的な面からももっとお考えをいただかなければならぬのではないか、こういうことも考えております。自動車自体構造改善というものが、今後きわめて重要な課題になってまいるのじゃなかろうか、こう考えておるのであります。このことは、運輸省に申し上げることは少し酷であろう、本来なら通産省においでをいただいて、通産省のお考えのほどを伺いたいのでございますけれども、いずれ適当な機会を得て、私は通産省に対して、自動車産業がここまで発達をしてまいりますと、今後の自動車構造に対する改善改革の方法をいかようにお考えになっておるか、その辺のことも伺いたい、こう思っておるのですが、運輸省自体としていまお考えになっておるところで、いまの自動車は万全を期したものである、こうお考えになっておるのでありますか、それとも外回りのバンパーあるいはライト、中の構造、エンジンもある、その他の点について、もっとかように改造しなければ将来にわたって悔いを残す問題がある、こういうふうに指摘されるような何か改善の方法をお考えになっておるか、その辺のことだけをちょっと伺って、質問を終わりたいと思います。
  26. 原田憲

    原田国務大臣 冒頭に申し上げましたように、自動車産業に対して重要なことは、公害防止、安全確保、これが非常に重要な問題である、私はこういうように認識をしておりますので、業者まかせというわけにいきませんから、このたびも私から指示をいたしまして、局長をして通達を出し、業界方々に来てもらって、今後これらに対する対応策というものを出しなさいということをお願いをいたしておるのであります。したがって、決して野放しにはしておらないということを御了解を賜わりたいと思うのであります。先般も、いわゆる放出ガスの問題につきまして、私はこれを改善するための措置をとったのでありますが、今後もつとめてこれらの措置をとっていきたいと思っております。わが運輸省の中にも技術研究所がございます。そこにおきまして、公害あるいは安全確保のための研究も一生懸命つとめておりますが、何しろ自動車というものは高度アッセンブルといいますか、非常にたくさんの部品を集めて、高高度の一つの製品をつくり上げるという産業でありますから、思いつきではいかないわけであります。したがいまして、これらのことに対しましては、いまおっしゃっておるように、私どもも十分対応するところの態勢をとり、業界みずからも世界で一番になろうという意欲を持つならば、それにふさわしい、ごまかしではいかないというところの体制をとってもらうように努力をしていきたいと思う次第であります。
  27. 山下榮二

    山下(榮)委員 これで終わりますが、最後に希望だけを申し上げておきたいと思うのであります。  去る六日に運輸省自動車局長名をもって、財団法人日本自動車工業会の会長あてに通達が出されているのであります。この通達を拝見してみますると、悪いことばで申しますると、おざなりのような通達であると私は思うのであります。第一項目を見ましても、二項目、三項目に分かれておるようでございますが、これらを読んでみましても、ただ単なる一つの注意を喚起するだけのおざなりの通達にすぎない、こう私は理解をいたすのであります。いま大臣も申されましたように、数多くのいわゆる部品を集めて製造過程に入る、しかもそれが一企業だけではない、数多くの下請等によって製品が完成するわけでございまして、これらに対しましてはもっと厳重な、もっと詳細な通達、あるいは厳重な達しをされなければならぬのじゃなかろうか、かように考えておるのであります。  どうか、さように今後業者に対しましても厳重な態勢で運輸省が臨まれることを希望いたしまして、質問を終わります。
  28. 徳安實藏

    徳安委員長代理 沖本泰幸君。
  29. 沖本泰幸

    沖本委員 先日に引き続き質問を続けさせていただきます。  それで、まずあれ以後、各紙がいろいろと問題・点を指摘しておりますが、その中でまず問題になりますのは、六月六日の読売で、陸運局もこの欠陥車について知っておった、修理工場へ回って直した車についてはステッカーをつけておった、こういうことが報道されておりますが、この事実について。
  30. 黒住忠行

    黒住政府委員 本件は、陸運事務所におきまし出ては知っておったわけでございますが、今回の欠陥につきましては、自動車型式指定規則によりまして届け出をし、その変更につきましては、承認を受けるべき事項になっておりませんので、その事項になっております場合におきましては、陸運事務所から陸運局に報告され、本省に報告されるわけでございますが、今回のものはそれに該当いたしませんので、地方におきましては、車両検査のときに知っておりましたけれども、本省には報告がなかったために、本省は知らなかったということでございます。
  31. 沖本泰幸

    沖本委員 では、型式指定の中にあってそういう内容があることは、いままで欠陥車は見のがされておった、こういうことになることは運輸省ミスである、こういう結論になりますよ。  そこで、やはり六月八日の記事の中に、日本自動車連盟が発表した中で『同連盟の調査によると、昨年四月からさる三月末までの一年間に三十万台近い故障車が路上で立ち往生したが、このうち五%に当たる一万五千台が、車そのものの構造、装置の欠陥によるという。JAFでは全国の修理工場での処理件数を加えると、故障車は八十万台以上、欠陥車も四万台にのぼるものと推定している。中村俊夫JAF副会長は「コストダウン競争による下請け部品会社へのしわ寄せ」とその原因を指摘しているが、』こういうことなんですが、そこで「この欠陥のなかには、明らかに構造、装置に問題がある故障が五%もあるという。ブレーキ・パイプの機質や形の欠陥、気化器のパイプのネジがゆるむ、ブレーキ・ホースのつぎ目が雑、本来ゴムを使わねばならない軽油パイプにビニールを使用」しておる、こんなところが問題点ですね。さらに「電気関係の部品に真ちゅうを使わず、鉄を使っている、質の悪いゴム・パイプを使用」、こういう点が目立っている。こういう内容があるのですが、こういう内容を直ちにここの連盟からお取り寄せになって、このことはすぐ運輸省のほうで公表をなさるのが当然じゃないでしょうか。
  32. 黒住忠行

    黒住政府委員 この記事につきましては承知いたしておりますが、JAFは会員約十八万ないし十九万でございまして、自家用車を主としたオーナードライバーの協会でございます。これが事故等のあれをやっておりますので、これらがやりますところのデータを取り上げるということも、もちろん必要でございますから、さっそくいろいろなデータを取り寄せてみたいと思いますけれども、われわれといたしましては、従来の型式指定規則に規定いたしました要目に対しましてこれを十分励行さすということと、それ以外に、最近におきましては、いろいろな点が起きてきておりますので、直接規定していない点につきましても、今後はメーカーのほうから届け出をやらすことによりまして、総合的に車両欠陥という問題に取り組んでいきたいというふうに考えておるわけでございまして、要するにメーカー全部のこの問題に対する取り組み、役所もまたそれを十分指導するということと、JAFにつきましても、これはユーザー側といたしましても路上サービスをやっておるわけでありますから、それらの協力も得て今後改善をしていきたいと思います。
  33. 沖本泰幸

    沖本委員 その辺どうも納得いかない点があるのですが、ユーザーの安全性をはかっていくためにということは、先ほどおっしゃった点です。大臣、あなたも局長も、検査車両の欠陥を防ぐためにあるんだ、こういうことですから、新聞紙上にこういう全体の八十万台の中から欠陥車がこれだけ出たということが公表されたら、そういうものは運輸省としてすぐつかんで、こういうものはこうだったんだということを明らかにするなり何なりすることが、当然あなたのほうで必要じゃないのでしょうか。それがやはり前向きにやっていっておる大臣のお気持ちをくんであなた方が取り組んでおる、こういうことになるのではなかろうか。  欠陥車についてもう少し申し上げていくと、この間の委員大臣に少し御説明いたしましたけれども、エコーの問題にしましても、シャフト設計を変えなくても、トラックのシャフトをそのまま使ったらいい、だからマイクロバスのシャフトを特につくらなくてもいい、こういうところからトラックのシャフトを少し伸ばせばいいんだということで事故が起きておる。そのために、昨年六月の第一回の事故あと、七月四日に会社のほうが設計変更を社内で決定した。このときにシャフトの回転回数を落とすために二種類、差動機ギアを開発したけれども、ユーザーには知らしていない。ディーラーに聞いても、こういう点は希望者だけに変えてるようなことをやっておった、こういう点があるわけです。こういう点は運輸省が当時も現在も、この車の事故原因不明だ、こういう点であなた方はいままで回答していらっしゃるわけです。欠陥が事実あった、それを深くお調べにもなっていらっしゃらないわけです。シャフトのこういう変更をなぜ運輸省のほうで見のがされるか、こういうことになるわけです。  それからマイクロバス、この間もやはりマイクロバスが高速道路上で問題を起こしておるわけですけれども、これは普通の車でも高速で走る場合に、すれ違う場合には風速によってハンドルをとられる、こういうことがあるのですが、風速に合う試験をしていないわけです。名神、東名でマイクロバスがたくさん走っておるわけです。百キロのメーターをつけておるわけですけれども、運転者が百キロのぎりぎりまで運転をやると、振動を起こしてすぐ転覆の状態になってくる、こういう事実があるわけです。これがもう少し風圧が当たってくると、完全に転覆するわけです。こういう点についてはテストをしていない。それからブレーキパイプの点は、アメリカで起きているのではなくて、日本で起きているわけです。このパイプは、材質がすずと鉛のメッキにビニールをかぶせてあるわけで、そこにはっきり悪い点が出ているわけです。ビニールに水がたまって腐ってくる、こういう状態が出ているわけです。ほんとうはパイプに亜鉛メッキを使えば問題は少なくなるわけですけれども——そういうことですから、アメリカで塩をまいた道を走った、こういう点は問題ではないということになってまいります。亜鉛メッキのほうがいいわけなんですけれども、これは高くついてくる。そのためにこういう工程をとっているわけです。すず、鉛メッキは他のメーカーでもそうやっているのではないかという点もあるわけです。これは先ほどの連盟が発表したとおりに、コストをダウンさせるためにこういう問題が起きている。ですから、継ぎ目がはずれて火を吹いたということも、キャブのパイプの継ぎ目のところが雄雌になっているのですが、そのへこみが前は非常に深く食い込んでおったのが、このごろは安全度ぎりぎりに下請のほうはつくるわけです。そういうために、はずれやすい事故がたくさん起きている。これは確かにコストをダウンさせるために——コストダウンさせても、メーカーのもうけは十分に得ていこうとする。そこで下請のほうへぎりぎりの条件を出している。そこで下請のほうは安全度ぎりぎりの仕事をやってしまう。メーカーのほうは、それに対して一々やかましいことが言えない。そういうことから、できている車自体は車の安全ということよりも、やはりコストということを一番考えて出している点に問題があるわけです。あなたのほうは、安全という観点から指摘していただかなければならないわけですけれども、そういう点が全然表面に出てこない、こういう点に問題があると思うわけです。ですから、下請の問題は通産省関係であると言うかわかりませんけれども、欠陥そのものを十分指摘して、これをチェックしていってやっていただかなければならないわけです。こういう点は十分に検討を加えていただいてやっていただかなければならない。それには公表をどんどんやっていって、結果について運輸省が厳重な態度で臨んでいく、こういうことにもなってくると思うのです。  そこで、この点についてはあとでお伺いいたしますけれども、この間もコニーの問題をお伺いいたしましたけれども、まだほかの車でも室内にガス漏れがあって、ガスのにおいがするということを大ぜいの人から聞いております。ですから、こういう内容がたくさんあるのですが、こういう事故が高速道路上で起きた場合にどういう事態が起きてくるか。ガス漏れが起きて、運転者は脳神経が麻痺してきて、ハンドルをとられて事故が起きる。ところが、高速道路の上は目撃者もいないから大惨事になるわけです。運転者は死亡している、車はめちゃくちゃになっているから、事故原因調べようがない。ところが、いままでの交通事故の調査というのは、車の欠陥ということを指摘されたものは案外少ない。ほとんど前方不注意あるいはわき見運転、あるいは無理な追い越しであるとか、あるいは居眠りであるとか、こういうことが交通事故を起こしている大きな指摘の重点になっているわけです。——警察庁からお見えでございますか。——そういう点について、いままで車の欠陥による交通事故があったという点を御指摘になったことがありますか。
  34. 竹岡勝美

    ○竹岡説明員 私のほうで交通事故原因整備不良だったということで扱いましたのが、去年で大体三千二百件くらいございます。しかし、警察のほうで扱います事故原因としての整備不良は、多くはブレーキの故障ということで、それが大半でございます。だから、車体構造云々というようなことは、実はわれわれのほうも二年に一ぺんの車検もあり、そういうことでございますので、十分詰めてなかったうらみもございますけれども、従来までの事故原因とされておりますのは、そのほとんどがブレーキ故障ということであげております。
  35. 沖本泰幸

    沖本委員 いまもおっしゃった二年に一度の車検、こういうお答えがあるわけですけれども、運輸省のほうも、局長さんのほうも、いままでの委員会のたびたびの御答弁の中に、半年に一度の車検なりあるいは二年に一度の車検で十分チェックできる、あるいは型式指定によってチェックしておる、大臣もこういう点について日本では十分安全をはかるために関所を設けてある、こういう御答弁なんです。ところが、先ほど読んだ新聞の中にも指摘してありますとおりに、車検があるなしにかかわらず、ちゃんと事故は同じようにあるし、欠陥車もちゃんと出ておる。だから、車検制度そのものに問題があるのじゃないかということになります。これだけ欠陥車が出てきたら問題だということになります。  それから大阪で調べた内容においても、陸運局は、確かに欠陥車であるのに、整備不良車であるというマークをつけているわけです。そうしますと、これは御質問に二つありますけれども、自動車局長さんのほうには、整備不良車であったのか、欠陥車であったのか、だけれども、いままでの通例の名称は、整備不良ということしか使っていないから、整備不良で片づけておる、こういうことになります。警察庁のほうもそういう向きでやっている。そういうことになりますと、整備不良ということになれば、運転者の点検ミスになって罰則があるわけです。刑事罰があるわけですね。あるいはそれによって罰金を取られるなり、運転停止処分があるなり、あるいはナンバーを押えられてしまう、こういうふうないろいろな罰則があるわけですが、これが運転者の責任ではなくて、整備工場あるいは整備工場を通り越して、メーカー責任があったということがあとでわかった場合に、その責任はどこに落ちついてくるのでしょうか、その辺についてお答えを願いたいと思います。
  36. 竹岡勝美

