○
原田国務大臣 明確にいたしておきたいと思います。私が国会で答弁をいたしておりますように、
国鉄の運賃については、値上げもやむを得ないという立場で御審議を願って、これは成立をいたしたのであります。その際に、運賃というものは関連をするものであるが、
私鉄の運賃ほどうかという御
質問に対しまして、いわゆる中小
私鉄と申しますか、地方の問題についてはケース・バイ・ケースで解決をしていきます、大手十四社の
私鉄の問題に関しましては、極力抑制をするという姿勢を守っていきたい、こういうことを申し上げたのであります。おととい、物価安定推進
会議がありまして、その席で総理が私の申しましたことを
——これだけではございませんが、すべての問題について
発言をされましたが、特にその問題も取り上げて
発言をされておりますから、その新聞にはそういうことが大々的に見出しになって出ております。あなたのおっしゃっておるのは、ある新聞記事が出まして、その記事をもとにしたお話であると思っておりますが、私は、米が上がったならば
私鉄を上げるというようなことは申し上げておらないのであります。米の値段のことに関しましては、これは農林
大臣の所管でありまして、
運輸大臣が農林
大臣の所管にまで影響するような非
常識なことを申し上げるわけがないのでありまして、そのことを新聞記事で書かれるということは、迷惑千万であるという
発言を翌日記者会見をいたしたときにいたしておきました。その物価安定推進
会議のときに、米の値段を上げてはならぬというある
委員さんの
発言がございました。ところがそれに対して、いや、米価はやっぱり上げるべきだという
発言も二、三ございました。それほど米価という問題は重大なことであるが、総理はその中でも、やはりこの
政府がきめた米価は上げないという姿勢、方針を守っていくつもりだ、こうおっしゃっておりますから、この内閣、特に本年度、四十四年度は、物価というものに対して非常に
政府は腹を固めて、物価抑制という方針を重大な政策として取り上げておる。こういうことでありまして、米が上がったら運賃も上げるというようなことは申し上げておらないのであります。そこのところは、はっきり御了解を賜わりたいと思うのであります。
なお、その記事には事務当局と私の間にけんかが起きると言わぬばかりの解説記事がございましたが、これも迷惑千万な話でございまして、事務当局は事務当局として申請を受け付けた限りは、これを処理するための作業を国の役人としてやっていかなければならないのでございます。私は、この国会中にその問題で御
質問があったときにも常に答えておりますように、現に国会では、
国鉄問題を中心としまして、毎日のごとく衆参両院へ私は出てきておりますので、その内容がどうなっておるかは、まだ聞いてもおらないということを言っておったわけでございまして、事務当局が申請を受けて作業が終わって持ってきたならば、どういうものであるということは、私は当然
大臣として見てやらなければならない立場におるわけであります。しかし、常に申し上げておりますように、この大手
私鉄の問題は、権限は私にございますけれ
ども、この運賃をきめるときには、審議会の議を経なければならないという点が一点。もう
一つは、内閣におきまして物価に関する閣僚協というものの承認を得なければなりませんから、私の一存で大手十四社をきめるということは、不可能であるといういま内閣の制度になっておるわけであります。したがって、私は菅野
大臣とともに国会に出席をいたしましたときにも、受け取られる方にはニュアンスの違いがあると言われましたけれ
ども、当運輸
委員会でも、菅野
大臣と私の
発言が食い違いがあるじゃないかということで、
発言を菅野
大臣がいたされまして、私との間に不統一はないということを確認を願ったくらいでございます。その経済担当の菅野
大臣ほか閣僚と相談をしていかなければならない問題でございますし、特にこの四十四年度は、物価というものをよく
考えようということを
考えておるのでございますから、私は極力抑制に力を置いて対処していくという態度に間違いはございません。