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久保委員 もう時間がございませんから、たくさん申し上げられませんが、冒頭に申し上げたように、輸送革命というのは技術革命じゃなくて、体系の革命になってきているわけです。そういう際には、いろいろなところでいろいろな問題が出てくるわけですね。だから、思いつきといっては語弊があるが、
一つだけ先行したのでは、なかなかうまくいかぬと私は思うのです。やはり総合的に
制度、体制も整えながらこれをやるべきだ。ところが
運輸省自体、これから政策
審議会をつくってやろうというのですから、まあ
実態よりも一こまも二こまもおそくなっているのですね。そこへもってきて出発だというので、いろいろな
矛盾が出てきていると思うのですね。この
調整をどうするのかという問題なんです。たとえば運送取り扱い人という
制度、これは商法から始まって、たくさんの法律がございます。通運事業法もそのとおり、道路運送事業法も、あるいは航空法も、港湾事業法も、海上運送法もある。こういうふうな法律
制度だけ見ても、思い出すだけだって五つも六つもあるのですね。それでこの荷物は一貫協同運送体制というか、輸送体制、陸海を通して、あるいは陸海空を通してやっていこう、そういうさなかで、しかもこれが雑多にある。その中で
国鉄が貨物を
確保しようというのでありますから、いまお話が出たような、幾つかの網の目をくぐったような形でなければできないことになっている。だから、悪いことばで言うと、むずかしい問題はあとへ残して出ていくようなかっこうになる。こういうものについて、もう少しピッチを上げてやるべきだろうと私は思うのです。
一つは体制の
制度を確立するということは、言うならば、総合的な運送取り扱い人制というか、そういうものが必要になってきやしないか。いろいろな法律を全部一貫して。しかし、それは必ずしもある一定の業者が、一貫的な輸送を全部受け持つということではもちろんない。それから通運事業者のこれからの道は、単に
国鉄だけの荷物の積みおろしというか、そういうものだけやっていたのでは食っていけない、それは無理もないことだと思うのです。これは実際はそうだとするならば、やはり時代に合ったところの総合運送取り扱い人制か、そういうものをひとつ想定しながら転換をはかっていかなければ、これはできないと思うのですね。
それから港湾運送事業、これは港湾
局長もいらっしゃるが、港湾運送事業の集約もいまやっている。なるほど一定の集約になってきたか知らないが、いま言ったように、内航を含めての海上コンテナの問題、あるいはいまの
国鉄のコンテナ、これは聞くところによれば、大井埠頭あたりに四十七年にデポをつくるというんですね。いわゆるコンテナオペレーションをそこでやろうというのでしょう。そうなってくると、港湾運送事業はどこに介在していくのか、これは非常に問題になってきますね。しかも集約の形は、御承知かもしれぬが、無限定一種に大体集中しようというのです。そのほうが見やすくて、取り締まりというか、
行政指導もやりやすいから、これは当然だと思うのだが、それは
中身を見ますと、いわゆる荷主が資本参加という形で系列化していく傾向が出てくる。系列化していくというと、いまより以上に
運賃のいわゆるダンピングをさせられる。
運賃で締められる。この間、港湾運送の料金を改定したでしょう、改定したが、これはちっとも守られていない。トラックと同じだ、守られていない。古い
運賃です。古い
運賃も割引されている。そういうことを度外視して、一貫体制を貫き通すということは問題があると思うのですね。
これは港湾運送のことでありますが、私どもはそういう変革期に応じて、もう少し
実態を荷主サイドで考えていかないで、この場合は零細企業なんだから、もう少し企業の
あり方からも考えていくべきだ。先ほど
運輸大臣から、
運輸省の
行政は企業サイドからのみだという話がありましたが、そのきらいは確かにあります。しかしながら、そういう零細企業の問題はまた格別だと私は思うのです。そういう点について港湾
局長はどう思いますか。