    ○竹岡説明員 刑事上の問題でお答えしたいと思います。  かりに運転者のほうの業務上過失で事件を送りまして、しかし事後に、車体構造の欠陥あるいは整備工場整備の不備ということで、事故原因が運転者ではなくてメーカーなり整備工場、そういうものに完全にあるということがわかった場合、これは当然その運転者に対しました刑罰は、再審請求を出させまして、責任が問われるべきメーカーなり、あるいは整備工場責任者のほうに罰は転嫁されるべきだと思います。
  37. 沖本泰幸

    沖本委員 こういう問題は、運輸省のほうで公表していただかないといけないと思います。いままで運転者の責任によって刑罰を受けておった、しかしその刑罰自体は、この型式の車において欠陥があらわれてきたので、事故は確かにこの車の欠陥によるものである、あるいはメーカー責任によるのではないか、こういう内容によるから、そういう向きの方々はひとつ十分に検討していただいて、自分メーカーのほうに責任があるとお考えになる方は、あるいは裁判のやり直しなり、損害賠償の請求なり、あるいは自分の無罪の請求なりを起こしていただきたい、こういうことにならなければ、裁判の公平であるとか、あるいはものごとの公平の原則に反するわけです。こういう点は、いままでの問題、これからの問題、十分あるわけですが、この点について自動車局長、どうですか。
  38. 黒住忠行

    黒住政府委員 世の中に周知していただくという方法につきましては、一つ役所側体制と、一つメーカー側の体制であろうと思います。役所といたしましては、従来、車両欠陥事故が起きました場合におきましては、事故警報というものを発しまして、自動車使用者、それから整備工場メーカーというふうなところに注意を喚起しておるわけでございますけれども、事故というものは引き続いて直ちに起こる可能性もございますから、将来はこれをさらに公表するようにいたしたい。もう一つ体制といたしましては、今回の通達におきまして指示もいたしたわけでございますけれども、メーカー側といたしましても、自動車構造、装置の欠陥、及びその改善措置につきましては、早急に自動車使用者に対して周知徹底をはかる適切な措置をとること、ということを強く指示いたしておりますので、両方の体制によって将来万全を期していきたい、かように考えます。
  39. 沖本泰幸

    沖本委員 話は飛びますが、十七項目にわたる御指摘があったという報告をいただいたわけですが、それと同時に、愛知機械のコニーについても、事故の内容について御報告をいただきました。それによると、お子さんが一人なくなっている。何かにぶち当たってガス漏れがあったということなんですが、警察庁のほうで、この事件について刑事罰はどなたが受けていらっしゃるのでしょうか。
  40. 竹岡勝美

    ○竹岡説明員 御質問の件は、昨年の四月二十五日の事案だと思いますが、これは御承知のとおり、乗せておりました長女の方がなくなられた。私のほうで調べましたら、この車は、その二日前に整備工場でマフラーの取りかえをやっております。マフラーの取りかえをやったのですが、そのマフラーが、あるいはもうすでに御報告があったと思いますけれども、その車の型式より新しい型のマフラーの取りつけをやったわけです。十分合うか合わないかという疑義があったようでありますけれども、私のほうでは、予見可能性とか事故との直接の因果関係、そういう点を十分詰めてみましたけれども、刑事責任として、この整備工場責任者あるいはコニーのメーカー、こういう者を立件送致するには至らなかったということで、立件送致はいたしておりません。
  41. 沖本泰幸

    沖本委員 こういう問題が今後いろいろ起きてくると思うわけですね、高速道路上で起きてまいりますから……。  これは警察庁のほうへお伺いするわけですけれども、いままでは目撃者とかスリップのあと、スリップが何メートルあるから、車がどういうところでひっくり返っているから、そういうところからいろいろな事故原因を調査してこられた。ところが、車の欠陥というものについても、今度は事故の内容について一つ加えて、十分その点をお調べになっていただかなければならない。これは運輸省のほうも十分その責任はあると思うわけです。  そういうところから大臣にお伺いするわけですが、こういう調査は、研究所をつくって十分やってはおるけれども、むずかしいというお話があったわけですが、これを今後十分充実していただいて、特に、チェックするために専門の調査員をつくる、あるいは研究所をもっと広げて、専門に十分研究していただいて欠陥車を指摘する、こういう方向に向かって新しく制度をつくっていただけないでしょうか。
  42. 原田憲

    原田国務大臣 現在行なわれておる制度というものを十分生かしていくために、努力しておるということを申し上げたのであります。安全性を確保するために、今日私どもがとっておる処置について不十分であれば、そのときにまた十分検討しなければならない問題があると考えます。  高速道路の事故の問題に関しましては、先般新しく東名道路が開設されまして、その間、建設大臣と私は相談をいたしまして、閣議においても建設大臣から、高速道路におけるところの事故対策について十分お互いに協力して対策を練らなければならないという発言がありまして、この問題につきましては、交通事故対策としては、政府は総理府に本部を置いて、今日まで対策を練っておるわけであります。その対策の一面に、いま沖本さんの言われておる点もあろうと考えまして、今後より一そう検討を続けていきたいと考えます。  なお、この際お願いを申し上げておきたいことは、先日も答弁の中に申し上げましたが、外国では、みずから公表するということになってきてる。沖本さんの質問の中にあったと思うのですが、初めはアメリカでも、業者はいやがった、しかし、これをやってきて、今日は向こうで公表になってきておる、こういうことであります。日本では、車検制度をやることによって、安全を期していくという体制をとっておるわけであります。それにもう一つ進んで公表ということに踏み切っていくならば、アメリカ以上の安全を確保できるのではないか、こういうことを私は考えるのでありますが、日本の国の中でなぜ公表制度というものがやれなかったのだろうかということを考えますときに、どうも足の引っぱり合いが行なわれる。たとえば国会で一つメーカーの名前が出て、そうしてそれが討議されたということになると、自分のところがよいということではないのにかかわらず、向こうにはこういう欠点があるのだ、こういうようなことが行なわれることで、これが事故の防止ということの本質を離れた問題になっていくおそれがある。私は、したがって、ここでいままでメーカーの名前を一ぺん申し上げなかったのでありますが、きょう申しげますと、日産とトヨタというところの車が今度問題になっておるが、ほかの会社の車においても、そういうことを考えるということについて局長に十分検討するようにということを言っておるのであります。  もう一つは、これを役所的にいうと、通産省はつくるほう、私たちはユーザー、使うほうの立場に立っておるわけでありますが、この車をつくるメーカーと使う立場に立つ者との関係をいいますと、日本では、ここに一つ、朝日新聞であったと思いますが、モラル低速道路ということで、いかに車に乗る人みずからがむちゃなことをやっておるかということを取り上げて——もうお読みになったかと思いますが、高速道路の安全には絶対必要な施設まで被害にあうのだ、こういうことも取り上げていっておる。だから、自分が悪いことは人のせいにする、こういうようなことがあってはならない。  そこで、何しろ事故で何方という人が死ぬのでありますから、この問題をつかまえて対策を練るためには、私は政府が全力をあげて取り組まなければならないという角度から、先般もこの東名高速道路の事故対策の建設大臣の発言に応じて、私がとりました依命通達の点についても発言をいたしておいたのであります。  で、私どもも一生懸命に今後検討を続けていこうと思っておりますので、ひとつ叱吃激励というか、こんなことではだめだというだけではなしに、先ほどからいろいろお話の中に出てきました問題点は必ず検討して、そういうことがないように勉強させていただきますが、そういうふうにひとつ御協力くださるようにお願いを申し上げまして、私の答弁にいたす次第であります。
  43. 沖本泰幸

    沖本委員 もう一、二問まだ残っておりますが、お願いいたします。これは重要なことで、お願いしたいと思います。
  44. 徳安實藏

    徳安委員長代理 簡単にお願いします。時間が来ておりますから。
  45. 沖本泰幸

    沖本委員 先ほども指摘しましたように、メーカーがコストダウンのために下請に非常に無理をさせて、安全度ぎりぎりの仕事をさせておるということを申し上げたわけですが、そういうことのために、最近は車のがたというものが一ぺんくる。大体六四年型以降においては、一ぺんにがたがくるのではないか、こういうふうに考えられるわけです。この間も新聞に、電気洗たく機がいまブームがきておる、こういうことが載っておりましたけれども、そのこと自体が、電気洗たく機がやはり大量生産に入ってきて、ぎりぎりにつくっておるから、がたがきておる。だから、どうしても買う時期が全部一ぺんにきた、こういうことになるわけです。この電気洗たく機もやはり下請に全部やらしておる、こういうことになるわけです。車につきましても、こういう調子でいきますから、下請に部品をどんどんつくらしているから、一カ所だけが悪くなったというのではなくて、全体にがたがくる。だから、一カ所直しても次から次からいくから、修理すると高くつくから、いっそのこと買いかえたほうがいい。これはアメリカ方式をとったところの大量生産、こういうふうでコストを考えてやっているところにあるわけで、よしあしという点は別にしましても、こういうことになりますから、安全ということから考えていくと、このがたがきた車を高速道路の上に乗っけると、もう危険が一ぱいで走っている、こういうことになってまいります。そういうところから、耐用年数というものをはっきりきめて、耐用年数を運輸省のほうで発表していただく、そういう方向に向けていただいたほうがいいのではないかと私は考えるのですが、いかがですか。
  46. 黒住忠行

    黒住政府委員 自動車等の税法上の耐用年数というものは、減価償却の場合に用いられております。しかし、これは経済上から見て、一応平均的に使用された場合を想定してきめられているわけでありますけれども、保安の面から見ますと、自動車は非常にたくさんの部品から組み立てられておるわけでございますから、車種によりまして、あるいは道路の状況、走行距離、あるいはふだんからの整備の状況によりまして、必ずしも一定ではないわけでございます。したがいまして、保安上、安全上から耐用年数をきめるということは、おそらくむずかしいのではないか。それで現在では仕業点検及び定期点検、それからかつ国の継続検査等によりまして保安を確保しているわけでございます。しかしながら現在、車齢十年以上の乗用車継続検査の場合におきます有効期間を一年に短縮しておるわけでございますけれども、今後自動車の状況、車両欠陥等の研究によりまして、それらの年数等を短縮するという方向は検討いたしたいと思いますけれども、耐用年数をきめることはむずかしいのじゃないかと考えております。
  47. 沖本泰幸

    沖本委員 そういうところで先ほど御指摘したところにあるわけですけれども、その整備工場整備をやって定期検査をやっても何ら効果がない、それによって欠陥車というものは見つからない。欠陥のところがあっても、検査のとき全部入れかえてしまっている、こういう問題があるわけです。そういう点、その他いろいろな点を考えていくと、今後の定期検査自体の内容を変えなければならない、そういう事態が来ていると思うのです。と同時に、今度はいま一番問題になるコンピューターに車体の検査証を載せるわけですけれども、その車体の検査証自体の内容も、一応検討して変えていただかなければならないのじゃありませんですか。
  48. 黒住忠行

    黒住政府委員 今回採用しようとしておりますコーピューターができますと、かりに車両欠陥事故がありました場合には、当該車両というものが全国で現在、何台どこに使われているかということが直ちにコンピューターでもってわかるわけでございますから、それに対する改善の手を打つことがすみやかに可能でございます。現在の方法でございますと、理論的には、全国にあります登録原簿を一々繰ってみればできるわけでございますが、コンピューターシステムによりますと、直ちにこれを把握することができますから、将来の車両欠陥に対する措置については現在よりも飛躍的にスピードアップして対処できるのではないか。また、それらが把握しやすいようにコンピューターの中のマーク・シートの関係等も考慮して、また、統計等も直ちにとれるということで対処していくつもりでございます。車両の内容それから登録の内容につきましても、そういう観点も加味して、現在考えておる次第でございます。
  49. 沖本泰幸

    沖本委員 あと一つお願いいたしますが、これは大臣にお伺いいたします。  この前の委員会からたびたびの御答弁があったわけですけれども、新聞等では、運輸省のほうではいままで予測しなかったことが取り上げられて、運輸省でいまあわてて対策を講じられているのではないか、こういうことがいままでの局長さんの答弁等でよく感じられるわけですけれども、半年あるいは二年の定検があるし、十分型式指定もしているから、その点は御心配要りませんという御答弁があるさなかに新聞にこういう点が出てきて、大臣は非常な決意でこの問題に対処されてきた、こういうところでいまこれが大きく社会の注目を浴びている、こういうことになっているわけですから、内容から見ていくと、全くいろんなところに不備な点が露呈されているということは間違いないわけです。そういう点は十分行政改革をやるなり、あるいは先ほど山下先生の御質問がありましたけれども、ここらで自動車に対する行政に対して前向きに取っ組んでいく、指導監督を十分にする、こういうふうにおっしゃっておられますけれども、運輸省の中の機構自体を十分にお改めになって、この膨大な車に対する体制をお整えになっていく、さあ来いというような体制が必要じゃないか、こういうふうに私は考えるわけです。そういう点につきまして十分はかっていただかなければならない御決意を伺いたいということが一点と、それからもう一つは、公表につきしても、きょうの新聞では、クラウンは極秘にいままで修理しておったという点と、私たちの手落ちであった、あるいは自動車工業会は、今後は公表もする、こういうことを言っておりますけれども、他の面では、言っている内容については、公表することについては、各社の自主的判断にまかせることになっている、一番おしまいの締めくくりがそうなっているのですね。この点について義務づけがないということは、しまいにだんだんなしくずしになってしまって、やはり売らんかなということで、だんだんしりすぼみになって立ち消えてしまう。いまは話題になっているから、この点が強く追及されていっていますけれども、十分に業者側の義務づけを運輸省のほうで公表することについて、しなければならないと思うのです。通達はお出しになったけれども、おれたちのほうは、このことは報告しなくてもいいのだ、こういうことで済ましてしまわれて、なしくずしにされないか、こういう心配があるわけですが、業者側にどういうふうに義務づけて公表さしていくかという、この二点についてお答え願いたいと思います。
  50. 原田憲

