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原田国務大臣 昨日、板川さんの冒頭の質問に、私はその場で、
国鉄がどういう働きをするかという
立場に立ってお答えを申したのでありますが、
自由民主党が
昭和三十五年、現在の菅野さんが
経済企画庁長官のときに、新しく
所得倍増政策というものを
昭和四十五年を目ざして打ち出したことは、
御存じのとおりであります。これが一億という
人口になる
日本の国において、
国民総
所得の場を得るということを目標に立てた
計画であったことは、
御存じのとおりであります。その後、
池田内閣に至って、これの
テンポを早めよう
——これはいま野党の諸君は何とか言っているけれども、そのときはみな言ったのです。
池田内閣になってこの
政策を発表したときには、そんな
テンポじゃだめだ、もっと早い
テンポでいかなければだめだ
——共産党だけはそう言いませんでしたけれども、そういうことで突き進んできたのです。ただそれにひずみが出てきて、これに対して何とかしなければならぬじゃないかということで
答申が行なわれ、一方では、新しく
経済社会発展計画というものが
昭和四十六年を目ざして四十年から出発すると同時に、新しい全国的な
総合開発計画というものを立てなければならぬじゃないか、こういう
答申から、いま
経済企画庁で、本年にこれを発表しようという準備をいたしておるのであります。その中で、いまあなたがおっしゃっているように、いろいろな
統計数字を
もとにはじいてみると、ハーマン・カーンという人は二十一世紀と言ったけれども、きょうあなたのおっしゃっていることは、現在の
テンポでこのままいったら、一九九二年に
日本の
国民一人一人の
所得は
世界一になるであろう、こういうことを言われておる、こういうのであります。これはあくまで、いままでの
統計数字そのままにいったということを前提としておるわけでありますから、そうなるとは言えないわけでありますが、私はそうなるように持っていきたい。いま
日本の国は、
共産社会をのけた
国民総
生産では二位になった、こういうことを言うと、それでは
国民個人の
所得は何番だ、こう言う。
日本は
人口が一億ですからね。
人口が一億で頭割りにしていけば、これは低下せざるを得ない。イギリスのように、半分でこれだけの総
生産を上げていたら、一ぺんにその倍になる。簡単に
計算すると、そういうことになるのであります。だから二十何番なんということは、
世界百三十
幾つ国があるのですから、決して低い地位じゃない。しかも、これは
為替レートで
計算しているのですからね。はたしていまの
為替レートが正しいかどうかということについても、今日
国際収支がよくなってきたら、
日本の
為替レートはドイツとともに、もっと考えなければならぬじゃないかというような議論が出てくるのであります。したがって、現在までの
政策のひずみを直し、みんな協力してやっていく
時代が来ているのじゃないか。私は党におるときから申し上げておったのです、いまは
科学技術の力で月の
世界に
人間が到達するという
時代に来ておる、それに百年前の思想を根底にした
経済的な
観念をもってしたら、それにマッチした
人間が進歩していく
社会がつくれるか。それよりも実際にわれわれが新しい観点に立って、
近代経済学が絶対とは言いませんけれども、あらゆる知恵をしぼってやっていく
時代が来ているのじゃないか。その意味で私は、今度の
昭和六十年を目ざした
全国総合開発計画というものは、一応われわれ
自由民主党が
責任を持っておる
政治の場で、
政府が出してくるという中に、これから先のあり方というものを出してくると考えております。
いまあなたのおっしゃっておる
新幹線の
問題等につきましても、その場合どうなっておるかということについて、
交通通信の新ネットワークの
整備はきわめて重要でございますから、この
新幹線の
輸送というものが、
日本列島の新しい骨格を形成することが必要であるという
見方をしておることは、私は適当なことであろうと考えます。いま
国鉄再建の、われわれがお願いをいたしておりますことも、ここに
国鉄の使命の
一つがある、こういうことを考えて、具体化していこうと考えておるわけであります。しかし、その
具体的路線延長等につきましては、今後十分に慎重に検討すべきものでございまして、
四国における
新幹線鉄道等についても、十分検討していくべき問題であると考えております。