○
和田静夫君 大臣お見えになりましたので、最初に返りますが、
けさほど
自治大臣からごあいさつがありました。で、私は、
自治大臣のごあいさつの中には、幾つかの大きな問題を含んでいると思います。労働問題の
基本については、午前中若干この委員会で述べましたので省略をいたしますが、第一に、
都道府県合併特例法案を
次期通常国会に再度提出をします、
皆さん方の御
協力を得てぜひその
成立をはかりたい
所存であります、こういうふうに言われているのでありますが、私は、
府県制度を議論する場合にどうしても欠落をしている視点というのは、
地方行政になぜ
地方自治が必要かという
基本についてであろうと実は思うのです。
地方行政がうまくいくかいかないかというのは、
地方自治のあり方いかんに私はかかっているだろうと、こう思うのです。したがって、経済交通あるいは通信が発達したから、区域が狭くななったからというような見方で行なう
府県合併の議論ほどお粗末なものは私はないと、こう思います。何か広域
行政が時代の推移であるというように受け取っている向きがたいへん多いのでありますが、もちろん
自治体相互の
協力関係は今後進めらるべきでありましょうし、また進むでありましょう。そのことと私は合併という問題とは全く
内容を異にしている、そう思うのでありまして、そのことも私ば確認し合っておきたいと、こう思うのです。問題は、憲法第八章の
地方自治の趣旨をどう考えるのか、
府県制が
地方自治の原則で
確立されたことはどういうことなのかということでなければならないと、こう思うのです。したがって、現在構想をされております合併法案について、具体的なことはどっちみち通常
国会になろうと思いますから述べませんけれ
ども、とにかく反対であるということは、明らかに、この
機会にごあいさつがありましたから意思表示をいたしておきます。
また、第二に、
地方団体に
定年制を採用する道を開きたいとされています。私は臨時
国会の冒頭にたいへんな挑戦を受けたと、こう思うのでありますが、
地方財政の
赤字対策として
定年制をしくことは、
地方自治のあり方をゆがめるばかりではありません。今日、御
承知のとおり
地方公務員の退職後の
生活保障、いや全日本の働く人たちの
生活保障というものはたいへん不十分なことであることは、大臣みずからがよく御存じだと、こう思うのであります。このような状態の中で、
地方公務員にのみ
定年制を強制する、そういうことは全くの
生活権の侵害であります。そして一方では、御存じのとおりこのことは明らかに憲法違反であります。よって絶対反対であることをこの
機会に明らかにしておきたいと思います。
第三番目に、適正な
給与制度の
確立及び運用、そして
公務能率の
向上をはかってまいりたいと、こう述べられているのでありますが、この際、やはり明らかにしておかなければならないのは、
地方公務員の給与決定の原則は、周知のとおり、
地方自治の本旨に基づいて、人事委員会を置く、そうして当局と議会が条例により給与を改定することとされているのであります。このことは、
自治体が、そこに雇用をされる
地方公務員の給与を
自治権に基づいてきめることであるということであります。国家
公務員の給与は、考慮すべき
一つの要素でありまして、これに準じなければならないという法律上の根拠はどこにもないのであります。しかも、
けさほ
ども議論があったのでありますが、
公営企業職員と単純な労務に従事する
職員の
労働関係は、御存じのとおり地公労法の適用によって、労働条件はすべて団体交渉事項とされております。いかに政府といえ
ども、干渉は許されないのであります。このことを、ごあいさつの中で述べられたそのことについて忘れずにおいていただきたいと要望をいたします。
第四に、
地方財政、税制の問題についても触れられているのでありますが、これはいま委員会を通じて若干の
質問で指摘をしたとおりであります。
とりあえず、ごあいさつについては以上のことを申し上げて、一面では猛省を促し、一面では十二分な御
努力を要請をしておきたいと、こう思うのであります。
そこで、以下二、三、具体的な問題についてさらに
質問を続行したいと思うのでありますが、まず
地方公営企業法の一部適用である病院事業の
行政指導について、この
機会にお伺いをしておきます。
自治体病院の経営について、
自治省は独立採算を
基本に
指導をされておりますが、今日の医療費体系のもとで、独立採算は困難であるとしばしば論議があったところでありますが、私もそう思うんです。独立採算を強要する結果、患者と病院に働く
労働者の犠牲をしいている、この現実について、
自治省はどのように
理解をされておりますか。