    原田国務大臣 第一番の問題でございますが、これは一番大きな問題は、やはり総合交通対策をどうするか、陸海空にわたって、日本の今後の交通をどういうふうにやっていくかということが、私は根本にあると思うのであります。このことにつきましては、再三申し上げておりますように、私どものほうでは、内閣委員会にお願いをいたしておりますが、設置法の中で、総合交通政策という問題について、いまおっしゃっておりますような参謀本部を制度上つくり上げて対処していく、こういう覚悟でございます。したがいまして、いまお話しの自動車部門につきましても、対応するところの十分な体制というものに取り組むために、私は今後も検討を続けていきたいと思います。  それから業者に対する義務づけでありますが、私は通産省ともよく相談をいたしまして、業者の人たちが今度の措置に対して前向きな姿勢で対応するという態度をしておりますから、今後もそれをもっと効果があがるように十分指導していく、こういうふうにしていきたいと思います。
  51. 沖本泰幸

    沖本委員 以上で終わります。
  52. 徳安實藏

    徳安委員長代理 久保三郎君。
  53. 久保三郎

    ○久保委員 今回のトヨタ、日産を中心にする車両構造の欠陥による事故、こういうものが、はしなくもと言ってはたいへん語弊がありますが、言うならば、はしなくも問題になった。このことは、単なる事故対策という単純なものじゃないように思うわけです。ことばのつかい方がちょっと変でありますが、言うならば、何だか業界に対する不信感というものが非常に濃厚になって国民の中にあると思うのですね。   〔徳安委員長代理退席、細田委員長代理着席〕 いわゆる業界に対する不信の念というのを、この際どういうふうにしたらば払拭できるか、業界全体が考えなきゃならぬ。いままでの運輸大臣の御答弁は、まことに適切でありまして、答弁の限りにおいては、われわれと意見が一致しているように思うのであります。これは敬意を表します。私もそうだと思うのです。何が一番大事かといったら、いま問われているのは人間の命なんです。人間の命を中心に考えないいろいろな文明というのは、あり得ないと思うのです。ましてや、自動車ごときものは、それがどんなにコストダウンのためであろうが、競争に勝つためであろうが、何であろうが、そんなものは大義名分としては成り立たないだろうと思うのです。しかも、こういう事故がなかったならば、世間も国会も、あまりこの問題に関心を寄せなかったのじゃなかろうかと思います。これは一応でも知っていた者が黙っていたというならば、罪万死に値するんじゃないかと私は思います。これは政府の中にも、そういう事故を知っておられた方がおったのではないかと思うのです。これはやっぱり反省してもらわなければいかぬと思います。業界はもちろんであります。これがまず私が質問する姿勢というか、考え方の中心でありますから、そういうことで多少ダブるかもわかりませんが、極力ダブらぬようにして、私は再確認を含めて御答弁をいただきたいと思っているわけです。  ここで、まず第一に具体的な例でありますが、ついせんだって、六月六日に、東京都の北区においてニッサン・ブルーバード一六〇〇cc、これを自宅の車庫に入れるためバックさせたところ、突然大きな爆発音とともに、ボンネットが持ち上がって燃え出したという事故一つございました。これは新聞情報だけではよくわかりませんが、滝野川警察署では、この車体を調べるために、日産の北部営業所のサービス工場に引き渡したというんです。私は非常に不信の念を持っております。というのは、いま世上でこのことが問題になっているときに、メーカーの直属であるところの整備工場になぜ引き渡さなければいかぬのですか、これが一つ。こういうやり方、姿勢について問題があるのです。  先ほど来だんだんお尋ねがあったとおり、これは当然警察の所管において、いわゆる警察の手によって原因を調査する、もちろん警察自体でできなければ関係個所、当然のごと運輸省にも御連絡があってしかるべきですね。運輸省は独自の立場で、これはもちろん研究所もございますから、専門家をしてこれを調査するというならわしでなければいかぬのです。これは法律以前の問題です。これは、ほんとうに滝野川警察署が日産の北部営業所のサービス工場に渡したのか、その結果はどうであったか。これは、おわかりでありましたらお答えをいただきたいのだが、問題はその具体的な問題じゃなくて、このやり方について、いかなる反省があるかどうか。  それからもう一つは、四月二十四日に、これは、てまえどもの居住しておる付近でありました。国道五十号の路上で二つの車が正面衝突いたしました。一両は間もなくというか、突然に、衝突した瞬間において燃え上がりました。乗っていた二名の者は、黒こげになって死んでしまったという事故がございました。このことは、先ほどの質問とも関連いたしますが、警察といたしましては、どういう措置をとられたか、いわゆるこの事故原因について——原因というのは、先ほど来もお話しがあったように、片方の車がセンターラインをオーバーしてきて衝突したという直接的な原因じゃなくて、衝突と同時に突然燃え上がったという、そういう車両的な、車両構造上の問題について御調査なさったかどうか、そういうものに関心を持って、手続上運輸省に通報したかどうか。運輸省は通報を受けたならば、これをどういうふうな処理をなさったか、この二つについてまず第一にお答えをいただきたい。
  54. 竹岡勝美

    ○竹岡説明員 先のほうの滝野川警察署が扱いました事故につきましては、十分調査をしておりませんので、お答えは差し控えたいと思います。  あとのほうの茨城県の四月二十四日に起こりました事故は、御承知のとおり正面衝突で、加害者のほうがセンターラインをオーバーいたしまして、被害者の車との正面衝突で、あまりの衝撃で両方が衝突衝撃によりまして、電気関係のスパークによってエンジンに引火したというふうに認定いたしましたが、その車の当時の状況はどうであったかということは、当事者が現在重態で意識不明でございますので、調査は進んでおりません。そのために、運輸省関係に連絡しておりません。  なお、警察関係事故が車の構造なり車の整備原因しているのではないかという専門的な調査を必要といたしますときには、もちろん通常、地元の陸運事務所の専門員に鑑定を依頼しておりますが、それでなお足らない場合は、われわれのほうの科学警察研究所のほうに鑑定をさせておりますが、いま滝野川のほうの整備工場に回っているという事情があって調べておりませんが、当然、陸運事務所との連絡はすべきだと思っておりまして、そのように指示したいと思っております。
  55. 久保三郎

    ○久保委員 陸運事務所に指示すべきだというお話でありますが、私が不満に思っているのは、どうして日産の系統のサービス工場に引き渡したのかということです。あなたのほうでは、犯罪が起きたときに、犯罪を犯した者の身柄を系統のところに渡すようなことがございますか。ちょっと保護しておいてくれ、そんなことはございませんね。一切のところから隔離して取り調べをなさるのではありませんか。そうだとするならば、この滝野川で起きた事件などは、しかも今日最も問題になっているときにこういうことをやることは、無感覚ではないかと思う。あまりにも神経がすり減っているのではないかと私は思う。こういう制度をお直しになることが一番いいと思うのですが、いかがでしょうか。
  56. 竹岡勝美

    ○竹岡説明員 御指摘のとおりでございまして、そのように直します。
  57. 久保三郎

    ○久保委員 どういうふうにお直しになりましょうか。
  58. 竹岡勝美

    ○竹岡説明員 全国の警察のほうに、最近のこの自動車事故につきましては、われわれも車体構造なり、そういうものに対する調査が従来から若干不備だったと思いますので、そういう点で、車体の構造なり整備関係についての事故原因の追及をしっかりやろうではないか、しっかりやるべきだということで、陸運事務所とわれわれのほうの科学警察研究所という科学的な第三者的な機関に十分鑑定させる、そういう意味の通達をいたしております。
  59. 久保三郎

    ○久保委員 われわれ自身が科学的な調査をすべきであるという精神はわかりました。それはそのとおりですよ。だけれども、このサービス工場に渡すということを今度やめるわけですね。やめたらこれはどこへ持っていきますか、どういうところで調査をしますか。
  60. 竹岡勝美

    ○竹岡説明員 陸運事務所整備担当員のほうに鑑定を依頼するという形でやってまいりたいと思います。なお、それだけで十分にできなければ、大学の研究室方面も利用したいと思います。
  61. 久保三郎

    ○久保委員 先ほどの四月二十四日の正面衝突により炎上した車の原因は、電気関係のスパークによってということでしたが、それはだれが調査をいたしましたか。
  62. 竹岡勝美

    ○竹岡説明員 これは茨城県警本部の鑑識課員であります。
  63. 久保三郎

    ○久保委員 それは最も信頼してよろしい、その科学的知識を持っておられましたか。  それからもう一つは、それは信頼していいと思うのですが、それでは何がゆえにスパークしたか、それはどうなっておりますか。
  64. 竹岡勝美

    ○竹岡説明員 この程度の事故——この程度というのは失礼ですけれども、電気関係のスパークで引火したという程度の事故原因の追及は、われわれのほうの鑑識課員、専門員を信用してだいじょうぶだと思っております。その鑑識課員の当事者は、衝突時の衝撃による電気系統のスパークだ、このように言っております。それ以上のことはまだ聞いておりません。
  65. 久保三郎

    ○久保委員 こういう問題は、それ以上のことを探究する必要があるということですね。こういうことだと思うんですね。  それからあの滝野川の問題も、私は別にサービス工場を信用してないわけじゃないけれども、これはそういう調査の専門家じゃないのですね。だから、特殊の事故については、やっぱり厳重な調査を最後まで続けるというのが私はたてまえだと思うのですね。たとえば衝突の瞬間に燃えてしまった、逃げ出すひまもなくて、黒焦げになったというのは特殊な事故です。いまの滝野川の事故も特殊な事故です。全部の事故調べろとは私は言いません。少なくともそういう特殊な事故は、最後まで全部ずっと追及していかなければなりません。単なる電気まわりのスパークによってガソリンに引火して燃えたんだというようなことだけならば、これは見た目でも、あるいは多少の専門的な知識を持っていればわかるのです。しかし、どうしてそのスパークが出たかということを探求しなければ、原因の探求にはならないのですね。単にセンターラインをオーバーして、対向車が突っ込んできたから衝突したんだという原因と同じですよ、その程度ならば。そうでしょう、そう思いませんか。センターラインをオーバーしてきたから対向車がぶつかったのです、対向車が悪いんです、それと電気まわりのスパークがガソリンに引火したのです、これが原因ですという言い方は、調べ方は同じなんです。ちっとも科学的ではないです、これは見た目で、実証なんですね、現にあらわれた面だけです。よってきたる原因というのは、そうじゃないと思うのです。いままさに問題を究明するポイントは、よってきたるところはどこであるかということだと思うのですね。これを調べ体制がなければ、どういうことをやったってだめですよ。だから、いまの滝野川のサービス工場に入れたなんていうのは、言うならば、結局そこまでの責任とか、あるいは原因を突き詰めるという積極的な気がまえがないから、そういうふうになったんじゃなかろうかと私は思っている。だから、こういうことは自後はやりませんね。  そこで、これは運輸大臣にも申し上げるのでありますが、事故調査報告に、規則によりますと、報告しなくてはならないものは事業者だけの車なんですね。一般のマイカーその他のものは、事故報告も出ないわけであります。もちろん警察は、その以外のものは、全体の自動車事故は全部把握しているわけですね、警察はそうでしょう。ところが、先ほどもお話があったように、警察で所管するものは、いわゆる道交法に基づくところのものが重点であります。当然だと思うのです。だから結局、道路交通法に違反しているか、いないかの原因というか、それだけの責任を追及することなんです。しかし、いまやそういうものだけではなくて、先ほどからだんだん申し上げているような点を追及しなければならぬ事態になっている。そうだとするならば、いまのような事故報告の制度型式証明を与える制度とか、あるいは道路運送車両法、そういうものだけではどうしてももの足りないというか、足りなくなってきていやしないかと私は思うんですね。だから、これについてもう少し体系的に事故調査をするような方法考えるべきだと思うんだが、これについてはどういうふうに思いますか、警察から先にもらいましょう。
  66. 竹岡勝美

    ○竹岡説明員 警察関係は、事故原因のいままでの探求は、単に手法的な、おっしゃるとおり道交法上の運転手の違反、運転手の危険運転、刑事事件として送るたてまえ上、そういう点に力を入れております。ただし、最近事故分析ということを進めてまいりまして、それに関連いたします道路構造、そういう観点はわれわれもだいぶ研究し、その原因をいろいろと道路管理者に言うようにいたしております。  車体構造という点につきましては、確かに不勉強であったということをわれわれも認めております。大きな事故報告がございましたら、それだけの報告に対する点検、あるいは事故原因を追及しますことを考えてみますと、自動車構造による事故原因に対する点検、これはわれわれは、もっと真剣に取り組まなければならないと考えております。先般、交通局長が発表しましたように、われわれああいう特殊な事故につきましては、特別な検査官を養成いたしまして、そういう自動車構造にも関連いたしましての事故原因というものをもっと真剣に詰めてみたい、このように考えております。
  67. 黒住忠行

    黒住政府委員 運輸省では、自動車事故報告規則というのがございまして、報告すべき事故を規定しております。それから事業者のみならず、整備管理者を車両法の五十条によりまして選任をしなければならない。自家用自動車使用者に対しましても、一定のもの以外のものについては報告義務を与えておるわけでございます。  それで、われわれといたしましては、車両欠陥事故等の問題が起きた場合に対処する方法といたしましては、陸運局におきまして、車両欠陥事故発生時の調査体制というものを従来に増して取り入れなければならぬのじゃないか。といいますのは、相当程度の技術的な専門的な知識を持っておる者をなるべく陸運事務所に配置いたしまして、事故が起きました場合には、直ちに出動できる体制を整える必要があるのじゃないか。それから本省におきましてもいろいろ担当者がございますけれども、最近のように、これらの問題が非常にクローズアップしてまいりますと、これまた高度の技術的審査の体制を整える必要があるのじゃないかと思います。さらに進みましては、先ほどから大臣からもお話がございましたように、現在の研究所の組織というものが、最近におきます事故あるいは公害というものに対処いたしますには若干弱体でございますから、このほうの規定も整備いたしまして対処する必要があるのじゃないかと思います。
  68. 久保三郎

