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原田国務大臣 国鉄の本来の
使命を忘れて、失敗を
国鉄運賃というもの、それからそれらに付随する償いのようなものによってやっていこうとする、本来の
国民へのサービスというものを忘れておるじゃないか、失敗したじゃないか、こういう御
意見でございますが、私は何度も申し上げておるように、
目的は何か、国家
経済、
国民生活にいかにサービスをするか、これが
目的であって、その方法が問題である。その方法を、いまの国有
鉄道というものは、戦前のいわゆる国有
鉄道とかわり、企業性というものを取り入れた公社というものになり、能率的な
運営をすることによってその
目的を達成しようとした。こういうことであって、その点が十分発揮されなかったという御指摘に対しては、私は率直に、その面があるといわなければならぬと思うのであります。それは、数次にわたるところの問題についての掘り下げということについても、すでにいわれてきたところであります。やはり根本的に言いますと、この
国鉄というものの
運営は、まず収入は何によるか、これはやはりお客さんですね。これを利用する
人たちの払うところの
運賃で
運営をしていく、これは企業として当然の
措置であろう。ところが、これが独占をしておるときは、ここで
国鉄総裁もよく言われることでありますが、昔は独占しておって、ほかに
競争相手もないというような
状態であったから、そのもうけた金で、しかも国有
鉄道でありましたから、その当時はどんどん
地方の開発にまで手を伸ばすことができた。ところが、戦後は荒れ果てた
状態を立て直して、新しい
投資はしていかなければならぬ、それに一生懸命に
投資をしておるところで、今度は新しい構造の変化というものになってきた。そうして、戦争中に特に働く戦士のために、料金はうんと割引してサービスしなければならぬというような、公共負担ということでとられた
手段というものがそのまま引き継がれて、そして独占をしておった当時と同じように
国鉄はサービスをしいられてきた。この点については、いま
議論のあるところで、何もやってないじゃないか、いままで私は、今度はと言いましたけれ
ども、あなた方から言わせると、何を言っているのか、そんなものは、と言われるかもしれませんが、今度は再建策の中で私はその分を取り入れた、こう
考えておるのでございます。こういうこと、また、いわゆる
日本の人口が一億になる、そのうちの約四割、まあ下世話で言うと半分ですね、半分は農村にあって労働人口になってきたが、働くところはないじゃないか、一体どうしたらいいんだという大問題をかかえておったときから、現在約十年で一億が働く場を得た、人手不足になった半面すら出ておる。こういう、革命という
ことばが当たるなら、私は革命だと思っておりますが、
日本の国内で人口が何千万と移動したということは、世界の歴史に私はないと思う。そういう
状態、これがうまいこといかなかったじゃないかとおしかりを受けると、確かにそういう欠点もありますけれ
ども、確かに一億の人間が
所得の場を得ておることは間違いがないので、そういう構造の変化というものに対応できなかったということは、これは私は指摘されてもいたしかたがない。それでひとつ今度こそはこの問題を解決しようというのが、私が取り上げて御提案をしてお願いをいたしておる方法です。ただいま久保さんが御提案になっておる社会党の案というものも、私はやはり
一つの見識だと思います。それをどういう方法でやろうかという問題で、どちらをとったらよかろうかということについて、私は現在の
日本の国の
財政状況その他を勘案して、これをもって
国鉄をりっぱな働き場所として、
国民経済の中で
国鉄の果たすべき任務を果たすための
施策をやっていくのに、この方法がよりよい方法である、こういうことを
考えておるのでございまして、今後ひとつぜひ御
協力を賜わりたいと思っております。