    ○久保委員 この問題は、またあとからちょっと申し上げます。  事故報告によって運輸省に報告されてきた何件かの件数があるわけですね。この事故報告のとり方も、現状ではなかなかむずかしいのだろうとは思いますけれども、どうもそのとった統計というか、そういう数字の分析が、必ずしも的確に利用されていないのじゃないかと私は思うのです。だから、統計は単なる統計で役所の中に積まれているだけで、それからいわゆる対策が出ていくという手法には利用されていないのじゃないかと私は思う。統計というのは単なる数字の積み重ねだけでなくて、これが有機的に利用されるところに値打ちがあるわけでありますから、これはもちろん言うまでもありません。ところが、いままでとっておられる統計、これは警察もそうだろうと私は思うのであります。警察の統計も、われわれに来ている統計は大ざっぱなものでありまして、車両車両の衝突事故とか、そんな程度の統計しかとっていないんですね。これでは単なる統計であって、最近のような問題の起きてきたときに対処できるような統計ではない、こう思うのですよ。  第一に、運輸省自動車局長にお尋ねしますが、統計がぼくが言うようなことになっていないと思うのであります。なっていないとするならば、これも改める必要があると思う。事故報告をむやみやたらにとったって、どうもさっぱり効能を発揮しないような数字だけではつまらぬと思うんです。つまらぬというより、そんなことはやるべきじゃないでしょう。だから、そういうことをどういうふうに思っておりますか。
  69. 黒住忠行

    黒住政府委員 重大事故につきましては、特に車両欠陥事故では統計をとっておりますが、これを分析はいたしておりますが、御指摘のように、さらに詳細な科学的な手法が必要ではないかと思います。従来も分析はしておるわけでございまして、たとえば、その結果によりまして、高速走行の点検要領を今回きめまして、それから保安基準を逐次改正いたしておりますけれども、保安基準の改正の基礎は、やはりこういう車両欠陥等を十分参考にしてやっておるわけでございます。それから重大事故が起きました場合には、直ちに現地に参りまして調査をして、対処し得るだけの人的配置と、また、予算的なものが必要かと思いますので、従来とも確保するように努力はいたしておりますが、まだ不十分でございますから、今後さらに努力をしていきたい、こういうように考えております。
  70. 久保三郎

    ○久保委員 警察でも大体同様じゃないかと思うのですが、あなたのほうの統計と運輸省の統計を、ごく最近のものでいいのですが、どの程度こまかいか、それを見たいから、これは一ぺん委員会へ出していただきたいと思います。私ら専門家じゃありませんけれども、少なくともそういうマンネリにおちいった統計は、もうやめたらいいと思うのです。第一つまらない。  それからもう一つは、何べんも言うようでありますが、これは車両構造欠陥について、いまどうするかの問題なんですよ。だから、それを焦点に当てて、制度その他も改正してもらわなければいかぬと私は思う。そこで運輸大臣並びに総理府の陸上交通安全調査室長の宮崎さんの両方からお答えをいただきたいのだが、てまえどもはここ三、四年、事故原因責任について科学的に究明する制度をつくろうということを内部的に検討をしておるわけであります。これは、すべての事故を持ち上げることは不可能でありますから、いま問題になっているような事故、特殊な事故に限って、それだけでもひとつ取り上げて、しかも公正な審判をしよう。その中身には当然そういういまの問題も入ってくるわけです。いままで、たとえば事故が起きますというと、単純な道交法違反というようなことだけで責任が問われるという場合がありますね。一つは当然それでいいのですよ。しかし、それ以外に、いま問題になっているような構造上の欠陥、さらに災害を大きくしたというような特殊な問題、あるいは今度開通しております東名高速道路において、たとえば、いまの車両構造からいって、百キロ出した場合において、運転者のいわゆる視覚と信号機、あるいは道路のカーブの状態、こういうものが正しくコントロールされているかどうかという問題は、これは検討しなければなかなかわからぬ。これは開通前におやりになったと言うかもしれませんが、実際はやってみなければわからぬ。ところが、事故が起きた場合には、これは単なるセンターライン・オーバーということで責任を問われて、そのまま終わりになってしまう。しかし、それはいまのような問題を含めて、もう少し精密な調査をする必要がある。そこにやはり事故原因というか、事故責任を問うという態度を考えるために、先ほど申し上げたように、私どもでは、内部でいまそういうものを検討しつつある。これは政府においても検討していいのじゃないかと私ら思っておる。そういう意味で第三者が——政府も入ってはいけないでしょう。政府といってはおかしいが、監督している人、たとえばメーカー監督する運輸省とか、あるいは通産省とか、あるいは運転者を監督する警察とか、そういうものが入っておると、どうしても公正なものにならぬかもしれぬ。我田引水というか、そういうものもある。だから、公正な立場で公正な判断をさせる、しかも科学的なものをやらせるというふうにしたならば、いまの問題は解決するのではないか。いわゆるメーカーに対しても、きちんとできるのではないか。残念ながら、いまのような問題でメーカーに対抗できるだけの技術を政府は持っているとは私は思えないのですね。持っていない。だから持ってなくては、残念ながらメーカーにそういう指示も、指令も、規制も、これはなかなかむずかしいと思うのです、いわゆる精神訓話に終わってしまう。だから、私が提唱しているのは事故審理法——法というか、事故審理をする制度をひとつ考えてみてはどうか、こういうふうに思うのでありますが、大臣、いかがでしょう。
  71. 原田憲

    原田国務大臣 まことに卓見であると思いますが、私は現実の問題と対処するのに、まず第一番に、先ほどもお答え申し上げましたが、現在の交通というものに対応するために、陸海空からどういう分担をしなければいけないかということを考えていくこと、これが根本の第一点。それから交通事故というものに対しまして、それぞれ鉄道には鉄道の事故があり、あるいは電車には電車の事故がございますが、自動車事故というものが現在一番大きな被害を出しておることだけは間違いのない事実であります。これをどう対処していくか、いま構造上の問題が先般からいわれておるのでありますが、構造上の問題もあれば、ドライバー、乗る人の問題もある。それからその走る道路の問題もある。これらの問題を全部つかまえてやっていくために、いまのお話では、これは具体的に言いますと、学者でも連れてきて、そこで審議会をつくってやったらどうだろう、こういうお話であろうと思いますが、やはり学者先生だけでは、その統計数字からとって、こうしたらよいということは、あるいは出てくるかもわかりませんが、その当事者というものを抜いてしまったのでは、実際の現実というものの上に立ったものがあらわれてこないのではないか。これはいまのお尋ねに対する私見でありますが、したがいまして、いま今日の問題で自動車事故に対応するために、先ほど申しましたように、自動車の安全という問題と、それから公害という問題につきまして、どのようにしてこれを対処するかということで、運輸省だけでは、これはとてもじゃないけれども、あなたがおっしゃるように、いかぬ。これは各省寄って根本的にどうするかということを、あれやこれやとたくさんなものを取り上げないで、たとえば自動車なら自動車だけどうするか、こういうことで結論を出そう、そのためには、いまの制度の中でいきますと、やはり総理府が中に立ってこの問題を、各省責任者が寄って考えよう、その結果は、財政的な裏づけがなかったら、これはもう実現しないから、この問題についてわれわれが相談した結果は、大蔵省としてもこれを認めるというくらいな態度で臨んでもらいたい、こういうことをいま閣議でも申し上げておるのであります。もちろんいまのお話で、第三者機関によるところの審議会という制度につきましても、私は御意見は承っておりますので、今後とも検討を加えていきたい、このように考えております。
  72. 宮崎清文

    ○宮崎(清)政府委員 先生御指摘の交通事故の分析の方法、あるいは統計のとり方、またそれをもとにいたします事故対策、防止対策につきまして、第三者的な学識経験者に調査研究をさせるということは、まことにごもっともだと思います。現に各省庁におきましても、個別的にはそれぞれ自分の研究所等で、不十分な問題につきましては学識経験者等に研究調査を委託いたしておる実情でございます。総理府におきましても、ちょっと話がそれますが、交通安全施設の投資効果の測定の方法論でございますとか、交通事故の長期予測に関する方法論等、すでに昨年来、部外の学識経験者に調査を委託しておりますが、その際に問題になりました一つの事柄は、大学の先生方も、実は政府機関が十分なデータをとつっていないと調査研究はできないということを言っておられるのであります。  そこで問題は、現在の交通事故に関する統計なり事故分析が、はたして十分かどうか。これは先ほど御指摘ございましたように、関係省庁それぞれ一生懸命やっておりますが、やはり本来のその省庁の目的の範囲内で統計なり調査をいたしております。そこでどうしてもその間の、たとえば運輸省でおとりになっている統計と警察庁でおとりになっている統計を突き合わせてみました場合に、必ずしも完全にうまく一致しないという点があります。そこで総理府といたしましては、やはりこういうことではいけませんので、関係省庁の現在集積しておりますデータがもっと共通して使えるようにする効果的な方法はないだろうかどうか。それから関係省庁のデータを全部突き合わしてみて、なお足りない分があるかもしれない、その際にその穴を埋めるにはどうしたらいいかということにつきまして、昨年以来、寄り寄り協議しておるところでございます。なかなかむずかしい問題もございますが、今後ともそういう方向で、できるだけ現在の関係省庁の調査、統計が有効に使われるように、私のほうにおいてそのような体制をつくっていきたい、このように考えておる次第でございます。この点は、先ほど運輸大臣の御答弁にありましたとおりでございます。
  73. 原田憲

    原田国務大臣 ちょっと補足を申し上げておかなければならぬと思いますのは、先ほど沖本さんでしたかにお尋ねを受けたときにも、私、答弁しておりまして、私は決して運輸省はだめと言っておるのではございませんで、根本の問題については、そういうような考え方をしていかなければならない。しかし、私の責任というもの、運輸省責任ということを考えますときには、先ほど言いましたように、今度の内閣設置法の中で運輸政策審議会というものを設けて、この点について検討していきますが、その中で、安全ということについて特に強調をして、一つの組織機構をこしらえて取り組んでいこうという考えを持っておるということは、つけ加えさしていただきます。
  74. 久保三郎

    ○久保委員 わかりました。それで、私が申し上げたことが必ずしもぴったり理解されておらないようでありますが、ただし、御答弁のことは御答弁として私もけっこうだと思います。  私が提案というか、提言していることは、ケース・バイ・ケースによる事故調査を科学的にしていくことが一つ考えられやしないかということです。いろいろな総合的な交通安全の技術的なことを研究されて、統計を駆使してやっていくとかいうようなことは当然やるべきだし、私は別に異論はないのであります。ただ、第三者によるというのは、裁断を下すのは第三者にしたらどうかということです。もちろん、そこにはメーカーも来て論戦をいどむであろうし、ドライバーも来て論戦をいどむであろうし、あるいは監督官庁としての政府もそこで論戦をいどんで、そして正しい事故原因責任のあり方をきちんときめていくというシステムが、今日、事故対策としては欠けているのではないか。だから、そういう制度をひとつ御研究いただきたい。で、いま補足答弁運輸大臣から、政策審議会の中でやるというお話でありましたから、ぜひ取り上げていただきたいし、必要があれば、われわれもこまかいそういう方法について、機会があればまた申し上げたいと思います。  それからもう一つは、科学技術というか、そういうものの研究の問題であります。自動車については、さしあたり役所が三つあるわけですね。運輸省通産省、警察庁ですね、そのおのおのが何か研究所をお持ちのようであります。もちろん、これは全部が全部同じだとは言いません。しかし、必ずしも全部違うのかというと、違わないのじゃなかろうかと私は思う。それからもう一つは、総合的な研究というものが、やっているという御答弁があるのだろうと思うけれども、なかなかむずかしいと思うのですね。だから、自動車に関してはどこというふうに一括して、研究を総合的にまとめてみたらどうかと思うのです。これは科学技術全体に言えることでありますが、まずこの自動車問題一つとってみても、運輸省では、たしか船舶技術研究所の一セクションとして、あるいは研究テーマとしてやるのかもしれない。それから警察では、おそらく科学警察研究所ですか、警察のほうの科学というのは、どういう科学かわかりませんけれども、たとえば、犯人の血液型の検査はどうするか、そういうものも含まれていると思います。しかし、たとえば自動車のボルトあるいはナットというか、そういうものの材質の研究とこれは同居する筋合いのものではないのですね、全然別個なものです。通産省においても、そのとおりだと思うのですね。そういうものを一括していかない限りはだめだろう。と同時に、先ほど言ったように、残念ながらメーカーの技術に対抗する技術を政府が持っておらないという一つの問題に、これはなってくるわけですね。メーカーはいわゆる売らんかなというか、競争するという立場から、これに多額の研究費を充てているわけです。しかし、それはどこまでも売らんかなの心だろうと思います。これはどう抗弁しようとも、資本主義の世の中において売らんかなを最高至上命令にしなければ、そういう研究機関は成り立たないんじゃないかと思うのです。これは極端な言い方かもしれません。そうなると、だれが人間の命をチェックするかというと、これはそれを指摘するところがなくなってしまう。だから、これに対抗する技術を持つのには、各省庁ばらばらになっている科学技術というか、そういうものを一まとめにして、それに必要な資金と人間を投入していくという気がまえがなければ、やはりメーカーに対抗するだけの技術監督は不可能であろう、こういうふうにも思うのですが、これは運輸大臣、いかがでしょう。
  75. 原田憲

    原田国務大臣 お説のように考えなければならぬ、私はそう思います。いますぐにそれをやるということについては、なかなかむずかしい問題があろうと思いますので、現在の機構の中で解決のできる——先ほどおっしゃったケース・バイ・ケースといいますか、一歩一歩でも前進をしていくという考え方に立って、すぐでも間に合うことはやっていくという姿勢を持って、基本的にはそういうことでなければ、ほんとうに解決がむずかしいんじゃないかという心がまえで私は今後対処していきたいと思います。
  76. 久保三郎

    ○久保委員 科学技術庁の方は来ておりませんけれども、運輸大臣にここで一つ提言をしておきますが、なるほど、いま私が申し上げたようなことをすぐにというわけには、いまの機構ではいかぬことはわかります。しかし、そのまま放置しておくわけにもまいりませんから、少なくとも、科学技術庁が中心か、あるいは総理府が中心かわかりません、富崎さん、あなたのところが中心かもしらぬね。そうだとするなら、一つのテーマをきめて、関係各省庁の研究陣営をまとめていく、そしてそこには総理府なら総理府が予算を一括して取って、コントロールしていくということでもやらぬ限りは、いわゆる当面をしのぐことは不可能であろうと思う。あなたどうですか。
  77. 宮崎清文

    ○宮崎(清)政府委員 自動車につきましては、先生御指摘のように、通産省の工業技術院、それから運輸省の船舶技術研究所、警察庁の科学警察研究所がそれぞれ研究をいたしているわけでございまして、非常に大ざっぱに申しますと、通産省は将来あるべき自動車の安全性、それから運輸省は現在ある自動車の安全性、それから警察のほうは主としてドライバーの心理、適性その他の研究をいたしているわけでございまして、抽象的に申しますと、その間はダブっていないわけでございます。ただ御指摘のように、それらが完全に緊密な連絡のもとに研究が行なわれているかどうかということになりますと、まだ不十分な点があろうかと思います。今後御指摘の線に沿いまして、できれば総理府で関係省庁とよく協議いたしまして、共通のテーマを考えて、それに基づいて各研究機関がそれぞれ分担して、むだのないような研究をするという方向で努力をいたしたいと思います。
  78. 久保三郎

    ○久保委員 時間もたくさんありませんから、次に通産省にお尋ねします。  通産省は、たとえば自動車のメタルの材質、そういうものの指導というか、そういう企画については、あなたのほうでやるんですが、それとも運輸省ですか、どちらですか。
  79. 田中芳秋

    ○田中説明員 自動車部品の性能、品質を上げますことは、非常に重要なことでございますので、現在、特に重要な部品につきましては、機械工業振興臨時措置法によりまして、部品のあるべき性能、これを基本計画と申しますか、そういう形で告示をいたしまして、それに向かって品質を上げるように指導をいたしておりますが、現実にその形になっておるかということでございますが、通産省としては、個々の品目についてのチェックはいたしておりません。
  80. 久保三郎

    ○久保委員 少し声が穏やか過ぎて鼓膜に声が響きませんので、すみませんが少し……。  それでいまのお話ですと、よく聞き取れませんでわかりませんが、言うならば、そういうものはおたくのほうで指導いたします、規格をきめます。そうすると、あなたのほうできめた規格、指導したもの、指定したものによる事故というのは、いまだかってなかったでありましょうか。
  81. 田中芳秋

    ○田中説明員 品質、性能面につきましては、いま申し上げましたように、機械工業振興臨時措置法で一つの目標を出しておるわけであります。しかし、たとえばブレーキのパイプ等につきましては、JISという規格を工業技術院、通産省で定めているわけでございます。このJISという規格に合う能力なり設備を有します工場につきましては、JIS認定工場制度というのがあります。そこでつくりましたものにJIS規格をつけまして、そしてメーカーはその規格品を購入をする、こういう形になっております。  今回の例につきましては、現在調査中でございますが、今回ある社のブレーキ用のパイプに使いました部品の生産工場がJIS認定工場であるのではなかろうか、現在調査中でございますが、どうもそういうふうに考えております。
  82. 久保三郎

    ○久保委員 現在調査中だとおっしゃいますが、そうすると、たとえばJIS認定工場でつくった品物であった場合には、そのJISは再検討する必要がありますね。
  83. 田中芳秋

    ○田中説明員 今回の事故原因と申しますか、欠陥が発見されましたのは、どういうようなところに問題があるのかというような点を私どもよく調べてみたいと思いますが、現在のJISが不備であるということであれば、私どもはJISの改定をしなければならないと考えます。
  84. 久保三郎

    ○久保委員 あなたのほうでは、今回話題になっているこの種事故について、材質その他構造上の問題で、先ほどお話があった研究所にまだ研究は委託はしておりませんか。
  85. 田中芳秋

    ○田中説明員 今回問題になりました件につきましては、委託はいたしておりません。
  86. 久保三郎

    ○久保委員 委託をするつもりはありますか。
  87. 田中芳秋

    ○田中説明員 現在のところ、その状況をよく調査した上で、必要があれば機械試験所等におきまして調べてみたいと思っております。
  88. 久保三郎

    ○久保委員 いままでこういう事故は何件かあったと思うのでありますが、それは御存じなかったのでありますか。
  89. 田中芳秋

    ○田中説明員 輸出車につきましては、問題が起こっておったことは耳にしておりましたが、国内分につきましては、新聞によりまして知ったわけでございます。
  90. 久保三郎

    ○久保委員 そうしますと、これから御調査になるわけでありますが、その調査は進めてもらうことにしまして、それでは今回の事故にかんがみて、通産省は何か通達というか、業界運輸省と同じように指示をされたように伺っているのでありますが、おおよそどんなことでありますか。
  91. 田中芳秋

    ○田中説明員 本日、通産大臣がとりあえず自動車工業会会長を招致されまして、自動車の設計面あるいは品質管理、自社の最終検査等を通じまして、製造面におきまして安全性の確保に一そう留意するように、これらの検査の厳格化をはかるように要請をいたしております。  なお、国内販売車はもちろんでございますが、輸出車につきましても、このような欠陥が発見されました場合の回収あるいは整備等の体制をすみやかに整備するよう、検討を要請しておるわけでございます。  なお、私どもといたしまして、さらに趣旨の徹底をはかりますために、明日各社の社長を招致いたしまして趣旨の徹底をはかりたい、このように考えております。
  92. 久保三郎

    ○久保委員 そこで、いまお読みになった指導方針というか、これでよくわからないのは、部品の品質管理や検査のあり方について業界も云々、こうおっしゃっておりますが、これは具体的にはどんなことでございますか。
  93. 田中芳秋

    ○田中説明員 部品の購入等に際しまして、当該部品が使用しようとする車等のあれに対しまして、品質がいいかどうかという購入検査、これを厳格にやる、こういう趣旨でございます。
  94. 久保三郎

    ○久保委員 そうしますと、部品メーカーから納入するときの検査を厳重にやれ、こういうことですか。それじゃ、部品メーカーがつくってきたものの中に欠陥があったという前提でありますか、これはどうでありますか。
  95. 田中芳秋

    ○田中説明員 今回の件につきましては、私どもは調査中でございますが、そのようなこともないとは言えないと考えられますので、十分留意してもらいたい、こういう趣旨でございます。
  96. 久保三郎

    ○久保委員 それじゃ、そのことはそれでいいとして、先ほど運輸大臣は何回も、この問題について業界に対する戒めのことばのような、まことにりっぱなお話がありました。いわゆる事故車の公表について見解を述べられました。通産省としては、どういうふうな見解でありますか。
  97. 田中芳秋

    ○田中説明員 通産省といたしましても、企業のいわゆる良心的なあり方という見地から、これを制度的にメーカーが公表するというように制度化することよりは、メーカーが自発的に自主的な態度をとってほしいということを希望をいたしておるわけでございます。
  98. 久保三郎

    ○久保委員 メーカーが自主的にというお話、これは当然だと思うのですね。これはメーカーとしてのモラルであります。ところが、いままで公表できなかったのはモラルがなかったからだ、そういうふうにおとりになりませんか。
  99. 田中芳秋

    ○田中説明員 先ほど運輸大臣から、メーカーがなぜそういう態度をとるかということにつきまして、いろいろ御答弁がありましたのを承っておったのでありますが、全くそういう環境にあったということもございます。したがいまして、今後むしろメーカーとして、こういう点を割り切って良心的な形で対処してもらう、私どももそういうことを期待しておるものでございます。
  100. 久保三郎

    ○久保委員 課長さん、あなたに申し上げるのはどうかと思うけれども、いままで公表できなかったし、きょうでも、あなたがおっしゃるようなことを業界は言っていらっしゃる。新聞によりますれば、何かいやだけれども、しようがないから公表というか、ユーザーには知らせましょうとか、しかし報道機関を通じてまではやらないというのか、やりたくない、そういう考えをしておられる。当初は全然公表するというか、そういうことは一切したくないような気持ちらしかった。通産省としては、あなたのおっしっることでは、何か少しもの足りないと思うのです。自発的に公表できるものなら、報道機関を通して一般に公表しても同じじゃないですか。また、そのほうがフェアじゃないですか。業界のために、そのほうが思い切っていいんじゃないですか、どうでしょう。——首をかしげていらっしゃるけれども、私はそう思うのだけれども、通産行政としてどうです。
  101. 田中芳秋

    ○田中説明員 国内の取り締まり面等ともあわせまして、私どもといたしましては、先生の御趣旨に沿った形で指導をしてまいりたいと思います。全体の関連、運輸省のいわゆる取り締まり面との関連もございますので、運輸省ともよく協議をして指導してまいりたい、このように考えております。
  102. 久保三郎

    ○久保委員 この公表については、何かどうもすっきりしないですね。だから、やはりこれはすっきり答えられるように行政指導をするなり、それでどうでもまずいということならば、これは最後には法律的にも、やはり制裁規定を設けたもので担保する以外にないだろうというふうにも考えます。これが正しいあり方だと思う。法律的な罰則によって励行を担保するというのは、業界にとれば何か制約を加えられると言うだろうと思うのですが、やはり業界も一定のサークル、ルールの中で活動するのが当然であって、そのルールを設けられることについての反対は、私はこの際はないだろうと思うのです。だから、そういうものも一ぺん考えてみたらどうかと私は思うのであります。あなたのほうでは、そういう指導はどうですか、なさりませんか。
  103. 田中芳秋

    ○田中説明員 十分検討をさせていただきたいと存じます。
  104. 久保三郎

    ○久保委員 運輸大臣から先ほど来何べんも答弁がありましたから、別にもう一ぺん聞いたって同じような答弁だろうと思うのですが、先ほど沖本君からお話がありましたが、この通達だけでは、事態解決には十分ではないんじゃないかという気持ちがぼく自身もしております。いかに励行されるかが問題なんですね。しかも、先ほど冒頭に言ったように、不信の念がみなぎってしまっておる。いままで隠していたじゃないか、隠蔽していたじゃないかということが、まず世間にあるわけです。その不信の念がなければ、この運輸大臣通達というか、指導——これは自動車局長ですか、その依命通達でこと足りるのじゃないかと私は思うのでありますが、どうもそうじゃないので、この辺はもう少し業界を呼んで、それぞれの向きで話を聞いて、政府としても方針をきめてもらいたい、こういうふうに思うわけであります。  それからもう一つ型式証明というか、検査、これをいまやっているわけでありますが、これは一ぺん全部やり直すという気がまえはないですか。やり直してみる、全車種、全車両について——車両というのか、車種というのか、メーカー全体に対して。人手も足りないし、予算も要るということで、すぐにそういう問題にいくのではあろうと思うのだが、この際は、日本自動車工業界の今後の飛躍のためにも一ぺん洗い直して、日本国内はもちろん、世界に対しても、かくかくであるということを証明したほうが、私は災いを転じて福となすという方法じゃないかと思う。これはどうですか。
  105. 黒住忠行

    黒住政府委員 たとえば、昭和四十三年度におきまして型式指定が百三十件ございまして、相当な数でございます。それで、そのつど指示いたしておりまして、指定一件当たりでは、指示事項は一・二五件というようなことで、厳格にやっておるわけでございます。いま先生は、従来の型式指定を全部洗い直せという御趣旨でございますが、相当なボリュームでございますので、われわれといたしましては、本年度の監査におきましても、この型式指定の面の処理につきまして最重点的に審査いたしまして、全数まではいきませんけれども、重点的に抜き検査的にチェックしてみたい、かように考えております。全数につきましては、将来、態勢が完備いたした場合に実施いたしたいと思います。
  106. 久保三郎

    ○久保委員 運輸大臣、私はこの際、予算や人員の問題もあろうと思うが、しようがないから、専門家による委託でもいいと思うのです。それで、これは一ぺん洗い直す必要があると思う。洗い直したほうがいいんじゃないかと私は思う。これは、ここで即答いただくような問題ではないかもしれません。局長のおっしゃるように、かなりのボリュームがあるのでありますから、これは簡単に、はいということにはいかないかもしれませんが、私はいまそういう時期にきているんじゃないかと思います。どうでしょうか。
  107. 原田憲

    原田国務大臣 これは私が答弁をするのには、ちょっと筋が違うかと思います。通産大臣お答えされるべき問題であろうと思いますが、私は現在の日本自動車産業というものは、問題においては、世界のトップに立ちつつあるというところへきておると信じておるのであります。したがって、あのアメリカにおいてさえ、毎年日本自動車輸出がふえていっておるということは、それの証拠であろうと思っております。したがって、今度のアメリカにおけるところの欠点の指摘も、向こうの制度——制度というよりも、向こうは公表するということに業者メーカー自体がやっておる。それに従って、日本メーカーがその欠点を見出したということが向こうの新聞に出たということで、日本メーカーはそれに応じた行動を私はいたしておると思うのであります。したがって、日本においても同じことをなぜやれないのか、こういうことを日本の場合には——私は前に党におったときに、そういうことを運輸省自動車局に聞いたことがある。なぜ制度的に検査制度というものをやらなければならぬのか。そうしますと、そのときには、より安全を期するためには、いまのようなそのつどやることよりも、イギリスなんかでも検査制度というものは、定期的検査制度というものを取り入れるようになっていくようでございますという答弁をいただいたことがある。したがって、やはり車の安全等を考えますときに、この制度制度としていいと私は思うのです。そこへもう一つ念を入れていくということが、より安全を期せられるであろうと思うから、今度の場合もそうしたらどうだということを業界方々に言っておるわけであります。先ほど皆さん方のほうから、これだけではだめだぞとおっしゃっておりますが、私は世界に伸びていくだけの産業を育てていくという業者ならば、それくらいの常識は持ち合わせておる、こういう見解に私は立っておるわけであります。  もう一つ、これは私から答弁する筋合いではないと思いますが、やはり各社がたくさん日本にありまして、それぞれの車をつくって競合しながら今日まできた。これはそれでよかったわけでありますが、しかしながら、自由化という問題にさらされておって、いま、久保さんも御承知のように、ある一社がアメリカと合弁で会社をこしらえようというところまできて、従来の通産省の政策とそれは異なっておるじゃないかというような問題が出てきておる。これらの問題と関連をしておることもございますので、私どもといたしましては、この際、型式一般を全部洗い直すということはなかなかむずかしい問題でございますし、今後の日本自動車産業全般のあり方ということに対応できるようによく考えていきたい、このように考えます。
  108. 久保三郎

    ○久保委員 通産省の課長さん、いまの運輸大臣の御答弁で、これは運輸省でなくて通産省というお話だが、いまのお答えをお聞きになったでしょうが、大体運輸大臣お答えをあなたのほうもそのつもりでおりますか、いかがですか。
  109. 田中芳秋

    ○田中説明員 私どもといたしましても、現在の運輸大臣の御答弁と同感と申しますか、そのとおりだと考えております。
  110. 久保三郎

    ○久保委員 それでは運輸大臣の御答弁を持ち帰って、通産大臣によく言って、そのあと返事をこの委員会にください。そうでないと、あなただけでも一あなたが直接の責任者でありましょうけれども、やはり国会は大臣ことばを一番大事にすることになっていますから、よろしゅうございますか。  それから、次にはタイヤの問題であります。  いままでは車両構造というと、エンジン部分その他そういうものを中心に、いま問題が起きたのはそれなんですね。タイヤはどうなんだというのですが、これに対しては絶対に問題はないのか。これの、いわゆる検査というか、そういうものはどういうふうになっているのだろうか、これをひとつお尋ねしたい。
  111. 黒住忠行

    黒住政府委員 車両検査にタイヤもついておるわけでございますが、一応、車両検査のときには車体構造等を主として見るわけでございまして、外観上タイヤが何か故障でもあるということを発見されますと整備いたしますけれども、一般的にはタイヤの検査は、あとでも交換するわけでございますので、車両検査におきます重点事項ではございません。
  112. 久保三郎

    ○久保委員 通産省に一あなたのところはタイヤも所管ですか、違いますか。
  113. 田中芳秋

    ○田中説明員 タイヤは通産省生産所管しておりますが、なおこまかく申し上げますと、私どもの省の化学工業局の所管になっておるわけでございます。
  114. 久保三郎

    ○久保委員 大臣役所というのは、何というか、おもしろいですね。タイヤは別な所なんです。足のほうは別なところで、頭のほうはこっちのところだ。同じ役所の中でいろいろ分かれているわけですね。それはそれなりに——同じ局じゃないのですね。同じ局じゃないでしょう、違う局でしょう。
  115. 田中芳秋

    ○田中説明員 局は異なっておるわけでございます。
  116. 久保三郎

    ○久保委員 そういうところにも問題はあるけれども、いずれにしても、タイヤについては、最近、速度と路面との問題が出てまいりました。そこで、いま局長からの御答弁では何かよくわかりませんでしたが、満足のようなお話なんですが、これは満足でありますか。検査はもう少し徹底してやらぬと、速度とタイヤ、これはやはり重要な問題になってくると思うのですよ。これはどうです。
  117. 黒住忠行

    黒住政府委員 タイヤは、いわゆるJISマーク表示品であるかどうかということを見るわけでありますが、JISマーク表示品であって、その場合に成規の大きさ——その車に対して成規の大きさのものであるかどうか、外観から見て傷がないかどうかということを見ているわけでございます。しかしながら、最近におきますように、特に高速走行の場合には、タイヤの不良によりますところのものが相当数ございまして、先般の調査におきましても、不良なものの中でタイヤが三九%占めておるような状況にございますから、タイヤに対します整備方法、そして検査方法等につきましては、今後技術的に至急研究を要する点であると思っております。
  118. 久保三郎

    ○久保委員 しかも、これはメーカーはそんなにたくさんないわけですね。だから、これはもう少し的確に指導をしなければならぬだろうと私らは思うのですよ。これは通産省も担当のところが来ておりませんから、あなた、帰ったらこの次には局長が来て——大臣が来たほうがいいと思いますが、適切な答弁ができるように、ひとつ持ち帰っていただきたい。  なお、運輸省は、いま局長からの御答弁で、至急にやらなければいかぬということでありますから、それを了承します。  そこでこれは、委員長にこの問題に関連して提言をするのでありますが、理事会でひとつ御紹介いただきたいのでありますが、いま道路運送車両法の改正で、法律そのものの審議もされながら、幸か不幸かわかりませんが、この道路運送車両法に関連する問題が大きな問題になってきている。国会ではもう一当たりというか、二当たりも全部ここで運輸大臣以下御質疑を願ってお話しをしたのでありますが、まだなかなか問題は残っていると思うのです。  そこで特に業界メーカーあるいはユーザー代表、あるいは第三者的な方々、報道機関を代表するような人、何人かここへ参考人としてお呼びいただいて、これを機会にこの問題の扱いというか、処理のしかたについて、国会は国会として一ぺん検討してみる必要がありはしないかと思うので、ぜひ理事会でお取り上げをいただいて、できますれば次の機会にでもそういうものをやっていただいたらと、こういうふうに思いますので、いかがでしょう。お取り上げいただきたいと思います。
  119. 細田吉藏

    ○細田委員長代理 委員長としてお答え申し上げます。  ただいまの点につきましては、理事の皆さま方と相談をいたしましてきめることにいたします。
  120. 久保三郎

    ○久保委員 よろしく。  そこで時間も来ましたから、最後に一点だけお尋ねしたいのは、東名高速が開通して、それぞれきょうから東名を走る長距離高速バスが営業を開始することになっているわけであります。もちろん、これを走る一般自動車についての安全基準というか、これはやはりあらためて見直す必要があるので、これについては、それぞれ手配をされていることと思いますが、先般、道路については何か多少問題があって、手直しをしたということであります。それ以外にも、車両についても問題があろうかと思うのです。  そこで、特にこういう高速道路を走る車についての保安基準については、新しい基準を出すのかどうか。  それからもう一つは、特に大量に運ぶところのバス、乗り合い自動車については、マイカーの乗っている車以上に安全を確保しなければならぬと思うのです。聞くところによれば、きょう営業開始をする国鉄や東名急行は、それぞれ近代的な安全装置を持った、たとえばタイヤにしてもチューブレス、いわゆるチューブのない車を使うのだそうでありますが、一般の車はそういうわけにはまいらぬようであります。しかしながら、特にこの東名が開通いたしますれば、観光バスがかなり入ってくると思うのですね。そうしますと、運行については、これは営業形態は観光バスだが、東名を走る高速バスと同じ形、あるいはそれ以上の形で走るわけですね。そうなりますと、構造上については、残念ながら東京都内を走っている普通の観光バスというか、貸し切りバスがそのまま東名に入っていくという場合には、必ずしもこれは安全ではないのではないかというふうに思うわけです。だから、これについてはどういう指導をされるのか。タイヤ一つとってみても、きょうから走るバスと違ってチューブのあるタイヤである。もちろん、検査その他に手抜かりはないと思うのだが、同じ条件のところを、違った、いわゆる安全基準からいけば下回った車が、同じ形態で走ることにも問題がありはしないかというふうに思うのでありますが、これはどういうふうになりますか。路線定期は二つしかできません。ただし、観光バスは自由に入れる。これについてどういう考えをしておりますか。
  121. 黒住忠行

    黒住政府委員 この高速の保安対策は、車両構造面と運行管理面、両方から考えなければならぬと思います。車両構造面の全体につきましては、昨年、座席ベルト使用、点滅表示等の安全規制を強化いたしましたが、近日中に高速時のブレーキの安全性、あるいはガラスの破損時の運転者の視野確保等につきまして、保安基準の改正を実施いたしたいと思っております。  それから高速走行点検要領というのを昨年の十月に制定いたしまして、特に重要な項目にわたっておりますけれども、タイヤの三項目、エンジンの三項目、ブレーキの六項目、ハンドルの二項目というように、特にこれらの重要な点につきまして、特別の点検を高速走行の場合にやるように指導をしております。  それからさらに、今回の国鉄バス、東名急行バスにつきましては、ブレーキの面、それから運転席の操作機器、計器表示−の改良等、運転席の視野の確保、エンジンルーム防火対策、チューブレスタイヤ、あるいは全自動ワンマン設備等の点につきまして、特別のものをやっております。  それから運行管理の面につきましては、この東名高速道路による路線バスにつきましては、運行開始の面で、国鉄も東名急行バスも十分な準備をいたしておりまして、運転手も老練な、事故のない運転手を配置しておるようでございますが、今後も事故がないように、適切な措置を講ずるように指導していきたいと思います。  それから、いま御指摘がありましたが、一般の貸し切りバスにつきましては、全国各地から東名高速に相当まいると思うわけでございまして、それにつきましては、事前に高速時運転に対する教育訓練を十分やり、特に同じ会社の車が数台でキャラバン的にまいりました場合、とかく車間距離を短くする傾向があるようでありまして、これらにつきましては、厳に車間距離を守ることを強く指導していきたいと思います。  それから、高速運転ということになりますと、従来とは違った運行管理指導ということが重要でございますから、せっかく東京、名古屋、大阪、福岡に運行管理センターというものを設置いたしましたので、運転者の適性に即応したような指導ということで、特に高速走行につきましては、それに適するように、われわれとしても強く指導していきたいと思っております。  要するに、路線バスにしろ、高速貸し切りバスにしろ、多数のお客を高速でもって運ぶわけでございますから、従来のような観念ではいけないわけでございまして、一段の注意をするように、特段の指導をしてまいりたいと思っております。
  122. 久保三郎

    ○久保委員 いずれにしても、東名はこれからの問題だろうと思うのでありまして、十分な配置が必要だし、これは単に運輸省ばかりでなくて、通産省、警察庁——建設省もそうだ。ぜひ注目をして、安全を確保するようにお願いしたいと思います。  以上で終わります。
  123. 細田吉藏

    ○細田委員長代理 野間千代三君。
  124. 野間千代三

    ○野間委員 初めに自動車局長にお尋ねをいたしますが、全国の陸運事務所に勤務されておる登録課の定数、それから検査業務につくべき整備課、車両課の定数、これはお役所ですから、定員があると思います。それと、現在配置をされておる人員ですね。まずその定数と現在の人員についてお答えをいただきたいと思います。
  125. 黒住忠行

    黒住政府委員 昭和四十四年度におきましては、検査要員が八百十二名、それから登録要員が八百九十六名、管理要員が二百四十三名でございまして、合計千九百五十一名でございます。それに、別に賃金三十五名がおりますが、欠員は全部合計いたしまして大体十名前後でございます。
  126. 野間千代三

    ○野間委員 それは局長、たとえば整備課あるいは車両課、つまり検査業務についている者は、事務系統の職員も入れてでしょうね。
  127. 黒住忠行

    黒住政府委員 いま申しましたのは、自動車検査登録特別会計の人間が千九百五十一名でございまして、そのほか一般会計の者がございますが、特に車検登録の特別の仕事をしております者は特別会計でございますので、それについて申し上げたわけでございます。
  128. 野間千代三

    ○野間委員 それはわかりました。  その次に、現在事務系統あるいは管理職員を除いて、直接、登録あるいは検査業務についている職員はどういうことになっていますか。
  129. 黒住忠行

    黒住政府委員 検査関係では八百十二名で、別に賃金十八名がございます。それから登録要員が八百九十六名で、別に賃金十七名がございます。
  130. 野間千代三

    ○野間委員 そうすると、それは現在の車両台数、検車台数との関係で十分なんですか。
  131. 黒住忠行

    黒住政府委員 たとえば自動車の保有台数は、三十七年と四十四年を比べますと、三十七年度を一〇〇といたしましたものに対して、四十四年度が三三六でございます。定員は三十七年度を一〇〇といたしましたものが、先ほど申し上げました千九百五十一人が二二六%でございまして、車両数の延べに比較いたしました場合においては、定員よりは必ずしもマッチはしていないのでございますが、いろんな面の合理化の努力、職員の努力等によりまして、この仕事をさばいておるわけでございますが、非常に繁忙のうちに仕事をやっておるわけでございます。
  132. 野間千代三

    ○野間委員 少し数字をいただきましたけれどもも、実際の問題では、いま局長の言われるようにに、車両の台数は、法が施行されてそれが改正になったことを基準に、その年、三十七年を基準にしても約三倍以上に増加をしている。しかし、人員のほうは大体一・六倍ぐらいしか増加をしていないという実情なんであります。それが一つ。  したがって、今度の改正によって機械化をされて、それが考え方では機械化をされるので、人員のほうはそう楽になるというふうな言い方でおられますけれども、(加藤(六)委員「楽にはならぬよ」と呼ぶ)いま加藤君が言うように、これは楽にならないのが実態なんですね。したがって、要員に対するこれからの計画を少し明らかにしてもらいたい。
  133. 黒住忠行

    黒住政府委員 ただいま申し上げましたような状況でございまして、自動車のふえ方はますます盛んでございます。四十六年度からコンピューター・システムを全面的に実施する予定でございますが、車両検査関係につきましては、コンピューター・システムでは事務的整理はある程度できますけれども、検査自体は人間が行なうわけでございます。  また、登録につきましても、原薄の持ち出し、あるいは統計等につきましては、機械がやってくれますけれども、必ずしも全部機械でやるわけではございませんので、仕事のふえ方につきましては、人員を要するわけでございます。それで四十五年度につきましては、まだコンピューター・システムも年度の終わりごろにならしの一部をやるわけてございますので、車検と登録と合計いたしまして、また、指定整備工場監督というふうなことも重要でございますので、三百人前後の増員を要求する必要があり、それを確保する必要があるんではないかと思っております。それから四十六年度は約六十人ないし六十二人、四十七年度で四十四人、四十八年度三十五人というふうに事務的には計画いたしておりますが、また、その後におきましては、コンピューターができましても、自動車のふえ方は旺盛でございますので、さらに増員を要すると思いますが、一応四十八年度まで、ただいま申し上げましたような数字をもって仕事をやりたいというふうに考えております。
  134. 野間千代三

    ○野間委員 この四十四年度に要求をした人員があります。その四十四年度に要求されたのは、いまの計画をしているコンピューターとは関係があるんですか、ないのですか。
  135. 黒住忠行

    黒住政府委員 四十四年度は登録車検のうち、実際の仕事はほとんどございませんが、ただ中央におきまして、このコンピューター・システムの準備その他の関係の仕事が若干あります。しかし、大部分の仕事は四十六年度から始まりますので、四十四年度ではその一部でございます。
  136. 野間千代三

    ○野間委員 ちょっと質問をはしょりますが、四十四年度に要求をされたのは、つまり車がうんとふえ出したのですね。それとコンピューターの準備という点です。これは要求をされたのは何名で、実際に大蔵省との話がついたのは何名ですか。
  137. 黒住忠行

    黒住政府委員 車検登録等の関係の人員要求は二百五名でございます。それに対しまして定員が六十五名と、それから賃金が三十五名、合計いたしまして百人が提出されております。
  138. 野間千代三

    ○野間委員 二百五名要求されて百名の増員になったという実態ですね。それはわかりました。  それから一つ例にとるのですが、車検業務をする場合に、一コース何名というふうに大体基準をきめていますね。資料によると、運輸省のほうの考え方としては、二コース当たり検査要員を七名として、その能力を二百両というふうにしておるわけですね。これは間違いありませんか。
  139. 黒住忠行

    黒住政府委員 昭和四十二年度におきましては、二コース一日二百両を基準として考えておりましたが、その後、標準的な自動車、特に小型四輪乗用車の増加、検査機器の改善等によりまして、二コース当たりの所要時間の減少によりまして、四十四年度におきましては、二コース、一日二百四十両ということを基準として考えております。
  140. 野間千代三

    ○野間委員 人員は何名、二コース七名ですか。
  141. 黒住忠行

    黒住政府委員 二コース七名とりたいところでございますが、七名を少し切りまして、ワンコース三・一人くらいでございます。
  142. 野間千代三

    ○野間委員 ここが問題なんですね。いま局長の言われるように、検査業務なり機器の整備があって、多少のあれがあるでしょうが、一方、自動車の増加が非常に大きいということ、いまやっておるのは大体一コース当たり三人ぐらいで百二十人でしょう。ここに相当無理があると思うのです。したがって、四十二年度ごろに実施しておった二コース七人、二百両、多少ふえるにしても、コース当たりの人員は確保する必要があるのじゃないかと思うのですが、これはいかがですか。
  143. 黒住忠行

    黒住政府委員 一コース三・一人という、ふうになっておりますが、その点ひとつ能率的に仕事をやっていくようにしたいと思います。
  144. 野間千代三

    ○野間委員 ちょっと、もう一回……。
  145. 黒住忠行

    黒住政府委員 検査機械等整備する、それから職場環境等をよくいたしまして、仕事の流れをやりやすいようにするということによりまして、対処していきたいと思っておりますが、大体一コース三名強ということに相なるんじゃないか。三・五名になりますと七人でございますけれども、まあ三名強ということで、機械化その他合理化によりまして自動化コース等を採用しておりますが、そういう方法によって対処していきたい。
  146. 野間千代三

    ○野間委員 だいぶ微妙な答えなのですが、これは要員上たいへん無理がある。要求をして、それが通らぬところに、おたくの苦労があるんじゃないかと思うのですね。それはよくわかるのですが、やはりこれは、いま欠陥車などで問題があるように、自動車の安全ということできわめて重要な問題なので、これはぜひ二コース当たり七名というこの要員について確保すべきじゃないかというふうに思うのです。ですから、これはひとつ一段の御努力をいただきたいというふうに思います。  そういう関係が、たとえば登録業務のほうにしても、あるいは検査業務のほうにしても、部外協力者というところであらわれてきているんじゃないかと思うのです。この機会に、おたくのほうでつかんでいる部外協力者の数をちょっと発表してもらいたいと思います。
  147. 黒住忠行

    黒住政府委員 部外協力者といいますのは、どの程度をもって部外協力者というかという点につきましては、問題はあるかと思います。といいますのは、登録等を収集いたしますために参っている者がございます。それから、たとえば自販連の販売統計作成というようなこと、それから中古車の不正届け出を防止するというようなことで全軽協、これは返納確認のためというふうな点、あるいは府県からも自動車税の徴収をするために参っております。それらの人が自分らの仕事にプラスして、若干部外協力者として役所の忙しい仕事の窓口事務であるとかいう点等で協力していただいておるというふうなことがあるかと思いまして、結局、各事務所当たり数名はこういう人があるのではないかと思いますが、厳格に何名ということは、若干申し上げかねるのではないか、大体一事務所当たりで数名、そういう人の援助を受けておるというふうに聞いております。
  148. 野間千代三

    ○野間委員 局長さんのほうの答えはそうであろうと思いますが、実情をぼくらのほうで調べてみると、必ずしもそうでない。しかし、ぼくらのほうでも、その人がやっている仕事については、必ずしも正確でないので、いま数字を申し上げることは差し控えますけれども、こういうあり方は、これは運輸省でも考えておられると思いますが、必ずしもいいことではないというふうに思うのですね。  そこで、最初に申し上げた要員の問題についても、たとえば登録業務についても、あるいは車検の業務についても、十分ではないわけであります。十分でない長年の間の欠陥が、こういう形にあらわれてくるということになるのだろうと思うのですね。したがって、コンピューターに入る前提として、現在足りない部分についてきちっと充足をして、そうして部外協力者という実情についても、できればきちんと解消をして、それからコンピューターに入っていくというふうにすべきじゃないかと思うのですね。そういう意味で私の申し上げたいのは、現在の職員についてまずきちっと充足をして、その中で部外協力者も解消をして、それから入るのであれば、コンピューターに入っていくというふうにすべきじゃないかと思うのです。これはどういうお考えですか。
  149. 黒住忠行

    黒住政府委員 先生が御指摘のとおりでございまして、必要な人員を確保して、そしてコンピューターに入っていく。ただ、われわれといたしましても、非常にふえている自動車に対する仕事でございますから、必要人数の確保はもちろん必要でございますけれども、機械化その他の合理化の方法、あるいは指定整備工場の活用等によりまして、総合的にふえていく仕事に対処をしていきたい。ただ人員の面につきましては、やはり役所としてどうしても業務としてやらなければならぬ仕事が絶対量としてあるわけでございますから、その面の確保につきましては、今後も不断の努力をしていきたいと思っております。
  150. 野間千代三

    ○野間委員 それでは、その面は一応そのお答えでとどめておくことにいたします。  第三番目に、今度このコンピューターに入っていく場合に、計画によると、先ほど局長がちょっと言われましたように、まず四十五年度には習志野支所から始まり、あと陸運事務所五十二、支所十三、出張所二、それと中央のセンターというように計画をされるわけです。しかし、一度にいま一千万台に及ぶ車が一斉にコンピューターに入るわけじゃないのですね。そういう関係で相当の期間は、一方ではコンピューター装置に入り、一方では現在の登録業務が続いているという形になるわけです。しかもコンピューターに入る場合でも、先ほど局長の言うように、必ずしも全部が全部仕事が減るということでもないという実態ですから、したがって、当分の間は相当人員を増加しなければならぬという傾向になるのじゃないかというふうに思うのですが、その辺はどういうふうにお考えですか。
  151. 黒住忠行

    黒住政府委員 いま先生御指摘のように、千葉の習志野を四十五年三月に始めまして、六月には東京陸運局、また、十月には名古屋、大阪というふうにやりまして、四十六年の四月に全国の業務を開始する予定でございます。旧来の原簿をこの情報処理組織に移行いたしますためには、四十八年の四月までかかりますので、その間はやはり並行をいたすわけでございます。  そういう仕事の内容を勘案しつつ、四十五年度からの人員の要求を考えているわけでございますが、四十五年度につきましては先ほど申し上げましたが、四十四年度の登録につきましては、九百十三人に対しまして千二十八人にする必要があるのではないかと思っております。当初の間では、約三%程度の労力節約ができるわけでございますが、将来これを全部実施いたします場合に、最終的には約三六%ぐらいの労力の節約はできると思います。そういう数字を、段階的でございますので、段階的に講じて人員の要求もしていきたい、呼応していきたい、そういうふうに考えております。
  152. 野間千代三

    ○野間委員 一方では、コンピューターの導入によって業務の多少の簡素化ができる。しかし、その減り方と、一方ではまだ急速に車のふえる可能性があるという実態にありますね、そのかね合いはどういう考えですか。
  153. 黒住忠行

    黒住政府委員 車検登録関係は積み上げ計算でございまして、自動車のふえ方につきましては、従来から自動車局で実績によりまして将来の推定をいたしております。その狂いはほとんどございません。その推定の数字、事務量によりまして判断をしているわけでございますが、四十六年度から四十八年度までは電子化率の伸長に伴い、事務要員を審査要員に充てることによりまして業務量増をある程度カバーしていきたい、すなわち事務的な仕事がある程度コンピューターによって省略できるわけでございますから、それを審査するほうに振り向けたい、こういうふうに考えております。  それで四十九年度ごろになりますと、さらに現在の事務所、支所の数以上に端末の機械の数をふやさなければならぬということと、それから仕事量が相当ふえてまいろうかと思いますので、そのときには仕事量に応じた増員が必要になってくる、それまではコンピューターを導入することによりまして、事務要員を審査要員のほうにある程度振り向けていく、かように考えております。
  154. 野間千代三

    ○野間委員 それは局部的な問題で、全体の傾向としては、当分の間、機械のほうと現行どおりの業務が並列的に行なわれる。一方、機械のほうがふえる割合と、それによって多少簡略化される割合と、車両のふえることによって生じてくる業務の増加、その関連が問題になると思うのですよ。それはなかなか推定しにくいと思うのですけれども、そういう関係で、むしろ要員のほうは当分ふえなければならぬというふうに思うのですね。これは資料によると、自動車局でもそういうふうに考えていらっしゃるようです。したがって、その分の、いま局長の言われるように、一部の要員は配転なり業務を変えることによって消化ができるでしょうが、それ以上に相当ふえる分が出てくるのじゃないかというふうに思うのです。それは試算はされているのですか。
  155. 黒住忠行

    黒住政府委員 それと、それからいわゆる整備指定工場、今度の法律改定等によりまして指定整備工場をふやすが、これの監督要員というものは、現在手薄でございますので、それの人の増員を要します。それの合計をいたしまして、冒頭に申し上げましたように、四十五年度では約三百人ぐらいの増員を予定しております。といいますのは、コンピューターも習志野で稼働するだけでございまして、ほとんどまだ稼働いたしませんので、従来のペース、たとえば、これは昨年の要求に比較した数字は、昨年は二百五名でございますが、それに相当する三百名は必要ではないか。四十六年度になりますとコンピューターが稼働いたしますので、そのときには、先ほど申し上げましたように、事務要員を審査要員のほうに張り向けることは可能でございますから、合計いたしまして六十名前後の増員ということで対処できるのではないか、かように考えております。
  156. 野間千代三

    ○野間委員 そうすると、先ほどお答えになった四十五年に三百名、四十六年に六十名、四十七年に四十四名ですか、これはその考えが入っているわけですね。——わかりました。それではこの数によって、いま私が言ったような傾向線に対応できるかどうかという点については、まだぼくらのほうでも検討してみたいと思いますが、問題は、いままで、たとえば四十四年に二百五名要求をして、百名になっているわけですね。したがって、機械が入ることが予定をされ、逐次実施をされている中で、大蔵省との関係がなかなかむずかしい事情になりはしないかというふうに思われるのですが、この計画は運輸省だけの計画ですか、大蔵省とはもうすでに協議が済んでいるのですか。
  157. 黒住忠行

    黒住政府委員 コンピューター導入という点につきまして、これの事業計画等は大蔵省と話がついております。これの財源は、御承知車検登録特別会計でございます。しかし、その中で人間をどういうふうにしていくかという数字的なものにつきましては、まだこれからの折衝でございます。
  158. 野間千代三

    ○野間委員 そうだろうと思います。それで私どもが心配をいたしますのは、いま御存じのように、自動車の安全について世論においても相当大きな関心事となり、われわれ国会筋でも今後十分に検討もしながら、かつ監視をされている運輸省としても、今後十分な体制をつくらなければならぬのじゃないかというふうに思うのです。したがって、そういう意味で、特に車検業務を担当される職員の質の向上なり、あるいは要員の充足なりは、きわめて重要な問題だというふうに思うのです。  そこで大臣、いま局長の言われるような実情で、要員を獲得をしていくことは非常にむずかしい事情もあるのじゃないかというふうに思うのです。これは一にかかって大臣の手腕と言っちゃ失礼ですが、責任になると思うのですが、これはいかがでしょう。
  159. 原田憲

    原田国務大臣 この問題につきましては、先般あなたの同僚の米田さんにもお答えをいたしたのでありますが、非常に自動車台数がふえてまいりますので、自動車検査登録事務が増加の一途をたどっておる。これに対処するために人のほうもふえてくれたらいいのですが、人は就労人口がだんだん減ってくる、こういう状況にありますので、万全を期するために、どうしても電子情報処理組織というものを入れなければ対応できない、こういうことから、今回のこの法案の審議をお願いいたしておるのでございますが、しかし、いまも質疑応答の中に、私も聞かしてもらっておりますが、人というものは全然要らぬのではない・人というものはやはり要る。しかも、これは計画にのっとってやってきておりますので、これだけの人はどうしても要るという人員でございますから、私も全力をあげて要員の確保ということには対処をいたすということを重ねてお答えを申し上げます。
  160. 野間千代三

    ○野間委員 それでは要員の問題はなお多少問題があるのですが、大まかにいま大臣お答えのようなことを基礎にして、今後対処していただきたいというふうに思います。  次に、検査業務の民間委託の問題なんですが、資料によると、四十四年度まででも、民間に委託されているのが一九%ぐらいずつふえているというふうになっていますね。これは運輸省の資料だろうと思うのですが、四十八年に総数一万六千八百二十件になる。民間委託と国で行なう検査の業務量の予想図が出ておりますが、これは、おたくのほうもつくっていますね。それでまいりますと、昭和四十八年には総数の七〇%ぐらいが民間に移るということに予定しておるわけですか。
  161. 黒住忠行

    黒住政府委員 四十八年度の検査件数九百七十九万件に対しまして六百八十九万件、すなわち七〇%でございます。
  162. 野間千代三

    ○野間委員 お答えのように、四十四年度までにも相当な件数になっているわけですね、割合としては。四十四年度の総数が、これは単位はどうなっているのですか、五百二十八万ですね。
  163. 黒住忠行

    黒住政府委員 そうです。
  164. 野間千代三

    ○野間委員 この四十四年度を少し言ってくれませんか、割合を。
  165. 黒住忠行

    黒住政府委員 四十四年度は一九%でございます。すなわち、国の行なう継続検査が四百二十八万件、それから民間整備工場の行なう継続検査が百万件でございます。それで継続検査の一九%を民間でやるというわけでございます。
  166. 野間千代三

    ○野間委員 そうすると、四十八年度にはそれが民間が七〇%になり、国のほうが三〇%になるということですが、そうですね。
  167. 黒住忠行

    黒住政府委員 さようでございます。継続検査についてのことでございます。
  168. 野間千代三

    ○野間委員 そうすると、ことし劇たりから四十八年あたりまでのうちに、急速に民間に対する委託が増加をするということですね。  そこで、そうなると、民間の指定工場、あるいは今後認定工場指定工場が下請をさせるという傾向がありますね。指定工場が認定工場に車検業務を委託をする、委託というのですか、下請ですか、そういうことになりますね。そうなってくると、当然国で行なう業務が、指定工場だけでなくて、実際の業務が指定工場以外の工場にも移っていくということになるのじゃないですか、その辺はどうなっているのですか。
  169. 黒住忠行

    黒住政府委員 これは指定整備工場が全責任をもって整備をし、検査をするわけでございまして、若干のこまかい仕事につきましては、下請というふうなことがあるかと思いますが、要するに指定工場整備をいたしまして、そして自分のほうで、検査員で検査をするという、全責任指定整備工場にあるわけでございます。
  170. 野間千代三

    ○野間委員 四十三年八月一日にお出しになった「指定自動車整備事業制度の活用による自動車検査の合理化について」という依命通達がありますね。それによると、民間車検の能力を拡大をするということで、指定工場が、未指定の一種、二種の整備工場指定整備作業全般を委託することを認めているのじゃないですか。
  171. 堀山健

    ○堀山説明員 認定工場には一種と二種とがございまして、その中から指定工場というものがきめられるわけでございます。それで特に二種でございますが、その二種の工場の中で、二種の認定を受けますと、その工場指定工場から仕事の一部を外注を受けることができるということになっております。その責任の範囲は、先ほど局長が申しましたように、あくまでも指定工場責任において検査をし、ユーザーに渡すということになっております。
  172. 野間千代三

    ○野間委員 そうすると、それはあくまでも一部なんですか、二種の整備工場がやるのは。
  173. 堀山健

    ○掘山説明員 一種の外注でございます。
  174. 野間千代三

    ○野間委員 ですから、指定工場がやるべき業務を二種の整備工場がやるわけでしょう、かわってやるわけでしょう。そうして、ただ、その検査証などは指定工場が出す、こういう関係になるのじゃないですか。
  175. 堀山健

    ○堀山説明員 民間指定工場検査は、その指定工場検査員がすることになっております。こ  の検査員は 陸運局長指定を受けて検査を受けたものがするわけでございます。その完成検査を終わりますと、保安基準適合証というものを発行することができるわけでございます。その保安基準適合証を陸運事務所に持っていきますと、書面審査で自動車検査証の書きかえをするということになっております。
  176. 野間千代三

    ○野間委員 いずれにしても、この認定工場指定工場にかわって整備を行なうということは変わりないのですね、実態はそうですね。それが今後、今度のコンピューター導入等、先ほど局長の言われたようなことで、そういうケースがふえてくる、民間委託をすることがふえてくるということですね。したがって、いま私が言ったようなことが急速に増加をしてくる。継続業務の場合には九〇%に伸びるという実態でしょう。そこで、そういうことになってきますと、したがって、工場に対する監督ということが相当重要な問題になってきはしないかというように思うのですね。そうでないと、車両の安全が確保されてこないということになってまいりますから、そこでそういう民間工場に対する監督の業務については、万全を期されているのかどうかということが問題になると思うのですね、これはいかがなんですか。
  177. 黒住忠行

    黒住政府委員 整備工場は非常に重要な仕事をやるわけで、特に指定でありますと、おっしっるとおりでございます。したがいまして、指定のときに厳重なる審査を行なう。これは指定の基準がございまして、それは施設あるいは人的の点等、しかもそれは優良自動車整備業者でなくてはならないわけでございまして、機械器具等も、国が行ないます車検と同じような機械器具を整備する、そしてまた、検査員につきましては、その資格として、一定の資格を持っている者でなくてはならないというふうなことで指定をするわけでございます。指定したこの仕事につきましては、監査、検査を確実に厳重にやらなければならぬというようなことでございまして、この指定工場に対する監督の要員につきましては、これも先般申し上げましたように、従来では陣容不足でございますから、これの面の強化をする必要があるかと思っております。  なお、整備業者につきまして、先年、中小企業近代化促進法の指定業種となっておりますので、経営の面等におきましても、これの経営の合理化、技術の向上等につきましては、さらに指導を強化していきたいと思っております。
  178. 野間千代三

    ○野間委員 それで大臣、参議院のほうでも何か御用事があるそうなんですが、いまの自動車整備工場なんですが、運輸省の資料によると、この業務についている職員ですね、これは非常に小さい零細企業というか、中小企業というか、そういう企業が非常に多いのですね。確かに認定をする際には、いろいろ審査基準をもって審査をしておるのでしょうけれども、実態としては、非常に零細な企業が多いのであります。しかも、かつて三十四年ごろに指定工場指定整備業務の簡略などが少しあって、多少事件があったりしたのであります。そういう経過があったのでありますが、そういう関係からくると、民間工場監督を相当強化をする必要がある。特に、安全を確保する意味では、それがきわめて重要じゃないかというふうに思うのです。そういう点では、たとえば私は横浜ですが、横浜の神奈川県陸運事務所の実情を見ると、指定工場が非常に多い。これからもなお増加をしていくという実態なので、検査監督をする回数で非常に少なくなっております。実際は、年に一回ぐらいやれればいいほうじゃないかと思うのであります。したがって、これでは当然国が行なうべき業務を民間でやらせるわけですから、国が行なうと同じくらいの権威を持った工場の実態を確保していかなければならぬと思います。そういう意味では、現在の監督の実態についてはどうも不十分だというふうに思うのですが、これはどうお考えでしょうか。
  179. 原田憲

    原田国務大臣 御指摘の指定整備工場監督体制につきましては、この指定整備工場指定にあたっては、いま局長も申しておりましたように、十分厳格な能力認定を行ない、指定後は指定整備業務実施状況の立ち入り検査等を厳重に行ない、検査員について、公正かつ確実な検査を実施するよう定期的な研修を実施しておるということでありますが、しかしながら、いまあなたの御指摘の点も、今後ともより一そう指導監督してまいる所存であります。  なお、自動車整備事業につきましては、これもいま局長から申し上げましたが、中小企業近代化促進法の指定業種として、経営の合理化、技術の向上、企業構造の高度化等、その近代化をはかってきておるところでありますが、より一そうこの点についても注意をして、間違いのないように、国の事業と同じことであるというたてまえに立って監督もし、奨励もしていきたいと考えております。
  180. 細田吉藏

    ○細田委員長代理 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  181. 細田吉藏

    ○細田委員長代理 速記を起こしてください。
  182. 野間千代三

    ○野間委員 それでは時間のようですから、あと一問。  欠陥車の問題なんですが、欠陥車の問題も、確かにメーカーの商業主義から発生している問題でもあるんだけれども、これは欠陥があれば公表するとか、いま問題になっている諸般の施策をすれば、こういう問題は一応解決ができるというか、解決の方向に進み得るというふうには考えられるのですが、いま法律で問題になっている検査業務ですね。検査業務の中で、これを今回の経験を生かして、もう少し充実するなり、あるいは運輸省のほうで研究所もあることですから、研究所で研究をしておいて、それを参考にして検査をするなり、そういう検査という系統の中で今回のようなことを排除をしていく、事前に防止をしていく、事前に防止ができれば、それは直ちに運輸省からメーカーのほうに通知をするということも、理屈の上では可能なような気がするのです。したがって、今後そういうことを検査業務の中に十分に織り込んで、欠陥車の排除に一役をになっていくということが可能ではないかと思うのですが、この点はいかがでしょうか。
  183. 黒住忠行

    黒住政府委員 やはり車体欠陥事故が起きました場合に、直ちにそれに即応するというようなための専門的な知識をもっている、いわゆる専門官的なものの配置が陸運局なり陸運事務所で必要ではないかと思います。それでそれを充実すると同時に、本省でもやはり専門的な人を養成する、さらに、ふだんから研究所におって、そういう研究をしていくということが必要であるかと思います。  それから、検査のときにいまのような点を指摘できるかどうかという御説でございますが、一応、検査の場合には保安基準に適合するかどうかということで、これはおおむね継続検査でございますから、やはり車体欠陥等につきましては、当初の型式検査のときに十分見ると同時に、あと事故が起きました場合におきましては、先ほど申し上げましたような点と公表の措置等によりまして、それを排除していきたい。  それから保安基準自体は、研究所の研究の結果を十分反映した保安基準ということでございます。したがいまして、検査のときに車体構造の欠陥を発見するということは、まあ原則としては考えられないのではないか。むしろ原則は、事故が起きました場合の発見、それから事業者の、メーカーのほうで発見したものをいわゆる役所に届け出いたしまして、改善を承認を受けるというのが本来の筋かと思います。
  184. 野間千代三

    ○野間委員 それはまあ、なかなかむずかしい問題とは思うのですね。それでそういう意味で、そういうことになってくると、いま問題のように、結局は業界なりの良心的なやり方ですね、そういうことでないと、なかなかむずかしいということなんですが、ただ新聞報道によると、アメリカでこういう問題が起きて、自動車安全法というのですか、そういう法律をつくって、そうして欠陥が指摘をされると直ちにその改修をする、修理を命ずる。その場合には、直ちにそれを報告をして公表をするというケースの法律ができ上がっておって、すでに実施をされているというふうにいわれているのですが、何か六六年安全法というふうにいわれているのですが、これは運輸省ではつかんでいらっしゃいますか。
  185. 黒住忠行

    黒住政府委員 一九六六年の安全法につきましては、そういう法律があることは承知しておりますが、公表につきまして義務づけという規定があるという点につきましては、それは承知いたしておりません。アメリカにおきましては、やはりメーカーのほうの自主的判断によりまして公表を行なっておるというふうに聞いております。
  186. 野間千代三

    ○野間委員 これは少し法文を調べてくれませんか。私のほうでは、修理を勧告したならば直ちにそれを公表をするというふうになっていると聞いているのですが、これは運輸省のほうでお調べいただきたいと思います。したがって、そういう意味でまいりますれば、わが国のほうでもそういう法律をつくって——まあ法律で規制をすることがいいかどうか、問題はあるでしょうけれども、法律できちっとそういう手続をつくって今回の教訓をきちっと生かしていくというふうにしてみたらどうかと思うのですが、これはいかがですか。
  187. 黒住忠行

    黒住政府委員 わが国におきましては、指定規則によりまして届け出をした場合に、今度は指定規則に規定されております要目につきましては、役所の承認を受けてこれを実施しなければならないというふうになっております。アメリカにおきましても、おそらくその構造、装置を変更した場合におきましては、役所のほうに届け出ると同時に、ユーザーのほうに通知しろというふうなところまでは規定していると思うわけでございまして、われわれといたしましては、その点については従来から役所の承認を受けるというふうになっておりますから、承認を受けます面のみならず、今度はその他の事項につきましても、届け出をするようにということに今度したわけです。  それから、さらに公表の点につきましては、役所のほうで、事、保安にかかることでございますから、積極的に公表をしていく。また、事業者のほうも、その趣旨に従って十分やっていきなさいということを通達したわけでございますので、しばらくこの通達の励行を目守っていきたい。将来につきましては、これは非常に問題の点でございますので、まあ通産省とも御相談しなければなりませんけれども、先ほどから大臣がお話がありましたように、メーカーもおそらく十分自覚していただきまして、この時代に対処していかなければならぬということで、しばらくそれを見守っていきたい、さように思っております。
  188. 野間千代三

    ○野間委員 他の役所関係の方は残っていただいて悪かったですが、実は通産省なりあるいは総理府なりで——私は、いまとりあえずは局長お答えでいいのですが、できれば将来のこともありますので、法律ができるならば法律をつくって、そしてきちっとやったほうがいいのじゃないかと思って残ってもらってたんですが、これはきょう直ちに結論も出ないでしょうから、ひとつ関係の各省庁で御相談をいただいて、将来を期してもらいたいというふうにお願いだけして、以上で終わります。どうもありがとうございました。(拍手)
  189. 細田吉藏

    ○細田委員長代理 暫時休憩いたします。    午後一時四十八分休憩      ————◇—————    午後一時五十七分開議
  190. 細田吉藏

    ○細田委員長代理 再開いたします。  この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  すなわち、ただいま審査中の道路運送車両法の一部を改正する法律案について、参考人から意見を聴取することとし、参考人の人選、日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  191. 細田吉藏

    ○細田委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。  次回は、明十一日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十八分散会